ラスト・ブレスのレビュー・感想・評価
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極めてリアルに、ストイックに描かれゆく救出劇
映画はいつも我々に見知らぬ世界を垣間見させてくれる。その意味でも本作は海底作業員という特殊な仕事、そして彼らが命がけで職務を遂行する姿に光を当てた興味の尽きない一作だ。過度な演出は抑制され、独特のリアリティを大切にしているのも当然といえば当然。本作は実際に起こった潜水事故を題材にしたドキュメンタリーを原作としており、同監督が引き続き手掛けているからこそ、驚くほど無駄のない劇映画に仕上がっている。事実の延長線上にあるかのようなディテール描写にも驚きがいっぱい。まず海に浸かる前には圧力を調整するカプセル内での生活が待っていて、チーム一丸となった閉所暮らしを経て、いざ海底へ。そこから展開する闇の世界、思いがけないトラブル、必死の救助活動・・・。主演三人が織りなす手堅いチームワークと人間模様が胸に迫る。決して派手さはないものの、そのストイックさこそが緊迫感、臨場感みなぎる映像体験をもたらしている。
潜水士の国家資格持ってます。
が 実際に働いたことは あーりーまーせーん。が
スキューバダイビングの アシスタントイントラでした。
潜水経験数は 500回以上。
ハラハラドキドキしちゃいましたよーーーん。
経験の中でも 高圧ホースが切れたり 吸おうと思ったら
レギュレーター故障で 呼吸が出来ないときは\(◎o◎)/!
全身がバクバクしてました。(-_-;)
納得が出来ないシーンがあり それは ケーブルを
引き上げようとせず 無線でガンバレとか言ってた時
「お前が引っ張り上げろよ」と 思いました。
やっぱし実話は おもしれーわさ。
シンプルだが最適解な良作
涙が溢れました。
.
感動しました。そして潜水士という命がけの仕事に感服しました。また、最後の最後まで諦めることなく命を救おうとした仲間達に心から感動しました。
但し、無酸素状態が30分続いた人間を、いくら 2~3日の圧力調整期間中は意識が正常だったからといって、脳波・血液・心電図などの精密検査を受診させないでそのまま本人に車を運転させて帰宅させるなんて、あり得るでしょうか?
He's Gone
深海でのトラブルものとなるとそりゃあワクワクしちゃうよーと思いましたし、シム・リウが出てると何故か観ちゃうので勢いそのままに鑑賞。
実話ベースという事を知らずに観たので、緊迫感は確かに感じられつつも、映画としてみると少し地味かなと思いました。
それでも命をかけた救出劇が海中でも船上でも繰り広げられていたので見応えはしっかりありました。
飽和潜水士の3人がチームで海中で潜っている最中、作業中に荒波に襲われ、クルーの1人が深海に流されてしまい、彼を助けるために奮闘するというシンプルなお話です。
割と早い段階で深海に投げ出され、地上からの助けでアームをつけたカメラで救出しようとするも難しく、ならばと同じ船内のクルーが深海に出向いて助けにいき、荒波に襲われながらも無事に助け出し、30分近く無酸素状態だったのもあって、呼吸はあるものの意識が戻らないという状態なのもヘビーな状況ですが、そこからの展開もこれが現実で起こった事なんだなと驚かされるばかりでした。
変にフィクションの深海ものを見ているので、救出し終わった後も何かあるんでしょ〜?とソワソワしていたんですが、特段変な事はなく地上に戻って終わりという、まぁ現実で起こった事をありのまま映画化したって感じなので、脚色していない点は評価したいんですが、映画として見るとやっぱ物足りないなというところに落ち着きました。
なぜ生還できたのかというところも解明はされていないながらも、後遺症もなく帰って来れたってのは凄いなと思いました。
あとリアルの3人のクルーと作品内の演者の見た目が全然違うじゃねぇか!と思わずツッコんでしまいました。
やっぱ深海映画だと超強い深海生物が襲ってくる系を観たいなと思いました。
アサイラム作品を見ろ?ほんとその通りですZ級映画界隈に戻ります。
鑑賞日 9/30
鑑賞時間 17:10〜18:55
ブロークバック・マウンテン
説明不足気味のお仕事映画で、再現度の高い伝記映画でしたね
2025.9.30 字幕 MOVIX京都
2025年のアメリカ&イギリス合作の映画(93分、G)
原作は2019年公開のドキュメンタリー『Last Breath』
2012年に実際に起きた海底事故の救出劇を描いた伝記映画
監督はアレックス・パーキンソン
脚本はミッチェル・ラフォーチュン&アレックス・パーキンソン&デビッド・ブルックス
原題の『Last Breath』は「最後の呼吸」という意味
物語の舞台は、2012年の北海近辺
スコットランドのアバディーン湾を出発し、沖合の油田施設に向かったタロン号には、パイプラインの交換をするための飽和潜水士たちが乗っていた
船は油田施設に接岸し、そこから自動制御によって、海底にあるマニホールドへと飽和潜水士を降下させる手筈となっていた
潜水士チームの責任者クレイグ(マーク・ボナー)はダイバーを3班に分け、 Aチームにクレイグの盟友ダンカン(ウディ・ハレルソン)、長年バディを務めてきたクリス(フィン・コール)、新しく加わったデイヴ(シム・リウ)を配置した
彼らは船内にある減圧ルームで過ごした後、ムーンプールと呼ばれる場所に行って、さらに体を慣れさせていく
そして、ベルというカーゴをマニホールドに向けて降下させ、そこからダイバーは目的地へと向かうことになった
海上は嵐となっていて、なんとか自動制御で位置を維持するものの、突然システムがダウンし、船は流されてしまう
マニホールドに到達していたクリスとデイブは速やかにベルに戻ることを余儀なくされたが、クリスのアンビリカル・テザーがマニホールドに引っかかってしまう
そして、船の漂流の力で切れてしまい、クリスは海底に投げ出されてしまった
一方その頃、流され続けていた船体を維持するために、船長のアンドレ(クリフ・カーティス)は副船長のハンナ(MyAnna Buring)とともに「手動制御」へと踏み切っていた
さらにダウンしたシステムを修復するために、オペレーターのマイク(Josef Altin)は配電室に向かい、DPSのシステムをメイン基盤から独立させ、再起動を試みることになったのである
映画は実話ベースの作品で、ほぼドキュメンタリーに近い印象があった
作業時間は約10分、そこから無酸素状態が30分ほど続いていたので、海底に降りてからはほぼリアルタイムで時間が流れているような感覚があった
無酸素状態になったクリスは仮死状態へと移行し、そこで快楽物質によって恍惚感を感じていたのだが、その状態が生命維持に必要な酸素量を減らし、奇跡的な結末に結びついているように思えた
映画のラストでは、ご本人が登場するのだが、クリスは実際に婚約者のモラグ(Bobby Rainsbury)がいて、その結婚式の様子がスクリーンに流されていた
そこでクリス本人によるダンカンの人工呼吸がネタにされていたが、何の後遺症もなかったから笑い話になっている、という結末を迎えている
基本的には、無酸素状態が3〜4分続くと脳に重い障害が残るとされていて、心肺停止状態になると脳への血流が止まって、10〜15秒ぐらいで意識を失ってしまう
酸素欠乏による死亡時間は、酸素濃度の低下度合いによるが、酸素濃度が8%を下回ると7〜8分で死亡し、6%以下では約6分で死に至るとされている(通常は21%で安全限界は18%)
なので、DPSが復帰した段階で生存している可能性はほぼなく、デイブが遺体の回収をすることになると言ったのは間違いではない
クリスがどうして生きていたのかはわからないが、海水温の低さ(北海の冬の海水温は6度ほど)から低体温状態となり、それによって循環不全が起こったものの、何らかの要因で生命維持機能が動いていたということになるのだろう
SFっぽい感じだとコールドスリープ状態になっていたというものだが、現代の科学でそれを再現したり検証したりするのは無理のような気がする
いずれにせよ、実話ベースなので「結末を知っているかどうか」で評価が分かれてしまうかもしれない
結局のところ、どうして助かったのかという結論がなく、奇跡的だったということなので消化不良の側面はあるのだろう
それでも、救出劇にまつわる船の操舵を含めた緊迫感は見応えのあるもので、お仕事映画としても細部まで見せてくれるのは良かった
脚色された部分はいくつかあると思うのだが、それを感じさせないほどのリアルさがあったので、盛っている部分は気にしなくても良いのではないだろうか
ドキュメンタリータッチ、映画館の暗闇推奨。
ノーマークの映画でしたが、ネットの記事を読んで、非常に興味を持ちました。
こういうジャンルは、どうしても派手な演出、どんでん返しを期待されがちですが、
この映画は、当時の映像も使ったり、とにかく、リアリティを追求している。
ゆえに刺激が欲しい方々には、物足りないかもしれない・・、
感情移入しやすい人には、とても、お薦めしたいドキュメンタリー映画。
役者さんも、とても良い演技、表情をしてます。
ネタバレになってしまうので、あまり書けないですが、
呼吸、空気、深海の表現に、超、こだわっています。
映画館の暗闇、大音響でこそ、活かされるものと思います。
是非、映画館でやってうちに、鑑賞していただき、
この何とも言えない、息苦しさを体験してほしい。
劇場を出たあと、きっと、深呼吸したくなります。
実話なので…
未知の世界への好奇心と手に汗握るスリルの融合
これは絶対、劇場案件
ポスターに惹かれて、劇場へ。何の話かも、ほぼ知らずに。
一言「掘り出し物」
冒頭から、「これは実話です」で始まる。
「実話を元にした・・・」じゃない。
93分しかないので、余計なエピソードがない。
潜ったのはいいけど、上がって来れない、酸素残りわずかのカウントダウン。
ドキドキを通り越して、息が辛くなるほど。
荒れた海の激しさと、海中の静けさ。この音の強弱に、縮み上がる。
これは絶対劇場で感じてほしいレベル。
取り残されたダイバーを何とかして救おうと。
チーム残り2人と、船員たちのタッグ。乗り切れるのか?!。
マジ、無理無理ですよこれ。
「アポロ13」が好きだった方は、きっと気に入りそう(私)。
⭐️今日のマーカーワード
「Do it!」(やるんだ)
観ているコチラも息するの忘れた
実話ベースの物語で、予告編からも絶望的な危機からの、さあ、どうなる?
な作品なのはうかがい知れたので覚悟していましたが、いやぁ~半端ない緊張感で、終わった時にはもうぐったり……
生命の行方は?のストーリー以外に着目すると、あんな悪天候でも出船した作業ができるんだ!って驚きと、まるで子供の頃に熱狂した宇宙戦艦ヤマトのコックピットじゃん!しかも座っている船長は「MEG」に登場していた彼じゃないの。なんて色々なメカの凄さにテクノロジーの進化を見せつけられ、船の揺れも相まって軽い船酔い状態になりました。
そして船上から潜水士に空気を送り作業する姿はわが国でも漁業や運河での仕事で目にすることもあり、浅場でも命と背中合わせの危険なものですが、それが光も届かない深い海の底だなんて、もうそれだけで足が震えるのですが、そんな方たちの奮闘で便利な世の中は支えられているのですね、感謝感謝です。
それにしても人体ってホント不思議です!エンドロールにも書かれていましたが、様々な条件が重なって今回の結末があるのでしょうが、まだまだ解明されていない「何か」がワタシの中にもあるのかもしれないなんて考えるとワクワクします。
登場している人たち(潜水士もクルーもみんな)の心の強さがひしひしと伝わってくる良い作品でした。
常闇の海の底から
深海での作業中に事故に遭った潜水士・クリスと彼の救出に挑む仲間達の、時間との戦いを描く作品。
この事故のドキュメンタリー映画を撮った監督が人物描写に脚色を加えて作った作品だそうで、『実話に基づいた…』ではなく『実話』と言い切っているのは、当事者との関係や取材に自信があるのだろう。救助活動の場面はライブ感のある映像でテンポよくまとめられていて、再現ドラマのような作品だった。
飽和潜水については、春に公開された『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』で高圧神経症や減圧症の危険が描かれたのが記憶に新しい。本作中の潜水士達には、イーサン・ハントのように極秘の最先端ギアやヒーローパワーによる加護はないものの、時間をかけて仲間と共に準備をすることで、同じ危険と日常的に戦っている。
光も音もなく生身では生きられない場所へ、生命維持に必要なものやコミュニケーション手段を一纏まりのケーブルだけに頼って何度も赴くのは、肉体的・精神的な適正が不可欠だろう。クリス側の描写は短時間だが、ぞっとする瞬間が何度もあった。
事故が起きて、潜水支援船の操船チームや潜水チームがそれぞれの判断で動いていることに驚いた。自分の身近な場所であれば、まずトップの判断と指示を待つ時間が発生するだろうし、今回のように二次災害のおそれが払拭できないシチュエーションでは動かないことを選択するかも知れない。危機対処用のフローは準備してあるのだろうが、相手も準備していることを信じて動けるのは、沖に出れば自分達だけで生き抜くしかない船乗りの習慣なのかも知れない。
最短の手段が他にない、100%上手くいくかどうかわからない方法に賭け続けるのは属人的かも知れないが、このメンバーでなければ達成できなかったことだとも言え、熱かった。
実録ドキュメント作品にありがちな、誰かを悪者にしたり責任を追及するような描写を入れず、不運が重なれば起こり得る事故・プロとしての誠意で救助に全力を尽くすという描き方が良かった。
今回は美談になったが、奇跡に頼らない方法が整備されることを願ってやまない。
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