ミステリアス・スキン

劇場公開日:

ミステリアス・スキン

解説・あらすじ

幼少期に受けた性被害により心に深い傷を負った2人の少年の行く末を描いた青春ドラマ。スコット・ハイムが自身の経験を基に執筆した小説「謎めいた肌」を原作に、「ドゥーム・ジェネレーション」のグレッグ・アラキが監督・脚本を手がけた。

カンザス州の田舎町ハッチンソン。1981年の夏、リトルリーグのチームメイトである8歳のブライアンとニールは、子どもたちへの性加害を常習的に行っていたコーチにより人生を大きく狂わされる。精神的ショックから記憶を失い後遺症にさいなまれるブライアンは、自分は宇宙人に誘拐されて記憶を失ったのだと思い込む。一方のニールは、コーチと自分の間には“愛”があったと信じ、彼の影を追い求めて年上の男を相手に身体を売って暮らすように。空白の記憶を取り戻そうとするブライアンは、繰り返し夢に現れる少年がニールであることを突き止めるが……。

ブレイク前のジョセフ・ゴードン=レビットがニール、後に「ブルータリスト」など映画監督としても活躍するブラディ・コーベットがブライアンを演じた。日本では長らく劇場未公開のままだったが、2025年4月に劇場初公開。

2004年製作/105分/R15+/アメリカ
原題または英題:Mysterious Skin
配給:SUNDAE
劇場公開日:2025年4月25日

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映画レビュー

4.0彼は美しく妖艶であった

2025年5月30日
iPhoneアプリから投稿

MYSTERIOUS SKIN

幼少期の時に受けた性被害から、人並みの心の在り方を見失った主人公ニール。

母親はたくさん恋愛をし遊んでいるが、ニールと母親は、それぞれの人生を尊敬し、親子として充分な愛があった。時にカップルのように見える彼らはとても素敵だった。

そして、ニールが本当に魅力的。
この世の中、ミステリアスで影があり、魅力を感じるという話を耳にするが、ニールはそれを体現しているようだ。
それって、全てを知ることができない余白があり、それがまた更に興味を掻き立てるのかもしれない。

彼はとても美しく、妖艶であった。
また、触れると壊れそうな危うさがまた彼の魅力を引き立てる。

それを代言してくれた親友のセリフ。
“彼は美しく目が離せない。神のようだ。”

代わりに言ってくれてありがとー!!!

目が離せないほど、美しい。ニックを演じた俳優さんも、ニックという役を作り上げた製作陣も、本当にありがとうって気持ち。

そして、当時共に性被害受けたブライアンと出会う。
お互いの過去を話し、ラストシーンはニックの体の中でブライアンが子供のように泣く。そしてそれをニックが慰めるのだ。彼らの距離感の描写がとても印象的だ。何か、愛を感じたのはなぜだろうか。正反対の芝生を生きてきた彼らだが、心の深くで繋がったのだろう。彼らがその後更なる繋がりと愛を育むかもしれない。その時、光が見えた気がした。

ティーンネイジャーにしてどん底を知っている彼らは、
これから、山ほど2人で笑うだろう。親友もね。

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まゆ

4.5翌日も心が動揺したままです

2025年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ニールが死ななくて良かった⋯。
ブライアンは本当のことを知れて良かったのだろうか⋯。

監督のメッセージに、
「本作のエンディングには、個人的に魔法のようなものを感じます。
光と影が絶妙な塩梅で共存していると感じるんです。
嘘くさいハッピーエンドではありませんが、
完全に絶望しかないわけでもなく、一筋の希望が見えます。
観たあとには、私が真に望んだのはどちらなのかという疑問が残るでしょう。」
とあった。

讃美歌が流れ、ソファーの上で、
言葉なく互いに心通じ合うような二人の俯瞰映像が美しすぎて、
脳裏に焼き付いている。
あのエンディングは、本当に素晴らしく、そして刹那い。

エンドロールが流れて、
無力感に支配されて、
苦しくて、嗚咽しそうになった⋯。

ただただ、この二人が幸せになってくれることを望む⋯。

そして、コーチは、クソな人生を送ってろ。

映像、音楽、構成、配役、演出が素晴らしい。

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hkr21

3.5性暴力の実態を生々しく描きだす

2025年5月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

正直、観るに耐えないシーンが多くて最後まで観るのは
相当に精神力が必要であり、鑑賞後の消耗感もハンパない。

幼少時(8才)の野球チームのコーチによる性暴力により、
トラウマを背負うブライアン。
ニールはゲイであることから、コーチの愛情を一身に背負っていると思っていたし
そこから自分の身体を売ることを生業とする。
大きく人生を分けてしまった二人の話だ。

ブライアンはUFO🛸に拐われて人体実験をされたのではないかと思いこみ、
その路線でいろいろと調べるし、テレビで見た女性に手紙を書き、実際に会うと
その女性から気に入られてしまい、性的関係を持たれようとされ、忌避感を覚えるのだが、
やがてニールと共通の友達 エリックとのコミュニケーションから
エリックに会うことで全てがわかると考えるブライアン。
そして全てを知るブライアン。

ブライアンは猛烈なショック状態だと思う。
このことをご両親は知っていたに違いない。それはニールの母親も然りだろう。
当然本人には言えないから、UFO路線でおさまってくれればと思うのかもしれない。

今後のブライアンが心配。ニールもだが。

それにしても、これでもか!と言わんばかりの、年上男性との性的関係を持つニールの描写は
さすがに辟易としてしまった。
おそらくは、性暴力の実態を生々しく描くためだろうとは思うのだが、さすがにツライ。
しかし、この映画を公開したことには、それなりに意義あるように感じた。
性暴力という言葉だけではない、リアルな、生々しい世界を垣間見ることができる。

私としても衝撃を受けた作品であり、鑑賞後は脱力感でいっぱいになった。

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ひでちゃぴん

3.5評価は厳しめ78点。幼少期に受けた性被害

2025年5月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画は実体験を基にした小説が原作で、原作者が性被害に遭ってるそうですが、

“幼少期に受けた性被害により心に深い傷を負った2人の少年の行く末を描いた青春ドラマ” と、ここの解説で読み、

世界的に問題になっている小児性愛、その被害者の気持ちを知りたいと思った。

あと『スリーパーズ』が好きな自分としては、それっぽい復讐劇っぽいのを期待して、鑑賞。

被害者の心の傷の描写については、こんな感じになるのかな…と、

それよりも、予想だにしなかったUFOや宇宙人まで話に出してきて、とても引き込まれた。

期待した復讐劇じゃなかったけど、いい意味で期待を裏切られた。

こういった脚本もだけど、美的センスを感じる演出も良く、オープニングから、ずっと監督の才能を感じながら観ていて、

少し前に上映した、同監督の『ドゥーム・ジェネレーション』や『ノーウェア』をスルーしたことを後悔(笑)

監督のインタビューをネットで読んだんだけど、この映画の裏話もしていて面白かったです。

主演のジョセフ・ゴードン=レビットの演技が素晴らしくて、かなり見直したし、

エリザベス・シューがチャラいママを演じてるけど、あい変わらず綺麗でした(笑)

美女ウェンディを演じた女性が気になって調べたらミシェル・トラクテンバーグという方で、2025年2月26日に亡くなられたそう…ご冥福を祈ります。

この映画、イヤな気持ちになるだろうけど、いろいろ戒めになるし、よく出来てるので観てほしいです。

評価は厳しめで、80点つけようか迷ったけど厳しく78点(笑)

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RAIN DOG

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