シカゴのレビュー・感想・評価
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ショービジネスがおりなすメビウス・ループ
そろそろ公開から20年近くなろうという名作ですが、たまたまレンタルでも未鑑賞、たまたま近くで上映していたので飛び込みで視聴。いやあ、素晴らしかったです。
「それ絶対に相方ヤッてるやんw」という苦笑いからスタートし、ほんの一瞬だけステージの女優と主役が入れ替わるという、一瞬でお話を判らせるための贅沢シーンで、もはやクラクラ。最後の最後まで、売名行為のためなら人殺しでも何でもする悪魔達の饗宴を、夢中になって見届けました。名作ミュージカルの映画化だからこそ、見事な構成、見事なショーアップ。
でも、我々凡人が共感するのは、哀れな哀れな旦那さんでしょうか。毎日、何時間も働いて、生きることに悩んでばかり。ショービジネスに生きる狼たちからすれば、我々凡人はさぞ哀れな存在なのでしょう。歌や踊り、芸事は上手くて当たり前。他人の不幸に噛み付いてでも、役に食らいついて仕事を奪い取る。そのためだったら、かつてのライバルとも手を組むことに躊躇わない。そして圧巻のラストステージ。全ての出演者が顔を出す、カーテンコールの様式美。ショービジネスの世界を描いたショービジネス。はてさて、このミュージカル、この映画の役の取り合いに、どんなやり取り、どんな争いがあったものやら。剥いても剥いても切りが無い無限ループ――そういえば、あの女優さんは最初に相方をヤッちゃいましたっけ。ではこの後も?
ミュージカル映画の中では好き
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主人公はミュージカルの舞台女優になることを夢見ていた。
それにつけ込み、その方面に人脈があると嘘をついた男に騙され不倫関係に。
そして全ては嘘、終わりにしようと一方的に言われ、射殺、逮捕。
女性が被告の裁判では無敗の敏腕弁護士リチャードギア。
主人公の夫の、地味ながら誠意のある男により雇われる事となった。
そして戦略的に、史上最もキュートな被告とメディアをあおり、
平気で事実捏造して陪審員を味方に引き込むべく細工して行く。
医者も買収して夫の子を妊娠してるという嘘の診断書まで書かせる始末。
裁判は勝ちムードだったが、同じ刑務所のキャサリンが証人喚問される。
彼女は主人公がかつて憧れたミュージカルのスターだが現在は不和である。
殺人罪に問われており、検察との司法取引の末に証言台に上がったのだ。
そして主人公の独房にあった日記を証拠品として提出し、不利な証言をする。
しかし、これもリチャードが仕掛けたワナだった。
一見不利な証拠に見せかけて実は有利になるような内容が書かれており、
これにより流れは一変、勝利することができた。
しかしシカゴは移り気な町で、既に次の女性殺人犯がスポットを浴びていた。
ほとんどスター扱いだった主人公は、もう誰も見向きもしない存在に。
途方に暮れてしまった所に、無罪放免となったキャサリンが現れる。
女性殺人犯2人で組んで舞台に上がることを提案、珍しいと大反響を受けた。
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ミュージカル映画は嫌いなので、歌のシーンは早送りしながら見たが、
単なる恋愛ミュージカルとは違い、歌もストーリーの一部だったりした。
巻き戻して見たり手間がかかったが、さして苦にならずに見ることができた。
主人公は超利己的な奴で自分のことしか考えてないが、
いやキャサリンもリチャードもみんなそうなのだが、
それぞれがとても一生懸命で憎めないかな。
アメリカの喜劇ってこういうものなのかなって印象。
でも最もまともな人である、主人公の夫は全く報われなくてかわいそう。
キャサリンの演技はさすがとしか言いようがない。
この人はいつも高飛車な雰囲気の中に、何故か憎めない魅力を持つ。
人となりは知らないし、少なくとも表面はあんな感じなんだろうけど、
内面的にはお人よしだったり天然だったりするんじゃないの?。
民主党のレンホーとそういう部分でイメージがカブる。
ショー・ビジネスの光と影
スターを夢見る女性ロキシー・ハート( レニー・ゼルヴィガー )、劇場のトップダンサーヴェルマ( キャサリン・ゼタ=ジョーンズ )、二人が絡む事件と裁判を、セクシーでパワフルなミュージカルシーンを巧みに織り込んで華やかに描く。
徐々に輝きを増すレニー・ゼルヴィガーのキュートな魅力、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの溢れる色香に魅了された。二人は同い年なんですね。
-それがシカゴだ
-すべてはサーカス
BS日テレを録画にて鑑賞 (字幕版)
ミュージカル苦手でしたが見れました
当初はミュージカルならやめようと思ってましたが、苦手な方でも見れたというレビューを読んで、試しにせっかくのリバイバル上映なので見てみました。
それなりに歌は挿入されていますが、そこまで気にならず、展開も早くて上映時間の長さを感じないで一気にラストまでいきました!
金髪の彼女が裁判で無罪勝ち取って終わりかな、と思いきや、無罪判決の新聞号外が出たタイミングで別の殺人事件が起きて、マスコミや世間の関心が一気にそちらへ移りゆく、というなんとも世知辛い世の中を映し出す作品でした。
無罪になった彼女、ダンサーでこれから売れたいと思っていたから無罪の喜びよりも「なんで新聞記者達は私の写真撮らないのーー???!!」と裁判の勝者なのに悲壮感で打ちのめされているという皮肉。。夫の家に帰ろうという言葉も彼女には届かず、名声を再び手に入れるためには話題性のためだけに嫌いな先輩ダンサーとも手を組むっていうしたたかさ。。怖いですね〜手のひら返しの世間も、名声のことしか考えず無罪でも素直に喜べなかった彼女の虚栄心が怖い怖い。
リチャードギアのダンスは正直え?そんなもんですか??という見応えの無いもので残念でしたが他作品では好きな俳優なので大目に見てあげます(笑)
女性陣のセクシーなダンスがキレッキレで、これは踊りを堪能するだけでも見る価値があると思いました!
リバイバル上映されなければ、ミュージカル苦手でも見れるよ、のレビューが無ければきっと一生見ることの無かった作品だったので、今回初めて鑑賞出来て良かったです!!
よかった
主人公の女の子をずっとクリスチーナ・リッチだと思って、この時期コンディションがよくなかったんだなーと思っていたら違う人だった。曲があんまりよくなかった。人殺しが堂々と人気者になろうとしていたのだが、実力があったとしてもあんまり乗れない。反省どころか相手がむしろ死んで当然と思っている感じ。ろくでもない相手だったとしても殺して平気な人には引く。
そうは言ってもテンポがよくて引き込まれて最後まで見たので楽しかった。
(追記)
午前十時の映画祭で、スクリーンで見たら前回とは全く印象が違って、確かにクズみたいな人間ばかりが登場するのだけど、浅はかな人物なりにエネルギッシュにしたたかに生きている感じに心打たれる。大音響で見れてよかった。
殺人鬼コンビでのダンスショーをするのだけど、キャサリン=セタ・ジョーンズが一人二役で演じていたダンスを二人でやっているところが見たい。
良い事なしのミスターセロファン。
ビルコンドン監督が、シカゴでブロードウェイ映像化のコツを得たと言っていたのがよくわかりました!更に立体的に、カメラワークも進化しているドリームガールズのルーツを感じます。
話の内容は、殺人事件が日常茶飯事で、メディアも面白おかしく書きたてていた、当時の荒れたイリノイを舞台に、女性達が犯した殺人事件とその裁判の進行が踊りで表現されています。全体的に、場末感がすごくて、内容への感情移入よりも、見入る作品です。
キャサリンゼダジョーンズはラックスのイメージが強かったのに、ショービジネス特有のはすっぱなヴェルマのイメージが離れなくなるくらいの作り込まれた表情、声色、仕草です。オーシャンズ12の時にはもう、はまり役と思いました。
ヴェルマに憧れる、身勝手極まりないロキシーを演じるレネーゼルヴィガーも、ブリジットジョーンズと同一とは思えない計算高さと、素人っぽさを両立させていて感嘆しました。
リチャードギアはトニー賞を受賞されているだけあり、お安い御用という余裕まで感じます。タップダンスがすごかったです。シンドラーのリストのニーアムリーソンに少し似た役柄の雰囲気です。
個人的には、クイーンラティファが横暴かと思いきや、途中から包容力が溢れ出ていて好きでした。ヘアスプレーの役柄に繋がっています。
ミスターセロファンは最後までセロファンで気の毒でした。
オール・ザット・ジャズ「何でもあり!」
映画「シカゴ」(ロブ・マーシャル監督)から。
映画化しても、そのリズムやテンポは変わらないのだろう、
ミュージカルの魅力満載で、あっという間の時間だった。
その中で、ストーリーの最初に紹介された曲であり、
たぶん作品の根底に流れているテーマだろう、と観終わっても
フレーズが耳に残った曲「オール・ザット・ジャズ」。
『オール・ザット・ジャズ』(ALL THAT JAZZ)は、
1979年のアメリカ映画で、ボブ・フォッシーの自伝的作品だが、
私のメモは、その英語の翻訳「何でもあり!」が気に入った。
「愛人を射殺して刑務所に送られるが、そのスキャンダルを利用して
スターになろうとする、ロキシー」そのものが「何でもあり」だから。
そう言えば、現役の競走馬に「オールザットジャズ」という馬がいたはず。
勝つためには「何でもあり」で必死に走るという意味だろうか、
汚い手段さえ使わなければ、これを機会に応援しなくちゃなぁ。
P.S
もう1つ、使えそうなフレーズをお裾分け。(笑)
「お楽しみは長く、スカートは短く、ホットに行こう」
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