THE MONKEY ザ・モンキーのレビュー・感想・評価
全100件中、21~40件目を表示
設定は魅力的
名作家による原作、鬼才による監督・脚本で紡ぎ出される“虚無”
【イントロダクション】
スティーヴン・キング原作。“太鼓を叩くと誰かが死ぬ”という曰く付きのサルの人形を巡るホラー・コメディ。主演は『ダイバージェント』シリーズ(2014.15.16)のテオ・ジェームズ。
監督・脚本は、『ロングレッグス』(2024)でスマッシュヒットを飛ばした鬼才、オズグッド・パーキンス。原作は、スティーヴン・キングの短編小説『猿とシンバル』。
【ストーリー】
1999年のある夜。骨董店をただならぬ様子で1人の男性、ピーティー・シェルバーンが尋ねた。彼はゼンマイ式のサルの人形を売却しようと店主に掛け合うが、突如サルが太鼓を叩くと、連鎖反応で店内で売られていた銛銃が店主の腹部を射抜き、内臓を引き摺り出した。
ピーティーは忌まわしい人形を処分すべく、店内にあった火炎放射器で人形を焼き払うが…。
ピーティーは失踪し、妻のロイス(タチアナ・マスラニー)が双子の兄弟、ハルとビル(クリスチャン・コンヴェリー)を育てる事になる。高圧的な兄のビルに対して、内気な弟のハルはいつも言うことを聞かされていた。
ある日、双子は父の遺品整理の際、蓋の表面に“Like Life(命が好き)”と書かれた青い箱を発見する。箱を開けると、そこにはゼンマイ式のサルの人形が入っていた。彼らが人形の背中のゼンマイを回すと、その日の夜にベビーシッターのアニーが鉄板焼きレストランで首を切られて死亡する。
ビルは学校でもハルを虐めており、ビルの話を聞いた彼の同級生達からも度々虐めを受ける。我慢の限界に来たハルは、人形のゼンマイを巻いて兄を殺すよう願う。しかし、代わりに倒れたのは母ロイスであった。彼女は天文学的確率で動脈瘤を発症しており、人形が殺す相手を選ぶ事は出来ないと悟ったハルは、人形をバラバラに切り刻んで捨てる。
双子は伯母のアイダと伯父のチップ(オズグッド・パーキンス)夫妻の元に引き取られる。しかし、処分したはずの人形が再び彼らの前に姿を現す。ビルは人形の呪いが本当なのかを確かめるべくゼンマイを巻き、後日チップが狩猟の際に暴走した馬に踏み殺され、無惨な遺体となって発見される。
双子は人形を封印すべく箱に閉じ込め、家の近くの井戸の底に葬った。
25年後、大人になったハル(テオ・ジェームズ)は人形の呪いを避けるべく、なるべく人と関わり合わないように生きてきた。しかし、それでも彼は結婚し、妻と息子のピーティー(コリン・オブライエン)とは距離を置いて生活していた。兄のビルは母の死後性格が変わってしまい、消息も分からなくなっていた。
妻は父子教育書のベストセラー作家、テッド(イライジャ・ウッド)と再婚を決意し、親権をハルから引き離そうとしていた。ハルは残り少ない時間をピーティーと共に過ごすべく、モーテルに宿泊する。すると、疎遠だったビルから連絡が入り、伯母のアイダが亡くなった事、原因がサルの人形が戻って来た事にあるのではないかと考え、ハルに伯母の家の遺品整理を命じる。直後、モーテルのプールにやって来た女性客が感電したプールに飛び込もうとして爆死した事で、ハルは人形が戻って来た事を確信する。
ハルはピーティーを連れ、伯母の自宅へと向かうが…。
【感想】
スティーヴン・キング原作、『ロングレッグス』の鬼才オズグッド・パーキンス監督・脚本とあり、密かに楽しみにしていた。
結果は、ひたすらに虚無。凪の状態だった。鑑賞中、幾度となく睡魔に襲われた。98分というコンパクトな尺であるにも拘らず、鑑賞中何度も「あとどのくらい(上映時間)残っているのだろう?」「早く終わってくれないかな」と思ってしまった。
目の前に座っていた大学生らしき3人組の男の子達は、物語が進むに連れてぐったりと座席に沈んでいき、その中の1人は眠ってしまってポップコーンとドリンク用のケースを落とす始末。
とにかく物語として盛り上がらず、メインとなるサルの人形の呪いによる荒唐無稽な惨殺描写もコメディとして楽しめたのは序盤まで。骨董店での店主の内臓引き摺り出し、チップの馬の大群に踏み潰されてベリーパイ状になる描写等は新鮮で楽しめたが、アニーの首斬りやプールの爆死は馬鹿馬鹿し過ぎて乗り切れず。というか、プールに入って感電死ならともかく、爆死はないだろう。
ホラー・コメディとして、この人形の呪いによる惨殺描写には期待していたのだが、思った程回数があるわけではなく、それを楽しみに鑑賞する事も難しかった。
「ハルがゼンマイを巻いた事により母が亡くなったのではないか?」と疑うビルが、25年間母の死から立ち直れない「時間が止まってしまった人」として描かれるのは分かるが、彼の理不尽な復讐心には共感出来ず。
かと言って、息子を守ろうとするハルとピーティーの、ハリウッド脚本の教科書通りな「親子愛」描写もイマイチ。
ビルに雇われ、父親を探す地元の男リッキーの存在は完全に意味不明であり、大量のスズメバチが口内に侵入して死ぬという最期も馬鹿馬鹿しく退屈だった。
結果、全ての登場人物に対して「どうでもいい」という感情しか抱かなかった。
人形の呪いに関しても、あくまで「偶然」という塩梅から出ないよう努めていたにも拘らず、終盤は明らかに人形の呪いによって街一つが崩壊するにまで至り、偶然の範囲からも逸脱してしまったのも残念。
ラストはヨハネの黙示録にある青白い馬“ペイルホース”と死神まで登場し、とことん下らなく幕を閉じる。この作品のテンションを象徴する存在ではあるが、この辺りでは「ようやく終わる」という感情しか芽生えなかった。
【総評】
ホラー・コメディとして楽しもうにも、共感出来ない登場人物や凡庸なストーリー展開が悉くノイズとなり、結果的に酷く退屈な1作であった。
よくある事故
ある日ふとベタな事や、いつもなら却下するようなアイデアが面白いと感じることがある。いわゆる一周回って面白いというやつだ。
本作にはそんな「一周回って面白いでしょ?」という製作陣の声がスクリーンからビンビンに伝わってくるのだが、いや面白くないから。
まあよくある事だし、作品自体も酷くはないので、もし今ホラー映画に対して一周回ってるなって感じてる人がいるなら、映画館に行くのもアリなのでは。
それと作品内でキーとなる猿のオモチャをめっちゃフェッテシュに撮っていて、ホラー描写よりもこちらの方が断然良くて、観終えたあと猿のオモチャが欲しくなる事必至であり、90分猿のオモチャだけ見ていたかった。
息子がいて嬉しい
こないだ鑑賞してきました🎬
成人したハルとビルには、テオ・ジェームズ🙂
小さい頃にあんな事があれば、屈折した性格になってしまうのも無理はありませんね😔
ハルは家族を持ちますが猿の件を忘れられず、あえて距離を取っている。
ビルとも疎遠になり、彼が今何をしているのかも分かっていない。
ただ、ハルにはピーティーという息子がいます。
この親子の微妙な関係が、見どころの1つでもありますね🤔
双子の母親ロイスにはタチアナ・マズラニー🙂
「ボストン・ストロング」
にも出てましたね。
なんか妙に達観していると言うか、人の死に対して冷静な女性。
とはいえユーモアのセンスもあり、なんだかんだ息子たちに愛情深い。
それだけに、序盤での退場は残念でした😔
スティーブン・キングの短編ホラー
「猿とシンバル」
が原作とのこと。
私は読んでませんが、結末はちょっと不完全燃焼でした😥
そこまで悪くはありませんがね。
人を死に追いやる猿のおもちゃというのは、なかなかユニークな発想ですが…最後はスカッとする展開を望んでしまう私がいまして😅
とはいえキング原作のホラー小説映画の入門編としては、ピッタリな感じでしたよ👍
“サイアクだ”。
遠い昔、「キング原作の映画は間違いなく駄作」と言われていた時代があった。
(むちゃくちゃ昔ね)
その“伝説”を再び蘇らせたのが、この映画、、、と思わせるにふさわしい出来栄え。
コメデイホラーと書いてあったので、そう信じて見始めた。
だが、しかし・・・
予告編にあったヘアカラーを山盛り巻いたおばはんのように、
人々が滑稽に死ぬ=その不条理な死を
観客も傍観者的に安全地帯から笑い飛ばすものと思っていたが、
どの死に方も中途半端というか、パンチ(死語)がない。
なら、
主人公の男が何をしても周りの人たちが勝手に死んでいくのを
止められない諸行無常を、観客が「笑わなしゃーない」と思わせるのかと思ったが、
これも主人公その他に関わる設定が煩雑で中途半端。
人にゆっくりと死が迫るように(実は迫らなかったり予想外な展開したり)にしたら、
ファイナルデスティネーションのパクリだしな・・・と思ったり。
で、いちばん“サイアクだ”ったのが、ちっとも怖くなかったこと。
劇場は小さめのハコだったからかもしれないけど、そこそこ人が入っていた。
さてこの中で何人が、
自分と同じように「けっ、猿芝居かよ」と思って出ていったのだろうか。
キング原作(正確にはキングが別名で書いたパックマン名義作品)の映画が、
「死のロングウォーク」「ランニング・マン(日本での書籍名:バトルランナー)」と続く。
どうなんだろう?
キングは好きだから見るつもり(特に「死のロングウォーク」は期待)だが、
心配になってきた。
Life Love
人を殺しまくる猿人形とかいう、設定からもうワクワクしていたんですが、本編はその期待を遥かに凌駕するクレイジーっぷりで、宣伝文に偽り無しのキルパレードが行われていて、童心に戻ったかのような感じでキャッキャウフフとはしゃいでしまいました。
冒頭から猿の人形が質屋かおもちゃ屋かに持ち込まれて、なんかヤベェから引き取ってくれ!と懇願する男と対応できまへんねんと返品する店主のやり取りが流れる中、猿人形が太鼓を叩き始め、叩き終わったのがきっかけなのか、丁寧に丁寧にネズミが紐かなんかをバリバリ齧って、それきっかけで色んな部品が外れてからの矢が発射されて店主の腹部にストレートヒットし、それだけでも十分なのに、矢を引っこ抜いて腸がドロロロロと出て絶命とかいう景気が良すぎるものをいきなり炸裂させてくれるので大興奮しました。
そこから視点が子供に映り、先ほどの慌ててた男が子供の父親である事が分かり、その子供たちの手に猿人形が渡って、太鼓を叩き出してからまた死人が出てくるという理不尽な面白さが襲ってきます。
シェフの包丁さばきが鋭すぎてパフォーマンスの一環で首がスパッと切れてしまったり、確率の低い病気が突如身を襲い子供たちの母親が死んでしまったりと、笑っていいのか分からない絶妙なラインを突いてくるのも良かったです。
弟が兄を殺そうと猿のネジを回したのに、母親が犠牲になり、なんとなく猿のシステムが分かるってのも面白かったです。
そこから叔父叔母夫婦に引き取られたかと思ったら、またネジを回してしまい、叔父が馬に踏まれまくってミンチ状になって遺体で発見されるというもうこれはギャグだろって死因があってからようやく封印という事で一件落着かと思ったらまぁそんな事はなく。
月日が流れてから殺しがフルスロットルになっていきます。
すっかり大人になった弟が、叔母が突然死んだ事が知らされ、しかも死因が階段を踏み外してルアー等々が顔面に刺さり、コンロに顔を近づけて見事に火がつき、しかもアルコールがあったので浴びてみたら大炎上し、勢いそのまま外に出て玄関のポストか看板かの鋭い方に顔を突っ込んで死亡とかいうピタゴラスイッチすぎて爆笑せざるを得ませんでした。
しかもその後ほぼ毎日のように死人が出て、それもまた多種多様で面白いです。
なんか胡散臭い不動産っぽい人が弟と会話してて、明らかに立て付けが怪しいドアを開けた瞬間に何故か備え付けられた銃が作動し、不動産を木っ端微塵にさせるとかいう訳の分からなさが芸術点高かったです。
そこから連絡を取ってなかった兄と連絡が取れてから、兄がめちゃくちゃネジを回していた事が分かり、兄と協力していた警察もどきと一緒に兄宅へ向かう中で、またネジを回したと思ったら、いい具合に膨れ上がってた蜂の巣から蜂が大量に一直線に警官もどきの口の中に全部入っていって体の中を侵食していくとかいう誰もそんな死因は思いつかんわってレベルで大爆笑しました。
そこから兄と協力する流れになると思ったら、兄が仕掛けたトラップが怒涛の勢いで襲いかかってきて兄が即死。
そんでもって猿人形が大量に太鼓を叩いたかと思ったら街中に隕石が降りかかるわ、色んな人が燃えてるわの大惨事になって、そこから兄と息子で踊りに行くかっていって街に繰り出して終わるのも雑ですがらしさ全開で好きでした。
オチでバスに乗ってたパリピたちが反対から来たトラックに全部削り殺されるところもポイント高いです。
猿人形がどうして復活できたのかとか、猿の腕をぶっ壊せばなんとかなったんじゃない?とか思うところは無いわけでは無いですが、そんなことをねじ伏せるくらいのキル数があるので最高ですね。
エンドロール後も見逃せないので是非是非。
やっぱキル数で魅せてくれる作品は最高ですね。
こういう作品に会えて感謝ですウッキー。
鑑賞日 9/20
鑑賞時間 16:00〜17:45
ジェームズ・ワンさん、ちゃんとプロデュースしてよ
バカバカしいのとテキトウなのとは違うので
蜂の襲撃、遅い!なかったら眠りの中。
原作はちょっと、オモシロイのかもしれない。
スプラッター描写も端的でわかりやすくショッキングでいいのかもしれない。
ただ、やはり、この監督の、
間やタイミング、チョイスする音楽、笑うに笑えない寒いコントみたいな感覚、センス、
前作もそうだったが、今ひとつハマれない。
(レッドフォード追悼中で、レビューを以前書いた数作品も毎日観ている。
レッドフォードの作品はしっとり感動系やシリアスなモノばかりなので、
『ヒックとドラゴンIMAX版』や『ミュート・ウィットネス デジタルリマスター版』等は刺激になった。
サッパリ爽快になるようにホラーならレッドフォードへの喪失感を忘れられるかと本作をチョイスした。
レッドフォードを僅か忘れたがアクビが3回出て、
いきなり睡魔に襲われ、蜂の襲撃で目が覚めた。
遅いよ〜。)
素晴らしいのは猿玩具のデザインだけ??。
あのお猿玩具のポスターに魅せられて思わず見に行ってしまいました。
脚本は終始、人間関係や太鼓猿に対する説明が中途半端で意味不明に感じました。
劇中、大勢の登場人物が次々と惨殺されていくという情報でしたので『13日の金曜日』の様な特殊効果を期待していましたが、余韻も味わいもないファイルデスティネーションの様な雑なCGによる瞬間芸ばかりだったのがとても残念に感じました。
その昔、劇場未公開のホラー作品をレンタルして散々時間を無駄にした経験から、映画会社の方が劇場公開に踏み切った作品ならある程度の水準はクリアしているはず・・・という淡い期待はもう抱かないことにしました。でもあのお猿さんのグッズが発売されたら絶対に買いに行ってしまうと思います(笑)。
続編を製作する余地は、いくらでもありそうな作品なので次回作に期待!?したいと思います。
逆に爽快、ピタゴラスイッチ
80年代風B級ホラー
色彩からアングルも狙っているとしか思えない。古き良きB級映画を観てる感じでした。
残酷だけど途中から楽しく死んでいきましたね。お猿のオモチャ買おうかなW
一昔前はエンドロールの後にもう一発オチがある事が多かったので、この流れは何かあると思ってエンドロールも集中して観ていたら、最後の最後はサイアクでした。
かなりブレちゃった印象
スティーブン・キング原作(なの?)、ジェームズ・ワン製作という事でまあまあ期待していた作品。
ゼンマイ式のサルのおもちゃが太鼓を叩くと誰かが凄惨な死を遂げる、というちょっとギャップ萌えで奇抜な面白設定に惹かれて鑑賞。
この悪魔のおもちゃを如何に稼働させないようにするかの奮闘と絶望のお話と思いきや、早々に諦め、正直言ってどうでもよい仲の悪い双子の兄弟や家族の話が混ざり始めて眠くなる。
後半は唯一の面白設定であるおもちゃを見せずともガンガン人が亡くなり(何処かで太鼓を叩いてるというということなんでしょうけど)、かつ有効範囲も曖昧に広がっていき、ただ人が死ぬ様子を見せるだけになっていくw
死に様も「ファイナルデスティネーション」を中途半端にしたようなものが多く、死に方もわかりづらくセリフで補足したりとガッカリの連続。
イライジャ・ウッドの近影が見られたのだけは良かった。
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