劇場公開日 2025年6月20日

「鈴木唯ちゃん、凄い!」ルノワール アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0鈴木唯ちゃん、凄い!

2025年6月26日
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鑑賞方法:映画館

早川千絵監督は「PLAN75」でとんでもなく身につまされる映画を作られたので、この「ルノワール」は辛い物語にならないで欲しいと念じながら観ていた。
主役の鈴木唯ちゃんは今年公開の「少年と犬」で西野七瀬の長い独白を焼肉屋で聞くことにになった少女の役も演じていたが、その時の印象は薄かったけれど、今回の作品では圧倒的な存在感を放ってくれた。自分の葬式の夢を見たことを作文にしたり、みなしごになってみたいと言ってたり、超能力にハマりトランプでテレパシーゲームを友だちとやったり、伝言ダイアル(今で言えば出会い系サイトか)に登録したり、とにかく色んなことに興味津々のちょっと変わった少女だが、学校のサマーキャンプでは楽しそうに弾けるし、何よりお父さんお母さんが大好きである。さらに子どもが持ってる残酷さ(本人に悪意はない?)が差し込まれ、等身大(少し背伸びしてるが)の小学5年生を上手に演じてくれた。
そのフキの伝言ダイアルだけど、相手になった坂東龍汰の毒牙にかかることなく中断できたし、ついでにお母さん(石田ひかり)の中島歩との不倫もダメになり、観ている側はホッとしました。
河合優実はチョイっとの出演だがフキの睡眠術にかかったふりをしながらの長いセリフをさらりとこなしてくれて物語にエッセンスを加えてくれた。「あんぱん」の蘭子役もそうだが脇役でもチョイ役でも輝いてくれてその映画やドラマを一段高めてくれる素晴らしい女優だ、。
リリー・フランキーは元々マルチな方で色んな役回りができるが、こういう感じの哀愁溢れる昭和のお父さん役はぴったりである。助演男優賞いけるんじゃないかと思う。
ラスト、朝のファミレスでお父さんが病室で使っていた少し臭いタオルに母と子がそれぞれ顔をのせて、ひと眠りするシーンが好きです。2人ともお父さんの色んなことを思い浮かべていたことでしょう。
私の念が通じたのか辛い物語ではなく、少女のひと夏の成長物語であった。フキはその豊かな感性はそのまま持っていてくれて、いい感じのオトナになって欲しいなぁ、。

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