「それでも、日々は続く」ルノワール 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも、日々は続く
何も疑わない すべて受けとめて
君はここへ生まれてくる
君はいつの日にか 僕らの時を超えて
風の顔で 走るだろう
飛鳥涼・小田和正
「僕らが生まれたあの日のように」
YMOが流行っていた頃、ランドセルを背負っていた私がいます。フキちゃんとは違う場所で、同じ時間を過ごしたことになります。フキちゃんのお気に入りはルノワール。今の私のお気に入りは、ダヴィンチの「洗礼者ヨハネ」。お友達になれたかなぁ。(友達になったら、なったで、大変そうだけど。)
当時、私の身内に闘病中の者はおらず、死はひどく遠いものでした。学校は、あまり好きでなく、いつも、取り留めの無い空想をしていたような…。もっとも、今でも仕事は、あまり好きでなく、取り留めの無い映画の感想文、書いてますけど…。
あの頃、何考えてたのかなぁ。ここではないどこかに、妙な憧れを持っていた。少なくとも自分が死ぬことなんて、微塵も考えなかった。近くに、死の気配がない子供時代でした。
私がこの映画に、あまり感情移入できないのは、死との向き合い方の違いから来るようです。そんな私でも、何だかうちは、サザエさんの家みたいに、愉快じゃないな~とは、思っていました。私に私の思いがあるように、親には親の思いがある、それに気づかない、あの頃特有の不思議な感覚。思い出せないし、思い出したところで、過去に苛まされるだけのことですが、この映画で、過去に浸るのは、思いがけない経験でした。
海外との合作映画とのことで、少し、このクニでは不適切と思われるストーリー展開もありますが、まず、観てね。チラシに色々書いてありますが、何も考えずに観ていいと思います。子供の頃、憧れていた大人になれてなくても、いいと思います。昔、子供だった皆様なら、きっと分かります。そして、帰り道、昔、子供だった皆様自身に、きっと逢えます。逢いたくなくてもね。
僕らが生まれたあの日のように…
皆様には、どんな恥ずかしい過去が、あります?。
あ、今、私の癒し難い記憶が、フラッシュバック。
嗚呼、生きるって、恥ずかしい…。
親族の何人かは鬼籍となり、死は身近になりました。それでも、生きて行かざるを得ない。映画は2時間で終わっても、私の日常は、まだ続くのだから。
「冬の小鳥」
自分でも分からないんですが、妙に惹かれるんです。誰かに分かってもらいたいけど、誰に、何を分かって貰いたいのかさえ分からない、あの感覚。ド派手が売りな韓国映画ですが、実はこんな愚直なまでに、飾りっ気の無い逸品があります。併せご覧下さい。
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