「タイトルなし(ネタバレ)」訪問、あるいは記憶、そして告白 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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ポルトガル北部の港湾都市ポルト。
そこに、オリヴェイラが妻と40年暮らした自宅がある。
姿を見せぬ夫婦が無人の邸宅を訪れる。
夫婦は死後のオリヴェイラ夫妻のようだ。
ふたりの会話。
夫の言葉は小難しく、形而上的だったり、哲学的、政治的だったり。
妻は現実的な返答を返す・・・
といったところからはじまり、室内もしくは窓から見た庭をカメラが写す。
しばらくすると、70代前半のオリヴェイラ自身が登場し、自身にまつわるフィルムを映写しながら、過去の記憶などを語っていく・・・といった自伝的半ドキュメンタリー。
「半」なのは、姿を見せぬ夫婦の会話があるため。
ふたりの会話は『去年マリエンバートで』を思い出しました。
ふたりが姿を現さず、オリヴェイラの死後公開が決められていたため登場するオリヴェイラ自身も蘇った感がある。
そんな幽霊譚のような味わいもあるが、眠くなることもあるでしょう。
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