プレゼンス 存在

劇場公開日:2025年3月7日

プレゼンス 存在

解説・あらすじ

「トラフィック」や「オーシャンズ」シリーズ、「コンテイジョン」で知られるスティーブン・ソダーバーグ監督が、ある屋敷に引っ越してきた一家に起こる不可解な出来事を、全編を通して幽霊目線で描いた新感覚のホラー。

崩壊寸前の4人家族が、ある大きな屋敷に引っ越してくる。一家の10代の少女クロエは、家の中に自分たち以外の何かが存在しているように感じられてならなかった。“それ”は一家が引っ越してくる前からそこにいて、“それ”は人に見られたくない家族の秘密を目撃する。クロエは母親にも兄も好かれておらず、そんな彼女に“それ”は親近感を抱く。一家とともに過ごしていくうちに、“それ”は目的を果たすために行動に出る。

「キル・ビル」「チャーリーズ・エンジェル」のルーシー・リューが息子を溺愛する一家の母親レベッカを演じ、父親クリス役は「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のクリス・サリバン、物語のキーマンとなる娘クロエ役はカナダ出身の新鋭カリーナ・リャンがそれぞれ務めた。脚本は「ジュラシック・パーク」「ミッション:インポッシブル」などハリウッドの話題作を数々手がけてきたデビッド・コープ。

2024年製作/84分/PG12/アメリカ
原題または英題:Presence
配給:ロングライド
劇場公開日:2025年3月7日

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映画レビュー

4.0 アメリカの家族内に潜んでいる不安

2025年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

斬新

ある家に引っ越してきた家族に起きる不可解な出来事を描いた新感覚のホラーということらしいが、本当にそうなのだろうか。この映画の中心人物は娘のクロエだと思う、クロエは友人が薬物が原因で亡くなって、それが原因で精神的に苦しんでいる。でもそれ以前にクロエは家族の中で孤立している。父親はクロエのことを徐々に理解し始めるが、クロエの心の問題を完全に理解することは出来ない。

というか家族だからと言ってお互いを理解できるとはかぎらない、クロエは母と兄に距離を感じているが、逆に言えば母と兄もクロエに距離を感じている。要するにこの家にいる幽霊と思われているものは、アメリカの嘘による悪影響の比喩なのかもしれない。2025年現在、トランプ大統領はアメリカを再び偉大にすると叫んで支持を得ている、でも現実のアメリカもこの映画の家族のように世界から孤立している。アメリカは家族を大切にする国と思われているが、家族内にも分断が起きていて、それぞれが孤独を抱えている。

そしてこの映画ではこの家族を蝕んでいるアメリカという国の問題を薬物の問題にすり替えていることがホラーだと描いている。クロエに忍び寄る悪い未来は、クロエの友人をあの世に送った薬物だと、でもそれはアメリカという国のプレッシャーに心を壊されたアメリカ人は薬物に救いを求めるしかないということで、でもアメリカ政府は薬物が悪いことにして問題を単純化している。アメリカの社会の問題を無視して、クロエのような若者の苦しみをすべて薬物のせいにして偉大なアメリカと叫んでいる。クロエの家族は何が自分たちを苦しめているのか混乱して幽霊のせいにしてしまう、この家族が感じている恐怖は、最後に幽霊でも薬物でもないことを映画ははっきり描いてくれる。恐怖の正体に気が付かないからホラーということなのだろうか。

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アンテイルフー

2.5 幽霊は見た!

2025年9月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
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近大

4.0 一応ホラーなんだけど、怖さというよりは目の付け所の面白さが印象に残る一作

2025年8月1日
PCから投稿

ちょっと怖い映画が観たいんだけど、残酷描写は苦手なんでそれがウリの映画はちょっと…。あんまり長い映画もちょっと…。という要望には、しっかり応えてくれる作品です。

約80分と割とコンパクトな映画ですが、スティーブン・ソダーバーグが監督しているだけに、気軽に観るにはちょっと贅沢感を感じるほどきっちり作りこんだ映画です。

カメラの光学的な性能や機能を物語に反映させることがうまい監督だけに、本作も最初のショットから、え!?と思わせてくれるし、アイデア勝負の作品に見えて様々な仕掛けや語り口の巧さに最後まで楽しませてくれます。

物語はほぼ全編、一人称視点の映像で展開していくのですが、その視野は広角レンズのため周囲が歪んでおり、また揺れを吸収するジンバルという装置を用いているためか、カメラの移動は極めてなめらかです。要するに今ではすっかりおなじみになったアクションカメラ的映像なのですが、こうした画面が醸し出す違和感を、恐怖感を増幅させる装置として実に効果的に用いています。

ではこの視点はいったい誰なのか、そして目の前にいる家族とどのような関係にあるのか。それらについて深く考えなくてもきっちり楽しめるように作ってあるのですが、さらに一歩踏み込んで一つひとつのひっかかりを深堀して考えると、いやこれ、ちょっと怖いかも、ってなること間違いなしです。

崩壊しかかっている家族の物語としての側面もあり、家族の夫妻間関係、兄弟関係、そしてそれぞれの親と子の関係と、錯綜する関係性にそれぞれの歪さがあります。それが「この存在」と関わることによってどう変化していくのか。誰か一人の言動に着目して観進めていくと一層面白いと思います。

複数人でわいわい言いながら楽しみたいホラーだったら『トーク・トゥ・ミー』(2022)とかあるけど、一人で布団かぶって見たら効果倍増な上に残酷描写控えめな映画を、ということであれば、本作は有力な候補作です!

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yui

3.0 リメンバー・ミー

2025年7月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「プレゼンス 存在」ある家に取り憑いた霊の目線で描いたホラー。この霊の正体は?というサスペンス的な展開もあって、それなりのドンデン返しも用意されてるが成功してるとはいえないな。ソダーバーグなので映像のクオリティが高くてやたら視線のセンスの良い霊になってるのがちょっと面白かったです。

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ピンボール