ボゴタ 彷徨いの地
配信開始日:2025年2月4日

配信開始日:2025年2月4日
肝心の成り上がる過程が描かれておらず。脚本に問題があるのだろう、面白そうなシーンを撮影して、繋がりを無視した、犯罪組織映画のダイジェストのよう。成り上がり系エンタメとしては見どころに欠ける。
成り上がる過程を省いたその割に、後半に何を語りたいかがよくわからない展開で、ただの裏切りの連続を描いて終わるのは、先が読めてしまい、ありきたりでつまらなく感じる。
ソン君が主演である事、脇のメンバーが上手い人を集めているのに、勿体無い。
時代背景がテキトーで、コロンビアに韓国人が多いというのが、かえってフィクションであることが分かりにくいものにしていて、その点はよくないとは思う。
ただ、酷評するほどのものではなく、これよりつまらないものはいくらでもあると思う。
韓国人達がよく南米を馬鹿にしたりコロンビア人に直接コロンビアはナルコ(麻薬マフィア)と犯罪が横行する超危険国とか言うのですが、中南米やコロンビアのイメージをnetflixから得た、ナルコの神、NARCOS、そしてこのボゴタの映画のせいでと言います。
韓国移民という以外は、昔の売れないハリウッド映画の2番煎じという感じのC級映画。
コロンビアの事も知らず、調べもせず、コロンビア人に意見もきかずに、てきとーにコロンビアのステレオタイプなイメージだけで作ってしまったという感じがします。
コロンビアのリアル、現実のボゴタと違うし、これ本当にコロンビアで撮影したのかなあと思いました。
ソン・ジュンギの奥さんはイギリスとコロンビアのハーフでコロンビアにも親族がいるので、ソン・ジュンギもコロンビアに行ったことがあるそうです。コロンビアを実際知ってるなら、奥さんや親族がコロンビア人ならなぜ彼らの意見をきかなかったのかなあ?
まずコロンビアの町や状況がまだパブロ・エスコバルがいた70年代~80年代という感じ。
麻薬王パブロ・エスコバルは93年に殺されたので、その後だんだんコロンビアはよくなり、2000年代の半ば位からは観光客に人気の都市となりバックパッカーの聖地となりました。
2010年代はもうボゴタやメデジンなどの大都市は殺人率ランキングの圏外だったし、欧米が選ぶ世界の行くべき観光地ランキングでもトップになったし、欧米企業等がコロンビアに投資し開発しまくってました。
なのに映画では、ボゴタがすごい危険な街という設定で、あちこちで大通りで殺人事件あるし、目の前で銃殺したり、マーケットをバイクで銃をぶっぱなしたりしてます。そんなこと実際ないですけど。アメリカみたいに普通の市民が誰でも簡単に銃持ってるわけじゃないし。
ボゴタにもスラムとか麻薬中毒者がいるような、観光客が入ってはいけないエリアもありますが。
ボゴタは高層ビルが立ち並ぶ大都市で、おしゃれなカフェやレストランや高層マンションが多数あります。
映画ではボゴタが常夏でトロピカルな街だと言っていて、ボゴタは標高が2650m位の高地でよく雨が降るし小寒い街です。ロングブーツを履いている時期の方が多いと思います。
トロピカルな都市はカリブとか全く別の地域です。
2008年に、南米にまだショッピングモールがないので南米初のショッピングモールをコロンビアに作るのが夢だ、という話をしていて、失礼すぎます。
コロンビアもそうだけど南米は2000年代なんか大規模なショッピングモールはあちこちにあるし、コロンビアだって日本より立派なショッピングモールなんかいくつでもありましたよ。
翻訳も、FARCのようなゲリラなんか世界的に有名なのに、ゲリラのことを反政府軍とか書いていてゲリラって書けばいいのにって思いました。
コロンビアでは2000年代からKPOPや韓流ドラマが流行っていて普通にTVでやってましたので、韓流が比較的早く流行したと思います。KPOPファンも多いし、ソン・ジュンギのファンも多いでしょう。そのコロンビア人がこの「ボゴタ」や「ナルコの神」を見て悲しく思ったと思います。
日本だったら、日本人は菊をめでる一方ですぐ刀で人を切る残酷な人間だ、日本人はちびで出っ歯でカメラをクビから下げてる、日本はフジヤマ、ゲイシャ、腹切りの国だ、というステレオタイプで映画作られたらどう思いますか?
コロンビア人にとってはハリウッドにNARCOSみたいな映画を作られるせいで、いつまでたっても国のイメージが悪くて困っていたのに、韓流にまで作られて気の毒だと思います。
映画のストーリーもほんとうにC級としか思えないお粗末な内容でした。
コロンビアなど中南米に移民してる日本人や韓国人達もいるのに、その人達にも失礼です。
たんに「ミナリ」みたいな韓国人の移民の話で終始した方がよかったのではないでしょうか。
撮影の安全面における配慮が強く表れた作品であり、
そのためにリアルさや熱量が犠牲になってしまった部分が見受けらる。
リスク管理と映画の魅力をどう調和させるか、
その難しさを感じさせる一作だ。
わたくし事になるが、
海外の国でのべ20ほどの都市で撮影の経験をさせてもらった。
その準備を進めていくうえで、
候補の国、都市を視察、シナハン、ロケハンを、繰り返していく。
特に危険地域での撮影は、事前の入念な準備が不可欠だ。
外務省と危険レベルの実相を確認しながら、
現地コーディネーターと、
候補地を絞り込んでいく作業というのが、
常識的な進め方だろう。
危険度レベル1の国でも、
予想外の事態が起こりうる。
現地と我々の危険認識の常識の違いから、
撮影のgo/stopの判断が難しい。
セキュリティチームに判断全てを委ねるわけにもいかない。
コロンビアはレベル2~3、
ボゴダは日本大使館もあり、
比較的安全らしいが、
外務省はレベル2と公表しているが、
現地感覚としては、
パブロ・エスコバルの映画やドラマを見ると、
レベル4だろう(苦笑)。
なので、本作はコロンビアを舞台にしているだけで驚く。
劇中の見える範囲だけで類推すると、
コロンビアでのロケは、全体の5%くらいではないだろうか、
ガチガチにセキュリティに守られた閉鎖空間、
または誰もいない砂漠、草原での撮影を含めてだ。
その窮屈さが絵に現れてしまっているのは、韓国映画らしくない。
制作側のリスクヘッジや予算管理、
エンタメとしてのバランスを取るためのVFX合成、
ライティングの工夫が随所に見られるが、
その結果としてカラフルな色彩は強調しているものの、
「作られ過ぎた感」が強調され、
自然な映画の魅力が損なわれてしまっている。
安全策を講じながらも、
いかにしてリアリティを追求するか、
観客にどれだけの感情移入を促せるかが、
この作品の最大の課題であったと言えるだろう。
ソマリアを舞台にした、
「モガディシュ 脱出までの14日」
アフガニスタン、
「極限境界線 救出までの18日間」
などの、傑作もあるだけに残念さは否めない。