ファンファーレ!ふたつの音

劇場公開日:2025年9月19日

解説・あらすじ

白血病を宣告されたことをきっかけに、生き別れた弟の存在とその隠れた才能に気づいたスター指揮者。運命の再会を果たした兄弟が、さまざまな音楽とともに未来へと歩き出す姿を描いた人間ドラマ。

世界中を飛び回るスター指揮者ティボ。ある日、白血病と診断されたティポはドナーを探す中で、自分が養子であること、そして生き別れた弟・ジミーがいることを知る。ジミーは、かつて炭鉱で栄えた寂れた町の食堂で働きながら、仲間と結成した吹奏楽団を唯一の楽しみに暮らしていた。育った環境も性格もまったく異なるティボとジミーだったが、ティボはジミーに類まれな音楽の才能を見いだす。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボはその不公平を正そうと、弟のジミーを何がなんでも応援することを決意する。

兄のティボ役をセザール賞に5度ノミネートされたフランスの名優バンジャマン・ラべルネ、弟・ジミー役をピエール・ロタンが演じる。監督は「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台」のエマニュエル・クールコル。

2024年製作/103分/G/フランス
原題または英題:En fanfare
配給:松竹
劇場公開日:2025年9月19日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0 音楽で語り合う兄弟の絆

2025年9月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

こういう展開かな?と予想していた展開に全くならず、2回ぐらい予想外な展開になり、最後は思わず条件反射で「ブラボー!」って言って拍手したくなる衝動を必死に抑えた。

まさかこんなラストが待ち受けているなんて思いもせず、涙もろい私はあんなことされたら秒で泣いたよね。

生き別れになった兄弟が、兄の病気をきっかけに再会し、そこから始まる交流の描き方が本当に素晴らしい。
スマートな兄と無骨な弟。裕福な兄と貧しい弟。育った環境は真逆で、複雑な思いもあるけれど、そんなことを越えて音楽で絆を深めていく。
ぎこちない会話も、音楽になったら饒舌になり、硬い表情も柔らかくなる。音楽の力ってすごいなと思わせられる。

現実はうまくいかないことが多くて、急に不幸は降りてきたりもするけれど、それでも諦めずに助け合って、支え合って、何度だって立ち上がる。
芸術を愛するフランスだからこそ、芸術のもつ力を信じた作品のように感じた。

現在公開中の「8番出口」で不気味さの演出として使われている「ボレロ」が、作品違うだけでこうも違った曲に聞こえることにも驚き。
「ボレロ」は、孤独な踊り子が周囲を巻き込みながら舞い踊る様子を描いた曲。そんな「ボレロ」に合わせて、ひとりじゃないよと伝えるかのような圧巻のラストを是非映画館で体験してほしい。

ひとつ苦言を言うなら、エンドロールどうした?
こんなに素敵な音楽を聞かせてくれたのに、急にぶつ切り音楽で終わってしまって戸惑った。

コメントする 2件)
共感した! 8件)
AZU

4.0 幅広い観客を魅了する語り口と重厚さのバランスが秀逸

2025年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

幼い頃に生き別れた兄と弟。そんな二人の思いがけない邂逅を描いたこの物語は、興味深いことにオーケストラとブラスバンド、クラシックとポピュラー音楽、さらには中央と地方、経済的格差など、様々な壁のようなものを融解させながら、誰しもを惹き込む語り口にて展開していく。私はクールコル監督がかつて脚本を務めた『君を想って海をゆく』(09)を愛してやまない一人だが、主人公の専門分野がこれまで向き合ってこなかった領域と重なり合い、そこで新たな自己発見が生じるという流れは本作にも通底しているように思えた。新旧様々な楽曲レパートリーが目と耳を充実した気持ちに浸らせる中、後半は地方経済や産業にもヒューマニズムあふれる視線が注がれる。そのタッチは懐かしき英国の名作『ブラス!』をも彷彿とさせるかのよう。音楽というものを一つの糸口として、やがて社会全般や労働者の尊厳をも包摂するドラマへ発展していく流れを大いに堪能した。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
牛津厚信

未評価 難病物語もフランス映画になると・・

2025年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 白血病を発症した高名な指揮者が骨髄移植のドナーを探していたところ、自分には生き別れになった弟が居た事を知るというお話です。

 となると、迫り来る時間に追われながらその弟を懸命に探して、最後には移植が成功して感涙のラストになるのかと思いきや、物語は意外な展開を見せます。骨髄移植はあっさりと成功して、お話はそこから始まるのです。

 この様に単なる感動の難病物語にはせず、現実の厳しさ酷薄さも描き切るのはフランス映画ならではの持ち味なのでしょうか。でも、その辛さを超える終盤の展開には、「そりゃあもう反則だろぉ、そんなの誰でもウルウル来てしまうよぉ」と結局、客席でハンカチを取り出してしまいました。やられたな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
La Strada

4.5 エモーション

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いろいろ要素は入ってるが結局エモーション以外なにも解決してない。
でもそのエモーションがボレロで徐々に盛り上げられて涙腺決壊級にまで至る。まさに音楽の力。他になにが要るだろうか。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ぱんちょ