竹とタケノコ

2024年製作/37分/G/日本

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
脚本
川上信也
プロデューサー
谷口由里子
撮影
神田創
照明
村上憲次郎
録音
佐藤雅之
効果
佐藤雅之
MA
佐藤雅之
美術
江連亜花里
スタイリスト
樋口秋香
ヘアメイク
小松沙代
編集
市川達也
音楽
白戸秀明
音楽プロデューサー
山田勝也
小嶋翔太
ミックスエンジニア
原優
助監督
森山茂雄
石田義弘
製作担当
赤間俊秀
キャスティング
小寺泰史
阿保友理恵
ボスタースチール
山口ダイゴ
アンドリュー・クー
ポスターデザイン
川上明子
タイトル文字
森亨
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映画レビュー

4.0タイトルなし

2025年6月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

鈴木恵子さんに捧ぐのラストにうるっと来た。言葉が懐かしい。手筒が映画になってると思った。しかも自閉症の話。ゆずりは学園のくつなさんたちもクレジットに。
医療センター、豊川、うどん屋さん(勢川)、ときわ通り、吉田神社。地元だという思い。

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えみり

4.0手筒花火を通じてつながる思い

2025年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

2024年公開作品ですが、その際は時間がなくて鑑賞できませんでした。その後、各地の映画祭等で上映され、沖縄NICE映画祭でグランプリを受賞したということで、1年ぶりに地元豊橋での凱旋上映となり、舞台挨拶もあるということで、鑑賞してきました。

ストーリーは、発達障害をもつ三島悠人は、子どもの頃から絵を描いても、手筒花火に夢中な父・晃にろくに見てもらえず、寂しい思いを抱いており、大人になって絵を描くことを仕事としてからもその思いは変わらなかったが、ある日、末期の膵臓癌が見つかった晃が、準備中の手筒花火を揚げることなく亡くなってしまい、悠人は父の思いを受け継いで手筒花火を揚げる覚悟をするというもの。

上映時間は37分なので、本筋以外は潔く切り捨てられ、話はわかりやすく突き進みます。それでも、短編作品とは思えないほどの内容の濃さがあり、なかなか見応えがあります。

地元民としては豊橋を舞台にして作品をつくってくださっただけでも大感謝です。手筒花火発祥の地とされる吉田神社、地元で愛される麺処の勢川、ご当地グルメのカレーうどん、盛大な打ち上げ花火で賑わう祇園祭など、豊橋の魅力を紹介していただき、うれしいかぎりです。

中でも、物語の中心となる手筒花火は、放揚シーンだけでなく、竹の切り出し、節抜き、縄巻き、火薬詰めと、長期間にわたる準備の過程も垣間見えてよかったです。私も何度か揚げたことがあるのですが、私の町内ではずいぶん前から製作はプロに任せており、手作りのシーンはなんだか懐かしく感じます。

そんな手筒花火の勇壮な放揚シーンが、本作のクライマックスです。大きな音が苦手な悠人が、父の思いを受け継ぎ、自らの意思で手筒花火に関わり、放揚中に父の面影を感じる姿に熱いものが込み上げてきます。豊橋の手筒花火は神前奉納であり、悠人が自分の覚悟を神様に誓ったようにも思えます。

ただ、コンパクトにまとまった佳作だとは感じますが、できれば晃がそこまで手筒にこだわる理由を描いてほしかったです。そして、闘病中の晃との交流から悠人がそれを知り、母の話や自宅に残された写真から自分への愛情にも気づき、花火づくりを通して他者との関わり方を学んでいくという感じで、悠人の変容をもう少しじっくり描けていたらとも思います。

とはいえ、後味さわやかな作品なので、興味があればぜひ観ていただきたいです。その際は、スマホの音さえ苦手な悠人が、火薬詰めや神輿の音が全く平気なのは、見ないふりをしてください。あと、祇園祭は「ぎおんまつり」ですが、冒頭で「ぎおんさい」と言っているのも聞こえないふりをしてください。

キャストは、清水尚弥さん、駿河太郎さん、佐藤みゆきさん、岩本樹起さんら。集客力のある大物俳優はいませんが、演技にはなんの不満もありません。

舞台挨拶では、清水さん、川上監督、谷口プロデューサーが登壇され、楽しいひと時を過ごせました。撮影裏話として、撮影でお借りした住宅で機材の重みで床が抜けたというエピソードをお聞きしました。また、プロデューサーからオファーを受けた監督が豊橋を知るために訪れた日が、ちょうど年に一度の竹の切り出し日だったそうです。そこから、豊橋といえば手筒花火ということで、この話ができあがっていったそうです。貴重なお話が聞けてよかったです。

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おじゃる