ラブ・イン・ザ・ビッグシティのレビュー・感想・評価
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生きづらさを抱える者たちへの応援歌
本作は、大都市ソウルで「普通」に馴染めないふたり──自由奔放なジェヒ(キム・ゴウン)と、ゲイであることを隠しながら生きる繊細なフンス(ノ・サンヒョン)そんなふたりがルームシェアを通して支え合いながら、「自分らしさ」を見つけていく物語です。
原作は韓国作家パク・サンヨンの小説『大都会の愛し方』。友情と自己肯定をやさしく、切なく、時にユーモラスに描いた、今を生きる人々へのエールのような作品です。
トッケビのキム・ゴウンさん、やっぱりいいですね。こういう「私はワタシ」系の役をやらせたら、彼女の右に出る人はいません。梨泰院クラスでチョ・イソ役を演じたキム・ダミちゃんでもいいかも🤫
彼女たちに共通するのは、「心の強さとしなやかさ」。一本筋の通ったような凛とした立ち振る舞いがなんともお美しい。おふたりに通じる少し鋭い目つきも私は大好きです♡
そして、注目の俳優ノ・サンヒョンさん(「Pachinko パチンコ」)の繊細かつ真摯な演技も光っていました。
感情を多く語らない役だからこそ、視線や沈黙の余白が観る者の心に沁みます。
普通から少々はみ出てたって
みんなと同じじゃなくたって
それでいい
それがいい
それが「あなたという個性」
誰にも真似できない「魅力」です
そもそも「普通」ってなんだ?
それだれ基準ですか?って話ね🤫
分かる人にだけ分かればいい
あなたが輝ける場所はきっとある
最後まで観たあなたは
きっと少しの勇気をもらえるはず🧐
心優しく自由で、どこか切ない——そんな“自分らしくいる勇気”をくれる映画です。
大都市の中で、
自分の居場所を探すすべての人に贈る
エールのような映画です📣
多様性の時代に心地よい余韻を残す
日々の裏にある孤独、人の多様性や人間関係と向き合い、それぞれが失敗や成功を繰り返しながら、なんとか自分らしく生きようと奮闘している人、学校や職場の環境になぜか馴染めず、自分が“普通”ではないのではないかと自問自答しているような人におススメしたい作品です。
キム・ゴウンが、世間のルールに縛られず、恋愛や夜遊びなども全力で楽しみながら生きるが故に周囲から非難され、誤解されてしまうが、自分の価値観を大切にしている女性を演じて新たな魅力を発揮。一方、ノ・サンヒョンが、ゲイであることを隠して生きる、繊細で寡黙な青年を扮し、徐々に外の世界へと踏み出していく心情を細やかに演じて説得力を与えています。
“普通に馴染めない”2人の出会いは運命的だとも言え、多様性の時代に心地よい余韻を残す、ありのままに生きたいと願うすべての人にエールを送る快作です。
長きにわたる揺るぎない友情を見つめる
物語内に惜しみなく注ぐ陽光と、吹き抜ける気持ちの良い風。これは決してタイトルに名前負けしない、観る者の心に前向きな躍動をもたらしてくれる作品だ。何よりもフンス&ジェヒという男女の主人公の織りなす関係性がとても面白く、彼らの鮮烈な出会いから社会人になるまでのクロニクルを、甘ったるいメロドラマやキラキラした青春モノではなく、もっと幅広い観客層に訴えかけるヒューマンドラマとして仕上げているところが嬉しい。ある意味、恋人以上に思い合い、深く理解し合う二人。たとえ片方がクラスメイトからつまはじきされようとも、硬い絆で結ばれた二人は自分以上に相手を気遣い、痛みや悩みを共通し、いつでも互いの100パーセントの味方であり続ける。そのブレのなさは同居の歳月を重ねるほどさらなる無敵感となって輝きを増していくかのよう。時代を彩る音楽や文化も手伝って、主人公と同じ速度でクロニクルを歩みきった感慨に浸らせてくれる。
タイトルとは真逆な…
恋愛もの、青春ものにそこまで興味もないのですが、唯一見た韓国ドラマ「トッケビ」の主演映画ということで気になっていました。
公開2週後くらいに気づき、まだ近くで見られるかと思っていたらあっという間に打ち切りになってしまいました。
今回は短期間だけ公開の大阪の劇場まで行って、ふつうの2Dに2,000円払って観てきました。
トッケビのカメラ、映像の良さ、丁寧に描かれるストーリー、物語や人物への愛の深さに、すっかり韓国エンタメに魅了されてしまい、違う作品でも大外れはないだろうと泣きじゃくる覚悟で行ったのですが、共感も感動もない、高揚もない作品でした…
ライトタッチな青春学園ものという感じでしょうか。
良くも悪くも展開が早すぎ、どのシーンもあっさりとしか描かれず、ひとつひとつの恋愛もさわりしかわからないので、理解も共感も追いついてきません。
登場人物がその相手のどこに惚れてるのか、とかの深彫りがないため、肝心の陰影の部分がありません。
なぜかダークな雰囲気がほしい(若気の至り?)のか、序盤のタバコ、酒、クラブの連続で、すっかり飽き飽きしてしまいます。
本人たちはフランス文学科らしく、フランス文学はよくわかりませんが、こういう暗さ、陰鬱さではない気がします。
飲みまくって、とつぜん依存症のような面も垣間見せるものの、人物の描き方、過去、心情、信念などがほぼ描かれないため、なぜこの二人だったのか、どこにそこまで必要としあう部分があったのか分からず、観客は置いてけぼりです。
描かれるシーンも、学校、クラブ、家のループで、タイトルとは裏腹にごく狭い世界のくりかえしで、空間も話題も小さすぎてずっとチグハグなままでした。
日本の大学生とかのノリにも近いのかもしれないですが、貧乏ぶったり、悲惨ぶっているわりに、毎日酒を飲んで、病院にも大学にも留学にも行けてるとか、ぜんぜん笑えません。
重めのテーマだと、数年前に公開の認知症の親との距離感を描いた邦画「百夜」などは、ゆっくりと丁寧に気持ちの変化や人とのかかわりを上手に描いていましたが、テンポをもっと落として描いたほうがよかった気がします。
まさかレビュー2本目でこんなことを書くことになるとは思わずけっこうがっかりしました。
(生物的な)男性だけかもしれませんが、副産物として帰り道は男性全員がゲイに見えてきます。
最高のパートナーとは
男性がゲイだから成り立つ異性との親友関係、という描き方。勿論現実的にもあると思うが、特別互いの内面を理解しあい支え合う関係は理想的で特別な関係…エモーショナルにドラマチックに描く手法は韓国作品ならではか。何故なら同性だってそこまでのベストフレンドはなかなかいないもの。彼女のエキセントリックな振る舞いは弱さの裏返し、みたいなのはちょっとありがち。
自分探しにもがく2人の異質で唯一無二の友情物語はラストが割と普通。そこまで唯一無二ならずっと一緒にいたらいいのに。恋愛がしたい…という二人にはそれはないのか。
心温まるある種のヒューマンコメディ作品としては普通に楽しめた一本だけど、想像してたほど規模が大きな作品ではなかったかも。
映画史上最も泣ける映画チケット
大恋愛以上に奇跡的な出会い。
個性的な男女の友情をコミカルかつ温かく描いた佳作。
誰もが、多かれ少なかれ何かを他人に隠して生きている。
誰もが、どこかで我慢して他人に合わせて生きている。
なんでもさらけ出せとも、他人に合わせるなとも思わないが、窮屈な思いを抱えながら暮らしている人にとって、自分の個性を受け入れてくれる友人と出会えるということは幸せなことなのだと思う。
きっと、そんな友情は身を挺してでも守るべきものになるだろう。
この映画は、オープニングと本編の構成が決定的に上手い。
ウェディングドレス姿でタバコを吸う女、彼女を探しに来た男、二人は手首にタトゥーでイニシャルを刻んでいる。
そして、二人が出会う20歳の時点に時が戻って本編がスタートする。
当然、このオープニングのシーンに向かって物語は進んでいくのだと、思わせる。
確かにそうなのだが…でも、違った。
予想を裏切る展開の末にむかえたハッピーエンドの、なんと清々しいことか。
主人公のフンス(ノ・サンヒョン)は同性愛者で、男と抱き合っているところを母親に見られた過去があり、その時の母親の反応から、これは隠すべきことだと認識しているのだ。
言っておくが、彼はトニー・レオンにもレスリー・チャンにも似てはいない。
自由奔放に生きている(ように見える)ヒロインのジェヒ(キム・ゴウン)は、フランス留学から帰国したのだが、留学中の4年間に一度も親がフランスを訪れなかったという、家庭に何か事情があるようだ。
彼女は『猟奇的な彼女』(’01)を連想させるような不思議ちゃんなのだが、キム・ゴウンはどことなく安藤サクラにも近い気がする。
フンスとジェヒの間には普通ではない関係が築かれ、それぞれ恋愛や学生生活・社会生活でなかなかに濃い経験をしていく。
この二人の関係が揺れ動く十数年間をドラマチックに見せていく。
個々のエピソードが極端だったりあからさまだったりするのが、韓国映画らしくて面白い。
波乱に満ちたその十数年で、互いに尊重し理解し合う関係が醸成されていくのだが、その二人の関係を理解する人たちとも出会えたのだと思うと、まったくもって羨ましい。
フンスの母親(チャン・へジン)が彼の性指向を〝病気〟だという場面がある。
その後、フンスから自分はゲイだと告げられた母親がショック状態で観に行った映画は『君の名前で僕を呼んで』だった。
こういう小技がいくつか散りばめられているのも憎いところだ。
この映画では同性愛者への偏見が描かれているが、テーマは同性愛に限っていない。
何かしら人との違いに悩みや不安を持っている若者が、このファンタジーに自分を投影してほんの少しでも気楽になれれば、価値は高いと思う。
究極の男(ゲイ)と女(ノーマル)の友情
ジェヒは破天荒で男勝りな性格だけど、ちゃんと一途に恋をしたり彼氏に...
ジェヒは破天荒で男勝りな性格だけど、ちゃんと一途に恋をしたり彼氏によく思われようと本当の自分を隠したりする女らしい一面があって、キャラクター設定がすごくリアルだと思った。
以前より受け入れられてきたLGBTQだが国によっても世代によっても理解度が異なる。また自分がLGBTQだということをオープンにして認められようとする人、奇異の目で見られるのが怖くて打ち明けない人。同じ趣向を持った人でも行動が違うことが描かれていてなんだか勉強になった。
素直に生きるって難しい
人それぞれ受け止め方は違うかも、人気作を鑑賞
公開から1か月経過し、小さなスクリーンでの上映ながら、いまだに満席が続いている本作。観て参りました。
結果、面白かったです。
この手のテーマって、LGBTQの理念が広まる前だと「男女間で友情は成立するか?」みたいな論調になるのだと思いますが、本作ではそんなものではなく、人間同士が相手の本質を理解すれば(いや、理解できなければ、かな)どんな関係であれ友人(それも互いに一番の)になる。そこには性や年代などといった問題など存在しない!そんなメッセージを感じ取りました。
なんだか、ゲイはダメなのか!と言い放つその語気の強さに通快感を覚え快哉を叫びながら、その反面、いやいや世の中未だに理解できない人間がこれほど存在しているのか、いつになれば色眼鏡は無くなるのだろうかなんて、無力感や喪失感を覚える、両方の威感情を抱く自分がいました。
それ以外の部分では、小さなことですが奔放な人柄に映るジェヒですが、その実スキルアップに奮闘し、キャリアを重ねていく一途さが窺えたのですが、その努力の部分が希薄だったかなぁと、振り切ったキャラの方にばかり目が行きがちなのが、ワタシ的には残念な所でした。
人の本質を突く重たいテーマをライトテイストで描いた作品で、人気の理由も理解できた気がします。
やや古臭い?
ジェヒ(キム・ゴウン)は、吉高由里子さん似のコケティッシュな魅力に溢れており、皆の目を惹きつけずにはいられない。そんなジェヒとフンス(ノ・サンヒョン)の友人関係は羨ましくなるような信頼関係の上にある。
ただ、話やテーマ自体はよくあるもので、会社の仕組みやゲイに対する周りの反応も20年くらい前の雰囲気。でも、20歳から33歳までを描いているから、始まりの時はあんな時代なのかな? ただ、映画や小説ではもはや古臭いと思うような世界も、悲しいことに実際の社会はあまり変わっていないのかもしれないですね。
個人的にはスホ役のチョン・フィの甘いマスクが気になります。
連続して先に見たミスター・ノボカインが思ったよりも面白かったので、点数が厳しくなったかもしれません。
良かった
異性の親友
自分自身はゲイではなくて恋愛対象は女性のみだが、恋愛対象と
見ていない異性と親友になることに違和感は感じない。実際に
一対一で会って本音を語り合える異性の友人(たとえ相手に
パートナーがいても気まずくならない)が複数いる。
この映画のように利害関係が一致して同居するというのは極端な例で
そこはフィクションだとしても、あり得ない話とは思わない。
ク・ジェヒ(キム・ゴウン)とチャン・フンス(ノ・サンヒョン)の
個性と関係性がいい感じ。
自分に正直で、言うべきことはちゃんと言う(というか黙っていられ
ない)ジェヒ。ゲイであることを隠して生きる、繊細で寡黙なフンス
とは全く異なる性格だ。
そんな、”似た者同士”ではなく”似ていない者同士”のルームシェア
というのが面白い。
世間の目を気にするなら負い目に感じることも、それも含めて
その人だけの個性なんだ。良い悪いではない。この二人が、相手が
”普通とは少し違う”ところも認め合っているところが心地良い。
友情という絆で結ばれた二人。相手が窮地に陥れば全力で手を差し
伸べる。それほど強く相手のことを思える関係って、やっぱり
素晴らしいと思う。
お互いのことを恋愛対象とは思っていないのだからどちらかに
固定のパートナーが見つかれば当然ルームシェアは終わる。
そこは少し寂しくはあるが、この映画の終わり方はそれ以上に
爽快感や幸福感が感じられるものだった。
ラブコメ的な軽い感じで楽しめる作品であると同時に、「こんな
生き方が出来たら人生もっと楽しくなるよ」というメッセージも
感じられて鑑賞後の印象はとても良かった。
どうでも良いけど、登場人物ほとんどが大学時代から酒飲んで
ばっかり(それも青春の一コマということで良し)。
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余談
最初に宣伝ポスターを見た時、「パスト ライブス 再会」
(2023年製作/原題:Past Lives)(レビュー未投稿)とデザインが
そっくりだと思った。何なら「パスト ライブス 再会」の
再上映か?と一瞬思ったくらいだ。
手前に一組の男女が座っていて遠景に都会のビル群、上半分は
空が広がっていてそこに英語の題。やや小さい文字で日本語題。
出演者・監督名や宣伝文句の配置も瓜二つ。偶然の一致ではなく
意図的に同じ構成にしたと思われる。
どちらもauとタイアップしているのできっとそういう宣伝戦略
なのだろうと推測するが、もし単なるパクリだったら笑えるな。
そして現在映画館(TOHOシネマズ)で配っているチラシは
違うデザイン(ベッドで談笑する二人)だ。
恋愛でも家族愛でもない愛の話
自分らしさとは
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