ラブ・イン・ザ・ビッグシティのレビュー・感想・評価
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性的マイノリティとマジョリティの垣根をなくす2人
この作品の魅力のひとつは、人の本質を突くようなセリフが随所に出てくるところだろう。それは、国際的な文学賞にノミネートされた、パク・サンヨンという作家の小説が原作になっているからなのかもしれない。
例えば、主人公のヘテロセクシュアル(異性愛者)の女性・ジュヒが、ゲイ(同性愛者)であることがばれて「弱みを握られた」と焦るフンスに対し、「あんたらしさがなんで“弱み”なの?」とさらりと言ってのけるシーンとか。
ジュヒは、性的マジョリティなのだけど、奔放な言動から、大学に入学して早々「イカれ女」という不名誉なあだ名をつけられ、異性からも同性からも疎まれる。
一方、フンスは、性的マイノリティであることが、家族にさえもバレないよう、自分を隠して生活している。
周りに馴染めない同士の2人が出会い、ルームシェアするほどの親友になっていく物語。
「多様な性のあり方」というと、LGBTQなどマイノリティのことばかり思い浮かべがちですが、この映画を見ていると、マジョリティとマイノリティの間にすら境界はなく、「あんたらしさ」なんだな、と思う。
2人はこれまでも様々な場面で傷つけられてきましたが、2人が出会ってからは、傷つけられても、その度に「親友」が支えてくれる。
ジュヒとハンス、2人とも出会う前の、社会に絶望している様子と、出会ってからの生き生きとした様子の対比が、見ていて本当に気持ち良い。2人ともチャーミングで、心からこの2人に幸せになってほしい、と思う。
さて、最後は2人にとって、幸せだったのかな?
うん、きっと、これが2人にとって幸せなんだろうな。
綺麗すぎるが、十二分に面白い
素晴らしい韓国映画。毎度のこと羨ましい限り。
ラブ•イン•ザ•ビックシティ
なんて、東京を舞台にしたって全然良さそうなタイトルだし、中身も東京に置き換えてもきっと素晴らしい。
本のタイトルは「大都会の愛し方」。これも良い。タイトルだけでも味わい深い。
映画を見ながらこれは東京ならどんなところか、とか思い巡らせるだけでも楽しい。けど東京とは少し違う距離感。
日本と同じく学歴社会で、競争の激しい韓国の話は「すっ」と日本の都市部の心に沁みる。けどなんか、映画の中のソウルは東京よりエモい。
韓国のゲイの男性主人公と、ストレートの女性ヒロインの友情。こんな男性は東京にゴマンといる。女性はいなさそう。というよりは女性ヒロインはよくわからない。さらっとフランスに留学したり、ソウルでまあまあ広い部屋で一人暮らししているあたりは資力がありそう。男性主人公側の家庭事情はかなり描写があるのに、このヒロインの家族は一瞬も映らない。ヒロインの現実味は男性と比べて薄い。
今から考えればヒロインは男性主人公の妄想にすぎないのかもしれない。冒頭の回収されないシーンも現実かどうかわからない。最後にヒロインが結婚するあたりもあまりにも早い。だんだんに心の整理がついていった男性主人公にヒロインが必要無くなり消えました、と言われても納得いく。
とはいえ面白い。お互い自分より相手を優先する気持ちが伝わってきて熱い。こんな友情に恵まれる人生はどれほど素晴らしいだろう。
こんな素晴らしい人生が、ソウルにはある。そんなふうに思わせるだけでも羨ましい。
焼き直しは良くないですが、是非とも日本版も見てみたいと。こんな風に優しく愛おしい瞬間が、きっと東京にもあるのだと。
結婚ってなんだろうね。
ゲイととても仲良しの女子って確かにいそうだけど。
なんかこれ以上ないってくらいぴったり合った二人なんだけど、性的嗜好が異なるせいで(異ならないせいで?)カップルではないんだな。
「親友」って呼べるようなものなんだろうけど、どんなカップルだって40歳50歳ってなってくれば、ほとんど「親友」ってのに近いものになっていくんだから、二人は結婚すればいいのになんて思った。
それにしても映画の中の韓国の交番(?)っていつもいいかげんな警官ばかりいるんだけど、ほんとにあんな感じなのかな?
ラストは急にインド映画みたいになります。
韓国映画は、他国のいいとこを貪欲に取り入れる感じがあって、急な歌とダンスもあってもいいとは思うんだけど、やはり結婚式であれは珍妙だわさ。
迷ったら見たほうがいい良作
前半「ヤバ、観にきたの間違えた」とか思えるくらいの大学のキャンパスを舞台にした、しかも同居もののザッツラブコメな展開でしかも演者がなんとも年齢が上の人たちが演じているのでう〜ん…と思っていたら、段々年月が重ねられ、ほぼ『ワンデイ』とか『ベストフレンズウエディング』みたいな愛着が出てきてキム・ゴウンが路上で泣きじゃくる中盤過ぎあたりからとてもよくなり、男が兵役でいなくなる時「寂しいから留学してくる」とロングショットで旅立つキム・ゴウンの後ろ姿を観てる辺りからはかなりのめり込み、最後の歌のシークエンスでは号泣しかねないくらいになってしまう。なるほどこういう話ね。さすが『サニー永遠の仲間たち』の国映画である。
ラブとかいうので恋愛モノかと思ったらそうでなくて「性別の違う親友」「腐れ縁」クロニクルみたいな話。
何ものにも囚われないはずの帰国子女とゲイの男の子の友情クロニクルというか。ちょっと『横道世之介』味もある。これは観てよかったな。
あたしは好きです!
描くべき深度まで掘り下げ、届けたい人に明るく届ける
このポスターから、
「ああ、若者向けのチャラチャラしたラブコメなのね」
と軽く思っていたら大間違いでした。自分がゲイである事をひた隠しにする男性と、自分の考えをストレートに発言し行動するために浮いてしまう女性がルームシェアして暮らす物語です。若い男女のギクシャク同居話というのもよくある設定ですよね。でも。
エンタメ的軽やかさは決して損なう事無く、LGBT問題を単なるネタではなく描くべき深度まで掘り下げ、届けたい人にまで届け、多くの人に励ましをもたらす作品でした。決して暗くはならず、でも問題の本質からは目を逸らさず明るく走り抜ける。現在の日本映画では見られないバランスです。韓国映画の力を改めて思い知りました。
観ていくうちにのめりこんで誰もが好きになってしまう『ジュヒ』というキャラクターが最高
ゲイと女性のいつまでも変わらない友情を描いた韓国映画。 本年度ベスト!!
最近観たお墓がテーマの映画。
巫堂のファリム役のキム・ゴウンさんが良かったので鑑賞。
キム・ゴウンさん。凄いな!
美しさとか可愛いさじゃない彼女の演技が本作でも素晴らしい!
本作では喜怒哀楽の多彩な表情に引き込まれた!
大学時代に知り合ったジョヒ(キム・ゴウンさん)とゲイのフンス(ノ・サンヒョンさん)。
この2人の30才過ぎまでの10数年間の生活を映し出したストーリー。
ある理由で共同生活をする事になった2人。
お互い気を遣うこと無く本音で話したり冗談を言い合ったり。
2人ともメッチャ酒好きで(笑)
その勢いで手首にタトゥーをするシーンが笑える。
結婚を前にしたジョヒ。
婚約者とのある出来事に逃げ出しフンスに電話するシーンに泣ける。
ジョヒの結婚式でフンスが唄い踊るうシーンにも泣ける。
泣かせる映画じゃない作風だけど、自分は結構泣かされた(笑)
フンスが母親に自分がゲイであることをカミングアウトするシーン。
その後、母親が夜中に「君の名前で僕を呼んで」を観に行くんだけど、その映画も観たくなる。
映画から帰宅した母親の姿がかなり衝撃的だった(笑)
個人的にジョヒとフンスに結婚して欲しかったけどハッビーエンドな終わり方で満足度は高めな作品でした。
頻繁に登場する冷凍ブルーベリーが美味しそうでした( ´∀`)
大きな街で肩身の狭いふたり
序盤で「あんたらしさが、どうして弱みになるの?」というセリフ。これねこの映画がどういうものか明確に伝わる。
世間一般の"ふつう"からはみだすマイノリティ性をもった男女ふたりの物語。
そんな自分をひた隠しにする男と、どうして自分らしくいると避難され差別されるのだと叫ぶ女。
意気投合してルームシェアし、喜怒哀楽を共にしながら痛みや困難を分かち合い、やがてソウルメイトとなるバディムービー。
この映画が特徴的なのは、閉鎖的な社会を批判的に描く事よりも、自分らしさを最大限に肯定する人間讃歌にあると思う。
その難しさを現実に沿って描きながらも、最後までポジティブに描こうという意志を感じる。
自分の中にマイノリティ性を感じる人は、この唯一無二の理解者であるこのふたりを通して大いなる共感を得る作品。
会議は喫煙所で起きているんだ!
かつて見た映画『ブエノスアイレス』、きつかった。
この映画は〈男男〉の描写こそ前半だけだが、それ以外もかなりきつかった。
2019年発表の短編小説集の一編のみの映画化であるが、いつの時代の話なのか疑うようなタバコが蔓延している世界。30年前ならわかるが、20年前ならかなり減っているのでは。
学生時代から10数年を幾つかに区切って語られる。
90分間ぐらいきつかった。何度帰ろうとしたことか。
自由すぎる主人公ジェヒ。周りにいたら避けたい。
プロポーズした弁護士。広い視野を持て合わせていない暴力弁護士。
まだまだ理解の幅は狭いがフンスと元彼は自分をしっかりと持って生きている。
母はもう赤い酒は飲まないでね。息子の今が受け入れられないと勘違いするから。
ただDV夫候補とのトラブルで警察でのジェヒとフンスのお互いの言葉は良かったね。本当に必要な人や行動が何なのか。確信できた。でもその後の展開であっという間にエンディングに。
冒頭の屋上のシーン迄の出来事、いかにして伴侶を見つけ幸せを掴んだかをかなり端折っているような気がする。
ラストはmiss A'の"Bad Girl, Good Girl." という曲が使われているが、小説では元々Fin.K.Lの "Eternal Love"だったらしい。あぁ、ショック。
あの名曲を多くの人に聞いてもらえるチャンスだったのに。
以降映画からは大きく外れます。
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Fin.K.L (ピンクル)
K-POP第1世代の女性4人組グループ
日本盤が出ていないので殆ど知られていないが、私が1番好きだった韓国アーティスト。
サブスクに載っていないので今は聞く機会はないが、2019年に配信した新曲もあるの聞いて!
ゲイに関心はない
もったいないと思うのです
期待しすぎました。
韓国ドラマのダイナミックでスピード感あるストーリー展開、豊かな人物造形、その魅力は日本のドラマには真似できないものがあり。かたや、それがときに作品の粗さに通じる時があるようにも思います。
キム・ゴウンも良いし、韓国作品には珍しい難しいテーマに挑んだ意気込みは感じられました。でも今回の映画には、その粗さを感じてしまったのです。
主役2人が知り合い、無二のソウルメイトになっていく過程、親子の葛藤、そして何よりキム・ゴウン演じるジェヒの後半の突然(に映る)の変わり様に、気持ちが置いてけぼり…。
長い年月を描くと端折るものが多すぎてこうなるのでしょう。でも登場人物をもっと絞り、主役のそれぞれの心のうつろい、二人の関係の変化を丁寧に描いてほしかったのです。テーマと役者を活かしきれていない気がしました。
もったいない!
社会について考えさせられた
ただただ良かった。
私も。男女の友情が成立すると思っているし、ゲイをどうこう思う人間ではない。なんなら、私は女の子にも魅力を感じる。かといって女の子に恋愛感情をもったことはないけれど。
この、愛に溺れて裏切られまくるヒロインとゲイを隠しながら生きる二人が友達として長い期間共に過ごすってそうないことだし、確かにそれを許してくれる彼氏はいないとも思ってしまった。
なんか、お互いが自分中心になることもあれば、冷静になってみると相手を守ってしまうこの愛をなんと呼べばいいんだろうと感じてしまった。これが俗にゆう友達以上恋人未満ってやつなのか。でもこの愛に名前がつけられていない(友情としか言わない)っていうのが、現代のLGBTを認める風潮とあっていない感じがして、結局LGBTを認めてるようで認めていない社会なんだなと再認識させられた。
あと、ヒロインの妊娠してしまった後の道で崩れる所、それを助けるヒーローに涙が止まらなかった。
こんなにヒロインを助けてくれる人はいなくて、ヒーロー以外優しく包み込んでくれる人がいないっていう現状が苦しさを倍増させた。
私はきっと今後もこういう作品を見ては社会に落胆するんだろうな…
バディもの青春映画
男女の組み合わせだけど、完璧に「バディ」もので、私の好物でした。
刑事でも探偵でもヒーローでも軍人でも、先生と生徒でもないけど、バディもの。
友達であれ、家族であれ、恋人であれ、相手のありのままの生き方を受け止めて、理解し、否定しないことの大切さ。
逆に、差別・偏見を「普通」とする中年以上世代の価値観を押し付け、相手を束縛しマウントとる人間たちが、いかに傲慢で醜悪か。
それらを魅力的な2人のキャラクターと物語で見せる、素敵な青春映画でございました。
その組み合わせから、結局この2人も恋愛・結婚で終わるのか?と思わせるミスリード誘導のシナリオも上手かった。
物語の重要な小道具として、映画『君の名前で僕を呼んで』が使われていたのも面白かった。
愛=会い
友情と愛について、考えさせられる映画でした。会いたいと思う気持ちが愛なのかと、私はハッとさせられました。
若手が頑張っていて、テーマも申し分ないのですが、前半がやや単調かなと感じたのと、女性への暴力シーンの後の交番のシーンで笑いを取ろうとしている?シーンはちょっと…って感じましたので、星は4つにしました。
ストレートな彼女が教えてくれる
改めて、「バディ(buddy)」の意味を調べた
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