劇場公開日 2025年6月13日

「自分らしさが強みになる社会がいいな」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ Rosaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分らしさが強みになる社会がいいな

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

斬新

映画の中でジェヒがフンスに言う象徴的な台詞「なんで自分らしさが弱みになるわけ?」
日本は同調圧力が強い社会だと言われるけど、韓国も全く同じなんだなと改めて思いました。韓国出身の友人、知人には自分の意見をハッキリ言うタイプが多いので、周囲の顔色や意向を気にして自分の意見を曖昧にする人が多い日本とは違うのかなと思っていたけど、この映画でのLGBTQIA+に対する集団的な差別、それを恐れてカミングアウトを拒む主人公、また自由奔放に生きる女性への厳しい目線やバッシング…
これじゃまるで日本と同じ、いやもしかしたら皆が意見をハッキリ表明する分、マイノリティが日本より行きづらい社会なのかもと思いました。
最近観た「ケナは韓国が嫌いで」という映画では、主人公が閉塞社会から逃げ出して海外へ移住するけれど、この映画では”社会の異端者”どうしが友情を通じて、お互いに成長し、自分は何者なのかを見出し、そして周囲の偏見をはね除けて幸せを掴んでいく、ポジティブなメッセージを残す結末が待っています。
私が過ごした大学は、「個性や自分らしさを示してナンボ(人と同じだったり「普通」だったりが軽蔑される)」という文化だったので、アラ還となった今でもその頃がとても懐かしく、この映画はそんな私自身の青春時代をも思い起こさせてくれる作品でした。日本社会の閉塞感、独自な考えや生き方に冷たい目線を向ける”マジョリティ”の人々、そしてマイノリティや異端者の生きづらさといったものを、私たち日本人も克服していけたらいいな、そして「自分らしさが強みになる社会」になるといいなと思える、この映画は現代を生きる私たち一人ひとりへのエールなんだと感じました。

Rosa
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