陽が落ちる

劇場公開日:2025年4月4日

解説・あらすじ

「ウスケボーイズ」「シグナチャー 日本を世界の銘醸地に」などの作品を手がけてきた柿崎ゆうじ監督が初挑戦した時代劇。武士の妻である主人公が、蟄居を命じられた夫とともに過ごす日々を通して、武家社会の中で紡がれる美しい夫婦の情愛や家族愛、武士の妻であることを貫く女性の生きざまを描いた。

文政12年(1829年)、江戸幕府の直参旗本で書院番を務める古田久蔵正成を夫に持つ良乃だったが、夫の久蔵は江戸城在番の折に将軍の弓に不都合が生じた罪により、蟄居の身となってしまう。良乃は久蔵とひとり息子の駒之助とともに過ごす中で、夫や身内のためにもたくましく気丈に振る舞う。そしてある日、ついに久蔵の沙汰が決まり……。

これまでの柿崎監督作品にも多数出演してきた俳優の竹島由夏と出合正幸が、良乃と久蔵の夫婦役を演じた。

2024年製作/133分/G/日本
配給:MomentumLabo.
劇場公開日:2025年4月4日

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映画レビュー

3.0この監督さんの

2025年7月7日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

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トミー

3.5【主君の名により切腹の沙汰が下った夫。だが妻は武家社会の掟に静な怒りと共に夫の尊厳、家族の絆を護ろうとした新たなる時代劇。私は今作は武家社会の掟に、静な怒りをぶつけた作品だと思ったのである。】

2025年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

難しい

■主君の大切な弓の弦を粗相により切ってしまった直参旗本の夫久蔵に蟄居の命が下る。更にその後、旧友からは、一首の歌にて切腹の沙汰が下される事が伝えられる。
 それを知った三河藩の由緒ある家から嫁いできた妻・良乃(竹島由夏)は冷静に、下働きの娘と下男に相当の品を送り、暇を出すのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作では、直参旗本の夫久蔵に蟄居の命が下った理由は”主君の大切な弓の糸を粗相により切ってしまった”としか、示されないが、そこから切腹とはこれ如何に、と思うのだが、実は江戸時代には政争などで、無念の詰め腹を切らされた武士が多数居る。
 だが、その多くは主君の命を受け、切腹をしている。分かり易い所では、山本周五郎の名著「樫ノ木は残った」などがあるが、読んだ時は”何でだ!”と、大変に憤慨をしたモノである。

・今作では中盤までは、妻・良乃は驚きと哀しみを抑え、夫亡き後の事を考え冷静に行動する。観ている方は、”オイオイオカシイだろ!”と思いつつ鑑賞する。

■一人息子を旧友が引き取ってくれることが決まり、夫婦二人で夜に話すときには夫久蔵も、腹が決まったのか冷静に酒を酌み交わすのである。
 だが、陽が昇り夫の切腹の前に現れた大目付の前で、妻・良乃は”一文字や、十文字では貴方の衣服に夫の臓腑が飛び散り、汚してしまいます。扇子腹でお願いします。”とキッと目を見開き、告げるのである。

 戦国時代であれば、切腹は一文字が普通で、立派な切腹は一文字に腹を切った後に刃を斜め上に切り上げて、更に”お頼み申します。”と介錯人に告げる最期を遂げると”あの人は、立派だった。”となったそうだが、江戸になると扇子を腹に当てた瞬間に、介錯人に首を撥ねて貰うやり方が普通だった。

 妻・良乃は江戸時代で刃による切腹を命じた主君に対し、且つ大切な弓矢だか何だか知らないが、モノを壊しただけで夫に切腹を申し付けた主君に対し、明らかに、激烈な怒りを示しているのである。この時の妻・良乃を演じた竹島由夏さんの表情が、マア怖いのである。

<今作を海外では武士道の潔さや、所作の美しさを絶賛するなどという評が散見されるが、トンデモナイ事である。

 武士が主君の命を受け、唯々諾々と腹を切る事が美談とされていたために、日本はその後、大東亜戦争でも、第二次世界大戦でも”一億総玉砕!”などという愚かしきスローガンを掲げるような国になってしまったのである。

 第二次世界大戦末期、沖縄がどうなったか、広島、長崎はどうなったか、特攻隊で何人の若者が命を散らしたか。
 全ては、ルース・ベネディクトの名著「菊と刀」に記されているように、日本の武士道や”恥じの文化”が根底にあるのである。

 今作制作の監督がどのような意図で今作を製作したかは、監督インタビューの上映回ではなかったので聞けなかったが(実は、凄く聞きたかった。)私は、今作をそのような武家社会の掟に、静な怒りをぶつけた作品だと思ったのである。

 でなければ、全てが終わった後に、夫が残した扇子を妻が錯乱したかの様に、破り捨てたりはしないと思うし、下働きの娘が、たどたどしい文字の”だんなさま、ひとりではかわいそうだから・・”という遺書を残し井戸に凭れて首を切って死んでいるシーンは、入れなかったと思うのである。

 今作は、個人的に大変に腹を立てながらも、妻・良乃を演じた竹島由夏さんの覚悟を決めた怒りの表情に魅入られた作品なのである。>

<2025年6月29日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

2.0狂ってる

Mさん
2025年6月15日
Androidアプリから投稿

時代(上司)も狂ってるけど、奥方も友人も奉公人も狂ってた。ましてや奉公人の父親は何なんだ・・・。
監督が何を言いたかったのかよくわからなかった。命を大切にしろと言いたかったのか、名誉を大切にしろと言いたかったのか。あるいはこんな狂った時代にしてはいけないと言いたかったのか。
他にも、当時の10歳ということは今でいう8歳(か9歳)くらいなのにこんな子をあてていいのかと思ったり・・・。

とはいえ、役者さんは素晴らしい演技でした。順撮りや撮影中は日本のものしか食べない等、徹底したという成果だったのでしょうか。
ただただ、監督が何を言いたかったのかわからなかったことだけが残念です。

主人公は安達祐実さんの妹かと思いました。

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M

4.5武士の妻の観点から描いた静かな時代劇

2025年6月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

斬新

ドキドキ

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月光仮面