トロン:アレス : 特集
【AI時代に挑む新・映像革命】AKIRA・大友克洋&ドラゴ
ンボール・鳥山明も熱狂、「トイ・ストーリー」生誕の
キーに…偉大な傑作「トロン」を知っているか?新作で
描くは、観るだけじゃない“侵食系”デジタル映画体験

世界で初めて長編映画としてCGを本格導入した“伝説の映画”「トロン」を知っていますか?
その映像体験は「AKIRA」の大友克洋や「ドラゴンボール」の鳥山明、「トイ・ストーリー」などのジョン・ラセターら世界的クリエイターに多大な影響を与え、「アバター」「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」など数々の名作も「トロン」がなければ生まれなかったとされる“伝説の映画”、 いわば“映画界の転換点”――。

そんな「トロン」の最新作が、世界を再び圧倒するのです……タイトルは「トロン:アレス」、10月10日に日米同時公開――!
「アレス」がもたらすのは、映画の歴史を再び変えてしまうほどの“衝撃”。観るだけではない“侵食する”そのひとときを1200%ご堪能いただくために、「トロン」の偉大さや、最新作のすさまじさを紐解いていきます。
【まず知ってほしい、この偉大さを】「トロン」は史上
初めて映画にCGを本格導入し、革命を起こした衝撃作

●「スター・ウォーズ」に匹敵する偉大な名作を知っていますか?「トロン」がなかったら「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」「アバター」も生まれていなかった!?!?!?

「トロン」がいかにすごいのかを知ると、最新作「トロン:アレス」の鑑賞意欲が非常に、非常に強く刺激されることでしょう。
1982年に公開された“伝説の始まり”「トロン」。そもそも同作は、世界で初めてCGを本格導入した映画として記録されています。つまりは現代の「CGを使った全映画」が「トロン」の影響下にある、ということ。

写真:Album/アフロ
ならば、「ターミネーター2」や「ジュラシック・パーク」、さらには「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」「アバター」も、「トロン」がなければ生まれなかった、あるいは別の形になっていた可能性が高い――。
後世に与えた影響の大きさから、映画.com編集部内では「『スター・ウォーズ』に匹敵するレベルの傑作」と定義されており、それゆえに「トロン」は「ただの映画」ではなく「伝説の映画」と断言できるのです。
●どんな人たちが「トロン」に影響を受けた? 「AKIRA」大友克洋&「ドラゴンボール」鳥山明も熱狂、「トイ・ストーリー」生誕のキーだった

写真:Album/アフロ
「トロン」をまだ観ていない人は幸運です。なぜなら、あの衝撃を、これから味わうことができるのですから――。
この映像体験に公開当時、どれだけ多くの人が影響を受けたのでしょう? 「トロン:アレス」のテーマのひとつでもある“AI”を駆使してリサーチしてみると、大物たちの名前が次々にリストアップされてきました。
[ジョン・ラセター(映画監督・アニメーション作家/代表作「トイ・ストーリー」シリーズ]
「トロン」の初期映像を観たことがきっかけで「アニメーション×CG」に“無限の可能性”を感じたそう。
[大友克洋(漫画家・映画監督/代表作「童夢」「AKIRA」)
「トロン」の影響下にあるのは、傑作「AKIRA」。
[鳥山明(漫画家・デザイナー/代表作「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」「ドラゴンクエストシリーズ」)
世界的に知られる“伝説の漫画家”鳥山明さんも「トロン」に魅了されたひとり。とある作品の単行本の余白では

その他にもAIは「アニメーション」「ゲーム」「デザイン」「音楽」「ビジュアルパフォーマンス」などの分野で“誰もが知るクリエイター”をあげ、「トロン」についての議論を展開していました(全ては紹介しきれないので、あなたも是非AIと対話してみて!)。
そんな“影響力極大映画”のシリーズ最新作が、遂に公開――映画ファンだったら、期待が上がらないわけがないんです――。
【最新作「アレス」が、再び映画を“変える”――】
映像革命×アツい物語×アガる音楽…鑑賞が確定した

期待感が上がってきたところで、ここからはシリーズ最新作「トロン:アレス」の魅力にフォーカス! これを知れば“鑑賞確定”の作品であることがわかるはず。
【鑑賞確定①:とにかくかっこよすぎる】
ディズニーがAI時代に挑む“新”映像革命“!!!!何はともあれ、まずはこの“映像”を見てくれ。話はそれからだ――コミコンの演出&本編の映像表現に痺れまくり→ここに、映画の“新たな未来”を見た――!!!!

かつて“映像革命”と称された「トロン」。その最新作は、とにもかくにも“かっこよすぎる”ことが最大の特徴です。
論より証拠、世界最大級のポップカルチャーの祭典として知られるサンディエゴ・コミコンでの模様をご覧ください。「トロン:アレス」チームは、パネルディスカッションへと臨む前に、特別なオープニング演出を行っていまして――とにかく見てください!!!!!!(ここでは画像で、その一部始終をご紹介。映像でご覧になりたい方は、ご自身で検索することをオススメします)

Photo by Amy Sussman/Getty Images

Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

Photo by Michael Buckner/Variety via Getty Images

Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney
本当に、カッコいいがすぎる演出で半端じゃない……(語彙力吹っ飛んだ)。
続いては、本作の予告編をご覧ください。
決めました。「トロン:アレス」のTシャツ、買います。それほどにカッコイイ――。
映画.comは、「トロン:アレス」によって映画の新たな地平が広がっていくことをほぼ確信しております。
【鑑賞確定②:“逆転”のストーリー設定がアツい】
過去作は現実世界の人間がデジタル世界へ 今度はデジタルが現実を“侵食”する――!! AIの進化による“理想”と“懸念”――この映画、ただ“観る”だけでは終わらない

映像表現のすごさは期待できるけれど、ストーリーはどうでしょうか? これも抜群にそそられるんです。
第1作「トロン」では、天才プログラマーが“デジタル世界”へ侵入→生死をかけたゲームに挑んでいく様子が描かれ、2010年に公開された続編「トロン:レガシー」でも同様に“デジタル世界”でのバトルが展開していました。
で、これを踏襲するかと思いきや、新作では“逆転”することが実に興味深い! なんと現実世界でのAIプログラムの実体化が成功。そんなAIが“暴走”し始めたことで、デジタル世界による現実世界の“侵食”が始まっていきます。
[あらすじ]
AIプログラムを実体化するという画期的な発明によって誕生した、AI兵士アレス。
“彼”は圧倒的な力とスピード、そして優れた知能を備え、倒されても何度でも再生可能という、まさに究極の兵士だった。しかし、現実世界での生存時間はわずか29分間に限られていた。
そんな中、現実世界で人間と出会ったアレスの中に、ある“異変”が起きる。やがてAIたちは“永遠”を求め、制御不能となり暴走。デジタル世界が現実世界を侵食していく。果たして、アレスの驚くべき目的とは──?

AI時代が到来した“いま”、 ディズニーが満を持して描くこの物語は、「現実には絶対に起こり得ない」とは言い切れない。
本作は決して「観る」だけでは終わらず、今まさにリアルに起こる出来事として体感でき、あなたの価値観を根こそぎ変えてしまうかもしれない――ゆえに「トロン:アレス」は、現実を侵食する新・映画革命となるのです。
【鑑賞確定③:“制御不能”のアクションがエグい】
不死身の“究極兵士”による規格外バトルが想像のはるか上――超速バイクで疾走&パトカーを真っ二つ!! 興奮、興奮、大興奮!!!!

さらなる“大きな見どころ”はやはりアクション! そこで大活躍する、人型AIの“何がすごいのか”をご紹介しておきましょう! そのスペックは……
そんなすさまじい能力をフルに駆使した、とんでもないスケールのアクション描写が“必見中の必見”なのです。

予告編では、超速スピードバイク「ライトサイクル」で重力を“ガン無視”した爆走チェイス!……だけでなく、搭載されたレーザーでパトカーをスパッと真っ二つに!
飛行ユニットで高速滑空したり(戦闘機と互角の速さ!?)、観れば独特のアドレナリンが放出される“ディスクバトル”もチラ見せしていて、もう、本当に早く“全貌”を見せてくださいと懇願したくなるアクションがわんさかなんです。
予告編ですべてのアクションを明らかにするわけはないし、本編では“これ以上”が待ち受けていることは明らか。映画館で観たら、私の感情はどうなってしまうんだ……?
【鑑賞確定④:音楽で“アドレナリン大爆発”】
「ナイン・インチ・ネイルズ」がグループ名義で映画音楽を初担当!圧倒的な映像美と完全にマッチ→フェスばりにテンションアガります

視覚的な凄さは伝わっていると思いますが、耳からの刺激も凄すぎて――脳に直接響く極上サウンドが待ってます。
「トロン」「トロン:レガシー」では、エレクトロニデュオ「ダフト・パンク」が手掛けた楽曲が大きな話題になりましたが、今回は「ロックの殿堂」入りも果たした「ナイン・インチ・ネイルズ」が担当!「ソーシャル・ネットワーク」「ソウルフル・ワールド」でアカデミー賞受賞歴を持つトレント・レズナーとアティカス・ロスが率いており、バンド名義での映画音楽担当は“初”なんです。

Photo by Araya Doheny/Getty Images for Disney
完全書き下ろし楽曲が予告編でも流れているんですが、映像への“ハマリ具合”がマジで半端無い。このアガリまくる楽曲の数々――サントラ購入は“即決定”事項といえるでしょう。
映像表現が異次元に突入し、まだまだ“隠された部分”もありそうなストーリーに惹きつけられるだけでなく、音楽も“最高品質”が用意されている――。ということで、改めてお伝えしておきます。
【ネタバレなしレビュー】いやめちゃくちゃよかった!!!
音、物語、ビジュアル、没入、全て高品質の“強”推奨作

気になる“実際に観た感想”をお届けして、本記事を締めくくりましょう!
●筆者紹介

●鑑賞後の第一声は「むちゃくちゃ良かった」――どこをどう切っても“えげつないクオリティ”! そして過去作は予習なしでALL OK、新たに“熱中できる作品”に出合える

最初に結論を述べたい。鑑賞後の私の第一声は「むちゃくちゃ良かったですよこれ……」だった。
冒頭から音楽にハートを鷲掴みにされ、胸をアツくする物語、ため息もののかっこよさを誇るビジュアル・インパクトなどなど、どこをどう切っても「シンプルに映画としてのクオリティがえげつなく高い」とシビれっぱなしだった。

自信をもってオススメできるし、さらに「前作、前々作は予習なしでOK」とも断言させてほしい! シリーズ未見でも楽しめるどころか、むしろ「アレス」のあとに前2作が観たくなるよう、効果的に作られているからだ。
ゆえに、新たに“熱中できる作品”に出合える――あなたの世界が拡張する意味でも、素晴らしい一作だったと筆者は思う。
●音楽が期待以上に最高――理屈ではなく一瞬で没入する稀有な体験。この映画は“本能に刺さる”!

何が一番良かったのかと聞かれれば「音がすさまじかった」と即答する。
物語が始まった瞬間、音楽により意識が深層から一気に目覚め、理屈ではなく一瞬で没入する稀有な体験。特に冒頭の楽曲「Init」は、天をつくほど高らかに鳴り響く旋律が“自分自身が進化していく”ような心理効果を及ぼし、耳ではなく魂を震わせる……ごく短いオープニングだけでも鑑賞料金分の価値があると思うほど、この映画は本能に刺さる!

そしてアクションや映像は期待通り衝撃的だったが、期待以上だったのが音楽。映像と融合した破壊力が半端じゃあなく、さらに映画館の音響と空間により興奮がエグいまでに増幅されていた。想像してみてほしい、私は実際に浴びてぶっ壊れそうだった。
映画館での体験の本質は、実は“音”なのかもしれない。鑑賞後はサントラで作品世界に浸りつつも、劇場で味わった音圧の“インパクト”は本当に忘れがたかった。
●物語が非常に刺さった――“29分”という設定が絶妙。“限りある命を燃やし、生きる”展開が、胸をひたすらにアツくさせる

「トロン」シリーズは映像がフォーカスされがちだが、個人的に“ストーリー”も強く推したい。「アレス」もストーリーが非常によく練られていて、むちゃくちゃに刺さったからだ。
本作のキーワードは“29分”である。
“デリンジャー社”という大企業がある(描かれ方的には悪役だ)。巨大な3Dプリンターみたいな機械で、軍事利用される戦車や自在に動く肉体など、実にさまざまなものを作り出せたりする。

アレスはそうして生まれた肉体にAIを搭載した、デリンジャー社の“AI戦士”だ。しかし大きな問題があった。生成物には活動限界があり、29分を超えるとバラバラに崩壊してしまうのだ。29分の壁を克服すれば目玉が飛び出るほど大儲けできるし、なにより世界が革命的に変わる……。
しかし、ライバル企業の“エンコム社”(どちらかというと主人公サイド)が、制限時間を超えても存在できる“永続コード”を発見してしまう。コードをめぐって激しい争奪戦が始まる。そしてアレス自身も、エンコム社を攻撃する任を受けながらも、自分が29分限定の使い捨てだという事実に、言いようのない感情を抱えていて……。

この“29分”が絶妙によくできていて、物語のあらゆる局面を一段も二段も面白くしている。やがてアレスが“限りある命を燃やし、生きる”というアツすぎる展開に突入し、どうあっても私の胸を打ち続けた。
説明的なセリフではなく、映像と芝居で物語をわかりやすく・かつ魅力的に伝えていく演出も相まって、没入は一切そがれることがなく、一気呵成にエンドロールへとたどり着くことに……もっと観せてほしいくらいだった。

かくして「トロン:アレス」は非常に、非常に満足度が高いひとときを与えてくれた。この記事を読んで少しでもピンときたのなら、あらゆるハードルを超えて観に行くことをおすすめする。
ほかでもない、映画館で、ぜひご覧あれ!
