果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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すごーーーくいい作品です、見たほうがいい
いい作品でした
なんか、一個人が世相をみて良かれと思って作った作品を、ヘボとか、許さんとか、笑うとか、特に笑うとか非常にさもしい評価があり、まさに、味気ない地獄みたいな世相の中で、それでも個人はその中にある生きる希望や博愛の心を人は持ってるだよ、と教えてくれた作品でした
死の世界なんか誰も見たことないのに、ルールがないとか方向性がわからないとか、 そこは想像でええやん だって、アニメなんだもん 神曲の煉獄篇みたいな感じで連想して、今の戦火にある人達のことも馳せながらその中で、もし自分がそうだったらどうなんだろうとかでいいんじゃないの、これを見て私はやはり日本は平和な国なんだ、とつくづく思いました、
私は、結構、歳いってますが、人生の中で自分なりに絶望を感じたことはありました、その中で少しでも前にいけるように、時に楽しいことを考えたり、それを真似てきたりしたこともあって、劇中のダンスのとこは思わず泣いてしまった 笑うとか、
まー、何を思うかは本人の自由ですが、彼らに今から起こる絶望の参考になってくれればいいなー、と思います
飛躍かもしれませんが、特に聖は、看護師、弓使い、博愛精神から仏様の化身で、スカーレットの心のどこかで生きていた方がでてきたものだと感じました、劇中でダンスの前に彼が歌いだしたことをキッカケに、彼女の内面の映像が流れます、それは彼女が復讐鬼になる前の優しい一面を思い出させてくるかのように
そこから、初心を思い出すことによって人を許すことや自分を許すことの大事を覚醒させたように思えます
苛立ちや怒りや憎しみが多い世間で、そこに立ち戻る 明るい未来は自分の心の持ちようなんだよ、そんなメッセージをダンスから感じました、 あえていいますけど、そこを笑うとか まー笑っても、侮辱、侮蔑しても全部自分に跳ね返ってきますからね
とにかく、久しぶりいいアニメを見せて頂けました
何十年ぶりに同じ映画を2回見てみようかなー
おすすめです
心に響く作品でした。
細田守監督の作品が大好きです。他人、家族、友達との関わり方や、生きる強さなどを教えてくれて、生き方、考え方が変わるくらい影響をもらっています。
そんな、細田守監督の作品は子供ができてからも一緒に楽しく観ていて、(息子は中でもサマーウォーズが好きすぎだそうです)今回は息子がある程度理解できる歳になったので、映画館へ最新作を一緒に観に行くことにしました。
ストーリーの初めの方はグロテスクなシーンや戦闘シーンがかなりあり、息子を連れて映画館で観るのは間違えたかなと思ったのですが、ストーリーが進むにつれて、なるほどと思いました。最後は上手くまとまっており、涙が出るシーンもありました。息子には難しい話だったけれど、息子なりに何か感じとったようでした。(ですが、子供にはおすすめしません。)
ストーリー自体の意図は分かりやすく、
マイナスな事を考えていても、自分を苦しめるだけ。お互いの事を考えて、愛情を持ち、人生悔い無く楽しみなさいと細田監督流にアレンジした物語りなのかなと私は解釈しました。
以前、天国と地獄は自分が死んだ後に、自分がどっちに行くか決めると聞いた事があります。自分が人の為に生き、良い行いが出来たと思えたら天国へ、逆に少しでも、後ろめたい事があれば地獄へ、天国と地獄は自分が作り出すかたちだそうです。
今回の作品は悪いレビューが沢山あるけれど、私はとても良い作品だと思いました。
音楽が素晴らしいし、壮大感は再現出来てます。強いていうなら、CGが少し残念でした。それでも、観て良かったなと思いました。これからも、細田守ワールド楽しみにしてます。
巷の噂ほど悪くは無かった
ラストがしょぼいとか、話がとっ散らかってるとか色々ツッコミ所はあれど、全体的に悪く無かった。
宮崎駿の「君たちはどう生きるか」やコッポラの「メガロポリス」などの巨匠晩年観念的な作品作る病気に細田守も陥ったかと思いきや、話が散らかりながらも一応きちんと作ろうとしている姿勢は感じた(宮崎駿とかはぶん投げていたのに)
よくよく考えてみると、これ話の構造がほぼ「時をかける少女」と同じな事に気がついた。ある意味自作のセルフリメイク的な仕上がりになっている。
時間がなかったのか知らないが、もう少しシナリオと作画(特にラストシーン)を丁寧に作り上げていたら傑作になる可能性も秘めた企画だっただけに実に惜しい。駄作というよりも、秀作になる一歩手前で未完成で納品されてしまった作品という印象。
観れなくはないけど…
最初に言います。脚本が粗い!
ほんとにびっくりするくらい粗いです。
なんとなく愛とは生とはみたいなのを伝えてきてるのは分かるんだけどそれがうすーく伸ばされただけだから見てる側すれば分かりづらい。
それと聖(CV 岡田将生)あなた看護師になる動機しょぼいくないか?進路に迷って阿弥陀くじで決めて10秒くらいで志望動機考えたんかってくらいペラッペラ。
それに全体的に盛り上がりに欠ける。強弱がないからしっかり見てても序盤、中盤、終盤の抑揚がないからもう終盤かい!ってなる。
あと果てしなき場所に行く時のスカーレット一行の移動がほぼない。まじでないからあっという間に着く。BLEACHで出てくる瞬歩でも使ってんのかよってツッコミたくなる。確かに移動シーンは全体的にダレやすいけども細田守監督なら面白く出来たんじゃないかな?って思いました。
最後に視聴するならハムレットのざっくりとしたあらすじは知っといた方が楽しめるかなと感じました。
細田作品らしさと言うべきか⋯
違和感ばかりを感じる映画でした。
例えば壁が破壊されそうになっているシーン、城壁の上からボウガンを構え「撃つぞ!」と叫ぶだけで撃たない兵士⋯
破壊されそうになっている段階で撃たないという描写が不思議でした。
他にも普通はそんな感情にはならないでしょう⋯と思うシーンであったり。
そんなのばかりでした。
逆転の『ハムレット』、ヒロインとしてのスカーレット、アニメの美しさ
事前に酷評も含めてレビューを読んで身構えていたが、そこまで言うほどではないというのが率直な感想。
映画としては言いたいことは割とシンプルで、舞台設定などの世界観はちょっと変だが、映画のスペクタクルとして見せたいシーンなどは映像が美しく、セリフよりも絵や動き、表情でドラマチックに見せる演出は見ごたえあった。キャラはスカーレットと聖以外は薄っぺらいかもしれないが、テーマ的にはこれで良いのではないかと感じた。(ただモブシーンなどは少し雑に見えるのは事実だがこれも本筋ではない)
世界観は、単純にシェイクスピアのハムレットの復讐を逆さにしている。オリジナルでは殺された王がハムレット(スカーレット)に復讐を訴えるが、スカーレットの王アムレットは、最後に亡霊として復讐をやめることを訴える。ハムレットは復讐を果たして死ぬが、スカーレットは復讐を果たしたうえで生き返る。
オリジナルのハムレットは、最初から復讐心もあるのに、直接クローディアスではなく、復讐のために狂気をよそおってまわりのポローニアスやオフィーリアを死においやるが、なかなか直接復讐することをしない。このあたり、TSエリオットがいうように、劇としてはハムレットの内面的な悩みが、復讐相手という直接的な対象を超えたものになっており、ひどく内向的にこもりきっているように見えるのだ。
スカーレットでは、復讐にたどりつけないのは死後の世界でクローディアスと隔たれた荒野のせいであるが、直接クローディアスに怒りをぶつけられない代わりに、「いい子ちゃんの」聖をなじったり(この点はオフィーリアを罵るハムレットのようだ)、盗賊やコーネリアス、ヴォルティマンド(この二人はハムレットでは隣国ノルウェーが攻めてくるかもしれないという脅威に派遣される使節である)と争ったりしている。ただスカーレットの狂気(復讐心)は、ハムレットと同様に、自分を狂気へと縛るものでしかないこと、死(復讐)だけが救いであること、などが聖のキャラクターの存在によって、変わっていくさまが特長的だ。
スカーレットは主人公らしく、最初から最後までアニメーションとしては魅力的だ。芦田愛菜も叫んだり泣いたり歌ったりしてスカーレットの落差の大きい感情や熱意や絶望を演じている。聖は必要以上にリアルではなく、シンボル的な良心であり、ふさわしい美男子だが、血にまみれたヒロインへの癒しとしてはこのような非現実的なキャラが必要のように思った。
最後にアニメーションとしては風景が美しく、なるべく監督は死後の世界を、ハムレットの翻案ではなく、現実の一部として見えるようにしたかったのではないだろうか。砂漠だけでなく雷や溶岩、海の美しさなどは、美しいだけでなく非情な冷たい風景でもある。またフラや踊り、隊商の老人たちなどはこれだけでも世界紀行の一部のようだ。(関係ないが、未来で踊る聖とスカーレットの背景となる渋谷駅は、「将来こんな駅になるのかな」と素直に思った)
そして予定調和のように雷を落として現れる武器のあちこちに刺さった大きな竜、人々が昔の武器で争う姿などは人間の「戦争の歴史」を見せたかったようだ。これらも映画としてみればスペクタクルだが、逃れられない過去と未来の現実を暗示しているようにも思える。スカーレットの表情はさわやかだが、人間の問題はまだまだ解決にはほど遠い。
言うほど悪くないが良くもない
通常とIMAXを鑑賞。
事前の予告編を何度か劇場で見て、嫌な予感はしていた。
予告編冒頭で過去作のシーンを流す時点で、本編で出すべきものが無いのか、何を魅せればいいのか宣伝側が判断できていないのかと感じた。おかげでハードルを下げることができたが。
本作は興行作品としてはそれなりに楽しめる。少なくとも現在言われるほど酷評されるものではない。予算と人的リソースをつぎ込んでいるのだから当然と言えば当然か。しかし、現在公開されている劇場アニメ作品群に比べると、その仕上がりは正直厳しいと言わざるを得ない。
細田作品については、バケモノの子以降の全体的なバランスの悪さが改善されていない。鑑賞中に作品世界から客席に引き戻される事が度々あり、シンプルに最初から最後まで作品を楽しめないのが残念。
ただしアクションシーンは文句なく素晴らしい。ここだけは評価できる。いっそ、アクション見るためだけに行ってもいいくらいだ。
死後の世界を精緻な背景と2Dキャラを合わせた形で描くのはそれなりに面白いと思った(良いかどうかは別として)。
IMAXの音響は流石である。存分に楽しめる。まぁ、そのためにこちらが払うコストは安くないので、お好きな方にはオススメする程度である。
個人的に一番気になっているのが「聖の存在」である。
なぜ彼なのか?彼でなければならないのか?
彼を出すために唯一の未来人で東洋人で男性で看護師での設定がつきまとい、渋谷のダンスシーンがついて回る。
過去と未来、生と死が溶け合う世界などではなく、シンプルに死後の世界でも良かったのではないか?
彼女の許しへの過程がテーマであるなら、彼女の父親の少年時代の姿でも良かったのではないか?
なぜ「聖」なのか?これがずっと付きまとい、彼がなぜ弓を弾けるのか、馬に乗れるのか、疑問が次から次に湧いてきて、作品世界から引き戻される。
また、彼女がなぜ彼に惹きつけられるのか、急に恋心を宿すのか、あのダンスシーンでそんなに心変わりするものなのか、ラストで彼女があんなに駄々っ子のようになるのか、疑問は尽きない。
演じた岡田さんは完璧なのに、彼の存在自体が作品のノイズになっているように感じる。
ひょっとするとラストシーンありきで逆算で全体を作り上げたのだろうか。
通常なら脚本段階でラストシーンの軌道修正が検討されてもいいはずなのに、監督&脚本であるが故にその修正も効かなかったのかもしれない。
SNSなどを見る限り「芦田愛菜の演技」に疑問を呈している人をほとんど見かけない。
確かに彼女は上手い、そして器用だ。これまで他の声優作品も見ているが、これは一貫している。
ただし、今作においては事情が異なる。
彼女以外のキャストがベテラン・演技巧者の俳優・声優で占められている。端役に至るまでもう驚くほどのキャスティングである。するとどうなるか?
彼女の演技が浮いて見えるのだ。
彼女はスカーレットではなく、スカーレットを演じてる芦田愛菜なのである。
彼女が器用であるが故なのか、子役からの癖なのか、役者としての経験値不足なのか、どうしても芦田愛菜が透けて見える。特に長台詞や感情の高ぶるシーンでは顕著で、ラストのもう一人の声は単なる芦田愛菜になっている。
もし彼女ではなく本職の声優が担当したら、あるいは彼女の役者としての経験値がもっとあったなら、と想像してしまうほどに惜しい点に感じる。
本作に関して、プロモーション的にどうなのか?というのがある。
世界展開を視野にソニーを入れたのは良いが、そのために作品世界が複雑になってしまったのではないか、と感じる。
ハワイや中米、中東など様々な世界が出てくるが、必然性が感じられない。溶け合う世界を演出するためだけなら、いっそ死後(過去と現在)でヨーロッパに絞った方が良かったのではないかとも思う。
昨今のディズニー作品がポリコレを変に意識しすぎてキャラがおかしくなってるのに近いものを感じる。
世界に受け入れられるのは見た目の多様性ではなく、もっと根本的なものを真摯に取り扱うかなのではないかと思う。人種や性別を変に意識して世界観がおかしくなる方が本末転倒な気もする。
冒頭の予告編だけど、主にアニメ系作品の上映時に流れていた印象が強いが、これも逆効果だったのではないかと思っている。
近年の劇場アニメ作品はとてつもなくレベルが高く、そんな作品を見に来た客にあの予告編を見せて、見に行きたくなる客がどの位いるのか疑問である。いっそ実写系作品の前に流した方が良かったのではないかとも思う。
プロモーション側も「ポスト宮崎」としての細田作品に期待しすぎなのではないかと思う。
というか宮崎駿が特別なのかと。監督としてのスキルはそれほどでも、不足分を補って余りあるアニメーターとしての力量が凄まじい。だから作品として成立しているし、世界的な評価も高い。
そもそも細田作品も新海作品も「ジブリ的な作品」として認識している一般客が多く、そのジブリブランドすらも近年怪しくなりつつある。日テレで定期的に放送してるから知名度が保てているだけで、もはや今のアニメ観客の多くはそこを求めていないではないかと思われる。
そんな状況で「ポスト宮崎=細田作品」というプロモーションはなかなか刺さらないのではないか。輪をかけて近年の細田作品はアニメファンに受けがいいわけではない。
もう少し、作品内容自体で宣伝した方が良かったのかも。
以上、部分部分は良いが、全体としてあるいは要所要所が気になってしまい、これまでの細田作品の中でも上位には食い込めない、そんな印象でした。
細田ファンしか評価しないよね(汗)
本当につまらない内容でした。
ぼくは細田さんの映画が好きで全て劇場で観てきましたが、3作前からあれあれどうしちゃったのかな?
ととても裏切られた感じです。
スカーレットも主人公が困れば謎のドラゴンが悪をやっつけてくれる、こんな都合の良い話に共感はできません。
悪側もいろんな理由があるだろうに表面的なとこしか描かれてなく、黄泉の国も偏った人たちしか出てきません。
雑なストーリーづくりで、こんな綺麗事で戦争もなくなりませんし、説教臭い割に教えが現実的ではないですね。
美しい背景ですが、最近の映画ではそんなに驚くほどではないですね。
あの渋谷のダンスパーティー的なところもまったく意味不明(^_^;)要らないです。
ほんと残念な出来でした(T_T)
不器用すぎです
まずわたくしの評価基準は作り手メッセージが濃いかどうかが大きいので、視点が合わない方が多い前提でコメントします。
作品そのものは温もりのあるメッセージを感じられる点、おまけ評価込み星5つけさせてもらいました。今どきらしくない映画の良さを楽しめます。
●気になる点
皆様ご指摘の通り細田作品あるある、脚本中の設定不自然箇所、現代人が聖しかいない気がする点(モブまで注意深く観察したらいるのだろうか…)。死後世界で食料は何処で誰が作っているのか?死人に必要なのか?などなど気になります。また、シーンが単調に長く進む箇所があり、ストーリーが中だるみし途中で飽きてしまい(後半は盛り返すが意識が途中離脱する人も多そう、)観る人を振るいにかけてくる点笑。突然のミュージカルシーンへの違和感は世界線それぞれのギャップ感で現代社会平和部分の尊さを強調する意図とわたくしは受け止めましたが、観る人の多くはそう受け取らなそうだし、観てる側が少々恥ずかしくなる点。このあたりからのスカーレット心境変化も唐突過ぎてやや強引、何かもう一工夫ほしい点。あと、頑張ってはいるけど技術の追いつかない芦田愛菜の声演技。シーンごとの演じ分けが物足りずストーリーに集中できない点。
●よき点
冒頭でお伝えしている通り、昨今の映画としては珍しく、古臭い作り手のメッセージが良い意味で濃く伝わってくる。我々の生きる現実世界で起きている命への尊厳軽視など不穏な情勢に対する力強い祈りがあり共感できる点。また、映像の迫力や美しさは映画館前方での鑑賞をお勧めしたい。芦田愛菜の歌はよい。脚本のディテールにはツッコミ入りがちですが、トータルでは最後までちゃんと見続けることはできるので、そこまで酷いストーリー展開ではない。
というわけで、明らかに気になる点の方が多く星の数と矛盾しており、細田が思いを届けたい国内の相手には多分届きにくいのだろうな、閑古鳥のまま悪評とともに短期間上映で終わりそうだな、とも思いますが…
心の中でツッコミを入れながら大きな龍の表すものについて留意しつつ寛大な心持ちで鑑賞してほしい不器用な人の作った映画です。
果てしなくスカッとならぬ果てしなくイラっとした作品
個人の見解だが、観客を置いてけぼりにして細田守さんだけが満足している映画になってしまっていると思った。
私は個人的にバケモノの子やおおかみこどもの雨と雪は好きなのだが、この作品は良いところを探すのが大変なくらい、残念な駄作であった。
セリフが陳腐すぎる。
主人公が復讐をやめる時も、え?そんなことで長年の復讐心って無くなるか!?と思ったり。
感動も何も無く、ただただ脚本に終始イライラしてしまった。
果てしなきスカーレットならぬ果てしなくイラっとした作品であった。
世界の境目で愛菜がさけぶ
【所感】
細川守監督の新作が酷評続出ということで、それを確認しようと思い、平日の上映で観ました。上映直前まで観客は私ひとりで、結局4名というスカスカの客入りでした。酷評の影響でしょうか。まあ、他の観客の動きに気が散ることはなかったのですが・・・。これで、興行的に大丈夫なのでしょうかと。
映画が始まり、冒頭のつかみは悪くなかったものの、10分も経たないうちに集中力が切れて、早く終わらないかなと感じてしまいました。空腹や眠気も手伝ったかもしれませんが、何より映画の設定が自分の想定と大きくずれていたせいかもしれません。
物語は、ルパン三世のマモー似の存在が支配する、あの世とこの世のボーダーラインの世界が主な舞台となっています。あの世とこの世の間の世界という設定は面白いと思いましたが、その世界の描写は岩だらけの地表や砂漠中心で、設定が映像に活かしきれていないように感じました。ボーダーラインの世界の空の表現も、どこかで観たような映像でした。
世界観の設定も無理があると思いました。昔のデンマークのお姫様と現代日本の看護師がボーダーラインの世界で出会うというのは説得力に欠けるのでは。むしろ、素直に日本の戦国時代のお姫様に変えてもよかったのではないかと思いました。でも、それではクレヨンしんちゃんの映画になりますね。
スペクタクルシーンでは、群衆シーンや巨大ドラゴンとドラゴンサンダービームの迫力はありました。ボーダーラインの世界の人間が、虚無となってあの世に逝く際の消滅シーンは、アベンジャーズでの消滅シーンの踏襲に見えました。ワームホールは唐突。
登場人物のセリフですが、なぜか、滑ることか多くて、頭に入ってきませんでした。特に、マモー似のセリフは、哲学的なことを言っていますが、滑りが顕著に見られます。途中で脈絡もなく何度か登場するダンスシーンも滑っていて、フラダンスまで出てきて、物語の展開がそこで止まってしまいました。ボーダーラインの世界に、中東の人間が多いのも疑問でした。あっ、砂漠だからか。作画は終盤で急にレベルダウンして、薄っぺらになります。予算切れだったのでしょうか。
そして、最大の問題は、芦田愛菜さん。いや、愛菜さん自身が問題なのではなく、たぶん、監督の演技プランのせいでしょうか。映画では、芦田愛菜さんが演じるスカーレットが、ひたすら泣きわめき叫ぶということになっています。愛菜さんには悪いのですが、その叫びがいろんなシーンで繰り返されるため、正直耳障りでした。極端に言えば、疲労感につながるほどでした。監督が意図的に極端な感情表現を連続させて、観客に強烈な印象を与えようとしたのか、だとしたらまったく逆効果となっています。
岡田さんは過去のテレビドラマ「トラベルナース」のイメージでキャスティングされたのかもしれませんが、岡田さんでなくても別によかったのではないかという印象。役所さんの悪役は、これも演出でしょうか、ただただ大声でどなるだけで、役所さんの演技力が作品に活かされていない感じです。他の声の出演者も無駄に豪華かなという印象でした。映画の前に、テレビで見た出演者達へのインタビューでの、出演者同士のやりとりに漂う微妙な雰囲気も、現場の混乱を映しているのかと納得しました。
総合的に見ると、監督が、何かメッセージを伝えようとしているものの、観客に伝わるかたちで整理されていないと思いました。才能ある愛菜さんや他のキャストによる声の演技も、その極端な感情表現の演出で私の思考をストップさせてしまいました。物語自体はシンプル(敵討ち・復讐劇)で、ボーダーラインの世界という設定にも面白みはありますが、昔のデンマークのお姫様と現代の日本の看護師の組み合わせの違和感、過剰な感情演出、滑るセリフ・ダンスなどによって、物語がわかりにくくなったように思います。
これまでの細田監督作品は、嫌いではなかったので残念です。
愛菜さん、ごめんなさい!最後の歌はすごくうまかったです!
国宝ならぬ酷評を確かめたい方にはおすすめします。
11/28 酔爺
突然のワームホール??
人生初の貸切映画館でした。しかもシネコン1の大箱で。
評価が低いので逆に気になって観てきました。
慕われてる父王が簡単に殺されたり、スカーレットも簡単に毒殺されたり、敵王も簡単に死んでたりと、話があっさり進行してまず拍子抜けしました。
死後の世界では時代も地域もごちゃ混ぜのはずだけどデンマーク王国の人ばかりだし、1人だけ現代人の日本人というのも違和感が。
芦田愛菜ちゃんは歌も上手いということが分かったのが収穫でした。
王女様の傷をどう癒せばいいのだろう
激辛レビューが多くて正直見に行くのが怖かったです。だけど、細田アニメは、子どもに見てもらいたいコンテンツなんで、行かなきゃいけないよな、とも思いました
細田アニメに出てくるヴィランは強くても未熟で心に傷を負っており、これは問題を抱えた子どものメタファーなのだなと、解釈してしまう。主人公は戦っているようで、実はヴィランを救っているという構成が、たとえ君が悪い子でも私は見捨てないというメッセージを私のような弱い親の代わりに子どもたちに語ってくれているような気がして、やっぱ応援しなきゃなと思った次第。
五百年前の英国演劇の翻案だと飲みこんでいれば、おおげさな表現や図式的な人物像などなど指摘されている「欠点」は気にならない。むしろ欠点を改めたら、妙な現代感がスケール感は損なうのではないかと思いました。
古典を下敷きにしたファンタジー史劇として傑作だと思いますし、シュールな構成も刺さる人には刺さると思います。
強くても無敵ではなく、強靱な意志があっても未熟、傷を負って汚れることを厭わないヒロインは今風に魅力的でした。
問題は十分なカタルシスを味わえないという点でしょうか。
つまりスカーレットが救われた感がない。
復讐に取りつかれた狂戦士である彼女は、過去作だとヴィランとして現れるような存在ではないかと思います。説明不足ではありますが竜は彼女の暗黒面だと過去作から推測できます。15世紀の王女は母と叔父に裏切られ、21世紀の彼女(たぶん存在する)もおそらく深刻な家庭の危機に陥っているのではないでしょうか。
元気な男の子も歌姫も現れず、弱々しいパートナーと聞き取れない父の臨終の言葉を頼りに彼女は自分を回復しなくてはいけないのですが、物語上、救済の手立てを表現するエピソードに強さがなく、ハッピーエンドに無理矢理感が醸し出てしまった。
救われないのもまた道ではなかったか。
スカーレットは冥府の戦士として生きていくべきじゃなかったのか?ハムレットだって結局誰も救われず血まみれ惨劇として終幕します。最後に赤髪の少女だけが救われてエピローグを語ってもよかったと思います。これもシェイクスピアによくあるオチ。
ともあれここで救いを提示できれば世の中変わるぐらいの功績だったと思いますので、出来なかったことに怒るのは期待が大きかったのだろうなと受取っています。バッシングがマツリになっている、とは思いたくないですね。
【悲劇】メッセージ性の奴隷となったスカーレットたち
★ポイント
・スカーレットが可愛い(唯一の良い点)
・スカーレットの感情の揺れ動きが無理やり過ぎる
・聖に人権が与えられていない(特大マイナスポイント)
私が一番許せなかったのは、
自分でも意外なことに聖というキャラの扱いについてでした。
彼は一人の人間のハズなのに、作品内で彼の人生について語られる場面は非常に少なく、「本当にこの世界に生を受けていた?」と聞きたいほどにキャラの背景がペラッペラ。唯一、『看護師だから善人も悪人もみんな助ける!』というアイデンティティがあるのみです。
にもかかわらず終盤、そのわずかなアイデンティティさえも脚本都合のためだけに細田守にむしり取られてしまいました……。
細田監督は、聖の人間性をなんだと思っているのか?
メインキャラのたった一つの個性すら尊重できないのかと、割と本気で怒りを覚えました。
また、スカーレットの感情の動き方が無理やり過ぎるのもイマイチ。
それまで数年単位で激しい復讐心に燃えていたハズのスカーレットが、唐突に父親の遺言の意味を熟考して聖と意見交換を始めたり、乙女に目覚めたり、恋愛感情を抱き始めたり……。
いや、そうはならんやろ。
というくらいコロコロと感情を変えさせられていってしまいます。
聖もスカーレットも、あまりにもそのキャラの在り方が脚本に依存し過ぎに感じました。
彼らの存在意義はもはや「復讐は自分の番でやめよう」というメッセージを観客に伝えるためだけに用意された奴隷……言葉は悪いですが、そう思えてしまうほど。
スカーレットはとても可愛いのに。
それだけに、キャラ軽視とも言えるこの作品の出来栄えを非常に残念に思います。
聖は生きている
細田守監督の作品は金曜ロードショーで放送された『サマーウォーズ』しか触れたことがなかった。そんな細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』。
予告を見て「面白そう」という単純明快な理由で観たが、観賞前は全くの予備知識無しで臨んだ為「一体どのようなストーリー展開になるのか」と期待もしていた。
観終えた感想を一言で言えば、素晴らしい。
復讐とは?許すとは?生きるとは?愛するとは?
至ってシンプルなようで難しい哲学的な問いを考えさせられた。
また、16世紀から来た復讐に人生を捧げるスカーレットと現代の日本から来た困っている人を見ると放っておけない心優しい看護師の聖。
時代も住む国も生き方も対照的な2人が同じ世界で同時進行し、親密になっていく描写も良かった。
これほど心に残る作品は最近の中で一番であり、観賞から3日後の今も余韻に浸っている。
そしてこの作品を観た後、一つ思うことがあった。
聖は生きている。
ラストのほうで虚無になり、死んでしまったのでは?と思う方もいると思うが、聖は生きている。
なぜ生きているのか。
聖が生きている理由は4つある。
①虚無=死ではない
公式が使っている作品上での虚無の意味は「その存在が消えてしまう」。
スカーレットとの別れ際、聖の存在そのものは消えてしまったものの、死んでしまった訳ではないので未来で誕生する可能性も否めない。
②別れ際、聖への要求
別れ際、スカーレットは聖へ「未来が平和になれば聖は殺されたりしないよね?そのために私なんでもできることするから!そしたらもっと長生きして!家族を作って、子供を作って、いいおじいちゃんになって!」と願うように要求した。
もしも聖がこれから死んでいくのなら、スカーレットはこのような言葉を投げかけるだろうか?
どう考えても不自然である。
この時スカーレットは「元の時代に戻って平和な世界を築けば未来で聖は生きている」と思った上での発言だろう。
③16世紀末に戻ったスカーレットが平和な世界を築き上げた
映像にもあったように16世紀末に戻ったスカーレットは平和な世界を築き上げた。そして世界が平和になったことにより数百年後に誕生した聖は殺されずにすんだのである。
④ 2034年の渋谷
スカーレット・・・16世紀(1501年〜1600年)のデンマークから来た。
聖・・・現代(2025年)の日本から来た。
スカーレットが気を失った時に見た、聖と一緒に踊っている場所・時代は2034年の未来の渋谷という設定で公式は「聖の存在する未来の世界」としている。
聖は2025年に死んでいるのなら2034年の渋谷で軽快に踊っていないのだ。
スカーレットと思しき女性は現代風の髪型と服装なのでスカーレットの子孫なのだろう。
元の時代に戻ったスカーレットは自分の本当の生きる意味を見出し、復讐に囚われていた人生から「子どもを死なせない」、「争いが無い平和な世界」を作り、聖のような心優しい女性としての人生を歩み始めた。
それが2034年渋谷で聖と踊っているスカーレットの子孫の表情が物語っている。
したがって上記の理由をまとめると、16世紀末に戻ったスカーレットは王女として平和な世界を築き上げた→世界が平和になったことにより数百年後に誕生した聖は2025年に殺されず、2034年渋谷でスカーレットの子孫と軽快に踊っている。
聖は生きているのである。
ちなみに、スカーレットが目を覚ました時「(聖がダンスを)リードしてくれた」と呟いていたので、踊っていた2人は恋人なのだろう。
※12/5追記
12月5日に行われた舞台挨拶『果てしなき全国キャンペーンin静岡』の質疑応答コーナーにて細田守監督ご本人に、私の考察の元「聖は生きているのでしょうか?」と質問させていただいたところ「この物語にはタイムリープが生じていて、別の時間を生きる人がひょっとしたら未来を変えるかもしれない、変えないかもしれない、その後はどうなったのかと想像するのは楽しいので皆さんの胸の中で考えてもらいたいです」という回答をいただきました。
愛と友好を押し付け過ぎでは…
最近テレビでやってた、おおかみこどもの雨と雪が面白かったので見に行ってきた。
『生死関係なく過去と未来が融合した世界』の中で、スカーレットが復讐心をいだきながらも、もがいて苦しみながら、仇でも許せる(許せないけど憎まないという感じ)ようになる精神の成長を描いた作品。
芦田愛菜ちゃん、上手やった。
ミュージカルいらなかった…歌詞があかん意味で鳥肌たった…
未来と過去が融合してるのに死者の国に西洋の兵士・人しかいない。現代人『聖1人』。武器も昔の大砲・鉄砲と弓と刀、槍だけ。
ワンピースのルフィとロビンの掛け合いを知ってか知らずかのあのシーンもちょっと…
『愛の押し付け』『復讐してもいいことない押し付け』がまあまあすごくて、映像、音響で引き込まれそうになってもストーリーのせいで現実に戻される。
映画やし、きれいごと言わなあかんのかもしれんけど、現実にそぐわない。『やられたらやり返す!倍返し!』の精神の自分には受け付けなかった。
鬼滅と比べるのはダメだが、人の心の動きの表現が雲泥の差だった。
おおかみこどもの雨と雪が面白かっただけにかなり残念だった。
しかしながらオススメはできないけど、なぜか見に行かなくてよかったとは思わないので2.5。
人間らしく幸せに生きられるかを問うた今年一番の感動アニメ!
実際に映画を観て、何となく低評価の原因が分かったような気がします。基本的に平和的解決を望む今作は、増加してきた平和的解決を嫌う右派の日本人には受け入れ難いのかもしれません。
父親が処刑されてから、ずっと復讐のために生きてきたスカーレットは、人間らしい幸せな生活を描くことができません。死の国は、その葛藤のために与えられた場所なんだなと思います。
終盤何となく気づいていましたが、スカーレットが生きていることに気づく場面から非常に感動しました。
スカーレットと聖の都会でのダンスシーンや最後のキスシーンは少し違和感がありましたが、それ以外は臨場感のある素晴らしい作品に感じました。
全く面白くないけど退屈ではない
自分は物語が『死後の世界』とか『夢の話』になると、基本的には見る気が無くなります。
何が起こっても現実世界では無いし、どんな突飛なことが起こっても「まあそんなもんだから」済ませる事が可能になる。
それだけで物語の緊迫感は無くなるし、作品を考察する意味が無くなる。
ただ、今回はそれが良かった。
最初から死後の世界と断言することで、ただ単純に風景をバトルシーンをフラダンスを顔芸をミュージカルを名優達のマクベス風演劇を楽しむことが出来た。だって全ては夢の中の話。意味なんて無い。考えるだけ野暮。
そして、最終的には夢の中で少し成長した主人公が、少しマシな王様になる話。
自分的には夢と現実の境がシームレスで最終的にどうなったのかよく分からない「君たちはどう生きるか」よりはるかにメリハリがあって見やすい作品でした。
でも、面白くは無い。
細田守史上一番の美少女だけど
酷評されてる程悪くなかった!
やっぱちゃんと自分で観てみて良かった。
細田守監督作品は概ね好きなんだけど、やっぱサマーウォーズが最高かな~?
以降は妙にリアルにしてるクセに急にご都合主義になったり片寄ったりで、途中で「え、なんでそうなった?!」て冷めちゃう事が有るもんで…
なんて言うかその世界に浸りたいのに急に目を覚まされて浸りきらせて貰えないから余計残念というかね。
今回はファンタジーにどっぷり浸からせていただけたかな、と。
だからこそ途中で渋谷で踊り出したのはちょっと失笑だったけど。ラ・ラ・ランドのオマージュなのかな?スカーレットのワンピースとか色は違えど同じに見え過ぎるw
まあスカーレットの白昼夢なのでwww
国籍時代をごっちゃにしたのは昨今のディズニー映画と同様なのかな?
でもそれにしては砂漠とかペトラ遺跡みたいなのが妙にリアルに出て来ちゃってるし
特定の地域を死者の国にしてるみたいになっちゃうからもっと架空の世界でも良かったのではないかと…。
スカーレットがとにかく美少女!
顔が汚れてても美少女ー!w
でもさ、この映画のキーワードである「許す」を聖とあんな風に議論させたら萎えるのよ。
聖もいい大人なのになんで導いてあげられないのか…
これはもー、よく言われてるけど脚本が甘いのではないのだろうか┐(´д`)┌
しかもスカーレットのままエンディングを歌わせたらね、もう芦田愛菜ちゃんに戻っちゃうのよね。
もちろん芦田愛菜ちゃん歌もお上手なので歌ってくれていいんだけど、今回それが一番冷めたかな。
おじさんズは錚々たる面々でシェイクスピアの世界の重厚さを出して頂いて良かったです。
大きい劇場でやってるうちに観て良かったと思うけどね。
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