果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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歌も上手いね芦田愛菜
テーマとか言いたい事はわからんでもない
でもエンタメじゃ無いんだよね…
なんで巨匠扱いされると文学に寄って行くんだろう
まだそんな年じゃないでしょ?
アマプラとかで観てたら途中でやめる感じ
ドラゴンが喰らわせる「ライデイン(電撃)」。
デンマーク王女のスカーレットは優しい父王に愛されていたが、母親には愛されていなかった。
そんな王を憎む王の弟であるスカーレットの叔父が王を謀略で陥れて処刑してしまう。スカーレットは復讐の機を窺うも、逆に伯父から毒を飲まされて殺されてしまう。
死の世界の一歩手前で目が覚めたスカーレットは憎き叔父を求めて流離ううちに、妙な格好をした男と道中を共にすることになった。
その男は「自分は看護士だ」と言い出し、怪我人の治療を始めるのだが・・・。
要は「復讐劇」です。
中世ヨーロッパの人間と現代の日本人とが死の世界で邂逅し、共闘する。
敵側の叔父やその手先がいつ死んだんだ・・・・?という当初の疑問点と、主人公側が多勢に無勢でピンチになると毎回出てきて「電撃をかましてくれる竜」の正体は何なんだ???結局最後まで明かされないまま。
現代にいたかもしれない「もう一人のスカーレット」の描写も特に入れる必要性を感じない。
父の言葉の意味
口コミを見てから鑑賞したが、とても素晴らしかった!なぜ酷評されているのか…
世界観、音楽、映像どれも素晴しく、特に芦田愛菜のスカーレットはピッタリだった。あのまっすぐで優しく、でも怒りを爆発させた時の迫力ある声は、スカーレットの魅力そのもの
そして、許せという父の言葉の意味をスカーレットが理解するシーンは、思わずうるっときた。
大人になる中で、誰しもが自分はこうでなければいけないと自分自身を奮い立たせて社会で生きている。そんな自分を時には許す=認めてあげる、もしくは違う生き方も選んで良いんだと自由にしてあげることの大事さに気づかされた。
日頃社会で疲弊している人ほど、この映画を見て感じることがあるのではないかと思う。
酷評される理由がわからん。アニヲタには理解不能か?
シェークスピア原作ですが、普通に面白かったですよ。細田監督はアニメというメディアを使いながら実写的な映画を志向する監督と思いますが今回もそういう色の濃い作品です。
作画も背景も超絶美しく、声の出演の芦田愛菜も岡田将生もキャラにピッタリで熱演されてたと思います。
アトモス音響はかなり踏み込んでいて、劇場内に音が移動しまくります。
アニメしか見ないアニヲタの方には理解できない作品といえますが、なぜここまで執拗に酷評されるのかはちょっと理解できません、
今まで細田ファンだった人が見ても全く違和感はなく楽しめると思います。
もやもやした
細田監督には前から批判的だったのだけどあまりに評判が悪いので気の毒だし、期待値も低くして見る。ところが、死後の世界で現世と同じように意思を持って行動するし、死んでるのに更に死ぬと粉になる。死んでいるのにアホな王に仕えたり、難民生活を送るなどさっさと粉になった方がましではないか。王は王で死んでいるのに、死んでいる群衆を前に演説するなど、誰一人としてそれについて疑問に思う知性はないのか。その世界観を思いついた時点でボツにすべきなのに、そのまま進んでしまうため何が起こっても心に響くものはなにもない。
前から細田監督には、不細工で間抜けな者は死ね、くらいの心根を感じているが、今回はあまり気にならない。また、独自ルールの押しつけが本当に腹立たしくすらあり、ただそのルールがとてもひどいが現実世界ではないので、押し付けられてもそれほど気にならない。
スカーレットが聖の歌に大感動して現代の渋谷に意識がタイムスリップする。すると、渋谷の交差点でインバウンドの迷惑インフルエンサーのように踊りだす。それから避難民たちとの交流でフラダンスをするなど、物語の緩急なのかほっこりさせようと意図する場面が空々しく鼻白む。
聖の歌やエンディング曲など、いい歌でしょ~という押しつけを強く感じる。好みの問題だが、あまりよくない。
スカーレットの父が残した言葉「許せ」について、スカーレットはあれこれ考える。叔父を死ぬほど憎んでいて、その彼を許せなのかと思い悩むが最終的に、自分を許せに落ち着く。なにそれ。父を殺した叔父の罪を許すと、「こうあらねばならない」と厳しくする自分を許すが比較対象になるだろうか。随分軽くなるし、父親がそこまで見越して言葉を残すだろうか。
いろいろ文句を述べたが、格闘場面はとても痛々しくて死後の世界とは思えないくらいいい。
アニメ史上位の美キャラ
映像美ももちろんだけどスカーレットとヒジリが心も見た目も美しい…特にスカーレット。
聖が地味という声があるけど普通の好青年で盛ってなくてとても良い。好き。
そして歌を聴く為にもう一度見ても良いと思える。いや是非見たい。中村佳穂が歌ったら鳥肌だったかも。
ただダンスはな〜ここ数年流行り(?)の絶えず速く動き続ける間も溜めも情緒もないダンス。個人的には好きじゃない。
低評価多いのは内容のペラさだろうけど大事なことは伝わるのでお子さんに見せるには良いと思う。これからの時代に合った新しい切り口の演出をしようと頑張った感はあると思う。
海外のハズレ映画より全然良いよ!
破綻してるという声があるがストーリーは破綻してはない。ポスト宮崎駿・ディズニー系譜として器が破綻したのかも知れない。
芦田愛菜は頑張ったし上手いけど感動はしなかった…でもエンディングの声はびっくりするくらい美しかったな。
ただ途中の宮野真守と津田健二郎の巧さをみてしまうと、やはり声優の凄さを否応にも感じてしまう。
作画レベルがガクンと落ちる場面が2回あったのですがあれは何(汗)演出だとしたら意味不明だな…
生死世界の描き分け…だとしたら序盤が作画綺麗過ぎるし何なんだろう、予算か??
あと血管描写あるね。雷の形がぽいなーと思ってたらやっぱり最後血管同じ形で浮き出てた。わかる人にはわかる話。
シェークスピア
俺が単純なのでそう思う。
おそらく人の何たるかを描くのに適した世界観なのであろう。驚いたのが死後の世界に居るってところ。細田監督曰く、人は死んでも現世の業から解放されないらしい。
形のある無し関わらずに人の執着は魂にでも刻まれるのだろうか?
復讐という感情
衣服
食欲
地位などの優劣
独占欲もあったろうか。
愛もその一つ。
王が妃に向けるものが愛の側面でもある。
楽器は文化の象徴だろうか?
人が獣では無い事の象徴というか、娯楽というか。
踊りは神との対話として使われていたけれど、言語の壁を飛び越えて共感を得る為のツールというか、体で発する動作という言語って感じかな。
突然差し込まれる現代のイメージは選ばなかった未来だったり、不確定な人生そのものかもしれない。
そんな、正と負の両面をぶち込んだ物語だった。
で、まあ…清濁合わせ飲んで、全てを凌駕するのが「愛」なんだとか。
この場合は「LOVE」の方の愛。
様々なシーンや台詞に含まれるものが多くて、ちゃんと受け止めようとする人には味わい深い作品に思う。
俺は元来、この手の話しは嫌いではないので、随分とわかりやすいなぁと思いながら観てた。
感動するような話ではないし、感銘するような話でもない。ただただ、筆者が持つ死生観や思想との答え合わせをする物語でもある。
作画は美しかった。
そこそこ不条理な事も起こるのだけど、現実ではないので、そこはまぁ突っ込むだけ野暮というものであろう。
アニメというポピュラーな媒体を通して、普段は目を向けない方向に思考を巡らすのもいいとは思う。
考えたところで答えが分かるわけではないのだが、指針くらいは変えられるかもと思う。
聖☆ヒジリに出会い知る愛と希望。
父を裏切り殺し、王位となった叔父クローディアスに復讐しようとした現世、その復讐が果たせず「死者の国」へと行ってしまうスカーレットの話。
死者の国にいる老婆から“クローディアスはここにいる”と聞き復讐心に燃えるスカーレットだったが、先の未来から死者の国へと来た看護師・聖の行動に、復讐心が揺らぎ始めるスカーレットだったが…。
本作の酷評で逆に気になり鑑賞。
冒頭の入りそんな酷評されるほど悪い入りではない、「父をハメ裏切った叔父への復讐」って題材も悪くもない。スカーレットってキャラも可愛い♡絵も上手く映像美で惹かれたんだけど…敵と聖が現れるまでは(笑)
『観た感想を言葉に表し書くのが難しいんだけど、一言でザックリ書くなら「浅い」ですかね。背景、風景描写はあんだけ綺麗なのにバトル中の単発描写、浅いセリフ、描写に合わないBGMと他にも色々と…伝わりにくいかな。』
殺伐とした世界で生きるスカーレット、先の未来から来た聖に出会い、時の旅で見た聖の生活する愛に満ちた世界を知り、争いでは何も解決しない、愛と希望に満ちた世界は来る!しよう!みたいな。
メッセージ性を感じる作品だけど、よく解らないし、観たままを思うなら今さら!?って感じだし。逆に少し残念で観れたっ事で↑の評価。あと芦田愛菜さんの声優は「かがみの孤城」のオオカミサマが印象的で声優・芦田愛菜は好きです♡
追記
「N-TOWN」というYouTuberさんが私の言いたかった『』内のことを代弁してくれるので、8分30秒~10分辺りまで超ド共感(笑)
頑張ったものの、色んなところで無理がある映画
先に断っておくが、私はこの映画を「ある1シーンを除けば」ギリギリ見れるタイプの失敗作だと思っている。
全てが全ててんでダメ、なんてことは無い。芦田愛菜や松重豊の演技はかなり上手いし、一時期の細田守を期待して見に行くと映像にギャップを感じるかもしれないが、それでもアニメ映画としては十分綺麗だ。特に風景は圧倒的と言っていい。
ただ、この映画はかなり無理をしている。
テーマ自体はシンプルで「争いをやめよう、他人を、そして自分を赦し、愛そう」というものだ。しかし、これは創作の世界では既に何万回と擦られ倒したテーマだ。作り手はこの既視感を乗り越えるだけの新規性を作品に盛り込まなければならない。
そこで使われたのが「死者の国」という概念である。過去と未来が溶け合い、生と死が混ざり合う場所は魅力があるし、「ハワイアンなおばさんが歌いながら踊っている横で、イタリアっぽい格好のおじさんが一緒に踊っている様子」なんかは素直に悪くないと思ったのだが、同時にこれがかなりの矛盾を生んでいる。「じゃあなんでデンマークのたった1代きりの王様が、あんなに支持されることになるんだ」とか「生きていた時の敵味方の関係が、なぜ死後の世界までそのまま持ち越されているのか」とか、疑問点をあげるとキリがない。
そのくせ監督が描きたいシーンも多いので、説明しないといけない部分がどんどん削られていくことになる。「見はてぬ場所」を目指して民衆が押し寄せ、防壁を破るシーンは明らかにベルリンの壁を意識しているし、その後の人々の勢いはインド大反乱の絵を彷彿とさせた。ただ、なぜ民衆があんなに揃って押し寄せたのかという、動機づけの部分が一切盛り込まれていないので、「なんだか旅先でわらわら人が集まってる場所にやってきたと思ったら、いきなり反乱みたいなのに参加しだした」という形になってしまう。クラウディアス自体が根っからの悪人なのでその動きに抵抗すること自体はわかるのだが、民衆が一斉蜂起するまでの過程やそれにスカーレットや聖が合流する流れが1ミリも説明されないのは、流石にやりすぎな削り方だ。
こんな感じで、作品の中ではどんどん説明が削られていく。聖とスカーレットの関係などはまさにその極致で、この2人は限りなく平行線に近い思想を持っている。聖は争いを止め、人を傷つけることを避けようとする一方で、スカーレットは復讐のために人生を捧げており、その過程では人殺しを避けて通ることは出来ない。
この2人が相手を理解するところまではよかったのだが、より深く互いを知り、愛し合うための場面があの悪評高いミュージカルシーンである。あまりにも脈絡が無い上に、「こうやって2人は愛しあうにまで至ったんですね〜」と説明されても、過程をすっ飛ばし過ぎているが故には?となってしまう。「愛について教えてよ」と歌うのならば、やはりここで手を抜いてはいけないし、手を抜いた結果として生まれたミュージカルはひたすら納得性を書いたものになっている。映画を見ている途中で、もう帰ってやろうかと思ったのは初めてのことだった。
結局のところ、120分という放映時間に対して広げた風呂敷がデカすぎるのだ。だからこそ、色んな場面で無理が生じてしまっている。もう少し扱える範囲でテーマを絞るべきだったように思う。
国宝急のガッカリ作品
半年間ずっと楽しみに待っていました。細田作品は毎回胸に刺さるし映像がキレイなので。今回はどちらもなく残念です。ただただ芦田愛菜の大冒険。声の個性が強すぎてスカーレットの存在が無く残念です。声優は大事だなと痛感。設定(あの世との繋がる世界観)的に映像も2パターン仕様になっていたのかもですが、それのおかげで世界観に没入できない。いつもの一貫した世界観のほうが好きでした。次回作に期待しています。
もはや凄まじい
意味がわからなかった、必要無かった点だけ挙げていく。
・死者の国なのに、現代人が聖だけとは…?他の人は死んでいないのか
・↑そんなわけがない、戦死した人々が何人いることだろうか
・悪役側の武器はどこで手に入れた?もし作ったのならば、↑で言った現代人の中に核兵器の作り方を知ってる人もいるだろうから、お話が成り立たない。
・あの龍は何?
・死者の国っていう設定いる?現代人の聖とスカーレットを合わせる為の設定だろうが、結局最終的に父親が復讐は意味がないと伝えたのだから、聖自身が必要ない。ただの生きたいと言えbot
・ラストシーンでなんで敵が急に仲良くなってる?あと、どこからきた?
・聖の歌うシーンで、急にラリるな、怖いから
過去作が面白かったから、、なんとなく見たら失敗した
IMAXで見ました。脚本など特に調べることなく、細田守監督の過去作(未来のミライは除く)が結構好きだったので、またストーリー面白いのかな?映像綺麗そうだなーと軽い気持ちで見ました。
レビューや評価も見ずに、なんでこんなに映画館の席が空いてるのかな?と思いながらチケットを買いました。
映像に関して、地獄の風景や壮大な海や砂漠の描写など、自然の驚異など、音は怖いなと思うくらい迫力がありました。IMAXの音響とスクリーンの大きさと合わさり圧倒され、凄いなと思いました!
2Dと3Dが合わさってるようでしたが、スピード感のあるシーンだとカクカクしているように見えて気持ち悪かったので、少し目をそらしたりしてました。
物語に関して、淡々と復讐するため旅をしている様子があって、場面の砂漠地帯が多く感じ、なんか同じようなシーンを見ているような、のっぺりしているな印象を受けました。
スカーレットの声優さんも、どうしてもキャラと声優が分離しているような不安定な感じで『がんばれ!』と応援しながら見ましたが、話が入ってこなかったです。
一つ一つのシーンに、解釈の広げる隙がなく、唐突なシーンが現れる毎に、なぜ?どんな意味があるの?なにを伝えたいのかな?と必死に考えてましたが、後半からはどんどん展開が進み、よくある展開でハッピーエンドになりました。話が入ってこなかった分、頭の中の記憶も曖昧かもしれません。。
いつも映画を見るとき、解釈がたくさん広がって予想される展開を頭の中で考えたりして見るのが好きで。ただ今回はそれが上手くできず、受け取れず、楽しめず落ち込みました。
セリフで良い事を言っているというのは理解しているんですが、私自身追いつけず、、感情も追いつかず、自分にはこういうジャンルは向いていないんだと気づきました。葛藤に共感したり、ファンタジーでも現代人でもそういう悩み感じるよねーとか1つ1つのシーンを噛み締めて予想外の伏線回収とかが好きな私には、この作品は向いてないなと感じました。
ファンタジー系で、戦、人対人という物理的、現実的な展開、人が色々な深い理由で化け物になるとかそういう捻りのある設定もなく、存在するものは存在するもので留まり、現代人が葛藤したり悩んだりする深いものを感じず、本当に設定はシンプルだなと思いました。
過去作の面白さや深さを求めてはいけないと勉強になりました。
IMAXだったので金額が少し高かったのですが、
今度からはしっかり脚本家を調べて、自分の好きなジャンルかというのも確認して行こうと思えました。
映画館で見てはじめて後悔しました。
自分がなんとなく見ると選んでしまったので、自分が悪いなって思ってます。
きっと好きな人は好きなんじゃないかなと思います。
映画をどう選んで観ていくかの判断する、今後のためのいい経験でした。
ありがとうございました。
ここまで何も伝わらなかった作品も珍しい
細田守監督ということで、前情報なしで鑑賞してきました。ただ、SNSで映画館がガラガラというので、気にはなっていましたが、3連休最終日レイトショーというのもあるのか、自分ともう一人の客だけでした。そこで大丈夫?と不安になり、それは的中。完璧に合いませんでした。
・キャラクターに共感できない。
・キャラクターに一貫性がなく薄い。
・ワクワクする要素がない。
・テーマへの葛藤が薄く、嘘くさい。
・テーマを提示するのが物語中盤で、そういう方向?とか思っちゃう。
・ストーリーの先が気になるような没入感がない。
・御都合主義で、一々あれっ?っておもちゃう。
ネタバレはしません。
感想を交換したい、共有したい作品ではありませんでしたし、これから鑑賞しようと思っている方の妨げになるといけないので。
個人的には、バケモノの子や龍とソバカスの姫、サマーウォーズが好きなので期待していましたが残念。
一言でいうなら、味のほぼない家系ラーメンみたいな作品。
追記(微ネタバレ?)
いかにハムレットをベースにしてるとはいえ、説得力というか行間が無さすぎるから困惑するのかもしれません。
幼少期に父を殺され、人生の全てを復讐に費やした魂がそれを裏切るような宗旨替えをする、納得出来る材料が私には感じられませんでした。ハムレットと異なり、スカーレットに葛藤や罪と言えるような何かを見出せなかったのです。強いていうなら聖やキャラバンの人との触れ合いで普通の女性としての生き方に憧憬を抱くような描写がありますが、そんなの復讐者として比較する葛藤か?と。
教養が必要な作品と言われればそれまでですが、それを言ってしまうと、そういう作品でしかなくなるという…
評価の高い方もいるので、誰か納得いくように解説して欲しいと思うくらいに、チグハグでした。
感じ方は人それぞれ。自分の感性を大事にしましょう。
この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。
これを聞いて最初に浮かんだものは何だろうか?
車田正美の漫画か?はたまた永井豪の漫画か?
ダンテの神曲とわかれば物語の理解は早かったのではないだろうか?
そうすると、複雑なようでストーリー的には実は単純、
スカーレットの精神的な成長の物語なわけだし。
最初の段階で叔父に対して本懐を遂げていたとしても
その後のスカーレットの治世は血なまぐさいものにしか
ならなかっただろうし、
それこそ憎しみの連鎖に身を亡ぼすことになったであろう。
それに変化をもたらしたのは?ってことになるわけで、
決して難しく作ってるわけではない。
しかし、レビュー読むとその多くが違和感しか感じない。
なるほど、固定観念の仕業か。
細田作品はこうでなくてはならないって思いが根底にあるから
他の物は受け付けないって事ですか。
それこそエゴだよね。
ひとつの系統の物を作りつづけるのは、
その道を究めるためには重要だけれども、
より甘くするために、少量の塩が必要なように、
一見関係のなさそうな事項が、重要なことだってある。
だから、何でも一通り作れて職人ってのは一人前になるんだし。
監督だってなんでも作れる方が、より良い映画を作るには役に立つ。
しかし、根底に流れるものは同じだと思うんだけどね。
今回、いずれは見に行くつもりではいたけど、
ここまで早々に行くつもりは全くなかったのに
あまりの酷評の多さに、急遽見る予定の映画を変えて
この作品を見たので、予告編以外は何の予備知識もなしでも
十分に楽しめる作品だったという評価ができる。
ちょこちょこと判断に困った部分もあるので、
細かいところは少し確認したいところもあるが
おおむね理解できたし。
言えることは、フィルター外して、細田作品って事を
意識せずに見ることをお勧めするって事だけかな。
そうすれば、まっすぐに向き合うことができると思うよ。
今回酷評した人も、いずれ配信が始まったらもう一度頭空っぽにして
見ることをお勧めする。
スピリチュアルアニメの傑作
低評価なので観るのを辞めようと思ったが、よく訓練された観客はB級映画も好む。細田監督の作品は脚本が弱いので所謂「モヤル」ので覚悟して観た。結果観て良かった。
「死者の国」が時間も空間も関係ない舞台装置と機能していて、細田監督の弱点を上手く吸収してくれている。しかし、同時に「死者の国」の設定が非常に曖昧なため批判の対象となっている。瀕死の際に落ちる生と死の狭間の空間、集合的無意識、北欧神話における戦死者の館「ヴァルハラ」、ダンテの「神曲」における「煉獄」、仏教における「活きよ活きよ」の「等活地獄」など例えようはいくらでもあるにも関わらず、細田監督お得意の仮想電子空間のように閉じた解釈の世界ではないのだ。逆説的に例えようがいくらでもありすぎるから観客が混乱している。
では何のための「死者の国」があるのか言えば、「魂の研鑽」「魂の成長」を促すために創られたスピリチュアルな場所である。結論、スカーレットの魂を成長させるための場所である。武器(批判)が刺さった傷だらけの龍の雷撃も謎の老婆も神(監督)の「行為」と「声」というオチである。お仕置きだべーっといった感じで雷撃を喰らうクローディアスが虚無に還るのはあくまで「死者の国」では「自然」な現象なのである。この作品の鑑賞のポイントは基本が神(監督)に愛されし無敵の乙女がスカーレットであるという認識。これを念頭に置けば余計な葛藤を抱かずにすむ。スカーレットと聖がネオ渋谷で映画「ラ・ラ・ランド」のようにミュージカルダンスを披露するのも神(監督)が喜ぶからである。
アムレット王がスカーレットに対して「赦せ」と遺したことはなかなか万能な遺言である。復讐は果たすべきものという価値観が支持されている。我が国で敵討ちの物語が古来多く残っているのを考えると復讐はスカッとするし、生きる目的にもなるしプラス面が強調されているが余程恐ろしい行為である。第一常に成功する訳ではなく返り討ちにある可能性がある。またそこに注ぐ莫大な心的体力的エネルギーと時間を考えるとハイリスクローリターンとも言えなくもない。それを考えると愛する娘に対して自分自身を「赦せ」と遺しておけば、スカーレットが復讐に成功しても失敗しても何もしなくてもどんな状態でもウェルビーイングとして機能する。そのため、アムレット王が処刑間際で考える最大の愛娘に対する愛のある遺言である。
スカーレットは細田監督作品の中では群を抜いて可愛い。復讐を企むが高貴な身分であるがゆえにどこかポンコツで詰めの甘さがある。クローディアスに謝罪を求めるあたり、やはり地金がいいとこのお嬢さんなのである。聖を庇って腕を負傷し止血帯を巻くために服を切られる際に気弱に恥ずかしがるあたり乙女なのだ。凛々しい復讐鬼であると同時に少女っぽさが存在する。
聖が現代で馬にも乗れるし弓矢を射ることもできる聖はかなりいいとこの子(流鏑馬経験者)だと思う。小説では鍛えてきた技を試さねばならぬと決意する描写がある。如何せん聖の内面描写が少ないので都合のいいキャラに成り下がってしまう。聖は自分の死をすんなり受け入れてしまう。エリザベス・キューブラー・ロスの「死の受容プロセス」は、避けられない死に直面した人が「否認→怒り→取引→抑うつ→受容」の5つの心理段階をたどるとされる。それを超越している超人か無茶苦茶カッコつけマンだ。私は後者をとる。映画「タイタニック」のジャック並みに好きな女の子の前では男子の矜持、やせ我慢は死を超越する。
スカーレットが現世へ昇っていくのはアニメ「天空のエスカフローネ」を彷彿させる。これは「死者の国」という異世界に堕ちたスカーレットが自分の世界へ還っていくという異世界来訪ファンタジーだったのだ。同じ異世界に堕ちた聖は自己犠牲ではなく、結局助からずスカーレットに見送られるのが良かった。自己犠牲を美談として描くのは内心危険だと考えている。何か搾取されている気がするからだ。そして世界系の恋愛万能論も同じくらい危険だと思う。それが失われたら世界が崩壊するなんて他人を巻き込むなと思うからだ。だから「キスしてグッバイ」がアニメ「ゼーガペイン」のように切なくてちょうどいい。スカーレットにとって聖との邂逅が強烈なもう一つの自分の可能性を観させてくれてパラダイムシフトが起こった。聖との邂逅で違う世界にトリップしたスカーレットは自分のもう一つの可能性を観たのだ。ちなみにこの夜スカーレットと聖は結ばれています。スカーレットが髪をバッサリ切るのは言わなくても分かるよねという映像のお約束らしい。平和主義者の聖が急に武装し始めるのは守るものが出来たからですね。「守るべきもののために殺すべきは殺す」という我が国の戦国時代の僧侶が武装する(僧兵)のと動機は一緒である。聖が「死者の国」に堕ちたのは現世で子供たちを守れなかった無念があったからですね。そのことは老婆によって「おまえがここにいる理由は何だ?」と指摘されています。現実問題、人権と生命と財産を守るために武力行使によって敵を排除する行為は残念ながら必要であることを聖というキャラクターは如実に示しています。インドで殺生禁止の仏教が滅んだ理由、戦国時代を浄土真宗が生き残った理由、チベット、ウクライナ、台湾、尖閣諸島を考えれば僧侶風の聖の頭がお花畑でないということを描きたかったのだろう。スカーレットの暗澹たる復讐鬼の殺気立った目元が聖の価値観に影響されて、段々人間らしさを取り戻していく過程は見事だ。対して聖も「守りたいもののために殺すべきは殺す」という現実の冷徹さを目の当たりにして肝が据わっていく過程も殺伐として良い。
最終的に二人は結ばれて別れる訳だが、細田監督自身の作品「時をかける少女」のセルフオマージュだったりする。「生きて、そのかわり未来で聖が生まれる時代に、少しでも争いがなくなるようにがんばる!未来が変われば、きっと聖は殺されたりしないよね?そのために私、なんでもできることをするから!そしたら、聖はもっと長生きして!家族を作って、子供を育てて、いいおじいちゃんになって!」というセリフに疑問点が発生する。聖が殺された理由は無差別通り魔事件で社会的問題だが、国家間の戦争は外交上の問題だ。それぞれ問題の性質が異なる。やはり、現実への還り際になると細田監督の弱点が露出してきた。これは幼い社会観、国家観しか持たない細田監督が悪いと思う。また、スカーレットの所信表明演説もなかなか厳しいと思わざるを得ない。試しにデンマークの歴史や我が国の高市内閣総理大臣の所信表明演説を検索すると如何にスカーレットの演説がフワっとしたものか国民としては心配になる。聖が最終的に武器を持って戦った事実をスカーレットは受け入れるべきだ。それは女王として非情な決断を下さねばならぬ局面に立たされるからだ。
細田監督はアニメ界のテレンス・マリック監督だ。脚本が弱く、脈絡なく投入される映像先行型の映像詩とも言える表現なんか業界人の評価が高いが一般観客の賛否両論が巻き起こるあたり似ている。ポスト宮崎駿とも言われたことがあったけど、全然違う。テレンス・マリック監督作品もよく宇宙へ意識が飛んでしまうが、スカーレットも未来の渋谷に意識が飛んだあたり似ている。そして「赦せ」の意味を苦悩してついに「悟り」を得る「果てしなきスカーレット」はスピリチュアルアニメの傑作だ。
平和を祈る歌
本作のテーマを一言で言えば「平和と許し」だ。
あまりにも使い古され、もはや陳腐とすら言えるテーマ。しかし本作は、それを真正面から描いている。あまりに真正面すぎて、時勢にも一般大衆の琴線にも乗れていないのだろう。
だが、それでも刺さる人には間違いなく刺さる映画だ。少なくとも、玩具のように弄ぶレビューで打ち捨てられる類の作品ではない。
では、どんな人に刺さるのか。
それは、世界の争いを見るたびに「なぜ世界は平和にならないのだろう。自分に何かできることはないのか」と心を痛める人。
そしてもう一つは――「自分の人生のクソったれは全部あいつのせいだ。命に代えてでも復讐してやる」と本気で思い、その憎しみを燃料に生きてきた人だ。
私は後者だ。
実の父に筆舌に尽くしがたいことをされた。あいつは風呂で溺れ、あっけなく死んだ。私は今を生きている。だからこの映画が刺さり、結末から勇気を貰う事ができた
正直に言えば、彼の作品は“映画”の形をしていない部分がある。
というより、舞台や演劇なら許容される表現・演出を、そのまま映像に持ち込んでいるのだ。
私は彼が若手時代に関わった『少女革命ウテナ』を何度も見返しており、その手の表現には慣れている。だから、多くの人が気になるであろう箇所――地図もないのに目的地へ向かえる理由、突然挟まる長い踊り、直前まで存在しなかったキャラが一瞬で現れる不条理――こうした“整合性の破綻”をすべて、水を飲むように自然に受け入れられた。
それらが何を意味し、何を描こうとしているのか、手に取るように分かったからだ。
だが、舞台的表現に触れたことがなく、ウテナのように演出に全振りした作品を考察した経験がない人にとっては、これは破綻した映画に映るだろう。
率直に言えば、細田氏は「監督」ではなく「演出家」だ。だからこそ演出を優先し、物語や設定が毎回どこか歪になるのだと思う。
それでも、話の整合性やスマートな脚本ではなく、その底にある幼稚にも見えるが切実で誠実な祈りに共鳴できる人が観れば、これは間違いなく名作だ。
なぜこんなに評価が低いのかわからん
おもしろかった。
気になる方はぜひ自分の目で観た方がいい。
途中ダンスシーンが2回ある。
ハワイアンダンスは生と死の狭間の異世界で、時代や国がそれぞれ違う人達が交差する場所だということの説明だろうし、渋谷での底抜けに陽気なラテン系ダンスはビックリしたが、もしかしたらあったかもしれない世界なので、あのくらいハッピーなダンスの方が劇中の悲惨な現実との落差が出て良かった。
・・・ぇ、これ、王国滅亡してない?
映像はもう本当に素晴らしいので、まぁ、映画料金分は楽しめました。
ただ、ストーリーも演出もセリフもキャラ設定も全部駄目。
周りのスタッフは細田監督に何も言えないのかな?
ハムレットをベースに、ダンテの神曲をオマージュして、色々な所からイメージを借りて、色々と凝った作りにしているのはわかります。ただ、伝えたいテーマが戦争・憎しみの連鎖を断ち切って平和を願う、という、もう、ありきたりすぎるもので、しかも、あからさますぎて・・・。
死後の世界という舞台設定がもう破綻していると思います。
いや、死後の世界はいいのです。ただ、矛盾だらけで驚く。
スカーレットが死んだのはわかる。でも、なぜ、敵が全員出てくる?
王様だけならまだいい。でも敵の腹心も全員出てくるし、配下の兵士たちもみんな出てくる。
・・・え?スカーレットと同時に全員死んだの?という事はこのデンマーク王国滅んでない?
隣国に侵攻した軍隊が全滅したのかも知れませんが、それだとエンディングでの王国の様子があまりにも平和すぎる。王様に救いを求める死者の人々は数万人レベルの表現だったけど、そんなに国民が死んだの?いや、それだとほぼ王国滅亡しているような・・・。当時のこのレベルの都市なら人口は10数万人くらいじゃないかと思うのですが、その王都の死者が数万人レベルなの?16世紀のデンマークってかなりの強国だったと思いますが、そこまでの大敗北したの?
・・・誰か歴史に詳しい方が検証してくれないかな?
もしかしたら、あのエンディングの王国も死後の世界なのか?
本当はスカーレットもやっぱり国民たちも全員死んでいた、というオチは・・・まあ、無いかな。16世紀の絶対王政の国の一般市民が国王にタメグチで話すのもすごく違和感があるので、一瞬そう思ったのですが。戴冠式の女王陛下に対して「俺たちのリーダー」って叫ぶ?現代的すぎない?「女王陛下バンザイ!」とかなら分かりますが。市民革命が起きたの?細田監督のメッセージのために現代っぽくしたかっただけかな・・・だとしたら演出が下手すぎるけど。
聖くんが現代から一人だけ出てくるのも何だかな、という感じ。
あの設定なら、同時に何人も死んでいたはず。その人々が出てくるだけでもストーリーに深みを出せた様な気がします。
まあ、結局すべては、本編が夢オチだったという一言につきるのかな。結末も理想をそのまま語るだけというのは・・・。
演出もキャラ設定も本当にありきたり。素人作品レベル。
だれも監修してないのかな・・・?
細田監督、これ、本当に面白いと思ったのかな・・・?
芦田愛菜も他の役者も演技は良いですよ。キャスティングもぴったりです。よく見かけるスカーレットに明るい芦田愛菜は合わないという意見は逆だと思います。スカーレットは復讐を誓うが、本質は明るい初心なお嬢様にすぎないのですから。
駄目なのはシナリオとセリフです。
いや、あの演出ではどんな名優でも酷評されるでしょう。
公開間も無いauマンディの割引のある月曜で、しかも祝日。その昼の回で客の入りが15人ほど。
細田監督、大丈夫でしょうか?
素晴らしかった。
映像はもちろん、ストーリーの重厚さがたまりません。ハムレットを下敷きとした本歌取りともとれますが、救いようのない悲劇に終わってしまった原作に対して、もしかしたら彼にもこんな結末が許されたのかもしれないと思うと、救われます。「許せ」が本作のテーマワードかと思いますが、安易に「敵を許せ」「全てを許せ」などと言うのではなく、「自分を許せ」というのが、何とも言えず心に刺さりました。酷評もありますが、今までの細田監督と同じテイストを期待して見に行った方が勝手に裏切られたと思ってしまった反動ではないかな。この映画は彼の新しい試みなのだから、自分勝手に押しつけたイメージと違うからと言って非難するのもあまりにも幼稚ではないかな。まだ観ていない方、是非ご自分の目で確かめてみてください。確かに、雰囲気は暗鬱だし、否応なく深く考えさせられます。台詞回しに敢えてシェークスピア演劇の構造を持ち込んでいるところも観る人を選ぶ映画だとは思います。が、後の日に何度も意識の底から浮かび上がる大切な時間を持てるのではないでしょうか。
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