果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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スカーレットが魅力的です。
何処にも無駄なシーンなんてなかった…最初から最後まで目が離せなかった。正直最初は聖がそれ程好きになれなかったのですが、話が進むにつれ聖も好きなキャラになりました。
渋谷のシーンはスカーレットのイメージではあるんですが、現実世界ではなく、死後の世界だからこそリアルなイメージとして見えたのでしょうか。
もしも今とは違う時代に生まれていたらと、もう1人の自分の姿が見えて涙するスカーレットに、決意と共に長い髪を自ら切る姿に涙が止まりませんでした。
大好きな父上の敵を取る事だけを目標に、普通の女の子で、可憐な王女様である彼女がただひたすら必死に自らを鍛え上げ、兵士のように訓練を受けた訳でもない女の子が、実戦で戦う姿にも目が潤みます。
ラスト間近の本来敵でもあった相手に助けられ、最後の戦いに向かうスカーレットの姿にも胸が締め付けられました。
それと同時に映像が本当に美しく、劇場で見た方が良いクオリティだと思いました。
聖との別れのシーンは本当に美しく、そしてスカーレットが愛を知った重要なシーンでもあり、とても感動的です。
愛菜ちゃんの演技も凄いと思いました。スカーレットのイメージから、声優さんを起用したとしてもきっと新人さんになっただろうな…と個人的に思います。愛菜ちゃんだったからこそ、よりスカーレットが魅力的な女の子になったのだと思っています。
ドラゴンが滅茶苦茶カッコいいのですが謎ですね😂ドラゴンが悪者を成敗してくれるのでしょうか。カッコいいです。迫力も満点。
スカーレットが可愛くて仕方なくて2回行きましたが、全然足りないです。
素晴らしい映画をありがとうございます。
虚無しか残らない
酷評されているので実際にこの目で見て確かめたくて見てきました。
見た後に虚無感が残りました。感情が動きませんでした。
何故なら聖と言うキャラが浮いていて感情移入ができませんでした。
何故一人だけ令和の日本人がいるのか?
単に現代的要素と看護師と言う設定を話に盛り込むために
無理やり入れたからとしか思えませんでした。
良く細田監督は浅いと言われたり、背一定の穴を突かれていますが
テーマを決めてそれを後付けで進めるために無理やり思いついた物を
ぶち込んで行っているだけで、綺麗に整理されている感じが全くありません。
最初は少しワクワク感もありますが
中盤から早く終わらないかなと思ってみてました。
芦田愛菜さんは女優としては好きですが
今回声優としては微妙な感じがしました。
絵は綺麗で表情も豊かですが、瞬きをしない目に違和感を感じました。
ファンタジー要素があるのでリアリティがないのも当然ですが
あまりにも何でそうなるの?と言う疑問が出てくると
物語に没入できなくなります。
今回は映画デーで1200円で見ましたが2000円払ってみたい作品では
ありませんでした。
面白いと感じる人もいるとは思います。
ただそれは子供のような純粋な心で何も考えずに
アンパンマンを見るのと同じ感覚で見ればお話としては完結しているので
面白いと言えるかもしれません。
残念ながら私はそういう見方はできませんでした。
細田守の新たな到達点:時空を超えたラブストーリーと死後世界の奔放な創造、そして新たな統治思想の融合
細田守原作・脚本・監督による2025年製作(111分/G)の日本映画。配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。劇場公開日:2025年11月21日。
めちゃくちゃ面白かった。特に、主人公スカーレットがたどり着いた「死者の国」の斬新さと美しさに驚かされ、そして感動させられた。
死後の世界でありながら、独裁者や大衆、天国を求める人々、強盗を襲う強盗、雷を落とす巨大なドラゴンまで存在し、死んでいるのに、なおもう一段深い死があるという世界が描かれる。その虚無を恐ろしがる人間たちの姿も含め、とてもユニークで人間の業の深さを見せつけられるようで意味深だった。巨大なドラゴンは突然現れて悪を滅ぼす。一神教の恐ろしい神のイメージを体現した存在なのか。この世界で再度死ぬと、枯葉のように変化し、虚無となって消えてしまうという映像表現が実にあざやかで、本当に消失してしまう悲しみを見事に描いていた。
そして険しい山の頂上には、普通には見えない天国「見果てぬ場所」への階段がある。その透明で美しい階段を登るスカーレット。こんな素敵な映像は初めて見た気がした。そして、登りきったところは大海の底で、そこを潜り抜けると南海風の楽園が広がる。今までの細田守の殻を突き破ったような、とても豊かで奔放なイメージであった。
スカーレットの敵を倒すアクション・シーンも、看護師の聖との出会い時の複数の戦い、聖を救う騎馬戦シーン、群衆の中での闘いなど、いくつか周到に用意されていて、彼女の俊敏さと強さ、剣を使った闘いのスピード感と迫力に大感激であった。
ヒロインの愛する相手が看護師という設定もユニークで、とても良いアイデアに思えた。医師ではなく男性看護師がヒロインの恋する相手という映画は、初めて見た気がした。理想主義者で、スカーレットに「いいこちゃん」呼ばわりされるところも、観客の気持ちに寄り添っていて良かった。そんな彼が、薬やマッサージで痛みを和らげてあげるといった看護技能を用いて、警戒心の強い旅団の人たちの心をたちまちつかむ展開が楽しい。下手くそながら一緒に踊る姿が魅力的で、声優としての岡田将生の優秀さも感じられた。
そしてスカーレットが、かがり火の燃える夜、2034年の渋谷に行くシーン。タイムトラベル表現は月並みとは思ったが、歌と踊りの映像に十分なトリップ感があり、とても素晴らしかった。お見事とも感じた。ただ、宣伝に使わずに伏せておけば、より衝撃的で良かったのではとも思った。
「死者の国」での最後、虚無となってまさに消えゆこうとしている聖に口づけをするスカーレット。アニメとして究極のラブシーンに思えた。消えゆく一瞬の輝きという、なんとも日本的な儚く美しい映像美に唸らされた。
そして、復讐に突き動かされ続けたスカーレットが、その果てに辿り着いたのが「許せ」の両義性。確かに、自分も含め世界中の人々が、今こそ必要としている価値あるメッセージにも思えた。
最後、毒を飲んで死にかけていたスカーレットは目覚め、デンマークの新しい王となって民衆に平和主義的理想を語り、熱狂的な支持を受ける。さすがに、ここだけは綺麗事すぎて少し見ている時は白けた。
しかし、中世デンマークには、映画の提示年代とはずれるが、王女マルグレーテ1世(1353〜1412年)が実在したことを知る。
彼女は1375年に5歳の息子国王の摂政としてデンマークを事実上統治し、さらにノルウェー・スウェーデンと連合したカルマル同盟(1397〜1523年)を成立させ、複数国を一体化させることで北欧全域を安定化させた。同盟は武力によるものではなく、三国の貴族・王族・有力者間の利害調整と協約によるものだった。王権を暴力や恐怖ではなく、交渉・合意・妥協・制度構築によって維持した稀有な統治者だったらしい。結果的にデンマークは、1534年にドイツ・ハンザ同盟の軍事侵攻を受けるまで、他国の侵略を受けなかったという。
戦争だらけの中世欧州でこのような歴史的事実があったとすれば、スカーレットの方針も絵空事ではなく、とても有効な戦略ということかもしれない。細田守の頭の中には、彼女の成功がスカーレットの一つのモデルとして、多分あったのだろう。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守、製作指揮、澤桂一、製作桑原勇蔵 門屋大輔 菊池剛 市川南 齋藤優一郎、製作統括江成真二 工藤大丈 上田太地 小池由紀子、製作総指揮飯沼伸之、プロデューサー齋藤優一郎 谷生俊美 高橋望Co-プロデューサー櫛山慶 佐原沙知 荻原知子、作画監督山下高明、キャラクターデザインジン・キム 上杉忠弘、CGディレクター堀部亮 下澤洋平 川村泰、美術監督池信孝 大久保錦一 瀧野薫色彩設計、三笠修、撮影監督斉藤亜規子、プロダクションデザイン上條安里、衣装伊賀大介、編集西山茂、音楽岩崎太整、エンディングテーマ芦田愛菜、リレコーディングミキサー佐藤宏明、音響効果小林孝輔、ミュージックスーパーバイザー千陽崇之、キャスティングディレクター増田悟司 今西栄介、CGプロデューサー豊嶋勇作、CG制作デジタル・フロンティア、スタントコーディネーター園村健介、スタントアクター伊澤彩織、企画スタジオ地図、制作スタジオ地図。
声
スカーレット芦田愛菜、聖岡田将生、ポローニアス山路和弘、レアティーズ柄本時生、ローゼンクランツ青木崇高、ギルデンスターン染谷将太、少女白山乃愛、老婆白石加代子、ヴォルティマンド吉田鋼太郎、ガートルード斉藤由貴、コーネリウス松重豊、アムレット市村正親、クローディアス役所広司、墓掘り人宮野真守、墓掘り人津田健次郎、年寄りの長羽佐間道夫、宿の主人古川登志夫、波岡一喜、内山昂輝、斎藤志郎、上田麗奈、種﨑敦美。
王女が一人で盛り上がってるなぁって印象の映画だった。
・前評判がとても厳しくてどれほどかと思ったけどそこまでかなって印象だった。絵がきれいだったので観れた気がする。とはいえ。
・16世紀のデンマークの王女が王様である父親を謀略で殺され、その復讐に燃えるが毒殺され、死後の世界でも復讐をとげるために奮闘するという話だったと思うのだけど、色々とわからなかった。
・死後の世界も普通に生きてる感じで、更に死んだら虚無になるっていう設定はもはや、死んでなくていいのではと思った。ドラゴンみたいな怪物が一体いるだけだし、対して変わらないようだったし。
・王女が何かしらの形で殺されて死後の世界にいるんだなぁって思ったら、何故か復讐相手も死後の世界にいたり、部下もまるごといたりして一体なにがあったんだという事が気になった。後半で王女に盛った毒を自分も飲んで死んだっていうあほみたいな死因でなんだそりゃと思った。
・王女が父親を殺した父親の弟を暗殺しようとして眠り薬をもって眠った所を殺そうとするも毒を盛られて倒れていた。その後どうなったんだろうと思ったらそこで死んでいたらしく、その割には軽症に見えたので驚いた。
・死後の世界で多分、現代日本の看護師の青年と会っていた。時空を超えて死後の人たちとが接触するという設定は面白いなぁって思ったら現代の人間が看護師の青年だけっぽくてもっといろいろいていいんじゃないかと思った。
・ラスボスが何で王女の仇なのかが不思議だった。死後の世界で虚無になってない人たちとなってる人の境界線もよくわからなかった。死後の世界で死ぬとなるのか、直行で虚無になるのか。もう一度死ぬということなら世界中で時空も超えるから相当数の人たちがいるだろうし、その頂点ならもっと別の人なんじゃないかって思った。
・天国?へと皆が行きたがっているっぽかったけど、町で楽しそうに生活してるようだった。ちょっとぼんやりしてたせいか、急にクーデターみたいになっててじゃあ、なんで町で暮らしてたんだろうとか思った。
・ドラゴンの存在について何も説明がなくてなんだったんだろうって思った。何故か最後消えてしまっていた。
・四天王っぽい敵があっけなく負けてて驚いた。
・看護師の青年が殺されたんだろうなっていうシーンが三回くらいあって、多いなぁって感じた。
・王女と青年が普通に会話してたのが不思議だった。あと青年が最初から順応しすぎてて不思議だった。
・王女の母親が一番嫌な奴だった。なのに生きてるし最後も悲鳴あげるしで嫌な気分になった。
・キャラクターが全体的に何か薄く感じられた。
・色々と説明がないまま話が進んでいって王女が一人で盛り上がってるなぁって印象の映画だった。
・ラスト、演説シーンで人、多すぎるだろって思った。
見て良かった、おもしろかったですよ。
細田作品は子供と一緒にサブスクで見てる程度です。
芦田愛菜ちゃんが声優とのことで、劇場での予告を見て気になってたものの、公開後の低レビューにひるんでましたが、結論、見て良かったです。
大人向けなのかもしれません。確かに過去作と毛色が違いますが、見応えあって良かったですよ。
圧倒的な映像美、これはスクリーンで見ないと勿体無い!
個人的には、国宝と並んで今年の一本と言える作品でした。劇場で見て良かったです。
「死」によって出会い、「生」によって別れる。
今までにないラブストーリーだなと思いました。
普段はレビューは見るオンリーなんですが、思わず書いてしまいました。
私にとって「ゆるせ」は「恕せ」。でも難しい。
考えさせられることの多い素晴らしい作品でした。私は細田監督作品は「サマーウォーズ」一作しか観ていません。監督に対する先入観や思い入れが無かった分、作品単体として楽しむことが出来たのだと思います。
この作品には、悪が改心したり、復讐が成就して留飲を下げる、といったカタルシスはありません。映画館を出た後も「あれはどういう意味だったのだろう?」と考え込んでしまうシーンが多々ありました。細田監督は、あえて回答を映画の中で示さず「皆さんがそれぞれ考えて下さい」と「問い」を置いて行ったように感じました。
一番印象に残ったのは、父が謀略で処刑される際に残した「ゆるせ」という言葉です。私がこの言葉を聞いてすぐに思い出したのは「恕せ」でした。日頃使わない言葉だと思います。「赦せ」や「許せ」ではなく「恕せ」。私のかつての知人が「恕平(じょへい)」というお名前でした。その意味は「どうしてもゆるせないことであっても、寛大な心でそれをゆるすこと」だそうです。
しかし、人間は本当の意味で復讐の相手を「恕す」ことなど出来るのでしょうか?江戸時代の「仇討ち」は「国家が処罰を行う」ことと引き換えに禁止されました。それは決して「恕した」からではありません。また日本人は原爆を二発も落としたアメリカを本当に「恕した」のでしょうか?ひょっとしたら「恕した」はずの感情は消えることなく、心の奥深くに沈殿しただけで、いつかどこかで爆発してしまう恐れはないのでしょうか?
「復讐と恕し」というテーマを扱った小説では、菊池寛の「恩讐の彼方に」が記憶に残っています。しかし「果てしなきスカーレット」の仇であるクロ―ディアスは、最後まで救いのない悪党のままです。スカーレットは「復讐に取りつかれた自分自身をゆるせ」と解釈しますが、その解釈も今一つ腑に落ちません。この「ゆるせ」の解釈にも本当の正解は示されていないように感じます。
そして議論の多い渋谷のダンスシーンと、それに至る長いワープ。私は戦いに明け暮れる中世から現在までの、人類の戦いを減らすための長い思索の歴史を思いました。スカーレットの時代から聖の住む現代日本までには400年以上の時間が経過しています。その間に誕生した数多の哲学者と人権思想。アメリカ独立。フランス革命。植民地主義。王制から共和制への転換。そして先の戦争を経てのグローバリズムと多様化・包摂の時代へ。その膨大な時間の流れが、あの評判の悪い「長すぎるワープ」に込められていたように私は感じました。
まあ、勝手なことをつらつら書き連ねましたが、あくまで私の一つの解釈に過ぎません。しばらくは「酷評の嵐」はやみそうにありませんが、数年後にこの作品が「細田守監督の隠れた名作」として再評価されることを願っています。
評判通りの感想です
ハムレットをオマージュしていることや、あまり評価がよくないことを知った上で見に行きました。そうは言われてても案外いいかも?という期待を少し持って。
そして見た感想としては、全体的にノリが軽く、登場人物の行動にツッコミどころが満載で、残念ながら全く集中して見れなかったです。画面全体は暗かったり陰鬱な重厚感を醸しているのに、主人公とツレがフワフワしているので、チグハグな印象を与えていました。
CG作品もこのところ多くなっていますし、別にそこは気にならなかったのですが、ゲームの戦闘シーンのように敵がヒョコッと突然現れたり、ご都合主義でやられてくれたり、「えっ????」という場面が多すぎて、気が削がれました。
特に、主人公があまりにも甘っちょろく、表情が大げさで、復讐を誓う王女の威厳が感じられないです。その他の登場人物も、感情が分かりにくい箇所が多かったため、声優さん達はアフレコ大変だったのでは?と要らぬ心配をしてしまいました。
撃たれた傷を処置してもらう時の痛いっ!っていう感じとか、ワンピースのロビンちゃんかよ!っていう箇所とか、芦田愛菜さんよく言ってくれたなぁと感心しながら見てました。声優が豪華だったので、すごく勿体ないように感じました。
ストーリー自体はありがちというか王道なため意外性は求めてませんが、それだけに登場人物の行動理念にリアリティがなさすぎて、何を観てるのか分からなくなりました。(しかもかなり最初の方から)
他の方も書いていましたが、ミュージカルシーンとかワープのシーンは、私もなくてもいいかなと思いました。
根本的な話として、聖のビジュはなんで坊主だったんだろう。素朴な坊主頭とピンク髪の冒険っていうのが絵面としてはまってない。スカーレットは美少女戦士、聖は戦後の少年みたいで、その他おじさんとか兵士とかはハムレットにいそうな感じで。別々の組織が人物イメージ作ったのか?というくらいの違和感でした。
監督に誰も意見できない状況だったのかなーと勝手な想像しちゃいました。
人間本来の核心的な心理世界の深い描写が込められている
細田守監督の作品を子供の頃から見てきて、新作が世に出る度に国内で広く親しみのあるサマーウォーズや時をかける少女よりも、脚本を監督自身が手掛けるようになってからは非日常的描写やファンタジー要素が増していっているのは間違いありません。
そこに、違和感や躓きを覚えてしまう視聴者は多いのは仕方ないのかなと。
その為、ファンタジー要素や今作品の「果てしなきスカーレット」にはシェイクスピアの「ハムレット」や聖書の宗教描写が多く含まれている観点として国内で視聴する日本人には馴染みがないといった理由で、これらの知識や生死にまつわる普遍的な人間本来の苦しみや悩みに直面して向き合った経験に基づいて視聴者として感じる温度差はあると感じました。
しかし、自分は主人公の強く生きようと足掻きながらも真っ直ぐな姿に感動し涙しました。
それから現代よりも少し未来から来た、もう1人の登場人物に関しても同じく、欠かせない人物で無駄な描写は一切無かったと思ったのが主観になります。
むしろ、これこそ極論になりますが果てしなきスカーレットに理解を得れなかったことへの視聴者の価値観は別とし、批評をする方のレビューや呟きを見て、この反映こそが細田守監督が予測して作品に描写込められているものではないかとまで感じさせられました。
作品の中でも主人公のスカーレットが「分からない」と声にしたり悩んだり葛藤する描写があります。
それは、視聴者も本作品の核心を分からなかったのではないのでしょうか。
個人的に、答えは得るものではなくスカーレットのように自ら気付いてこそのものだと思うからこそ価値観は違くとも、酷評のレビューを見て残念に思いました。
前作品の「竜とそばかすの姫」でも現実世界とネットワークが同時に二つ存在していますが、ネットワークの描写では主にCGでの動きと率直で素直な心の声でのキャッチボールのような心の核をファンタジー要素で包み込ませ、現実とは程遠いような違和感を抱かせる作品として描かれてあります。
しかし、疑問で別の視点で捉えたらその違和感こそ違和感ではなくなっていったことが見る視点によって大きく変えてくれる今の現代社会で大事な「踏み留まる」という観点を伝えてくれています。
細田守監督の作品はどれも、理想の未来志向や立ち向かう精神など一貫して含まれており、本作品でも本来の監督の想いを貫きつつ+αで死後の世界では人間の核心に迫った生と死、内面の葛藤、生きていく上で何が大事なのか、をとても率直に描いています。
それから、芦田愛菜さんの歌が素晴らしかったです。
細田守監督は声優を選ぶ時にその人本来在るものを活かせる人を選んでいる気がします。
芦田愛菜さんは哲学的にとても深い観念があられる方だなと以前のメディアを通して知りましたが、だからこそ本作品に関しても難しいテーマの役を演じられたのだと思います。
そして、別作品にはなりますが岡田将生さんと芦田愛菜さんは終止符の難しいかなり好みが別れる「星の子」という映画でも共演されており、お務めされています。
自分はその映画のあやふやな描写に意味を見出すのが面白くて好きな作品でしたので、ある意味でそちらでも共演されて果てしなきスカーレットでも声優として共にされたのが刺激的でした。
本作品に関しては、どちらの台詞もそうですが芦田愛菜さん演じるスカーレットの台詞は本当に少ないんではないでしょうか。
むしろ、それだけ少ない台詞にこれだけ感情を声に込めて出せる声優さんもなかなかいないと思っただけに震える声に感動に感動して泣いてしまいました。
違和感はあってもそこに疑問を抱いてみるととても、面白いだけではなく現代社会でも生きる上ですごく大事なことを教えてくれるきっかけにさせてくれる作品に出会えて嬉しい限りです。
細田守監督には芯を持って世に本作品を出してくれて感謝しています。
予備知識ゼロで観ました
レビューがあまりに酷評で、ネットニュースでも興行収入がコケたと書かれていましたが、自身の目で確かめたかったので予備知識ゼロで観てみました。昨日が12/1で映画が安い日だった事も後押ししてくれました。
結果的に観て良かったです!特に映像美、音楽、効果音、芦田愛菜さんの歌唱が心に残りました。(スカーレットの声優が芦田さんと知ったのがエンドロールだったので、余計驚きでした。)
スカーレットのキャラデザも好きになりました。
最初の地獄の描写がリアルで、叫ぶスカーレットの迫力にすぐ引き込まれた感じです。
ストーリーは粗探しすればアレって感じはありますが、個人的には退屈しませんでした。鑑賞後に他の方のレビューを見てなるほどと思う事も多かったです。
ただ、人の命を救い、お年寄りを癒やし、スカーレットの心を動かした聖が虚無になってしまうのは悲しいと感じます。最初から天国に行って欲しいと思いました。ま、そうなってしまうとスカーレットと会えないんですが…(笑)その点が-0.5点です。
別の方も書いてましたが、大阪万博のように最初低調でも、多くの方が観て、ロングセラーで興収も伸びて欲しいと思います。外国ではヒットしそうです。
自分はもう一度IMAXで観ます。世界観に没入したいので。
まだの方は是非ご自身の目で観て、感じて欲しいと思います。
細田監督はじめスタッフの皆様、素晴らしい映画をありがとうございました。
追記…12/4でIMAXが終わってしまうので再鑑賞しましたが、407席に6人…。劇場に沢山人がいるのは嫌いだけど、ちょっと寂しいものですね。
(静かに世界観に入りたい人にもオススメ)
とにかく退屈
絵は綺麗、本当、綺麗。
芦田愛菜ちゃんは本当に凄い女優さんなのは実感。
歌も上手いし、演技力も素敵。
…なのに、なのに、何故か退屈。
女王様、全然綺麗じゃないのにモッテモテ。
我が子より、ゲスなおっさんラブで全く理解出来ない。
スカーレットの「許す」旅に現代の聖さん、全く合わない。過去も未来も混雑するなら、もっと現代的な方が色々いてもいいし、もっと古代的な方がいてもいい。
夢みたいな話だから、なんでもありなんだろし、ハムレット原作知らない民からしたらオマージュ言われてもなぁ。。「復讐」から「許す」に至るまでの旅がもう少しグッとくるものがないと、間延びして退屈なのです。
あの絵と芦田愛菜ちゃんの演技力があるのなら、もう少し感動する作品にはならなかったかなぁ、細田さん。
いや、これ面白いじゃん!
「死者の国」の彷徨。
あらゆる時代からやってきて、死んでもなお、争い続ける人々。『ドリフターズ』か。
再び死ぬと「虚無になる」と言うんだけど、そうなると、いや、それでいいじゃん、もう死んだんだしさ、とどうしても思ってしまう。
これが基調なんで、その後の展開の全てが、この疑問に答えようとする試みに見える。お話としてはよく分かんないし、整合性もないけど、僕は、問いを投げかけ続けてると受け止めた。
そう思うと、しっかり面白い。
死者の国は、荒涼とした砂漠地帯。風景も人も、いつも埃っぽいが、この感じがいい。ウェザリングがしっかりしている。これをアニメーションするのはさぞ大変だったろう。火山、空、海、死者の群像。CGを多用していると思うが、割と馴染んでいる。
全体にとても美しい。
でも、細田監督は、ちゃんと答え出してない、というか出せなかったけど、映画にしちゃったという感じもある(宮崎駿も、同じくらいストーリー分かんないけど、答えを持って映画にしてる気がする)。
まぁ「なぜ生きる」なんて、答えは、さっくり出ないよね。
エンタメ性皆無なんで、そりゃヒットしないと思うけど、見て良い映画だと思う。
…
途中の渋谷のダンスシーンは驚いた。後世に「怪作」とか「奇作」とか言われちゃうんじゃないかしら。映画マニアの間では噂になっているけど、DVDもないんで見れないとかの、幻の作品感。
そしてアレがあると、砂浜に着いた時も、ヘイ!パーティーしてる⁉︎なんて感じで登場するんじゃないかとドキドキした(するわけないんだけど)。
スカーレットがあんまり強くなくて、終始甘ちゃんなのも割と良い。
以上
酷評されるほどでは…
悪い評価をされてるのを知りながらネタバレは見ずに見に行きました。
まるでマイナス500点ぐらいの評判ですが私的には35点ぐらい。
まず良かった点から。
映像はこれまでの作品でもそうですがとんでもなく綺麗で目を奪われます。芦田愛菜氏の演技は大半は上手いと思いましたが、泣き演技があまりキャラに合ってない??と思うことがありました。復讐に身を焼かれるのではなく相手も自分も許して他に幸せになれる道を探そうというメッセージ自体はとても素敵だと思います。
では残念な点。ツッコミどころがたくさんありすぎるので一部だけ。
・死後の世界がただただ砂漠で見る楽しさ、話が陰鬱かつ起伏が少なくストーリーの楽しさはない
→時かけやサマーウォーズのような爽やかさ、バケモノの子や竜とそばかすの姫のような異世界なワクワク感、は正直ありません。見た目上はただただ砂漠を旅しているだけです。
・相棒役の聖の設定と行動のブレに説得力がない
→不殺主義の聖でその行動はスカーレットにも大きな影響を与えますが、終盤で敵の幹部を殺してしまいます。そこで葛藤や何か彼の考えを変える流れがあるのかと思えば一切何もなし。スカーレットからも何もなし。聖が殺さなくても話進められただろうに意味もなく不殺主義を破ってしまったことに???となりました。
・ミュージカルにする意味があまり感じられなかった
→例の渋谷のシーンですね。復讐に囚われず別の環境別の時代に生きていたらどんな未来があったか?…の流れで希望や楽しさに満ち溢れたミュージカルシーンなので、描きたいことは非常によく理解できます。ただ唐突すぎるあまりシーンが浮いてしまっています。例えば「学校に通って友達と楽しく過ごすスカーレット」とか「聖とデートするスカーレット」とか「普通に結婚して子を成し幸せに過ごすスカーレット」とか…もっと自然に観客の心に訴える見せ方はできたんじゃないかなーと思いました。
ひどく酷評されているほど悪い映画ではないです。ただツッコミどころが多すぎて話に入り込めない人はきっと多いのではないでしょうか。
また時をかける少女やサマーウォーズのような映画を期待してます。
PTSDの少女がおっさんにボコボコされたけど、おっさんに救われた物語
まさか自分でこの評価をつけるレベルの映画に当たるとは思ってなかったし、星1なんてつけたくなかったです。
言うてみんなやばいやばい言うけど、そんなにやばくないだろ~!意外に良かった!ってなるパターン!って思ってたのに、てか思えるタイプのはずなのに
オススメ出来るかと言われると、別の映画見たほうがいいですと言います。
まるで高熱のときに見る夢。私はこれのおかげで昨日疑似インフルエンザにかかったので今冬は健康に過ごせそうです。
映画館で笑いをこらえまくって、終わったあとめちゃくちゃに車の中で爆笑してしまった。
とにかくシリアスな笑いを誘うシーンが多すぎます。
特に焚き火囲みながら急に復讐の鬼と化したヒロインのスカーレットに
ヒーローの聖が「君は生まれ変わったらどうしたと思う?」とか言うて
急にめちゃくちゃ謎の長いビッグバン入って(本当に長かった、なんだあの時間?)
渋谷の街で大勢の人が踊り始めるのマジでやばかったです。
スカーレットが「時代を……越えた……」「あの踊ってたのは私だ……!」とかいうの真顔ではいられんでした。もうちょっとなんかあっただろ。
曲は良かったんだけど、挿入するタイミングが謎すぎて
曲☆2、挿入タイミング-☆2、プラマイゼロ みたいな感じになりました。
なんかこの透明な階段登ったら弟がいるぞ、ついに復讐だぞ!!っていうシーンで
腕広げて胸張って優雅にゆっくり階段登っていくスカーレットとか、どういう気持ちで見たらいいのあれ?笑うシーンではないんですか?あれは。
聖が実は死んでました、のミスリードにしては下手くそすぎる……って部分もあったりして、最後のシーンも何となく腑に落ちず。
あんなに「お父様何!?聞こえない!」って言ってた割には、最後の民衆の声あの距離じゃ絶対聞こえてないだろって思ったし、そもそも民衆多すぎてもう、そういうシュールさが物語に集中できなかったです。色々ツッコミどころがありすぎて、大変(腹筋が)苦しい映画でした。
ボボボーボ・ボーボボを大真面目にやったらああなるんだろうか。そういうのに近い気がします。
スカーレットといい感じになった聖が最期スカーレットに
「生きたいって言え!」「いやだ!聖と離れたくない!」「ダメだ!生きたいっていうんだ!」「…生きたい!」「もっと大声で!」「生きたい!!」「もっと強く!!」「生きたいっっ!!!」
の連呼でもう、なんだこれ?ここもシュールな笑いポイントでした。
そんなに連呼せんでも。ニコ・ロビンでもそんな言わんぞ。
あと初っ端ゲロ吐いてる声だし序盤まじで「ハア…ハア…!」っていう息遣いしかしてなくて
なにをみせられているんだ!?ってなりました。
ぶん殴られて「ぐっ!」とか、泣き声とか叫び声ばっかりで結構序盤でドン引いちゃいました。
いちいち叫び声が長くて「もういいて……そろそろ切ったれよシーン……」ってそういうふうになっちゃうくらいには、なんか不要なシーンも体感多かったです。
そういうのひとつでも没頭感って無くなるんだな…とお勉強になりました。
しかもそういう痛めつけられるシーン全部おっさんにやられてるんですよね、マジでさ、どういうこと?同人誌?
ハムレット王を殺したその後に、弟がスカーレットを投獄して、屈辱的な日々を味わって、でもお父さんが最期になんか私に対して叫んでたしそれが生きる活力!!絶対弟許さん!!!みたいな復讐にすればよかったのに
普通に弟はぬくぬくスカーレットを王女暮らしさせてて、一応ずっとスカーレットは復讐心は持ってて、そのためにずーっと鍛えてるシーンばっかり映されたけど、あっそういう鍛錬は普通にそういうの弟は許しちゃうんだ…って思ったし
いうて弟に睡眠薬仕込んででナイフ突き立てようとして失敗、自分が死にましたーオチ、もう、色々浅い!
一応王女だけど、民のそういうシーンも 窓越しに親が連れて行かれて、子供が追いかけて転んで、みたいなシーンを窓叩いてフーフー言いながら泣いてるシーンだけで
スカーレットマジで民のこと好きなん? 変に叫ばせるシーン入れるならもっとそういう城下町ターンで印象付けたほうがよかったんでは…って思いました。
ここまでやるなら恋愛要素いらなかったのでは?と。
誰も信頼できない少女が、ひたむきに信頼できるかけがえのない唯一のバディを知った、くらいでいいのに
なんでそこ中途半端に恋愛絡めちゃったんだろう…逆にチープに見えちゃった、これは私があまり恋愛モノを見ないから、そう思うだけなのか…?ってなりました。
一応元ネタのハムレット調べてみたけどこれハムレット元にするまでもなかっただろうに
復讐モノ作りたいな!ハムレット持ってこよ!ってなったにしてはあまりにもお粗末すぎてシェイクスピア地獄で泣いてるよ
復讐譚としても中途半端、恋愛も中途半端、スカーレットの成長の物語にしてもなんかいまいち何を伝えたいかわからない、全部が中途半端にとっ散らかった気がします。
短髪になってからエッグい作画崩壊してたような気がしてならない。
なんか髪の毛の束感とか顔の感じが急に変になった気が……三つ編みのボロボロ顔のほうが作画いいってどういうこと……?
以下箇条書きストーリー。
・現実は中世デンマークが舞台
・ハムレットっていう王様がいて
・その王様は心優しく、スカーレットという娘がいる
・スカーレットはハムレット父王様が大好き
・隣国とプチ争いしているが、ハムレットは話し合いの姿勢
・その弟クローディアスは兄ハムレットが嫌い
・クローディアスは「話し合いなんぞで解決できるか!戦争だ!」のスタンス
・お妃様がいるが、「私は『王』の妻ですので(だからクローディアスが王であればその妻ですみたいな…悪女…)」って言う感じ
・とある日、クローディアスが反逆者だとしてハムレットを告発し捉えて処刑する
・ハムレットを処刑したのは4人の男たち
・スカーレットはハムレットの処刑前の最後の言葉を聞き取れなかった
・スカーレット絶対クローディアス許さないマン
・戦争になってどんどこ悪くなる国
・スカーレット、復讐を決意!
・とある日スカーレットが弟に睡眠薬を盛って暗殺しようとするが逆に毒を盛られて死亡
一応ここまでが現実世界の序盤
そこから死後の世界(厳密には生も死もない次元の狭間みたいな世界)がメインで進んでいきますが
そこで弟はまたしも国みたいなもの作って「みんなで天国へー!」みたいなこと掲げてて、最終的には
・ハムレット王を処刑した4人のうちの2人が王の最期の言葉は「許せ」だったことをスカーレットに教える
・その許せは何に対しての許せなの?クローディアスを?許せるはずがない!になるスカーレット
・最終的に「自分を許せってことだったんだ…」と自己解決
・クローディアスは裁き(謎のドラゴンに雷を落とされる)を受けて死亡
・現実世界でスカーレットが蘇り、自身が王となり終了
…聖という恋愛要素、必要ありました?
酷評が酷すぎる。
SNSや動画配信サイトなどでの本作品への行き過ぎた酷評には目に余る物があると感じ、初めてレビューを書きます。
本日鑑賞してきました。
内容は普通に楽しめる物で、疑問や違和感が残る部分はありますが、自分の想像で補填できる範囲で、酷評される程の事はなかったです。
逆に"想像させる余白"としと捉えれば良いと思います。
良い意味で今時の普通の作品、ストーリーもわかりやすく、安心して見れます。
所々の演出も好きでした。
例えば、最後の扉のシーン。
本当の入り口は湖面に反射した扉だった的なシーンは、正統派なファンタジー童話の演出の様で素敵でした。
主人公、スカーレットはキャラクター制作にかなり力を入れてたんだろうなと感じました。
スタートから少女を泥にまみれさせ、飢えさせ、嘔吐させ、ボロボロにし、恐怖や殺意で歪んだ表情のカットが多く制作者側の歪んだフェチズム的な物を感じましたw
表情のバリエーションが豊富で生々しい"戦乙女"が好きな方はスカーレットを見にいくだけでも価値があるのではないでしょうか。
途中の渋谷でのダンスシーンですが、ここは確かに突然感はありましたが尺は短く"スカーレットの時代"と"聖の時代"が一瞬繋がるSF的演出なので苦はないです。
酷評の嵐の原因は"作品"言うより"アンチ"が多いのかな?っと感じました。
酷評を通り過ぎて"酷評大喜利大会"いじめの状態になっているのは制作陣のメンタルが心配になります。
私のレビューも含めて、他者の評価を気にし過ぎず、フラッと見に行ったらいいと思います。
周りの評価で判断せずに自分で観てみてみよう
あまりにも酷評されているので今回はスルーしようかと思いましたが、まずは自分で観ないことには評価・批判もできないと思い、ダメージを少なくするため映画の日に鑑賞しました。
ちなみに今まで観た細田監督作品の私の評価は、以下のとおりです。
「時をかける少女」「サマーウォーズ」→4.0
「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」→3.5
「竜とそばかすの姫」→3.0
「みらいの未来」→2.0
結論としては、思ったより良かったです。
まず、背景を中心とした映像には迫力がありました。場面によっては実写かと思うぐらいでした。
ただ、人物はデフォルメされた3Dアニメのキャラクターだったため、逆に浮いてしまったのかもしれません。
特に重要人物である聖のデザインが何か安っぽいCGアニメの感じがして残念でした。
個人的には、キャラクターデザインは貞本さん担当の頃が良かったです。
ストーリーに関しては、みなさんが仰っているように粗(ツッコミどころ)はありますが、監督の伝えたいメッセージには共感できました。
憎しみや対立が国家間や社会でも渦巻いていますが、他者、ひいては自分の愚かさ、過ちを赦すことも大切なことです。
綺麗事に過ぎないと思う方には全く響かないかもしれません。
批判が多いスカーレットと聖が現代で踊るシーンも、別の時代に生まれていたら全く違う生き方をしていたかもしれない自分を垣間見た、という演出だと思えば、私はそれほど違和感を感じませんでした。
ただ、もっと終盤のシーンで挿入したほうが良かったのかもしれません。
キャラクターデザインと脚本をもう少しブラッシュアップすれば、もっと良い作品になったと思います。
昔の細田監督っぽい作品を求めていた人にとっては期待外れだったのかもしれません。
観るべきかどうか迷っている方に対しては、
「あまり期待せずに観ればそれほど悪い映画ではない」
と言いたいです。
評価なんて千差万別、まずは自分で観てみないと分からないですよね。
天才的アニメーションと不可解な作劇が一体となった怪作「許せない!許せない!」
開始してからタイトルが出るまでの数分間、死の国の描写と彷徨するスカーレットの迫力がすさまじい。低評価の予備知識がなければ傑作を期待していたかもしれない。「めちゃくちゃ面白くなりそう。でも、これからつまらなくなるのかな?」とハードルを下げて鑑賞することができた。結果、最後までがっかりすることはなかった。
しかし低評価もやむなしと思わせる不可解な部分が多い。
「復讐心に苦しむ」→「愛を知る、復讐のむなしさを悟る」→「赦しと解放」
という精神的過程を描くストーリーになるのかな?
となんとなく予想しながら見ていたが、精神的葛藤と変容はあまり説明されない。
王女はずっと「許せない!許せない!」 状態。
彼女に変化を与えるはずの善意の日本人看護師が登場するが、彼がどう効いているのかよくわからない。
ところが、ラストで決定的に影響を与えていたことが分かって驚愕。しかも彼のことを好きになってた。そのうえ、未来に生きる彼が幸せになる世界を頑張って作ると宣言。
唐突に感じたのは自分が悪いのかもしれない。途中少し寝ていたから重要な描写を見逃していた可能性がある。
終盤、唐突に「自分を許す」ことが復讐から解放される方法だとスカーレットが悟るが、突然過ぎて理解不能。こちらはそれまでスカーレットが罪悪感に苦しんでいると思ってなかったのでかなり不意打ち。
「復讐の連鎖を断つ」ことの難しさを毎日感じている観客に対して、納得できる答えを提示できるのか?細田さんはこの問に真摯に向き合ったにちがいない。多分、考えすぎてよくわからなくなったのだろう。その真剣さを感じられたので理解はできなくても不快感はなかった。
自分は「竜とそばかすの姫」の児童虐待への対処が本当にゆるせない派なので、あれと比べると今作は嫌悪感を抱かせないだけずっと良い。
女王就任演説と喝采を送る国民の「お花畑感」も凄烈。しかし、これは過度な楽観主義に対する皮肉の可能性まである。
ストーリーの不可解な部分はあるが
復讐に取り憑かれた美少女剣士が好きな人には120点の映画 。
視覚的にはこれまでの細田作品で一番好きかもしれない。
声優の芦田愛菜さんが批判されているが自分は良いと思った。
面白いし、考えさせられる映画だった。
期待の裏返しの低評価が目立っているが、興味がある人は評価に惑わされずに見てほしい。
思ったほど悪くなかったけどなぁ
原作未読。
「爆死」とか「観るに値せず」など酷評されているようですが、私はそれほどまで悪くないと思いました。
CGなどの映像は綺麗だったし、エンドロールの芦田愛菜さんの唄も良かったと思います。長年シェイクスピアの舞台芝居をやっている吉田鋼太郎さんのセリフの言い回しも良かったと思います。
以下思ったことですが…
①渋谷のダンスシーンは何だったのかしら?
②「ハムレット」と「神曲」をベースにした作品のようだけど、なぜあえて日本人の聖(←岡田将生)が登場するのか?
日本人じゃなくてデンマーク人とか欧州の人で良いんじゃないの?
↑③復讐劇にするならば、設定を日本の戦国時代にする、たとえばある藩の殿様の兄弟争いにするとか…
➃婆さんとドラゴンは、何者?
結局のところ 復讐というかお仕置き、成敗はドラゴンが成し遂げたということ…
「赦すとは」がテーマのひとつだと思いますが、難しい問題ですね...話しは飛躍しますが、現実の世界で遺族の方が納得されて、多少なりとも心休まることができるなら、死刑制度も意義があると思います……
111分じゃ足りない
限られた上映時間の中で収まり切らずに話がよくわからない作品というのが、映画ではしばしばあるけれど、これも「なぜ?」が絶えない感じでした。
国民から慕われる、善政を敷く国王アムレットなのに、なぜ処刑されたのか?
王弟クローディアスが「王は敵国と通じている、裏切り者だ」と騒いだところで、王を守る忠誠心のある兵士達がいれば、裁判のいとまもなく即刻処刑なんてこと、できるわけがないと思います。
王妃の態度もの理由もわからないし、クローディアスが死者の国でも王として君臨していたことも分かりません。
兄王を謀殺した、対話よりも争いと殺戮を好む粗暴な人間が、人々を従えることのできる要素など、一体どこにあるのか?
死者の国で生前の王権が通用するとも思われないのに。
原作の文庫を読めば、良い話なのかもしれません。
でも、映画の内容に限定すると、謎だらけです。
それから、聖がキャラバンの人達と打ち解けて、踊る場面のキャラバンの人達とか、最後に女王になったスカーレットが国民の前で挨拶をしたときの国民とか、映画なのに静止画で線の書き込みも細かくない、まるで予算の少ないテレビアニメみたいで、映像として残念な感じがしました。
興行収入が低い滑り出しだった、低評価が多いと聞いていたけれど、「これはそうだろうな。と思いました
面白いと思う人はもっと積極的に納得感ある熱弁しようよ!
確かに後半は文句の付け所多いけど前半は凄い面白かったよ!
だから本気で面白いと感じる人はもっと熱弁して世間の評判もっと上げてくれ!
そんなに酷評されるほど酷くはないから!
ここからは自己満感想パートです。
良い点
・ヴォルティマンドの対決でスカーレットが剣を抜こうとしたが鞘にしまい殺さずに無力化しようとしたシーン。この時スカーレットは復讐の為なら、悪人なら殺してしまっても構わないとまだ考えていたが、父の「戦いではなく話し合いで平和的な解決を」という教え、その教えをこなす聖の行動と、スカーレットは色々葛藤を持ちつつ父と聖を信じてとった行動なんだと思いすごい胸打たれた。
・死後の世界には生き返れる果てがあり、クローディアスはそれを利用に宗教的に人々を支配しているという死後の世界の作り込みは良かった。争わないものは文化に浸り、争うものはクローディアスにつくか、クローディアスを打倒し果てを目指す、結局果てにたどり着けたものは「愛」を持つもの(文化に浸る人、皆で果てを目指そうとする人、すなわち人々を愛すもの)なのではないかと勝手に解釈しました。だからこそ悪い点1点目のスカーレットの心境が気になるが、聖を最後まで見放さなかったこと、聖の言葉を信じてコーネリウス・ヴォルティマンドを殺さなかったことは紛れもない「人を信じる愛」だと思う。
・龍の放つ雷と、噴火した火山。あれは争う人々に対する神の鉄鎚なのではないかと勝手に考えた。まともな感性の人は結局あれなんやねんで終わるかもやけど個人的には考察点なんかと思い妙に納得しちゃった。だからこそあの仙人は何者やねんて感じだけど。
・評判悪い映画によくあるレビューだけど絵はすごい良かった。3dモデルは萌え画風でもちゃんとピクサーみたいに喜怒哀楽や覇気を感じられてクオリティ高かった。
・個人的な性癖だけど細田守特有の透き通ったパステルカラーの作画がすごい好き。作画は現実パートのみだったけど龍とそばかすの時より顕著にかんじてすごくよかった。
・聖がほぼ衛宮士郎で笑った、弓使うシーンとかほぼカラドボルグ。
・気になる点はちょこちょこあったけど総合的に芦田愛菜は良かった。
悪い点
・終盤アムレットは、復讐に身を縛られず自由に生きてほしいと言ったことがわかったが、これって国のためというより実の娘のために言った言葉なのに、スカーレットはこれが今後の世界が平和になるための手段として考えてるのが謎だった。現実問題クローディアスが酷い圧政を尻目に復讐なんて考えず自由に生きてたらまずいし信頼だだ下がりやん。だからこそクローディアスの呆気ない死に方とスカーレットだけが生き残った流れにご都合感があった。
・結局あの仙人みたいな奴は何がしたかったん。
これで聖が実は死んでないことにしたら、対立する必要のない死後の世界で善悪問わず誰かを助けようとする聖が、死後の世界を平和にするための立役者になるためにきた、という辻褄が合ってそっちのほうが納得感あると思ったのに。スカーレットがこの世界に飛ばされる必要あった?それこそスカーレットはただ自由に生きることを最終目的としただけやのにスカーレットが生き延びる資格あった?仙人はほんまにそれでよかったんか?
・聖の見た目もうちょいどうにかならんかったん?
感情のままに描いたんで読みにくいです。
細田守版『君たちはどう生きるか』?(核心には触れないほんのりネタバレあり)
開始早々、後悔した。ケチらずに IMAX で観れば良かったと。
大スクリーン、高画質、大音響で観るべき圧倒的な映像美。
酷評の嵐の中にある作品であることを理由に IMAX で観ることを躊躇してしまった。
人によって好き嫌いが分かれる作品であることは頷ける内容であった。特に、理想論に対して、綺麗事や偽善と感じて嫌悪感を抱く方からは受け入れられない作品と感じた。
酷評をしようと思ったら、至る所にその材料が散りばめられているようにも思えた。
やりたいことを詰め込みすぎてとっ散らかってる感は否めないし、小説なら章単位で話が飛んでるように感じるほど展開が早い。都合良く現れ正体が明かされないままの龍(東洋人には理解しがたい存在...?)の存在。わかりやすく盛り上がる場面はないし、皆が目指す「見果てぬ場所」がどんな楽園かは結局わからない。登場人物の心情がわからず行動に???と思うことや設定が不明瞭な点も多々あった。
『サマーウォーズ』や『時をかける少女』と比べると、抽象度の高い内容でありテイストも全く異なる。あの頃の作品が好きだった、あの頃の監督はもういない、と言われるとおっしゃる通りです、と言う他ない。
鑑賞後に、よくわからないシーンがありモヤモヤが残る方にも受け入れられなさそうである。
それでも監督のメッセージは明白だったように思う。
「生きる」とはどういうことか。
復讐心に駆られて大切な心を放棄するのか。赦すことで別の道を切り拓くのか。
命を何よりも尊重するのか。そんな信念を捨てることも厭わないのか。
欲に溺れてあらゆるモノを裏切るのか。良心など持たず権力に従順でいるのか。
眼前で大切な人を失って哀しむ人になど目もくれず、実態のわからない天国と思われる場所を利己的に目指すのか。
絶望に満ちた世界でも人と手を取り合うことで小さな幸せを噛み締めて生きるのか。
などなど。
スカーレットや聖、クローディアスなど主要な人物だけでなく、混沌とした世界に出てくるあらゆる人々の行動から、生きることの意味を観客に問いかけているように感じる。
監督自らの答えも披露してくれているが、それが絶対的な正解でなく、一人一人が自分自身の答えを見つけられれば良いのだと思う。例えそれが、クローディアスのような生き方だったとしても。
行間どころか章間を読む必要があるほどの余白の多さは、もしかしたらこのためなのかもしれない。
映画全体を通して、スカーレットの心情はとても丁寧に描かれていたと感じる。
信頼と愛を信条とする父の教えを請けて優しく育った少女が、人を憎しみ、疑い、簡単に殺めるようになる。内面の変化は、美しい容姿から変わり果ててしまった姿にも表れる。聖との旅の中でそんな心も徐々に変わっていく。
スカーレットの細かな心理描写と、彼女を復讐に駆り立てた思いの正体。これらも作品の見どころの一つである。
酷評されている原因の1つとなっている唐突に始まるダンスシーンは、復讐に取り憑かれていたスカーレットの心の変化が現れ始める重要なポイントであると同時に、スカーレットが「果てしなき旅」を始めるモチベーションにもなる、物語の中でもすごく意味のあるシーンであったと思う。
スカーレットの復讐の旅の果てにある「果てしなき旅」の始まり。
過去と未来、生と死が入り混じる世界を旅したからこそ見つけたスカーレットの生きがい。
ただし、スカーレットだけでは到底成せない、本当に本当に果てしなき旅。ヒトが皆、同じ旅路を歩むことができたらどれほど素晴らしい世界が待っているだろうか。
キービジュアルが醸し出すドロドロとした世界観とは裏腹に、希望に満ち溢れた作品であったように感じる。
エンドロールで流れる主題歌を聞いた時は鳥肌が立った。
作品の中で印象に残ったシーンを最後に紹介して終わりにする。
ある敵と遭遇したとき、聖が、交戦を避けるために勇敢にも丸腰のまま話し合いを申し出る。しかし、受け入れられず戦闘が始まり、スカーレットが敵を倒していく。
ここで、敵は聖の行動を「油断をさせた上で奇襲をしかける狡猾な罠」と解釈した。
自分の命を顧みないほど勇敢な行動が、相手には180度変わって伝わる。
人がお互いを理解し合って、手を取り合うことがいかに難しいかを象徴するシーンに思えた。
人は自分が見たい世界で生きていて、ある人の真実が自分にとっての真実であるとは限らない。
時間とお金が許すなら、ネットの情報に踊らされず、『果てしなきスカーレット』を自分自身で観て何かを感じていただきたい。(その時にはシェイクスピアの「ハムレット」を予習して行くことを強くおすすめする。ダンテの「神曲」はどちらでも良いのでは・・と個人的には思う。)
私は、もう一度、今度は IMAX で観たいと思う。
(追伸)0.5 減点した理由。
・スポンサー様への配慮だったのか 2 時間枠におさめてしまわずに、3 時間映画として制作されていたら、もっとディテールにこだわった良作になったのでは、、、と感じた
・脳みそがとてつもなく疲れた。行間や心情を考えるのに頭を使うのと同時に、映像のクオリティが高すぎるがあまり情報量が多くて、脳の処理スペックを超えてオーバーヒートした感がある。個人的には、バケモノの子くらいのクオリティがちょうど良いです。(冒頭の話と矛盾するが...
・登場人物と背景のどちらもハイクオリティであったものの、両者が調和してる感じがせず、どことなく違和感を覚えたままの鑑賞だった。これも脳が疲れた要因かもしれない。
あの違和感はなんだったのだろうか...?
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