果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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個人的には、個人的には、駄作です。
本作を鑑賞して自分が真っ先に思ったのは「ヤッちまったナ」と言う感想。実際今の細田監督のセンスが理解できません。『バケモノ』はそこそこ観られたのに『くんちゃん』辺りから怪しくなり、今作は正真正銘『駄作』です。予告編からして何となく今風の『ポリコレ』感までもあって、嫌な予感は充分してましたが。。。
実は自分の感想も、批判意見を評してる方々とほぼ同じなのですが‥‥
まずアニメ映画として『観せ方(魅せ方)』が非常にマズいと言うか下手と言うか。テーマや設定を物語で綴るのではなく、キャラクターに説明セリフで喋らせたり、結論だけを表現して過程や状況を綿密に編み込んでなかったり(トートツなシーンの数々)。
状況や雰囲気を大雑把に絵にし、その細部や言いたい事は説明セリフを乗せる、何と言うか経験不足で引き出しの少ない新人監督の様な仕上がり。そのセリフの端々も理想と正論をひたすらブツケてるだけで『監督の説教』みたいで、いくら言っている事が正しくても、これじゃ共感どころかストレスです。
また、作画クオリティも安定していなくて、手書き風ビジュアルCGと機械的CG作画のイメージが合ってなかったり、解像度が低いノペーっとしたカットも散見されるなど、画面全体の統一感がありません。スカーレットだけキャラデザのバランスが変だったり、演説シーンで群衆がまるで『砂粒』みたいに大量に描かれていてスケール感が狂っていたりと、画面作りのおかしな点が随所に見られました。
肝心の作話もかなり雑に思えました。『生きることの意味』という深いテーマがある筈でしたが、結末があまりにもご都合的な無責任状態に。それは目指していた復讐相手が、全然知らない誰かの手でによってヤッツケられていて、結果的にスカーレットは自分の手は汚れず、結果オーライとでも言わんばかりの終演。あまりにもご都合が過ぎてガッカリです。これまで綴った物語は何だったのかと言わんばかりに、呆気なく閉じられてシラケた終わり方でした。
更には、細かい設定の謎。舞台は北欧なのに急に「アロハダンス」が始まったり、死者の国においてはナゼか一人だけ現代の日本人が混ざっていたり。「龍」や「見果てぬ場所」なども、それが何を意味するのか解らないまま、解答を示さず何となく雰囲気で誤魔化されて終わってしまいます。結局キャラクター達が単なる『駒』にしか見えません。
それもこれも、細田監督が国内外で高く評価された『名監督』として持ち上げ過ぎたせいかも? 周りのスタッフも褒め持ち上げるばかりで、誰もNOを言わないのでは? その結果客観視点がなくなり、監督の独りよがりな趣味や主張だけが膨らんでしまった気がします。ソッチの方が悪い意味で果てしなくて、本作のスカーレットの何が果てしないのか‥‥
観客が求めているエンタメとしての面白さを創造する事なく「考えるな、感じろ!」と押し付けるのは、さすがに作家性という言葉では置き換えられないかと。でなければ、日テレの強い横槍・干渉があったのかも?知れません。
特に『中の人』は今回も最悪。てか現職の宮野・津田・古川各氏がモブとかどうにも理解しがたい配役に、その力関係を勘ぐるのも容易いですし。オールドメディアもこんな所でも要らん事してくれてるとか‥‥
もしテレビ局やメディアが、本気でポスト宮崎駿として細田監督を据えようとしてるならチョッとヤバそうな気がします。その辺は制作首脳陣と力関係にあるぶら下がりの界隈もシッカリ現実を直視しないと、今後の日本アニメの沽券に関わると思うのですが‥‥
末筆ですが『愛を知りたい』のキャッチコピーは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の方が遥かに相応しいです。
応報刑の是非とニーチェの超人思想
面白かった。 唐突にみえる演出も多かったが、ミュージカルシーンの意図も伝わり共感した。
また3DCGの新たな可能性を探るようなルックのアニメーションには心底凄みを感じ感動した。
私は映画に監督や作品との対話、価値観のすり合わせ的なものを求めているタイプの人間だ。
その為「細田守はそう考えるのか」と本作を楽しめた
許しや応報刑の是非などの問題を日頃から考えるタイプの人間としては目新しさこそなくとも答えが出せない問題に対して監督なりの一つの答えがきけて誠意を感じたのだ。
また、本作ではニーチェの言うところの永劫回帰や積極的、消極的ニヒリズムといった哲学的な問題に踏み込みその上で主人公に積極的ニヒリズムを選択させたと私は受け取ったので作品により深みや凄みを感じた
私の特性として映画にアトラクション性より凄みとか思想とかメッセージ性を求めるというものがある。
私がそれを求めるのと同様に大衆が映画に求めるものもまた多様だ。当然、本作がハマらない人がいるのも理解できる。
色々な人がいて多様な背景と可能性がある。他者を許せない人も許せる人もいる。ミュージカルシーンで多種多様な人種を描いたのはそういった事を表現したかったのだと思う。
ただ、許せない自分も許してしまう自分も許そう。許してしまっては折り合いがつかないこともあるけれど生きよう。そこからが始まりだというメッセージを感じた。
確かに問題点はいくつもあった。
ストーリーから外れた抽象表現に移り変わる「繋ぎ」の欠如。
エンターテイメント性が希薄で観る人のコンディションによっては説教的に感じる。
哲学、思想といった要素をエンターテイメントや大衆芸能に昇華できずそのまま作品に投影してしまっている為、受動的な鑑賞スタイルに耐えない。
画面は本当に凄いけれどメリハリなく凄すぎるが故に「凄すぎて凄いのが分からない現象」が起こっている
目新しさはなく「普遍的問題を映画で表現した」以上の意味を感じず顧客に新たな価値観を提供できていない。
と、いったところだろうか…
しかし私は本作のこうした欠点にすらある計算された狙いを感じた。
それは観客に【現実の復讐をさせない】ことだ。
この言葉は「エヴァンゲリオン」から引用したものであるが、敢えて言葉を濁さず言ってしまうと昨今の情勢や時代が映画に求めているものは「憂さ晴らし」や「現実の埋め合わせ」だと私は思う。
つまり「悪を倒せ」「正しさとは?そんなこと知らねぇよ」の代弁者としての映画が求められているという事だ
本作はそうした明快で手軽なカルチャーへのカウンターとして徹底的に「復讐の代弁者」になることを避け難解で起伏がなく脈絡のない問題が降り注ぐ美しいリアルな現実をそのままフィルムに投影しているのだ。
本作の感想とし「退屈で虚無を感じる」というものが散見される。
当然だ。なぜなら現実は退屈だからだ。
そしてその復讐は本作でついに果たされなかった
では本作は我々に何をもたらしたのだろうか?
それは「超人思想」だ。
少し説明させてもらう。
まず本作には様々な暗喩表現が散りばめらている
時も場所も混ざり虚無になる場所=「映画館」
復讐=「映画館での現実の復讐」
見果てぬ場所=見終わらない=「現実」
ざっとこんなところだろう。
哲学者ニーチェ曰く「虚無」とは神が死んだあとに訪れる既存価値観の崩壊であり「虚無」を受け入れ無意味な現実を生き新たな価値を創造する者こそが超人だそうだ
これを超人思想という。
この思想は本作とも合致する。
復讐に囚われ執着していたスカーレットは父の「赦せ」という言葉により価値観が崩壊し虚無を感じてしまう。
しかし聖の優しさや人の温もり、多様な可能性に触れて「争いのない世界を創ろう」という新たな価値を創造し見果てぬ現実に戻っていくのだ。
そう、つまり本作は観客とスカーレットの両者に虚無からの脱出、復讐からの開放の試練を与えた多重構造映画なのである。
最後に、
様々な重圧を背負った上でこのような作劇を世の中に提示し、更には映像表現の面でも新たな価値観を創造した細田守監督の「神殺し」に最大限の賛辞を送りたい。
死者の世界の話だが...最後は...
「生きる意味」とか、いかにも青臭い、面倒そうなテーマを扱った映画。ストーリーを端的に言ってしまうと、主人公であるスカーレットは父王を殺した叔父に復讐するために人生を捧げてきたが、結局のところ、父王は「復讐などではなく、娘自身がやりたいことをやる人生を望んでいた」というお話。
面白くなかったとまでは言いませんが、死者の世界よりも現実世界を重視したような作り方をした方が良かったような気もします。いっそ死者の世界ではなく、現実世界をスカーレットが旅しながら成長して戻ってくる...という素直なヒロイックファンタジーで良かったのではないかなあ。
絵もきれいだし俳優さんも豪華なんだけれど、エンタメとしてはちょっとしんどいです。
★追記
この映画の弱点は、絵による語りの弱さだと思います。「生きる意味」「赦すこと」、そういうこの映画の主張を言葉にすると薄っぺらく感じてしまいます。もっと説得力のあるシーン、はっとするシーン、絵の力で見せてもらいたかったですね。
美しい作品
巷では散々叩かれて爆死とまで言われてますね。
観るのを迷いましたが、観て良かったと。
映像の美しさと、迫力のある動きは必見ですね。
特に冒頭に出て来るドラゴンは迫力があります。(ドラゴンではないようですが)
現代人の救命士の主義を中世のお姫様が受け入れる訳がないと叩いている人も居られますが、描かれてる世界は死者の世界とも言われ色んな時代と場所から人が集まってるようなところなので魂で通じてると私は理解しました(笑)
ハムレットが下地になってると聞きましたが、やはり期待していた人には脚本が稚拙過ぎと映ってしまうのでしょうかね。
しかし人間の普遍的なテーマ、愛、欲望、死を分かり易く説いた作品だと思います。(宗教的ではある)
最近、映画comの都合なのか接続していたアプリのせいか、アカウトと一年分くらいのレビューが消えてしまいましたね。
酷評される理由も解るのですが…、、
先ず、酷評されてらっしゃる皆様が仰る通り我々世代が期待していた細田守の世界観。正確に言えば、細田守と他の監督とのコラボの世界観とは大きくかけ離れており、正直失望されてもしょうがないとは思います。
然し、一つのお話として見ると終わり方も潔かったと思いますし、恐らくこの作品の伝えたい事、戦争及び争いの愚かさ というものもストレートとは言えませんが、作品全体を通して伝えられていたのでは無いかなと思いました。
賛否両論の途中のダンスシーン、劇中歌を入れたかったから無理矢理だったのでは?と言われれば、そう捉えられないことも無いですが、個人的には、昔の王族同士の権力闘争に巻き込まれ苦しませられた挙句、亡くなってしまうという重々しい事情を抱えたスカーレットが、現代の平和自由の象徴であるダンスを聖君から学という大それたフィクションから、もしもの未来を想像させる事が可能という創作ならではの良い点を駆使していた斬新で良いシーンなのでは無いかと思いました。
結論、見る人によって評価は変わるというところになってしまいますが、酷い作品と思って見に行かないという選択肢を取るには少し惜しいと思いますので、話題性も乗じて気になっている方は見に行ってみてみるのも全然オススメできますよ。
薄い、寒い、イラッとする。
久しぶりに途中で劇場を出たくなった。
言い方は悪いがエンタメはキレイ事の絵空事をどう料理して、観客を納得させ共感させ感動させるかだ。この映画は全てがダメだ。
●物語の根本が薄すぎる。
例えば現実の世界の紛争地帯に日本人が行って、鼻くそほじりながら「争いはよくないよ」と言う。これはそんな映画。
人間が憎しみ争いから逃れられないのは当たり前の話。その残酷な現実とどう対決するかが
人としての存在意義だ。そんな前提も踏まえていない。
現代人の価値基準で過去の争いを愚かと見るとか、視点が浅はかで愚かすぎる。
●世界観が意味不明
死後の世界じゃなくていいじゃないか。かつての中世ヨーロッパでの復讐劇で十分通る内容だ。現代人が過去にタイムスリップする話くらいでもいい。死者の世界にした意味がさっぱりわからない。死者の世界で何かを成し遂げたら生き返れるとかでもない。
正直、細田守が現実世界を描く自信がなくてファンタジー世界に逃げたとしか思えない。
あの竜も意味不明でドラマ上機能していない。いらない。
●人物が薄すぎて共感出来ない。
主人公がもうダメだ。個人的な復讐心だけでギャーギャー叫んで突っ込んで行くだけ。キャラクターとしての魅力がさっぱりない。叔父を倒して平和な王国を建国するとかせめての大義もない。能力もない。つらい修行をして武術を得るでも魔法を得るでもない。現代の高校生が異世界に転生して(ありがちだが)とかのフックもない。
聖に言われて剣を抜かなくなるとか、何の作戦もなく突っ込んでいくとかキャラがぶれまくりと言うか背骨がない。
聖もうんざりするキャラクターだ。こんないいヤツはいないし、紛争地帯で聖者のように行動するあたりは嫌味でしかない。現代の日本人という設定なのにこんな聖人じゃ、ウソ臭くて言う事やることすべて癇に障る。しかも結局、弓で人を殺してて、コイツなんなの?だ。
そして全てのキャラクターが表面的でご都合で動かされ、寒い決め台詞を言う。ちゃんとキャラクターの設定をしてるの?バックストーリーを緻密に考えた?と言いたくなる。
勘弁してほしい。
●映像の狙いが半端。
2DにしたいのかCGにしたいのか実写にしたいのか、どれも半端で映像としても感心しない。
●歌や踊りが寒すぎる。
細田守がもう面白くないのは周りも気づいているだろうな。
映像にチカラを入れすぎて話が追いついてないかも
芦田愛菜は頑張ってた!
ただ、ハマっていなかったと言うだけだと思うよ。
映像も背景が限りなく実写に近いシーンがあって、逆に昔の「ロジャーラビット」みたいに実写とアニメの融合にしてみるとかね。
背景とキャラクターの親和性が無かったのは自分的にはマイナス。
話の内容はチョット難しくて、子供たちには絶対にうけないのでサマーウォーズのようなワクワクする作品がまた見てみたいって思う人が多いんじゃ無いでしょうか。
ミュージカルパートは完全に浮き足立っていて、映像の質もお粗末と感じた。
今後に期待を込めて★4に!
ラストで評価が決まりました
ラストまでは眉をしかめるシーンはありましたが観れました。
ただラストだけは「なんじゃこりゃ」でしたよ。
16世紀の王制を敷いている国で、王女が女王になって、なんて軽い宣言なんですか!女王をリーダー扱いしていたことで★1です。
黒澤明だって駄作はある。
過去作を並べる予告が、後期のPRで目についた。よほど中味がなんちゃってとなっているのか。またまた黴の生えたマルチバースものかしれない、という恐れ。一種の死生観とともに、復讐に囚われた姫君の、仇を追い求めるロードムービー。しかも舞台が死後の世界の荒野。
どこかの宗教法人が、教義を啓蒙する為に製作したかのような、自己啓発臭がプンプンする仕上がり。いったい何れ程、細田教祖は高い所から、観客に説教するのだろうか。
シェイクスピア劇としても80点
過去作を使った予告編で公開当日に行く気が失せて、厳しい評価を皆がしているところと、細田作品の前作の印象からほぼ見る気はなかったけれど、とりあえず見てみるかと思いながら観ました。
途中のダンスシーンの是非はあると思われますがけれど、「シェイクスピアやりま〜す」みたいにしていて、そこら辺はなぞっているので、そこは合格点でいいと思います。ダンテの神曲も入れて、もしかするとエヴァの死海文書あたりのウケ狙いなのかもしれないけれど。
強いて悪評を入れればガートルードが弱い!
男をたぶらかして権力を手にしようとしていたはずなのに、クローディアスの死とスカーレットの生で、取り乱して去ってしまうのは弱すぎる。
せめて、スカーレットに斬り掛かって欲しかった。そうすれば、人の業というモノの果てしなさと、それに対極するスカーレットの気高さが映えるのだとおもった。
タイトルなし(ネタバレ)
芦田愛菜さんが好きなので見に行きました。
彼女はプロとして完璧な仕事をしていました。
監督・脚本の人が「わざとでもわざとでなくても必要かそれ?みたいな性的な描写が気持ち悪いタイプ」とわかった上で行きましたが、やっぱりキモかったですね。
これ芦田愛菜さんじゃなかったらもっと酷い使われ方してたのでは。芦田さんを重し石に使うな。
400席のスクリーンで客入りは20席、エンドロールを最後まで見たのは5名でした。
自分にとっては"共感する映画"でした
メッセージがまっすぐ伝わってきて面白かったです。自分にとっては『考える』というよりも『共感する』映画でした。物語の中で提示されるメッセージが一つひとつ明確で、「人としてどう生きるか」という道徳的テーマを丁寧に噛みしめていける作品だったと思います。
🔸各シーンから感じたメッセージ
・王女が襲われるシーンでは、「自分が生きるために他人を犠牲にする」という社会風刺を感じました。
・キャラバンが襲われるシーンは、「犠牲の上に築いた富や幸せは長くは続かない」という教訓。
・敵対していた相手を救う場面は、憎しみの連鎖を断ち切るには、自身で受け止めることが必要だと感じました。
・竜や噴火の描写は、「自然は支配できず、人間の独占欲や支配欲は脆く愚かである」というメッセージを込めているように思いました。
などなど。
たしかに設定や展開に違和感を覚える部分もありましたが、寓話としてのメッセージ性を意識して観ると、一つひとつに意味があり、全体として腑に落ちました。
🔸感想
サマーウォーズのような王道的なエンタメ性を期待して観ると、退屈に感じる人もいるかもしれません。けれど、今の日本――物価高や治安の悪化、政治の不透明さなど、心の余裕を失いつつある社会だからこそ、改めて人としての生き方を考えることが大事に思えます。
私が一番強く学びになったのは、「過去の痛みや犠牲の上に、今の平和な日本がある」ということ。
女の子が暴力を受けるシーンや山上での争いなど、
安心して暮らせるこの日常が、先人たちの努力と犠牲、過ちのうえに成り立っている――それを忘れてはいけないと改めて感じました。
普段から映画をよく見るわけではないので、他の映画と比較してどうかはわかりませんが、私自身としてはメッセージ性のある心に残る映画でした。
芦田愛菜=スカーレット
細田監督作品としては、初の異世界物!芦田愛菜のスカーレットは、すごく感性がよく素晴らしかった!聖との旅で相手を殺さない事に目覚め、聖との別れに自分は涙しました!よい作品を創り出した細田監督に感謝です!
スカーレットに芦田愛菜の違和感
スカーレットのビジュアルはよいが、芦田愛菜の声と演技の違和感が最後まで気になり、作品の世界に没入出来なかった。愛菜ちゃんには悪いが、声優がやっていたら、もっと良かったはず。映像はよく、作品の世界観は海外ウケするかもしれないが、日本人には難解だし、子供向けではない。赦しが大きなテーマだが、これが一番難しい。しかし、それを乗り越えないと自分の本当の人生を送ることは出来ない。ラストは賛否が分かれるかもしれないが、王女として生きる選択は、未来の人々のためでもある。その考えや生き方は、細田監督自身の考えでもあるのだろうと思った。
異次元ならぬ違和感たっぷりの細田ワールド
細田守監督の作品は強烈なビジュアルイメージの異世界が魅力的なんだけど、今回は妙にスピリチュアルな感じで説教臭くてガッカリでした。(絶賛している人、すいません)16世紀のデンマーク王家から、急転直下して荒涼とした死後の世界を王女が放浪する設定は、シェイクスピアみたいで引き込まれます。とは言え、死後の世界なのに人間達は掠奪と殺戮を繰り返し、現実世界をまんま引き継ぎでいるので、この世界の意味がイマイチ分かりづらく、お話しの中に入れませんでした。ストーリーも復讐に燃える王女が赦すことを悟り現世に戻ると言う予定調和的な内容で、オチも真っ当過ぎて、正直言って退屈でした。主人公も剣士の割にはあまり強くなく無謀なだけだし、絶叫シーンばかりが目立って感情移入しにくかったです。結局、監督・脚本の細田監督が、頭の中でこしらえた世界に馴染めなかった感じです。役者では、芦田愛菜が熱演だけど、どちらかと言うと舞台や実写映画の演技でミスキャストかな。
自分なりの解釈
鑑賞後にここのレビューを見ました。
自分は色々な知識は無いので単純に予告編を見て中世的で絵がキレイで面白そうと思って映画を見た感想なのですが、
序盤剣とか戦いとか想像してたら、そっか毒かってなりました。
そこから死者の国を彷徨う中、次の場所、次の敵、次のシーンと移り変わり色々な物を見せられる。
何で一人だけ現代風な人?何で知ってるの?このシーン何かに似てる?とか思う事は色々あるのですが、最初に隠された父の死に際の言葉がハッキリしたり、映像がキレイなので上映中はそれ以上を考えず淡々と見れました。
後半主人公が目覚め、自分なりに解釈しました。
死後の世界は死の間際で見てる夢みたいな物だったんじゃないか?だからシーンも飛ぶしファンタジーみたいで何でもありなんじゃないか?
老婆は死神的な?ドラゴンは天罰的な?
聖は自分を介抱してくれてる人だったり先の未来で出会う人の意識だったりするんじゃないか?
復讐に囚われた娘を解放して前に進んで欲しいと父の意識も現れたんじゃないか?
と思いました。
それを踏まえて明るく前に進もうとするラストはそんなに悪くないと思いました。
果てしなき
予告編やポスターが続々出るたびに不安が増していったのですが、一発逆転あると願って鑑賞。
一発逆転は…無かったです…。
今まで観てきたアニメ映画の中でも1.2を争うレベルの大問題作だと個人的には思いました。
全体的に「ハムレット」を細田監督なりに新解釈して、監督の過去作品の要素を盛り込んでいった結果、ストーリーがドッタンバッタンしまくってハチャメチャで、もう最後の方は笑うしかないくらいには酷いなと感じてしまいました。
ハムレットをなぞっているのでスカーレットの父親が殺される過程もあったり、殺した主犯格の叔父を殺そうとして返り討ちにあったり〜とかもあるんですが、その中でゾンビみたいな奴らに襲われて沼に引き摺り込まれる様子はシンプルに謎すぎてちんぷんかんぷんでしたし、結局このシーンくらいしかゾンビは出てこないので必要か?とどうしても思ってしまいました。
様々な時代の死者が死後の世界に集まってくると言われている割にはスカーレットと生きている時代が近い人が多い気がしましたし、現代人っぽいのは聖くらいで、盗賊だったり貧民だったりばっかで、極論言えばスーツ着てる人間とか武士とかマンモスを襲ってそうな原始人とかそういうのは全く出てこないので、死者の世界が舞台装置でしか活きてないのも残念でした。
スカーレットの父親を殺したであろう叔父の部下たちに途中途中突撃していっては、ヒントをもらったり、父親の聞こえなかった言葉の真相を知ろうとする展開もあったりしつつ、そんなものを掻き消すレベルで聖の熱血漢というかバカみたいに突っ込んでいく姿勢が展開のあやをねじ伏せていくので大変イライラします。
盗賊がひたすら貧民を襲うところでやめろーやめろーと言っているだけでボッコボコにされまくるし、騎馬戦で聖が馬を乗りこなせているのはもう置いておいて、戦いを止めに行くと思ったら何にも策なしで突っ込んでスカーレットに助けてもらうとかいうバカプレーの連鎖で頭ガンガンしました。
途中で現代の渋谷に送り込まれた時は、現代と交錯して進んでいくのかなと思いきや、大量の人が踊り狂っている中に聖とスカーレットが何故か送り込まれ、何故かミュージカルを始め、聖とショートカットのスカーレットの謎ダンス、それを見てスカーレットが「もう1人の私?」と言っていましたが、コイツは何を言っているんだ?と観ているこっちの疑問符がバカデカくなりました。
スカーレットは人生をかけての復讐を企てているという壮大な前振りがあったにも関わらず、聖が現れたらどんどん、というかあっという間に懐柔されていき、スカーレットの芯の強いというアイデンティティや修行の成果なんかがバカらしく見えるくらい、穿った見方にはなってしまうんですが、スパダリイケメンに堕ちたようにしか見えなくて滑稽でした。
正直聖のどこに惚れんねん状態で、もうスカーレットもバカに見えてきてしょうがなかったです。
今の今までほとんど出てきてなかった死者が一つの国単位で一気に登場してくる割にはそこまで展開として活きないですし、誰と誰がどう争ってもみくちゃになっているのかも大変わかりづらい絵作りになっていてもう真顔でした。
最後の方の突然の山登りからの2vs2も謎で、ヌッと生えてきた2人の兵士とのバトルかと思ったら、1人は普通に転落していくという、黒く消えていくという設定を突然放り投げていたので困惑が増しました。
叔父との最終決戦も見応えという見応えはもう感じられず、叔父の目を潰すんじゃって勢いでスカーレットが襲うシーンがハイライトで、ひたすら白目になってる叔父が滑稽ですし、完全舞台装置な龍が都合よく叔父に雷を2発ぶちのめしてトドメを刺すあたりもう何を見せられているんだろう状態で、もう放心状態でした。
最後のシーンの聖がひたすらスカーレットに訴えかけるシーンなんかもう笑ってしまって、「生きろ」「生きたい!」の押し問答がパワープレイすぎましたし、脳裏にニコ・ロビンがよぎりまくってもう大変でした。
大切なことを言いたかったんだろうなとは思ったのですが、結局この問答にたどり着くのはなんと浅はかな…と悲しくなってしまいました。
スカーレットが息を吹き返してからの展開も非常に雑で、スカーレットがずっと昏睡状態だったのは置いておいて、なぜ叔父が死後の世界に居たのかの理由が誤って毒を飲んでしまったとかいう間抜けすぎる理由で死んでいましたし、それを見て母親がムキー!ってなってるのはもう観てられなかったです。
そこから女王になって高らかと宣言するシーンもなーんだか安っぽく、まず群衆が多すぎてなんじゃこりゃってなりましたし、ここまでの物語を送ってきて最後のセリフでコロッとおちる群衆チョロすぎない?と思ったままエンドロールに突入していったのでもう置いてけぼりです。
アニメーション自体はとてもクオリティが高く、登場人物の表情や、16世紀の服装や風景なんかの質感のリアルさは素晴らしかったです。
ただ個人的には細田監督作品に3DCGはあまり合わないなと思いましたし、CGと手描きの中間みたいなアニメーションがちらほらあったのはかなりノイズだなと思いました。
声優陣は芦田愛菜ちゃんは成長したスカーレットとは合ってなかったなと思いました。
ガキンチョの頃のスカーレットは合っていたのに、声質そのままで成長してしまっていたもんですから違和感が拭えなかったです。
叫び声がフェードアウトしていってたのもプツッとしていてモヤモヤしました。
岡田くんはばり上手くてスッと入ってきましたし、細田監督作品に関わってきた俳優陣大集合なのは見応えがあって良かったと思います。
既存の言葉を知っている用語と同じ意味で使うのもややこしさに拍車をかけていたなと思いました。
死ぬことを"虚無"と言い換えてはいるんですが、普通に死者の世界とか死んでしまうとか出てくるのに、虚無になりたくない〜とかほざいているので頭が痛くなります。
この作品を細田監督は本当に作りたかったのか、それとも幅を見せようとして失敗してしまったのか、とんでもない作品がまた世の中に現れてしまったなと思いました。
非常に語りがいのある作品ではあると思うので、そういう面では話題になるだろうなと思います。
鑑賞日 11/21
鑑賞時間 18:00〜20:00
言われるほど酷いものではなかった、けど
先日観賞してきました。
簡単に言えば、「ストーリーに期待するな。でも、ネットのレビューほど酷くはない」です。
SNSで散見される酷評っぷりに、前作の『竜とそばかすの姫』の時に味わった未消化感や杜撰だった脚本がよみがえります。
ストーリーは相変わらずな細田節で、無理やり継ぎ接ぎしたようなストーリー展開に、煮え切らないロマンス(と言っていいものなのか)。監督の性癖(やたら女の子を吐かせる演出が多くて、またかよ…と冒頭早々なりましたけども)。
割と物語の内容というかは、あらすじなどである程度予測できます。
死者の国が舞台で、スカーレットがそこにいて聖が同行している時点で、彼が死んでいることは明白です。
ハムレットは知らなくても見ることはできるから、ご安心ください。知っていたら、「ハムレットだ」となるかもしれませんね。
死者の国という設定がちょっと強引というか都合がいいと思うかもしれません。
「生と死が交わる世界。過去も未来も混じり合う世界(だったかな)」ということで、未来と生死が混じり合う世界というわけなのですが、未来要素が正直薄くて、「時代物」感が強い。未来要素が薄い。多分、聖を登場させるため。聖が死んだという事実、聖が未来で死んだことによってスカーレットに出会うという意味であるのかもしれませんが、それ以外に未来や近代を感じさせる要素は薄い。だったらもっと、未来で死んだ人間が出てきてもよかったのではないか。
死者の国は、死にかけの人も行くことができるみたいです。
途中で出てきたフラダンスは、ハワイ。ハワイ王国は18世紀ごろにできた。確かにスカーレットたちが生きた頃と比べると近代史寄りなのかもしれないけど、「何で出てきたの?」感は拭えない。スカーレット←フラダンス←聖の時代や時間経過の暗示だったのか。死者の国だったし、フラダンスは霊的な、宗教的な要素もあるが唐突感がある。死者の国だし、出てきても違和感はないものなのかもしれないけど。
キャラバンは紀元前~中世期。死者の国は、またそこで独自に文化を築いているのかもしれない。死者の国と言えばのメキシコのようにマリーゴールドたっぷりみたいなのはなかったけど、墓掘りがそれっぽかった。
ドラゴンは何だったのか。
正直よく分かりませんが、都合よく出てきて、悪党を滅ぼしてくれます。いわゆるお天道様というやつなんでしょうか。「お天道様がいつも見ているから。悪いことをするもんじゃないよ」みたいな。この辺で出てくるだろ、というタイミングで出てくる。
途中のインド映画みたいなミュージカルは要らない。冗長的。
ダンス楽曲を手掛けるは、離婚伝説。どこかオシャレで、懐かしい。
最初自分は、死者の国が輪廻転生できる場所か何かだと思っていたのですが、そういう感じでもなさそうでした。さらに、見果てぬ地を目指す最終の闘いは、妊娠~出産のような感じにも思えました。
クローディアスが、「王妃と共に見果てぬ地へ」と言っていましたが、それはもちろん叶わないわけですが、そもそも王妃であるガートルートは生きている人間なので、一緒に見果てぬ地へは行けないんですよね。あと1人しか見果てぬ地の門を開けることはできない。
どこかで何度も見たことあるような単調な流れ、けれどやはりその単調さやシンプルさがちょうどいい。ただ、場面がブツブツ切れすぎたり、唐突な演出があって、違和感。時折、胸くそ。映像はハイクオリティ。CGでも、イラストアニメでも、違和感ないけどダンスはちょっと違和感あるかも。
竜とそばかすの姫ほど酷くはなかったのですが、「もったいない」と感じました。
ゲスト声優は皆さんほぼ違和感なく聴くことができました。いい加減細田監督は、脚本家を外から引っ張ってきた方が良い。
復讐の果てには
IMAX版で鑑賞。
結構面白かった。
細田監督の思いが、存分に出ていた様に思う。
公開前特番を幾つか見たこともあって、
単なるアニメ映画というだけではなく、
色々な挑戦も気になっていた。
ただ公開初週にも関わらず、
客入りが1割ほどだったのは意外だった。
主役のスカーレット役が芦田愛菜ちゃん。
アニメ台詞って所と、愛菜ちゃんの印象が強いだけに、スカーレットよりも愛菜ちゃんがチラつくのが、少々気になった。
それでも、中盤以降は多少は慣れてきてたかな。
スカーレットの感情を繊細に表現するのは、
難しかったと思うけど、愛菜ちゃんなりに、
熱量を持って演技していたのは良かった。
内容的には、まず、2Dとも3Dとも違う、
独特の表現が新鮮だった。
キャラは、髪の毛の揺れや泥、血の汚れ、
背景は死者の国の荒野や砂漠、海みたいな空、
別世界のガラッと変わった時空間移動等、
物語世界の作り込みが観ていて楽しかった。
騎馬戦の所は、特に見応えがあった。
音響はIMAX版で観たってのもあって、
重低音がシアター内に響く響く((((;゚Д゚)))))))
あの特大の楽器のおかげなのかな。
ストーリーは上手く練られているというか、
最初は一方通行の展開かなと思ったけど、
そこはさすが細田監督。
最後のスカーレットと聖の生死の所なんかは、
思わず泣いた。
そこまでの2人の積み重ねからの感動というかね、
最近は涙腺が緩くなってるわ。・゜・(ノД`)・゜・。
あと、途中の別世界の2人のダンスは面白かった。
全く別の時代に生きていたらなって。
時々出てくるあの謎のドラゴンはカッコよかったな笑
全312件中、221~240件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










