果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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所々荒さはあるものの、色々考えさせられた
細田守の映画は賛否両論になる傾向が強いですが、個人的にはその独特な作風が好きなので、今回もそれを期待して観に行きました。
前作から大胆にテイストを変えており、すごく野心的なものに仕上がっていました。「死者の国」の描写は、デザインが2Dアニメなのに実写のようにリアルな映像美に圧倒されました。通常上映での鑑賞でしたが、IMAXに負けないぐらい十分迫力がありました。
所々で脚本の荒さが目立っていたので、低評価している人たちの気持ちを理解できました。衝突にドラゴンが登場したり、敵がいきなり心変わりするなど、急展開な場面の多さに私も戸惑いました。
それでも、今の社会情勢を反映させたテーマに考えさせられました。復讐に囚われたスカーレットが「生きるとは何か」「許しの意味」について彼女なりの答えを見出せたときは、なぜか涙腺にきてしまいました。これは、強きものだけが生き残り、弱きものが存在を失う現代社会に違和感を覚えた細田監督の答えかもしれないと解釈しました。
色々と惜しい箇所はありましたが、新たな表現に挑戦した細田守はすごいなと思える映画でした。
画にストーリーがついてこれていない気がした
実際観た人ではないと、映画の評価は付けちゃいけないし、批判もしちゃいけないと思うので、自分の目で確かめてみようと鑑賞。
結果、ここまで酷評するほどの作品ではないが、酷評してる人たちの気持ちもわからなくはないなーと思った。
とりあえず画はトップレベルで、凄まじいのは確か。それを観るのは一見の価値あり。
これはもう実写なの?というぐらい荘厳な自然や生き物や建物描写は圧巻で、視界から入る情報は凄まじいし素晴らしいの一言。
監督がこの作品を通して伝えたいことや、描きたいことはなんとなくわかる。
しかし、話がそこについていけてなくて、観ている人の置いてけぼり感がすごい。
例えるなら、見た目はとても美しく芸術品かと思うような料理なのに、口に入れたら味が薄くて、食べられないわけではないけど美味しい!とテンションが上がるものではなく、無言になってしまう感じ。
やっぱり主人公を応援したいし、愛着を持って観たいのに、スカーレットに愛着が持てない。だからのめり込めない。頑張ってのめり込もうとしてみても、ノイズになるセリフや描写や展開があるから、ストップかけられてしまう。これが結構つらかった。主人公が泣き叫んでも、どうも冷めた目で見てしまう。
キービジュのコピー文も果たして「愛を知りたい」であってるのか?
観た後だといまいちしっくりこない。
主人公は少なからず父親には溺愛されていたわけだし、愛を知らないわけではないと思うから…。
それよりも、欲望や憎しみの連鎖を止め、許す気持ちから平和は訪れるという、簡単なようで未だ人類ができていないことを、改めて壮大なストーリーを通して伝えることは良かったから、そっちの方面でのコピー文が良かったのでは?と思った。
このクオリティの画だからこそ、ストーリーが面白ければ凄いことになりそうなだけに、勿体無いなーと思った作品だった。
以前の脚本家さん…戻ってこないかな…。
日本のアニメは世界に迎合しなくてもよいと教えてくれる
細田 守
「サマーウォーズ」で、オレは「こっ恥ずかしい」、「架空の(本人は経験していない)ノスタルジーに添加物を盛り込んだだけで中身は、大人向けとは真逆のもの」
と書いた。それ以降の作品も全くかっていない。いつも日常からの非日常(異世界)の転換が、ヤッパリおっさんの思考(嗜好)から逸れていく。
前作「竜とそばかすの姫」も日常の一幕で、細田監督はすごい映画たくさん見てるんだなあ、とハッとするカットも多かったのだが、竜の正体探し(ネットであなたは誰?はナイな)が一応のサスペンスにはなるんだけど、竜の正体はお父さんのほうが絶対面白いんだけどね。と。どうも、自分を成長させるには、他人を救わないといけない、それが自分の映画の作家性であることの意識が強すぎるのか。
というか、鑑賞者を少し下げて観てるんじゃあないか、まで思えてしまう。語らず映像で見せる演出はすごい上手いのに、セリフはチープって、結局そういうことなんだと思う。
それがオレのようなおっさんはターゲットにないよ、というのであれば、その通りなんだろうけど。
「果てしなきスカーレット」
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前作もそうだったかもしれないが、本作、まごうことなき「世界市場」を意識した作品。
そのため、ベースが「ハムレット」、物語の進行が地獄 → 煉獄 → 天国と精神的な上昇を描く「神曲」であるように、超普遍的な寓話性をもって、自身の訴えたいことを強く押し出した野心作、であることは分かる。ビジュアル表現が明らかにフランスや北欧アニメ映画に寄せている。それが「死者の国」(地獄、煉獄)の背景ともなるのだが、これまで日本で過去作を見てきた「肥えた」観客には、違和感に留まる。ましてや、神曲をモチーフとした作品群に慣れていないとなおさら。
また、「神曲」の、人間の弱さ、過ち、赦しのテーマが、描かれはするものの、「時空を超えた」平和と愛のメッセージをたっぷりと盛り込みたい思いが強すぎて、例の「歌」からの「ダンス」シーンがただ浮いて見えてしまっている。「歌」に「力」があることは、誰でも知っていることなのに、この「歌」でそれはない、と観る側に思わせるのもつらいところ。
今回は少し「世界市場」への取り組み方にいくつか問題、不運があったように思う。直近の「鬼滅の刃」、「チェンソーマン」は「続編」だ。これらは、世界に「理解されるために」作られた作品ではない。これらの世界での大ヒットが証明するように、「迎合」しなくても、ファンが世界中につく時代となった。本作の製作期間4年。4年前に比べると圧倒的に「アニメ」は世界において市民権を獲得し、ハリウッド映画より「利益の出る」と言われるようになった。
スタジオの規模に依存する作画期間や段取りの課題、構想の練度もあっただろうが、「挑戦」の結晶が完成、公開するタイミングが悪かった。
アクションシーン含め、個人的にはハッとするようなカットはここにはなく、剣を持っているくせに、必要のないおちゃらけキャラが出てきたり、前作に続き「歌」で失敗してたり(これは前作が自身最大のヒット作になったことも影響しているか)、今どきあそこで「キス」が世界市場なのか?と残念な点も多い。
しかし、前作よりも「挑戦」を感じることができ、地獄の音(音響)はとてもよく、なかなか「飽きない」作品だったので、「楽しく」見ることはできた。
なんだけど、ラストの演説はやっぱり帰りたくなった。
追記
オレはあのダンスシーンは結構好きだったが、先に「罪人たち」の「歌」による素晴らしい「時空、文化の超越」をみているからなあ。
満足度や完成度は決して高くないが
映画を観ている間、細田守の苦悶の声がずっと聞こえてくるかのようだった。壮絶な産みの苦しみとでも言おうか。世界で無慈悲な殺し合いが続き、手段を選ばぬ為政者が跋扈する現代にいかなる物語を放つか。満足度という意味では明らかに低い。ストーリーのまとまりも高くない。が、おそらく細田監督はこの「世界との対峙」を通じて泥に潜ること抜きには前に進めなかったのではないか。「ハムレット」の要素を取り入れつつも(「寺に行け!」という台詞には思わず笑った)、何かしら別次元にある存在が一つの場所で結びつき合うという構造は従来の細田作品と変わらない。そして「生きろ」というかつて『もののけ姫』のキャッチでも世に浸透した言葉が約30年後の今、照り返してくるようなくだりも、やや叙情的すぎるが印象を刻む。作品としてお勧めはしない。が、これまで細田作品を観続けてきた人なら、好き嫌いは別として、多少受け止める意義はあると感じる。
死者の国のルールが分からない
最高に素晴らしい作品です。何回見ても涙が止まらない。
今まで観てきた中で生涯、忘れられない素晴らしい作品です。
あまりに世間一般の評価が良く無くて、まだ観に行ってない方に知ってもらいたくて初めてこの映画.comに登録して書き込むことにしました。初レビューです。
気が付けば公開されてから毎週、通い、昨日で5回目を観に行きました。
最初はネットの酷評の嵐に観に行くのやめようかな?って思いましたが、本当に行って良かったです。
風景の映像が本当に細やかでまるで絵画の中を人物がかけめぐっている感じです。
効果音も、なんかリアルすぎて臨場感が伝わってきます。
父親への深い愛情と強い正義感で復讐を誓うスカーレットの生き様に心を打たれました。
死者の国に落ちて復讐の悪鬼と化したスカーレットが、やがて聖と出会い行動を共にして本来の優しくてかわいい自分を取り戻していくのですが、中盤以降は、もう感動しぱなっしで後半は、もう涙が本当に止まらない。
後半の亡き父のアムレット王の言葉に苦しみ悶絶する姿は、胸が熱くなり本当に泣けましたし私自身が、その言葉に救われ気持ちが、軽くなりました。
ラストシーンも見てられないくらい悲しいのですが、未来の約束の場所、そう、あの渋谷のダンスシーンを夢見ての別れだから悲しいけれど、笑顔になれた。
初めて観た時は、このダンスシーンは、何?って思いましたが、2回目以降は、もう泣けました。もう一人の自分、現実未来の自分、スカーレットと聖だ!って。
やはりこんなに涙があふれて止まらない理由は、なんといってもスカーレットを演じる芦田愛菜ちゃんの声と歌です。
セリフのひとつひとつ、息遣い歌声が最高にたまらない!
エンドロールで流れる歌と映像は、泣き疲れて虚無となった自身の心にいつまでも鳴り響いています。
劇場で公開され続けている限り、また観に行きたいと思います。
ブルーレイ絶対に出して欲しいです。買います絶対。お願いします。
最高な作品を作り上げて下さった監督さんと全てのスタッフさんに感謝です。
本当に夢中にさせてくださり、ありがとうございます。
支離滅裂だったが、テーマが薄い分前作よりマシに感じた。
【鑑賞した経緯】
年に新作映画は多くて3本(うち一本はコナン)とかしか見ないのだが、お盆ごろに行った「鬼滅の刃」、たまたま見に行った「チェンソーマン レゼ篇」が良過ぎて映画熱が加速し、ファンである「おいしい給食」で更に加速した。その勢いのままの視聴。
本作は、いずれの映画でも予告で流れてたし、「爆弾」「国宝」と迷ったけど、「国宝」はめっちゃ長いし、とりあえずで選んだ。たしか視聴日は、本作の公開2日目。
【事前の印象】
細田守の映画は一通り視聴済みで「竜とそばかす」も友達と観に行った。個人的には、どの作品にも含まれている、ある種陳腐な説教臭さが嫌いではなかった。一方で、前作でのセンシティブな問題を取沙汰したくせに、主人公の行動や周囲の対応の不適切さに、とても落胆を覚えてしまい個人的ワーストだった。今回は、その印象を払拭したいがために視聴したとすら言える。
【感想】
観た直後の感想としては、「高熱の時にみる夢みたいな支離滅裂さだったな。画面はお金かけてそうだったけど。」。タイトルの通りで、内容の矛盾点・支離滅裂さは他の人やYoutuberがたくさんレビューしてるので割愛。途中からはハイセンスギャグなんじゃないかと思うことで、退屈や憤りを抑えてた。某シーンは領域展開やんこれ!思ってたらレビューにもそんな感じの内容が溢れかえっていた。
今作は前作ほどのテーマに対する矛盾や齟齬は感じなかったが、単純に取り上げるテーマが陳腐なものだっただけなのかもとも思う。
以上、散々な評価だが、コナンやチェンソーマン、鬼滅の刃など原作付きと比較して、オリジナル映画は世界観の刷り込みが必要だから難しいよなと感じる(それ加味してもガバいが…)
自作があるのかはわからないが、今作の評判を受けて改善されることに期待。
良いところも悪いところもある映画
良いところ
◯世界観、美術、音響
◯主人公の内面の描き方
◯主人公のアクションシーン
◯主人公のキャラクター
◯登場人物のビジュアル全般がアニメしすぎてない
悪いところ
◯音楽のチョイス(現代の曲)
◯CGの人の動きのぎこちなさ(特にダンスは動きと構図が世界観に合わない)
◯設定や世界観に裏設定があるのかないのか、考察する余地があるのかないのかよくわからないところ。老婆もよく分からんって言っちゃってるし。
◯主人公の声が体格や性格と合わない違和感。芦田愛菜は悪くない。声のトーン指導をした監督が悪い。特にラストシーンのあたり。シーンに対して子どもっぽすぎると感じる。
◯雰囲気がずっと重くて暗いので、ライトに楽しめる映画ではない。(これは観る側の心構えによっては問題ない)
悪いところ多めには書いていますが、実際そんなに悪い出来の映画ではないです。
良いところは、普通のアニメ映画よりもずっと良い。
悪いところは、『ここが何とかなってたらもっと良かったのにな〜!』という惜しい部分。
監督がもっと周りの色々なアドバイスをよく聴いて判断してたら、完成度かなり高くなったんじゃないですかね。
内部事情は知らないけど、自分みたいな一般人が観て、違和感を覚える部分くらいは修正可能だったと思います。
せっかくこんなにお金と時間をかけて作ってるんだから、変更可能な点はとことん話し合って、詰めて詰めて作ったら良かったのになー。もったいない。
果てしなき(・∀・)
思ったほど悪くはなかった。
世間の評価は高くないようですが・・・
私はこういう作品が好きです。
愛とは、許すとは、人とは、生きるとは・・・。
終わってみれば狭い世界観の中で、答えのない普遍的な問いかけが続いていく。
細田監督の中に答はあるのでしょうが、説教臭くも説明臭くもありません。
観ている私たちが自分をどう見つめるかということなんだと思います。
物語の展開に派手さは感じませんが、映像も音楽も良かったです。
ただ、声優陣に声だけで誰か分かる俳優さんが多くて、顔が浮かんでしまいます。
特にスカーレットは似てないのに芦田さんの顔が浮かんでしまって、
演技自体は上手だと思うのですが、まぁ仕方ないと思いながら観てました。
個人的にはここしばらく見た中でで1番の駄作
芦田愛菜さん
全543件中、1~20件目を表示
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