果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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戦後最悪の映画でした
星1もつけたくない。今までの細田作品の良さをブチ壊している。設定がまず良くない。等身大の女の子をモチーフとしたキャラクターが存在していない。外国の文学作品をグダグダ無理やりこじつけた感しかない。あと、芦田愛菜の歌が本当に音痴すぎる。よく映像化できたねしか言いようがない。これを超える駄作は当分ないだろう。
心に響く作品でした。
細田守監督の作品が大好きです。他人、家族、友達との関わり方や、生きる強さなどを教えてくれて、生き方、考え方が変わるくらい影響をもらっています。
そんな、細田守監督の作品は子供ができてからも一緒に楽しく観ていて、(息子は中でもサマーウォーズが好きすぎだそうです)今回は息子がある程度理解できる歳になったので、映画館へ最新作を一緒に観に行くことにしました。
ストーリーの初めの方はグロテスクなシーンや戦闘シーンがかなりあり、息子を連れて映画館で観るのは間違えたかなと思ったのですが、ストーリーが進むにつれて、なるほどと思いました。最後は上手くまとまっており、涙が出るシーンもありました。息子には難しい話だったけれど、息子なりに何か感じとったようでした。(ですが、子供にはおすすめしません。)
ストーリー自体の意図は分かりやすく、
マイナスな事を考えていても、自分を苦しめるだけ。お互いの事を考えて、愛情を持ち、人生悔い無く楽しみなさいと細田監督流にアレンジした物語りなのかなと私は解釈しました。
以前、天国と地獄は自分が死んだ後に、自分がどっちに行くか決めると聞いた事があります。自分が人の為に生き、良い行いが出来たと思えたら天国へ、逆に少しでも、後ろめたい事があれば地獄へ、天国と地獄は自分が作り出すかたちだそうです。
今回の作品は悪いレビューが沢山あるけれど、私はとても良い作品だと思いました。
音楽が素晴らしいし、壮大感は再現出来てます。強いていうなら、CGが少し残念でした。それでも、観て良かったなと思いました。これからも、細田守ワールド楽しみにしてます。
絶望と挫折と孤独の果て
映画を観る前に「角川つばさ文庫」を買って読んだ。全ての漢字にふりがなをふっていて挿絵も有って嬉しい。文庫版よりコンパクトではないが、持ち運ばないから大きいサイズのほうが何かと丁度良い。
内容については様々な解釈が可能である。
スカーレット(声:芦田愛菜)の継母ガートルード(声:斉藤由貴)の心境と陰謀について、本には書かれていたが映画では詳細は描かれていない。しかし、そこは大事な部分ではないと思うし、本の設定と映画の設定が異なる可能性もあり、自由に考察しても良さそうである。
亡き王の娘で叔父への復讐を企てるスカーレットの状況は特殊であるから、各々の想像力が感情移入度と比例する。
「死者の国」と呼ばれる世界を冒険するのだが、その名を付けたそこの住人が真実を知っているという保証もなく、あらゆる情報は何もかも鵜呑みにはできない現代社会と類似しているとも考えることができる。おそらくゲームで例えたら「虚無」がゲームオーバーというのは確かなのだろう。もとの世界に戻るだけが目的ではなく、「死者の国」の謎を解くことも目的ではない。
絶望と挫折と孤独の果ての成長物語なのだ。
私の妄想だが、人はどんな物質を使っても天蓋の向こう側には行くことができず、その代わりに地底には別の世界が存在している。
人類が上ではなく下を本氣で研究すれば、真実に辿り着いてしまうだろう。
全ての人類の共通語が日本語というアニメの世界が好き。
髪がピンク色の女性キャラクターも好き。
得たいの知れない巨大な生き物や古代遺跡も好き。
純粋無垢な主人公が憎しみに支配されて人生の目的を見失う出だしも好き。
弱い者が強い者になるきっかけを描く作品も好き。
固定概念が壊れて新しい自分になる作品も好き。
心の変化を描く作品も好き。
勘違いでも良い。
本作は私のために製作してくれたのではないだろうか、そう思わせてくれる。
スカーレットが「…恥ずかしい」と言ったのは、聖(声:岡田将生)に異性を感じたからかもしれない。亡き父親の博愛精神と聖の言動がやや被る。聖が信頼できる男であると確信したスカーレットは、まだ恋を知らないはずだから、初めての感情に戸惑う。
聖から聞いた未来の世界と未来の歌を想像するスカーレットは、夢か幻か、楽しげに踊るもう一人の自分を見る。別の世界線に存在する短い髪の自分に似た人物、一緒に踊る聖に似た人物、その状況に憧れを抱き始める。…男女が楽しそうに夢中でカラダを動かしている…♥️。
最愛の父親がいない世界でも聖のお陰で希望を見いだすことができた。人生、捨てたもんじゃないってことを知って覚醒するスカーレット。こんなこと、いいな。できたら、いいな。叶えるためには、どうしたらいいだろう…まず、髪くらいなら今すぐできる…って感じかな。
結局、スカーレットが体験したことの詳細は不明である。
いかなる時であっても人を傷つけることを避けていた聖が、正当防衛のためなら実力行使もやむを得ないことを悟る。
「生きたい」と心から言えたスカーレットは、平和を脅かす陰謀や争いに備えが必要であることは勿論、希望を持つことの大事さ、許すことを課題としながら、思い描く憧れの世界に向かって、自分がすべきことをするという覚悟もしたのだ。
映像がとても綺麗で、声に感動できたから満足した。
正直言って興業収入だの興業成績は、あっしには関わりのねえことでござんす。人氣がなければ、ディズニーの『白雪姫(実写版)』のように映画館で鑑賞できた人は、人が体験していない貴重な経験ができたと喜ぶことができるし、もし映画が打ち切りになって早速サブスク配信されても嬉しい。私は困らない。氣に入らないことを氣に入らないとハッキリ言える平和な世界で良かった。自由に書かせてくれて、消さないで残してくれるサイトの運営に感謝します。ありがとうございます。
鑑賞後に再び本を読んで反芻して楽しんでいます。サウンドトラックも欲しいってことで満点評価です。
巷の噂ほど悪くは無かった
ラストがしょぼいとか、話がとっ散らかってるとか色々ツッコミ所はあれど、全体的に悪く無かった。
宮崎駿の「君たちはどう生きるか」やコッポラの「メガロポリス」などの巨匠晩年観念的な作品作る病気に細田守も陥ったかと思いきや、話が散らかりながらも一応きちんと作ろうとしている姿勢は感じた(宮崎駿とかはぶん投げていたのに)
よくよく考えてみると、これ話の構造がほぼ「時をかける少女」と同じな事に気がついた。ある意味自作のセルフリメイク的な仕上がりになっている。
時間がなかったのか知らないが、もう少しシナリオと作画(特にラストシーン)を丁寧に作り上げていたら傑作になる可能性も秘めた企画だっただけに実に惜しい。駄作というよりも、秀作になる一歩手前で未完成で納品されてしまった作品という印象。
最後まで楽しめた
この観客の入りの悪さはどうしたことか。すでに細田守のネームバリュー...
この観客の入りの悪さはどうしたことか。すでに細田守のネームバリューは地に落ちたというのか。
今回は鯨ではなく、おどろおどろしい醜悪な竜が天空を回遊している。体に突き刺さるたくさんの剣や槍が痛々しい。あれは細田守自身なのか。
ストーリーはシェイクスピアのハムレットを少しだけ拝借してのオリジナル。台詞回しは舞台劇のようであり、ご立派なことをまるで聖人君子のような聖が語る。いっそ袈裟を着て出家したほうがいいのではないか。
相変わらずの整合性のないストーリーは観るもの困惑させる。渋谷で2人で踊るシーンにはドン引きした。
言いたいことは立派で今この現実に起こっているクソみたいな争いの世に一言あるように見えるが、実は細田守を攻撃する大衆への反論ではないだろうか。
反論されても仕方ないんだけどね。
観れなくはないけど…
最初に言います。脚本が粗い!
ほんとにびっくりするくらい粗いです。
なんとなく愛とは生とはみたいなのを伝えてきてるのは分かるんだけどそれがうすーく伸ばされただけだから見てる側すれば分かりづらい。
それと聖(CV 岡田将生)あなた看護師になる動機しょぼいくないか?進路に迷って阿弥陀くじで決めて10秒くらいで志望動機考えたんかってくらいペラッペラ。
それに全体的に盛り上がりに欠ける。強弱がないからしっかり見てても序盤、中盤、終盤の抑揚がないからもう終盤かい!ってなる。
あと果てしなき場所に行く時のスカーレット一行の移動がほぼない。まじでないからあっという間に着く。BLEACHで出てくる瞬歩でも使ってんのかよってツッコミたくなる。確かに移動シーンは全体的にダレやすいけども細田守監督なら面白く出来たんじゃないかな?って思いました。
最後に視聴するならハムレットのざっくりとしたあらすじは知っといた方が楽しめるかなと感じました。
むずかしいけど細田守の最高傑作
細田作品らしさと言うべきか⋯
何が琴線に触れたのだろう
いやはや何とも、無駄なシーンが多い。
あまり予備知識なしに見に行った。
最後まで見ると成程と納得できたが、無駄なシーンが多く、それでいて、繋ぎが唐突過ぎるし何が言いたい、伝えたいが最後になってもよくわからなかった。只、最後まで見たから言えるのは宣伝文句の「スカーレットが死者の国を旅する」ストーリーはこれに尽きる。
でも、別の面でビックリが2点。一つはエンディングのテロップを見て気付いたが
アフレコに芦田愛菜と岡田将生が出ているのは知っていたが、主要な役のアフレコを見て
・・・・別に実写で大作映画を撮れるだろうという豪華俳優陣のメンバー、もちろん有名声優もたくさん出ていたが・・・・主要な役を有名俳優で占めるアニメは久々だった。もう一つは奮発してIMAX🄬レーザーで見たが、275席有るスクリーンが貸し切りに近い状態だった。これで大丈夫かいなと思った(だから平日一日一回なんだろう?)
声優に有名俳優を起用するのは…
逆転の『ハムレット』、ヒロインとしてのスカーレット、アニメの美しさ
事前に酷評も含めてレビューを読んで身構えていたが、そこまで言うほどではないというのが率直な感想。
映画としては言いたいことは割とシンプルで、舞台設定などの世界観はちょっと変だが、映画のスペクタクルとして見せたいシーンなどは映像が美しく、セリフよりも絵や動き、表情でドラマチックに見せる演出は見ごたえあった。キャラはスカーレットと聖以外は薄っぺらいかもしれないが、テーマ的にはこれで良いのではないかと感じた。(ただモブシーンなどは少し雑に見えるのは事実だがこれも本筋ではない)
世界観は、単純にシェイクスピアのハムレットの復讐を逆さにしている。オリジナルでは殺された王がハムレット(スカーレット)に復讐を訴えるが、スカーレットの王アムレットは、最後に亡霊として復讐をやめることを訴える。ハムレットは復讐を果たして死ぬが、スカーレットは復讐を果たしたうえで生き返る。
オリジナルのハムレットは、最初から復讐心もあるのに、直接クローディアスではなく、復讐のために狂気をよそおってまわりのポローニアスやオフィーリアを死においやるが、なかなか直接復讐することをしない。このあたり、TSエリオットがいうように、劇としてはハムレットの内面的な悩みが、復讐相手という直接的な対象を超えたものになっており、ひどく内向的にこもりきっているように見えるのだ。
スカーレットでは、復讐にたどりつけないのは死後の世界でクローディアスと隔たれた荒野のせいであるが、直接クローディアスに怒りをぶつけられない代わりに、「いい子ちゃんの」聖をなじったり(この点はオフィーリアを罵るハムレットのようだ)、盗賊やコーネリアス、ヴォルティマンド(この二人はハムレットでは隣国ノルウェーが攻めてくるかもしれないという脅威に派遣される使節である)と争ったりしている。ただスカーレットの狂気(復讐心)は、ハムレットと同様に、自分を狂気へと縛るものでしかないこと、死(復讐)だけが救いであること、などが聖のキャラクターの存在によって、変わっていくさまが特長的だ。
スカーレットは主人公らしく、最初から最後までアニメーションとしては魅力的だ。芦田愛菜も叫んだり泣いたり歌ったりしてスカーレットの落差の大きい感情や熱意や絶望を演じている。聖は必要以上にリアルではなく、シンボル的な良心であり、ふさわしい美男子だが、血にまみれたヒロインへの癒しとしてはこのような非現実的なキャラが必要のように思った。
最後にアニメーションとしては風景が美しく、なるべく監督は死後の世界を、ハムレットの翻案ではなく、現実の一部として見えるようにしたかったのではないだろうか。砂漠だけでなく雷や溶岩、海の美しさなどは、美しいだけでなく非情な冷たい風景でもある。またフラや踊り、隊商の老人たちなどはこれだけでも世界紀行の一部のようだ。(関係ないが、未来で踊る聖とスカーレットの背景となる渋谷駅は、「将来こんな駅になるのかな」と素直に思った)
そして予定調和のように雷を落として現れる武器のあちこちに刺さった大きな竜、人々が昔の武器で争う姿などは人間の「戦争の歴史」を見せたかったようだ。これらも映画としてみればスペクタクルだが、逃れられない過去と未来の現実を暗示しているようにも思える。スカーレットの表情はさわやかだが、人間の問題はまだまだ解決にはほど遠い。
暗い世界観の中に光る確かな魅力、観て気づいた本当の価値
この作品に興味を持って観賞しようと思った点は、二つあります。
一つは、上映回数が「鬼滅の刃」並みに多いにもかかわらず、
内容や評判がほとんど聞こえてこなかったこと。
もう一つは、その上映回数の多さに比べて、当サイトでの評価が
あまりよくなかったことです。
上映回数は通常の約2倍ほどあり、とても大型の作品であることがうかがえました。
それなのに、事前にほとんど情報が入ってこず、不思議に感じていました。
一方作品の評価点数は、多くの人が観れば平均評価が下がりやすい傾向もありますので
(例外はありますが)、
今回は評価に引っ張られず、自分の目で確かめたいと思って観賞することにしました。
実際に映画を観てまず思ったのは、評判に左右されず素直な気持ちで向き合えば、
とても面白い作品だということです。
作品の世界観は明るいものではありませんが、設定や空気感に一貫性があり、
“この作品の世界はこういうものだ”と自然に納得できる説得力がありました。
そのため、観ている最中に違和感が生じず、物語へ集中しやすかったです。
また、キャラクターの感情描写が丁寧で、登場人物たちの抱える想いや
葛藤が観ているだけでわかっていく感覚がありました。
派手さで押す作品ではありませんが、そのぶん、観賞後にじんわりと余韻が残り、
物語のテーマについて考えたくなる深さがあります。
この“静かな面白さ”が、この作品の大きな魅力だと思います。
ただ、物語の基調が暗めであるため、人によっては気分が重く感じる
可能性もあります。
そこが評価の分かれ目になっているのかもしれません。
終盤に差しかかった頃、主人公の声に聞き覚えがあることに気づきました。
しばらく思い出せなかったのですが、エンドロールで答え合わせをして、
芦田愛菜さんだとわかりました。
有名人が声優を務める場合は上手い・下手がはっきり出ることがありますが、
今回は最後まで気づかないほど自然で、とても上手だったと思います。
ほかにも有名俳優が多数出演していることがエンドロールでわかりましたが、
いずれも違和感なく役に溶け込んでおり、さすがだと感じました。
総じて、事前の評判だけではわからない“深さ”や“余韻”を持った良作であり、
自分の目で観る価値のある作品だったと思います。
言うほど悪くないが良くもない
通常とIMAXを鑑賞。
事前の予告編を何度か劇場で見て、嫌な予感はしていた。
予告編冒頭で過去作のシーンを流す時点で、本編で出すべきものが無いのか、何を魅せればいいのか宣伝側が判断できていないのかと感じた。おかげでハードルを下げることができたが。
本作は興行作品としてはそれなりに楽しめる。少なくとも現在言われるほど酷評されるものではない。予算と人的リソースをつぎ込んでいるのだから当然と言えば当然か。しかし、現在公開されている劇場アニメ作品群に比べると、その仕上がりは正直厳しいと言わざるを得ない。
細田作品については、バケモノの子以降の全体的なバランスの悪さが改善されていない。鑑賞中に作品世界から客席に引き戻される事が度々あり、シンプルに最初から最後まで作品を楽しめないのが残念。
ただしアクションシーンは文句なく素晴らしい。ここだけは評価できる。いっそ、アクション見るためだけに行ってもいいくらいだ。
死後の世界を精緻な背景と2Dキャラを合わせた形で描くのはそれなりに面白いと思った(良いかどうかは別として)。
IMAXの音響は流石である。存分に楽しめる。まぁ、そのためにこちらが払うコストは安くないので、お好きな方にはオススメする程度である。
個人的に一番気になっているのが「聖の存在」である。
なぜ彼なのか?彼でなければならないのか?
彼を出すために唯一の未来人で東洋人で男性で看護師での設定がつきまとい、渋谷のダンスシーンがついて回る。
過去と未来、生と死が溶け合う世界などではなく、シンプルに死後の世界でも良かったのではないか?
彼女の許しへの過程がテーマであるなら、彼女の父親の少年時代の姿でも良かったのではないか?
なぜ「聖」なのか?これがずっと付きまとい、彼がなぜ弓を弾けるのか、馬に乗れるのか、疑問が次から次に湧いてきて、作品世界から引き戻される。
また、彼女がなぜ彼に惹きつけられるのか、急に恋心を宿すのか、あのダンスシーンでそんなに心変わりするものなのか、ラストで彼女があんなに駄々っ子のようになるのか、疑問は尽きない。
演じた岡田さんは完璧なのに、彼の存在自体が作品のノイズになっているように感じる。
ひょっとするとラストシーンありきで逆算で全体を作り上げたのだろうか。
通常なら脚本段階でラストシーンの軌道修正が検討されてもいいはずなのに、監督&脚本であるが故にその修正も効かなかったのかもしれない。
SNSなどを見る限り「芦田愛菜の演技」に疑問を呈している人をほとんど見かけない。
確かに彼女は上手い、そして器用だ。これまで他の声優作品も見ているが、これは一貫している。
ただし、今作においては事情が異なる。
彼女以外のキャストがベテラン・演技巧者の俳優・声優で占められている。端役に至るまでもう驚くほどのキャスティングである。するとどうなるか?
彼女の演技が浮いて見えるのだ。
彼女はスカーレットではなく、スカーレットを演じてる芦田愛菜なのである。
彼女が器用であるが故なのか、子役からの癖なのか、役者としての経験値不足なのか、どうしても芦田愛菜が透けて見える。特に長台詞や感情の高ぶるシーンでは顕著で、ラストのもう一人の声は単なる芦田愛菜になっている。
もし彼女ではなく本職の声優が担当したら、あるいは彼女の役者としての経験値がもっとあったなら、と想像してしまうほどに惜しい点に感じる。
本作に関して、プロモーション的にどうなのか?というのがある。
世界展開を視野にソニーを入れたのは良いが、そのために作品世界が複雑になってしまったのではないか、と感じる。
ハワイや中米、中東など様々な世界が出てくるが、必然性が感じられない。溶け合う世界を演出するためだけなら、いっそ死後(過去と現在)でヨーロッパに絞った方が良かったのではないかとも思う。
昨今のディズニー作品がポリコレを変に意識しすぎてキャラがおかしくなってるのに近いものを感じる。
世界に受け入れられるのは見た目の多様性ではなく、もっと根本的なものを真摯に取り扱うかなのではないかと思う。人種や性別を変に意識して世界観がおかしくなる方が本末転倒な気もする。
冒頭の予告編だけど、主にアニメ系作品の上映時に流れていた印象が強いが、これも逆効果だったのではないかと思っている。
近年の劇場アニメ作品はとてつもなくレベルが高く、そんな作品を見に来た客にあの予告編を見せて、見に行きたくなる客がどの位いるのか疑問である。いっそ実写系作品の前に流した方が良かったのではないかとも思う。
プロモーション側も「ポスト宮崎」としての細田作品に期待しすぎなのではないかと思う。
というか宮崎駿が特別なのかと。監督としてのスキルはそれほどでも、不足分を補って余りあるアニメーターとしての力量が凄まじい。だから作品として成立しているし、世界的な評価も高い。
そもそも細田作品も新海作品も「ジブリ的な作品」として認識している一般客が多く、そのジブリブランドすらも近年怪しくなりつつある。日テレで定期的に放送してるから知名度が保てているだけで、もはや今のアニメ観客の多くはそこを求めていないではないかと思われる。
そんな状況で「ポスト宮崎=細田作品」というプロモーションはなかなか刺さらないのではないか。輪をかけて近年の細田作品はアニメファンに受けがいいわけではない。
もう少し、作品内容自体で宣伝した方が良かったのかも。
以上、部分部分は良いが、全体としてあるいは要所要所が気になってしまい、これまでの細田作品の中でも上位には食い込めない、そんな印象でした。
細田ファンしか評価しないよね(汗)
本当につまらない内容でした。
ぼくは細田さんの映画が好きで全て劇場で観てきましたが、3作前からあれあれどうしちゃったのかな?
ととても裏切られた感じです。
スカーレットも主人公が困れば謎のドラゴンが悪をやっつけてくれる、こんな都合の良い話に共感はできません。
悪側もいろんな理由があるだろうに表面的なとこしか描かれてなく、黄泉の国も偏った人たちしか出てきません。
雑なストーリーづくりで、こんな綺麗事で戦争もなくなりませんし、説教臭い割に教えが現実的ではないですね。
美しい背景ですが、最近の映画ではそんなに驚くほどではないですね。
あの渋谷のダンスパーティー的なところもまったく意味不明(^_^;)要らないです。
ほんと残念な出来でした(T_T)
不器用すぎです
まずわたくしの評価基準は作り手メッセージが濃いかどうかが大きいので、視点が合わない方が多い前提でコメントします。
作品そのものは温もりのあるメッセージを感じられる点、おまけ評価込み星5つけさせてもらいました。今どきらしくない映画の良さを楽しめます。
●気になる点
皆様ご指摘の通り細田作品あるある、脚本中の設定不自然箇所、現代人が聖しかいない気がする点(モブまで注意深く観察したらいるのだろうか…)。死後世界で食料は何処で誰が作っているのか?死人に必要なのか?などなど気になります。また、シーンが単調に長く進む箇所があり、ストーリーが中だるみし途中で飽きてしまい(後半は盛り返すが意識が途中離脱する人も多そう、)観る人を振るいにかけてくる点笑。突然のミュージカルシーンへの違和感は世界線それぞれのギャップ感で現代社会平和部分の尊さを強調する意図とわたくしは受け止めましたが、観る人の多くはそう受け取らなそうだし、観てる側が少々恥ずかしくなる点。このあたりからのスカーレット心境変化も唐突過ぎてやや強引、何かもう一工夫ほしい点。あと、頑張ってはいるけど技術の追いつかない芦田愛菜の声演技。シーンごとの演じ分けが物足りずストーリーに集中できない点。
●よき点
冒頭でお伝えしている通り、昨今の映画としては珍しく、古臭い作り手のメッセージが良い意味で濃く伝わってくる。我々の生きる現実世界で起きている命への尊厳軽視など不穏な情勢に対する力強い祈りがあり共感できる点。また、映像の迫力や美しさは映画館前方での鑑賞をお勧めしたい。芦田愛菜の歌はよい。脚本のディテールにはツッコミ入りがちですが、トータルでは最後までちゃんと見続けることはできるので、そこまで酷いストーリー展開ではない。
というわけで、明らかに気になる点の方が多く星の数と矛盾しており、細田が思いを届けたい国内の相手には多分届きにくいのだろうな、閑古鳥のまま悪評とともに短期間上映で終わりそうだな、とも思いますが…
心の中でツッコミを入れながら大きな龍の表すものについて留意しつつ寛大な心持ちで鑑賞してほしい不器用な人の作った映画です。
果てしなくスカッとならぬ果てしなくイラっとした作品
個人の見解だが、観客を置いてけぼりにして細田守さんだけが満足している映画になってしまっていると思った。
私は個人的にバケモノの子やおおかみこどもの雨と雪は好きなのだが、この作品は良いところを探すのが大変なくらい、残念な駄作であった。
セリフが陳腐すぎる。
主人公が復讐をやめる時も、え?そんなことで長年の復讐心って無くなるか!?と思ったり。
感動も何も無く、ただただ脚本に終始イライラしてしまった。
果てしなきスカーレットならぬ果てしなくイラっとした作品であった。
いつか名作と称される日がくる
細田守監督作品の最高傑作と思います。私が観たアニメ作品(多くはないが)の中でもNo.1と言えます。厳しいレビューを投稿した皆さんには信じられないかも知れませんが、私はスカーレットが夢の中で未来の渋谷で聖とダンスするシーンを見て涙が溢れ出てしまいました。ひたすら暗い「死者の国」で復讐の為に彷徨っていくなか、それとは真逆の煌めく程明るい世界でキラキラの笑顔で踊っているスカーレットの姿に感動したからです。そしてスカーレットはどんな形であれ、必ずこの暗闇の世界から抜け出し「生きていって欲しい」と、祈ったのでした、。
現代の社会は「復讐の連鎖」を象徴するような戦争が各地で勃発しそれは何処も終わりが見えない。トランプの介入によりたとえ停戦が実現したとしても「憎しみ」「恨み」は消えないのでおそらく同じことが繰り返される。そこには互いを「許す」という概念は微塵もない。中世の昔も現代も為政者は「他国に勝つ事」で尊ばれるとの考えが消えない。口では隣国と共生するなどとも言うが、口を滑らせた我が国の為政者は戦うことを厭わないと同義語の発言をしてしまう。
映画の中の聖の言葉や行動、それにより復讐をやめ「許す」という概念を持ったスカーレット。綺麗事とあざ笑うのか、素直に共感し平和を希求するのか、、。
細田守監督は「争いの絶えない今の世界だからこそ、復讐をテーマにした」と言っている。
どれほど観客に伝わったのかは分からないが、少なくとも私は深く理解した。
映画comで異常なほど評価が低い時でも観たい映画はちゃんと観る。良作か駄作かは自分の価値観で決めればよい。って事を学んだ。
全584件中、101~120件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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