果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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ダーク x 戦う女の子 x ファンタジー が性癖な人には良い作品だと保証します!
まず前提として、私は明るめの作品も好きですが、バイオレンスな韓国映画や、ダークファンタジーや女の子がハードに戦う作品も大好きです。シェイクスピアとかそっちも好きです。そんな後者側も好き!という人には自身をもってお勧めできる映画です。
超巨大なドラゴンや大砂漠や火山や氷の山や美しい空という一大ビジュアルの中を、実際に観てみるとよりかわいいピンク髪女の子が壮絶な戦いの旅をする。ありそうであんまりないので、こっち側が好きという人はぜひ行ってみるべきでしょう。そっち方面としてはクオリティはとても高い作品なのは保証します。聖もわりと好感が持てるやつだった。
ただ、否定的意見があることは納得です。ただ思うのは、「品質が低い」というよりも「こっちの路線を期待したら、全然真逆の想定外の(=全然興味ない)ものが出てきた」というミスマッチ層が結構多いんじゃないかと思います。こういうダークな作品が好き!という人にはストライクなんです。得点高いんです。しかし『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』のようなポップ系細田を期待した人にとっては、たしかに裏切られたと感じる人もいるだろうなぁ...とは思いました。
たぶん、10億ドル越えした『ジョーカー』の続編、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(ジョーカー2)が"失敗"となってしまったのと同じような現象が起きているんじゃと思います。前作路線を期待した人とのミスマッチが大きすぎたのでは。
個人的にはジョーカー2は良い作品だと思いました。俳優陣の演技も素晴らしく、ミュージカルも豪華で"単独の作品"としては素晴らしいと感じました。しかし"ジョーカー"というシリーズで見ると、たしかに「コレジャナイ」と感じる人が多いだろうとは強く感じました。
多くの"ジョーカー"に期待しているのは、嘘で周囲をだまし、ナイフで次々と人を襲う超絶デカ盛りジャンクフードなスプラッタ劇でしょう。しかしジョーカー2は正反対で、殺しぜんぜんなしでジョーカー君は刑務所の中で悩んでいる。例えるならほとんどの観客はジョーカー1というビッグマックをパワーアップさせた超ビッグマックを食べに来たのに、実際に出てきたのは美しいフレンチのコースだった、という期待とは全然違っちゃった感じ。幸い私はフレンチが出てきても何とか楽しめる口なので楽しめましたが、残念ながら多くの人はそうじゃないとは思います。フレンチとしてはレベルが高くても、今日はビッグマックしか食べたくない!と思って店に来た人は困惑してしまってもまあ仕方ない。
このスカーレットも同じように感じました。スカーレット単体としては、素晴らしい要素はいっぱいありました。完璧でないかもしれませんが、ダーク x ジュブナイル x 女性主人公 ファンタジーや歴史劇的なものが好きな層にとっては間違いなくお勧めできます。今年のベスト映画に挙げる人だっているでしょう。私も含むそっち系の人には絶対に損はしないでしょう。
ただ、とくに『竜とそばかすの姫』のポップな音楽やカラフルな絵柄のパワーアップを期待して来た人には、まあそっちじゃないよな...とは十分理解できます。
別に誰も悪くないのです。ダークなヘビメタが好きな人もいるし、ポップで明るい音楽が好きな人もいます。問題なのは竜とそばかすのポップ側の人たちが誤って(?)デスボイスのヘビメタ会場に来てしまったことです。しかも竜とそばかすから細田作品に入った人が過半数だと思うので、残念ながら観客のほとんどはそうしたミスマッチを引き起こしてしまっても仕方がない...ダーク側の人にとっては、出てきたものは悪くないんですけどね。
たぶん、もしかするとこういう評価になっちゃうことは『竜とそばかすの姫』が出ちゃった時点で不可避だったんだろうなと思います。良くも悪くもその時の己の道を突き進む細田監督がたまたま竜とそばかすでポップ層をひきつけまくってしまったせいで、いざ次作が180度逆のこれとなったら阿鼻叫喚が起こるのは仕方ないよなぁと思います。4年半前からすでに決まっていた混乱が起こってしまった、そう感じます。
うだうだと書いてしまいましたが、まとめるなら壮大な世界をカワイイ女の子がもがきながら旅をする作品が好きな方はぜひ!実際観てみるとスカーレットちゃんすごくかわいいです。あれ、なんか自分そっちじゃないな...という人は、周りにスカーレットを観てきたご友人がいれば、「これ私に合いそう?」って聞いて相性判断していただいて決めると良いと思います。作品が悪いわけではないんです。『竜とそばかすの姫』のキラキラミュージカル連発!とはジャンルが別なんです。そっちを期待しちゃうと、たぶん両者にとって不幸が起こりかねないです...
長文失礼しました。個人的にはこっち側の作品の方が好きなので、細田監督の次回作もこっち寄りなら観たいな...とは期待しちゃってます。異論は認めます。むしろ異論の方が多いだろうとも認めます。
愛と友好を押し付け過ぎでは…
最近テレビでやってた、おおかみこどもの雨と雪が面白かったので見に行ってきた。
『生死関係なく過去と未来が融合した世界』の中で、スカーレットが復讐心をいだきながらも、もがいて苦しみながら、仇でも許せる(許せないけど憎まないという感じ)ようになる精神の成長を描いた作品。
芦田愛菜ちゃん、上手やった。
ミュージカルいらなかった…歌詞があかん意味で鳥肌たった…
未来と過去が融合してるのに死者の国に西洋の兵士・人しかいない。現代人『聖1人』。武器も昔の大砲・鉄砲と弓と刀、槍だけ。
ワンピースのルフィとロビンの掛け合いを知ってか知らずかのあのシーンもちょっと…
『愛の押し付け』『復讐してもいいことない押し付け』がまあまあすごくて、映像、音響で引き込まれそうになってもストーリーのせいで現実に戻される。
映画やし、きれいごと言わなあかんのかもしれんけど、現実にそぐわない。『やられたらやり返す!倍返し!』の精神の自分には受け付けなかった。
鬼滅と比べるのはダメだが、人の心の動きの表現が雲泥の差だった。
おおかみこどもの雨と雪が面白かっただけにかなり残念だった。
しかしながらオススメはできないけど、なぜか見に行かなくてよかったとは思わないので2.5。
人間らしく幸せに生きられるかを問うた今年一番の感動アニメ!
実際に映画を観て、何となく低評価の原因が分かったような気がします。基本的に平和的解決を望む今作は、増加してきた平和的解決を嫌う右派の日本人には受け入れ難いのかもしれません。
父親が処刑されてから、ずっと復讐のために生きてきたスカーレットは、人間らしい幸せな生活を描くことができません。死の国は、その葛藤のために与えられた場所なんだなと思います。
終盤何となく気づいていましたが、スカーレットが生きていることに気づく場面から非常に感動しました。
スカーレットと聖の都会でのダンスシーンや最後のキスシーンは少し違和感がありましたが、それ以外は臨場感のある素晴らしい作品に感じました。
地獄巡りのハムレット
全く面白くないけど退屈ではない
自分は物語が『死後の世界』とか『夢の話』になると、基本的には見る気が無くなります。
何が起こっても現実世界では無いし、どんな突飛なことが起こっても「まあそんなもんだから」済ませる事が可能になる。
それだけで物語の緊迫感は無くなるし、作品を考察する意味が無くなる。
ただ、今回はそれが良かった。
最初から死後の世界と断言することで、ただ単純に風景をバトルシーンをフラダンスを顔芸をミュージカルを名優達のマクベス風演劇を楽しむことが出来た。だって全ては夢の中の話。意味なんて無い。考えるだけ野暮。
そして、最終的には夢の中で少し成長した主人公が、少しマシな王様になる話。
自分的には夢と現実の境がシームレスで最終的にどうなったのかよく分からない「君たちはどう生きるか」よりはるかにメリハリがあって見やすい作品でした。
でも、面白くは無い。
細田守史上一番の美少女だけど
酷評されてる程悪くなかった!
やっぱちゃんと自分で観てみて良かった。
細田守監督作品は概ね好きなんだけど、やっぱサマーウォーズが最高かな~?
以降は妙にリアルにしてるクセに急にご都合主義になったり片寄ったりで、途中で「え、なんでそうなった?!」て冷めちゃう事が有るもんで…
なんて言うかその世界に浸りたいのに急に目を覚まされて浸りきらせて貰えないから余計残念というかね。
今回はファンタジーにどっぷり浸からせていただけたかな、と。
だからこそ途中で渋谷で踊り出したのはちょっと失笑だったけど。ラ・ラ・ランドのオマージュなのかな?スカーレットのワンピースとか色は違えど同じに見え過ぎるw
まあスカーレットの白昼夢なのでwww
国籍時代をごっちゃにしたのは昨今のディズニー映画と同様なのかな?
でもそれにしては砂漠とかペトラ遺跡みたいなのが妙にリアルに出て来ちゃってるし
特定の地域を死者の国にしてるみたいになっちゃうからもっと架空の世界でも良かったのではないかと…。
スカーレットがとにかく美少女!
顔が汚れてても美少女ー!w
でもさ、この映画のキーワードである「許す」を聖とあんな風に議論させたら萎えるのよ。
聖もいい大人なのになんで導いてあげられないのか…
これはもー、よく言われてるけど脚本が甘いのではないのだろうか┐(´д`)┌
しかもスカーレットのままエンディングを歌わせたらね、もう芦田愛菜ちゃんに戻っちゃうのよね。
もちろん芦田愛菜ちゃん歌もお上手なので歌ってくれていいんだけど、今回それが一番冷めたかな。
おじさんズは錚々たる面々でシェイクスピアの世界の重厚さを出して頂いて良かったです。
大きい劇場でやってるうちに観て良かったと思うけどね。
生きることは、実際に険しい!いろんな意味で戦う事ばかり!!
果てしなきスカーレット🎞️観て良かったです✨
「生きるということ」を正面から、問いかけてくれてるような気がします。
実際に生きることは、戦い、サバイバル!辛い事や、困難が盛りだくさん(T . T)それでも愛を忘れない!
少しでも、愛があるなら、その少しだけの愛の為に。。。身をすり減らしても、命、犠牲にしても。。。守り抜く。。。
なんだか、わかるような気がします。自分は。。。
観て良かったです✨
観終わった後、ジワジワと、感動🥹が
2.5次元風シェイクスピア?
というと戯曲好きな人から反感買うかもしれない。
でもそれほどに古典演劇調だったので、これは現代のやたらと目紛しく派手な展開のエンタメに慣れた人が観たら退屈過ぎるだろうなと思いながら観ていました。
背景は恐ろしいほどに簡素(というより荒廃?)なのですが、音響と人物の描き込みがエグいです。
あと、「人間」の描き方がエグいです。
声優として起用している役者の演技も妙に生々しいものが多く、聞き取りづらいセリフも含めて、舞台を感じるつくりでした。
ただコレを映画館でやるのが良いか悪いかって言われると、ずいぶんな挑戦をしたなという感想です。
毎度、脚本で残念な評価になる細田守監督作品ですが
今作においてはずいぶんとスッキリしていたなという印象です。一貫してスカーレットという筋が入っていて分かりやすい流れでした。
世界観も「どうしてそうなるの?」っていう疑問にすべて「異世界ファンタジーだから」「夢の世界だから」でぶん殴ってくるので、そこさえ視点をクリアにできれば、あとはもうスカーレットの葛藤と心の変化にだけ集中すればとても楽しみやすい作品だと思いました。
スカーレットが復讐を活力にしながらひたすらに進み続ける道中に「人間とは?生きるとは?死ぬとは?」という根源的な問いかけがずっと続いていき、やっと答えにたどり着いたと思いきや、......っていうラストのシーンがこの映画の全てでした。
人物についてはスカーレット以外のキャラクターが本当に薄っぺらいというか相方の聖を筆頭にモブ感が強かったです。これが意図的なのか、そうではないのかは定かではないですが、意図的だとするとやっぱりラストシーンにかかってくるんだろうか?などと考察しました。
あとやっぱり細田守監督はいろーんな意味で「会いに行くから待ってて」がほんとに好きなんだなーっていう感想です。
個人的には同じ年に公開された映画「国宝」が絶賛されてて、この映画が酷評なのは腑に落ちない点が多いです。
他人の評価やネットの評判を鵜呑みにしすぎるのも危険だと思いました。
良く観ようと思えば良く見えるし
粗を探せば粗ばかり見えるものだと思います。
細田作品を初めて観賞しました。
細田作品を初めて観賞しました。レビューを見ると酷評が多いですが、普通に面白く感動しました。細田作品を他に観ていないので推測に過ぎませんが、酷評の理由は過去の細田作品とはテイストが違ったため、細田作品ファンの方々の期待値には答えられなかったということだと思います。ダンスシーンも不要と論じられる方がいますが、私には舞踊や音楽の本質を突いているように思えて、感動しました。ファンタジーであり、お伽話の世界ですから、アニメであり、現実の世界ではないのですから、ストーリーの完結に向けて、多少のご都合主義は許容範囲だと思います。細田作品ファン以外の多くの方々に観て頂きたい映画でした。映像も素晴らしいです。0.5⭐︎を落としたのは、小さい子供が見るには少し怖いシーンがあったからです。
万人受けしないが所々光る映画
細田監督作品は全て観ています。
細田氏が単独で脚本を書くようになってからは、辻褄の合わない部分やキャラクターの行動原理に疑問を感じるところは多くなり、まあそれでも訴えたいテーマに興味はあったので観てはいました。
そして今回は細田監督は別の意味で進化を遂げています。
自らの思想信条を全面に押し出し、それなりにエンタメ性はありつつも、世間に迎合することなく突っ走った作品です。
そういう意味では潔くあっぱれと言う他はない。
今回はダンテの神曲やシェイクスピアのハムレットを下敷きにするなど、難解な古典を元にしているので、そういった世界観が好きではない人は、最初からついていけない。
幸いにも自分はそれらの古典は読んだことはあるので、今回の映画の荒唐無稽ともいえる数々の描写には違和感なく観ることはできたが、そういった作品を知らない人からみれば理解が難しいだろう。
キリスト教的な許しの原理、西洋的な煉獄の意味、なども作中の主題に含まれており、限りなく宗教的でありスピリチュアルな作品だ。
ストーリーの大部分は死後の世界であり、その世界は地上の時間軸を越えている。
それゆえに過去も現在も存在する。
あの世や魂の存在を信じない人が観たならば、馬鹿馬鹿しくて観ていられないだろう。
しかし、あえてこの危険なテーマに正面から挑んだ細田監督に自分は敬意を表したい。
おそらく、こんな題材を主軸に据えるなど他のアニメ監督は絶対にしないだろう。
物語最後のスカーレットが自らの存在意義を問いかけ、葛藤する様は立場は違えど、多くの人に共通する姿だと感じた。
日本国内では評価されないだろうが、宗教的作品にも理解がある欧米では一定程度評価を受けるだろう。
世間の酷評ほど悪くはないが・・・許せない所も有る。
私は細田守監督の作品は苦手だ、評判の良い「時をかける少女」や「サマーウォーズ」もそれほどはまらず、それ以降の作品は見ていなかったので今回も見るつもりは無かったのだが、余りに評価が低く逆に見てみたくなって映画館に足を運びました。
全体的に、テーマは全て登場人物がしゃべってくれるので分かりやすく、そのテーマに共感できる人にははまるかもしれないけど、死後の世界の設定がガバガバでそれが気になる人は集中して見れないだろうなと思った。
特に渋谷での謎ダンス以降の展開はグダグダで見ていられなかったが、映像面ではところどころ光る演出が有ったのも確かだ。
声優陣は俳優を起用した割には、それほど気にならなかった。
そんな中で個人的に許せない所が2か所有った。
一つ目はさんざん人を殺してはいけないと、スカーレットに言っていた聖が後半あっさり二人を殺したこと、いや殺さなければスカーレットと共に殺されていたかもしれないから、殺したことはしょうがないとしても、後悔もしないというのはいかがなものかと。(テーマから言っても説得力がない)
二つ目は私事だが、親友が看護師をしているので、聖が看護師になった理由があまりにもひどくて、細田守監督自身が看護師の職業を見下しているんじゃないかと思えたこと。
聖の性格なら普通に、「人の命を救いたい」で十分だろ。
という訳で出来としては2.5点位あげたいが、2点としました。
心の成長を遂げていく娘とその成長を願う父親の愛を描いた物語
この映画は酷評が多く、宗教だ思想だと口コミされているのが目立って鑑賞する前はどんなのだろうとチョット心配もあったが私の感想は全く違った。
確かに設定や背景の難解さは否めないし、聖の登場には唐突感や違和感もある。
だけど、根底に流れている大きなテーマというか物語の根幹にはこれまでの細田作品と共通するものが大いにある。
それは、子供の成長に対する親の思いとその子供の成長する姿
物語の序盤で父親である国王は処刑されてしまうが、その時に子供であるスカーレットに残した言葉が物語の終盤から結末へ至る大きな伏線となっている。
それは、娘の成長を願う父親が、処刑される前の最後の瞬間に発した娘への思い。
スカーレットはその言葉の意味を問い続けるなかで成長していき、物語の最後にその本当の意味を知ることとなる。
私は、映画を見ていて挿入歌である「祝祭のうた」がかかった辺りから終盤までほとんど泣きながら映画を見て、エンドロールでは芦田愛菜さんの歌を聴きながら放心状態のようになってしまった。
私の中では今年一番泣いた映画だ。
全くの余談だが、私には娘も息子もいる。
娘は、悩みながらも働き続け、息子は今まさに消防士(聖の職業は看護師だった)としての仕事を始めようとしている。
そんな子供たちと子供たちの成長を願う自分の思いがドハマリした結果かもしれない。
境遇が違ったら全く違う感想を持った可能性もある。
現に私も「となりのトトロ」を初めて見た時、当時独身で当然子供もいなかったが、何がおもしろいのか全く分からなかった。
エンドロールが流れた時、「え!これでおわり?」と思ったものだ。
でも、子供が生まれてから改めて見直したときは泣けて泣けてしかたがなかった。
見る人の人生のステージによって感じるものが全く違うことがあって、この映画が評価されていない原因のひとつになっているのかもしれない。
とはいえ「果てしなきスカーレット」は僕にとってはすごく良かった。
根底にながれるテーマは「おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」などにも通じるものがあると思うし、設定が突飛なのはほかの作品にもあって許せる範囲なのかなと感じています。
厳しい評価の多い作品ではありますが、僕は楽しめる良い作品だと思います。
試してみてください。
ファンタジーの王道をゆく、直球勝負の、渾身の力を込めた秀作!
主人公スカーレットの内界の旅を通して、心の変容を迫力のイメージで描いている。
憎しみが充満している主人公の内界は、不毛の荒野であり、その中をスカーレットの魂は彷徨っている。
クローディアスはいわばスカーレットの憎しみの分身であり、一方聖もまた、スカーレットの分身である。その魂に引き裂かれながら荒野を往く。
細田守監督が信じている“歌の力“が時空を超え彼女を支え、時折り見える満天の星空のイメージは、スカーレットの美しい魂のイメージだろうか。
そして最後に自分自身の憎しみと対決する。そこでスカーレットは、自分を赦すことで憎しみから解放される。赦すのは自分以外の何者でもないだろう。そうすることにより、憎しみの分身であるクローディアスは竜という自然の力によって消え去り、また一方の分身である聖も役割を終え、消える。それは同時に、必然的に起きた。かくして自分自身となったスカーレットは、新たな生を歩み始める。
スカーレットの死と再生の物語であり、自己変容の物語である。
まさにファンタジーの王道をゆく作品だ。
だが、“果てしなき“に込められた意味は何だろう?
人の心の中に巣食う憎しみという感情は、過去から現代に至るまで、なくならない。今の時代にあってはますます増幅、蔓延しているかに見える。果てしなく続く連鎖だ。その連鎖を断ち切ろうとするなら、私たち一人ひとりが、我が憎しみとの対決という厳しい試練を乗り越えなければならない。そのような意味を込めた“果てしなき“なのではないか?
この作品は、ひとつの、監督流の憎しみの連鎖を断ち切る物語だ。
この作品は、私たち一人ひとりに対して、このような厳しい問いかけを残した。
だが同時にこの物語で提示されたイメージの力、歌の力、自然の力などが私たち一人ひとりの憎しみに立ち向かう勇気を与えてくれたのではないか?少なくとも自分自身はそのように受け止めた。
極めて優れた作品だと思う。
細田守ではなく奥寺佐渡子が好きだと気付かされた
評価ほど悪くはない 内容的にはすごく良かった
観るつもりはなかったけれどもあまりにも評判悪かったので興味が湧いて鑑賞。
感想は、とても良かった。
芦田愛菜さんの声もそのうち馴染んで気にならなくなった
内容は死者の国に迷い込んだ聖と王女スカーレットが旅をして見果てぬ土地を探す物語
実は、迷い込んだのは聖じゃなかったんだけど気になる人は実際に鑑賞してもらいたい。
評判ほど悪くはなくむしろとても良かった
ただ気になるのはあからさまなCGが気になった。
東京?の街並みがあからさまにCGすぎて、それはびびった。
丁寧に作り込んで欲しかったと思った。
評判が悪いせいでこんな大型作品なのに6割も時間が減ってしまって来週からは1日に3回しか上映がないのが悲しい。
とても良いエンディングで、もし声優を起用していたらもっと観客は増えたはずだからそこんところ細田守さんはかんがえてみてほしかった。
日テレプレゼンツって書いてあったのでもしかしたら日テレの思惑かもしれないけどそれだったらもう少し人生経験豊富女優にしたら良かったと思った。
低評価と高評価どちらが正しいのか確かめようという好奇心だけで鑑賞。...
低評価と高評価どちらが正しいのか確かめようという好奇心だけで鑑賞。内容については全く知らず、期待もしていなかった。結論としては、評価の通り、今年ワーストの評判は伊達じゃない。高評価の方のレビュー見ると低評価の意見は叩きたいだけだとか、見てない奴の意見とか、頭が悪いとか言い放題のようだが、個人的には逆では、と感じるくらい論理の矛盾が気になった。なんでそうなる、そうはならんやろ、がとにかく多くて、始終頭が痛くなった。こういう映画は面白いとか面白くない以前にストレスが溜まるし、後で思い出すと金と時間を無駄にしたという怒りがこみあげてくる(そばかす姫もそうだった)。逆に映像はそれなりにだが迫力があるので(自分はCGじゃなくて普通のアニメが良かったけど)、細かい粗は気にせず映像や音楽などを感性で楽しむタイプには受けるのだろう。というか最近の細田監督はミュージカル好きだけどディスニーにコンプレックスでも持ってるの?
そもそも話がありきたりすぎるし、世界観がつまらなすぎる。監督の作品で言えばバケモノの子は気に入った。バケモノの設定や渋天街は独創的ではないもののよく練られていたし、九太や熊八のキャラも好きなのだが、この作品は世界観やキャラを含めて本当に好きになれる要素がない。宮崎駿もそうだったが、なぜか映画監督は年を取ると社会派なテイストを無駄に入れたり、現実の設定を盛り込んだりと中途半端なリアリティを求めてしまうのか。
ちなみに監督の前作でも同じようなレビューの分断が起こっていて、高評価の人は音楽と映像を評価して低評価の人は脚本や声優を批判していた。今作もかなり近い印象で、逆に言えば前作を受け入れられた人は今作も問題無いとも思う。
全851件中、381~400件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。





