「映画が先に感想を言う作品。」果てしなきスカーレット R.Baiccioさんの映画レビュー(感想・評価)
映画が先に感想を言う作品。
この作品に覚える違和感は、伝えたいメッセージは至極真っ当だが、それが物語より前に出てしまう点にあると思う。本来は物語や人物の選択を通して観客がたどり着くはずの感想が、台詞やアイコンの反復により映画の方から提示されてしまう。惜しみなく技術を注いだ映像表現も、止め絵や構図の繰り返し・背景の極端な削ぎ落とし・抽象化された都市描写が、受け手に余白を残さない。だから観客は考える前に「正しく理解すること」を求められ、窮屈で窮屈で仕方ない。紛れもなく真っ当で善良な作品であるがゆえに、まるで公共事業の箱物のような、利用者を置いてきぼりにした印象を残してしまう。製作側に力量があるのは自明なのだからこそ、私達をもっと信頼して解釈を委ねて欲しかった。
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マンメンミさんのコメント
2025年12月27日
物語よりも前に伝えたいことが出て真っ直ぐすぎるセリフ。
細やかかつ複雑な
人間の心理描写(ドラマ)
は省かれている。
2時間の苦痛の原因がそれだったんだなと腑に落ちました。
かこすけさんのコメント
2025年12月27日
私はもっと悪く受け取ってしまいましたが、要するに一番の違和感はそれでふ。同感です!
「それ、耳から言葉として入ってきて欲しくない」が、沢山ありました。粋な表現は全然ないですよね。
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