「期待値の違い」果てしなきスカーレット やかんくんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値の違い
評判が悪いとの記事をあまりにも見かけるので、逆に気になってしまい本日鑑賞してきました。
個人的には、そこまで悪い作品とは思いませんでした。
細田作品はほとんど観たことがなく、事前に期待していなかったせいでしょうか。
他のレビューで、『君はどう生きるか』を引き合いにだしていた方もいたため、抽象的でよくわからない話かと思っていたのですが、そういう事もありませんでした。
話題のダンスシーンなども、二人がもし現代にいたらというイメージを表すものだとすれば、さほど変だとも思わず。所詮、ファンタジーですからね。
ただ、だからといって楽しめたかというと、正直さほど面白いとは思えませんでした。とくに、主人公以外のキャラクターに魅力を感じることができなかったです。
とりわけ、聖。職業倫理観が強い、ただの看護師のお兄さん、という印象しかなかったです。それなのに、人を殺すことを最初はあれだけ疎み、スカーレットに殺さないように言っていたにも関わらず、結局殺してしまうところまでの感情の変化にも納得がいかず。アムレットの処刑に参加していた臣下二人が最後に味方になるまでの気持ちの変わりようにも、説得力あるものが無かったです。
クローディアスの最後も、天罰が下って終わり、というところもなんとも言い難く。赦し、というものが、結局スカーレット本人に対する赦しなんだからクローディアスを赦す赦さないとは関係ないと言えばそうだったのかもしれませんが。
赦しというのが、復讐になんか生きずに、自分のために自分の人生を生きよというメッセージだというのは分かったのですが、それだけを伝えるためだけにこの話が必要だったのか。たとえば、実際に復讐をしようと思っている人たちがこの映画を観たとして、それで思いととどまるのか。そんな説得力があるとは思えませんでした。
繰り返しますが、そうはいってもそんなにひどく悪い作品とは思いませんでした。テーマに説得力が無かったり、謎の演出があったりはしましたが、次はどうなんだろうと思いながら観ることができたので、そんなにつまらない事は無かったです。ただ、もし酷評が無かったら、恐らく私がお金を払ってまでこの映画を観にくることは無かったと思います。
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