「眠くなるほど酷くはないが、面白いとは言い難い」果てしなきスカーレット 虚無さんの映画レビュー(感想・評価)
眠くなるほど酷くはないが、面白いとは言い難い
どうにもスカーレットに共感できず…
この辺りが面白いと思えなかった原因かな、と。
序盤はなぜ王が処刑されるに至ったのか全く納得できないし(毒殺ならともかく)。
他国に国を売ったという理由もあまりにテキトー過ぎる。
閣僚や軍が弟クローディアス配下に占められたのなら、その過程で気づかない王はあまりに間抜け…
ハムレット原作はその辺りを語らないことで観客に疑問を抱かせないよう配慮していたかと。
序盤の設定はハムレットというより『暁のヨナ』に酷似していました。
こちらの共感させられ度が凄いので、比較すると天と地…なぜ王が殺されなければならなかったのかも合理性が取れていたしね。
完全に死に至る前に、もう1ステージ世界がある、という設定には興味が湧きました。
ただ、その世界の仕組みがしっかり造られていなかった印象(スカーレットの夢の中だから?)
飲食は不要なのか、物は作るのか、それとも埋まっているものを使用するだけなのか、動植物は生まれ育つのか、次々に湧き出る疑問は置き去りにされたままでした。
死に方だけはよく理解できましたが。
主人公がどうやってピンチをど切り抜けるか。
これはアイディアの見せどころ。
しかしデウスエクスマキナ(脈絡なく神が助けてくれるってやつ)は紀元前には禁じ手とされたはずですが、複数回、使っていましたね…
せっかくの「許す」テーマも、クローディアスが死んだから「許せた」の結果論になってしまった。
ラストのスカーレットの演説はあまりに幼稚だし。
愛を知っても政治はできないと思うぞ?
ガンジーのように毎回、身体を張る覚悟なんでしょうか…
歌とダンスは細田作品のお約束なの?
唐突感極まりなかった気がしましたが、お約束なら致し方ないのかもしれません。
個人的に最も良かったところは、天国への階段が透明なところと、海辺のウミガメでした。
全編通して息苦しいシーンが多いので、ウミガメには大変癒されました。
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