劇場公開日 2025年11月21日

「〜 かわいいよ!スカーレット 〜」果てしなきスカーレット 田舎の破壊者QuarterBoiledさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 〜 かわいいよ!スカーレット 〜

2025年12月6日
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鑑賞方法:映画館

難しい

驚く

カワイイ

世間の評判なんて宛にならない。
賛否両論(いや批判票が多い?)、日テレ絡んでるからとにかく話題沸騰の作品、ということで逆に見たくなり鑑賞。
終わって、久々にカオスな映画観たなとの余韻。いやこれは大衆向けでなくてミニシアター系の角の立ち方、ってのは表現違うかな。伝えたいテーマは伝わったけど、いい具合に散らかしまくった脚本で逆に興味深い笑笑。自分が脚本書いたみたいで勝手に親近感!
“争いのない世界をつくりたい”、それは永久普遍のテーマやね。そこに挑んだことは評価したい。
公開最初の3日間の上映本数とか鬼滅の刃並みだったが、蓋を開けたら閑古鳥…。箱の多さでそこそこの興行収入行ってるものの、当然想定外の低迷なんだと思う。その大々的プロモーション手法、反感買った部分もあるんじゃないか?
そして……俺は気になっちゃったね。物語途中に出てくる墓掘り化物の声聞いて一番安心しちゃったもん!流石はツダケンさん&宮野真守役も記憶に新しい巽幸太郎さん…じゃない宮野真守さん。山路さんも勿論素晴らしい。他、有名実力者声優さんが名もなきモブ役とは何たる贅沢というか低待遇。一方、主要キャラの声。あのね、プロフェッショナル声優さんが混ざった時点で俳優さんにはほぼ勝ち目は無い。どんな名優だろうとレジェンドだろうと人気俳優さんだろうと。
俺の感覚だと、どうしたって映像のキャラに声が乗ってこないんだよね、浮いて聞こえると言うか。声色の幅というか表現も、プロフェッショナル声優さんに比べれば限定的。
グローディアス役の役所広司さん、前半は危うい感じかなりあったが後半はまぁまぁ乗れたかな。
聖役の岡田将生さんはまぁまぁ声当ての経験もあるからこんなもんでしょう。
ヒロイン芦田愛菜さんはどうか?悪くはないけど合格点とは違うかなって感触。優等生感が抜けない。せっかく、スカーレットは可愛らしくて荒々しくて幼稚なのだから、声をもっと色々使い分けられる人を宛てるべきだったかな。そもそも芦田愛菜さん個人的にあまり好かなくて…。すっかり清楚な大人の女性になられたが。
モチーフと言うか原案にある、ダンテ神曲やハムレットは予備知識程度に入れて置けばって感じだけどあったとしても…な感じかな。あと、お母様の存在が薄くて、叔父に懇ろになる立ち回りの割にはイマイチ妖しい感じ足りなかったかな。物語のサブキャラとはいえ、叔父をそそのかして?王位を転覆させるだけの悪どい感じが出てなかった。グローディアス叔父さんがやっぱ主犯?オカンは乗っただけか。スカーレットとの関係、絡みも薄かった。
だが、そんなこの作品をずっと観ていられたのは、ヒロインスカーレットが可愛いということ。見た目だけでなく、復讐に燃えるだけの単細胞なところから少しずつ色々見えるようになってくるが自分の思考が追いつかない幼い感が出てるところもいじらしくて可愛い。声の表現幅の狭さを差し引いても惹かれるものがあったよ。ビジュアルも前作のそばかすの姫系で、いわゆる細田守作品の醤油顔でないところが目を引いた。あと、嘔吐のシーンも数は少ないけど個人的にはグロさがリアルで実は細田作品の特徴として評価してたりする。

よって、今までの細田守作品のファンは多分ほとんどがハレーション起こしてると見た。かと言ってライト層にはなかなか理解が追いつかず、最後だけ見れば何とか話が頭に落ちてくるかなって感じ。
意外と人によってはまさかのマッチングがあるかも…。いずれにしてもTVで大々的プロモーションするのは結構だが、初日から10回以上も箱用意するような作品ではなく、ミニシアター系でジワジワと見せる方が良さそうな作品。
でも、映像は見事だなと思った。異世界感がすごく伝わってきたし、ファンタジー作品のおどおどろしさ?は伝わった。逆に劇場で見ないとなかなか伝わらないかも?ホームシアターでも限度が…見たことないけど。
余談だが、今TVで別なアニメにもスカーレットっていう素敵なヒロイン出てくるのだが、この映画も併せて、自分に女の子が産まれたらスカーレットって名付けたくなった☆

田舎の破壊者QuarterBoiled
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