劇場公開日 2025年11月21日

「舞台演劇でやれば結構イケるかもしれないと感じたよ」果てしなきスカーレット ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 舞台演劇でやれば結構イケるかもしれないと感じたよ

2025年12月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

出る杭は打たれる感がまだまだ強い昨今、上映スクリーン数や大きいシアターやIMAXまで押さえているもんだから、ハードル高すぎて逆に気の毒だなーと思いつつ、正直、1ヶ月ほど映画館で予告が流れるたびに、「時かけ、サマーウォーズ等を作ったあの細野監督の最新作です!」しか伝わって来なくて、どんな作品なの? スカーレット? 果てしなき? と、こちらが心配になる程、作品内容が分からず期待値が上がらなかったので、これはやばそうだと思っていたら、案の定、公開初日から騒がれちゃって本当気の毒でした。

そんな中、恐る恐る観に行った次第ですが、前々作『未来のミライ』で肩透かしを喰らった覚えがあるので、前作『竜とそばかす姫』は観ておらず、久しぶりの細田監督アニメ。今はこんなアニメーション表現で作っているんだと少々驚き。『ひゃくえむ。』のようなモーションキャプチャーな人物と、実写のような背景で表現されていて、興味深いとは感じたものの、またもや肩透かしを喰らった感は否めず。

作品内容はどうやらハムレットを彷彿とさせますが、描かれる世界が死後の世界だったり、時空を超えて16世紀のデンマークと現代の渋谷が繋がったりと、かなりぶっ飛んだ構成なので、前衛的な舞台を見せられているようで、終始困惑してしまった。

声優さんを起用しなかったのも少々残念で、スカーレット役・芦田愛菜、聖役・岡田将生、どちらも演技は良さげなんですが、多分に身体表現や表情が加味されて初めて成立している印象。モーションキャプチャーのキャラとは相性が悪すぎですよね。

で、改めてキャスト陣を見てみると、これ、舞台演劇でやればよかったんじゃね? ハムレットから着想して舞台演劇をアニメで作ったら、こんな作品になりました、ってことかしら。なんだか色々ともったいない作品でしたね。

しかし『未来のミライ』でも感じたんですが、決めとなるような大事な台詞がことごとく薄っぺらい気がしています。平易すぎるというか、深みがないというか。物語をしっかり受け止める言葉に重みがないと、作品を通して伝えたいメッセージもなさそうに見えちゃうんですよね。

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ヘマ
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