「PTSDの少女がおっさんにボコボコされたけど、おっさんに救われた物語」果てしなきスカーレット らぐさんの映画レビュー(感想・評価)
PTSDの少女がおっさんにボコボコされたけど、おっさんに救われた物語
まさか自分でこの評価をつけるレベルの映画に当たるとは思ってなかったし、星1なんてつけたくなかったです。
言うてみんなやばいやばい言うけど、そんなにやばくないだろ~!意外に良かった!ってなるパターン!って思ってたのに、てか思えるタイプのはずなのに
オススメ出来るかと言われると、別の映画見たほうがいいですと言います。
まるで高熱のときに見る夢。私はこれのおかげで昨日疑似インフルエンザにかかったので今冬は健康に過ごせそうです。
映画館で笑いをこらえまくって、終わったあとめちゃくちゃに車の中で爆笑してしまった。
とにかくシリアスな笑いを誘うシーンが多すぎます。
特に焚き火囲みながら急に復讐の鬼と化したヒロインのスカーレットに
ヒーローの聖が「君は生まれ変わったらどうしたと思う?」とか言うて
急にめちゃくちゃ謎の長いビッグバン入って(本当に長かった、なんだあの時間?)
渋谷の街で大勢の人が踊り始めるのマジでやばかったです。
スカーレットが「時代を……越えた……」「あの踊ってたのは私だ……!」とかいうの真顔ではいられんでした。もうちょっとなんかあっただろ。
曲は良かったんだけど、挿入するタイミングが謎すぎて
曲☆2、挿入タイミング-☆2、プラマイゼロ みたいな感じになりました。
なんかこの透明な階段登ったら弟がいるぞ、ついに復讐だぞ!!っていうシーンで
腕広げて胸張って優雅にゆっくり階段登っていくスカーレットとか、どういう気持ちで見たらいいのあれ?笑うシーンではないんですか?あれは。
聖が実は死んでました、のミスリードにしては下手くそすぎる……って部分もあったりして、最後のシーンも何となく腑に落ちず。
あんなに「お父様何!?聞こえない!」って言ってた割には、最後の民衆の声あの距離じゃ絶対聞こえてないだろって思ったし、そもそも民衆多すぎてもう、そういうシュールさが物語に集中できなかったです。色々ツッコミどころがありすぎて、大変(腹筋が)苦しい映画でした。
ボボボーボ・ボーボボを大真面目にやったらああなるんだろうか。そういうのに近い気がします。
スカーレットといい感じになった聖が最期スカーレットに
「生きたいって言え!」「いやだ!聖と離れたくない!」「ダメだ!生きたいっていうんだ!」「…生きたい!」「もっと大声で!」「生きたい!!」「もっと強く!!」「生きたいっっ!!!」
の連呼でもう、なんだこれ?ここもシュールな笑いポイントでした。
そんなに連呼せんでも。ニコ・ロビンでもそんな言わんぞ。
あと初っ端ゲロ吐いてる声だし序盤まじで「ハア…ハア…!」っていう息遣いしかしてなくて
なにをみせられているんだ!?ってなりました。
ぶん殴られて「ぐっ!」とか、泣き声とか叫び声ばっかりで結構序盤でドン引いちゃいました。
いちいち叫び声が長くて「もういいて……そろそろ切ったれよシーン……」ってそういうふうになっちゃうくらいには、なんか不要なシーンも体感多かったです。
そういうのひとつでも没頭感って無くなるんだな…とお勉強になりました。
しかもそういう痛めつけられるシーン全部おっさんにやられてるんですよね、マジでさ、どういうこと?同人誌?
ハムレット王を殺したその後に、弟がスカーレットを投獄して、屈辱的な日々を味わって、でもお父さんが最期になんか私に対して叫んでたしそれが生きる活力!!絶対弟許さん!!!みたいな復讐にすればよかったのに
普通に弟はぬくぬくスカーレットを王女暮らしさせてて、一応ずっとスカーレットは復讐心は持ってて、そのためにずーっと鍛えてるシーンばっかり映されたけど、あっそういう鍛錬は普通にそういうの弟は許しちゃうんだ…って思ったし
いうて弟に睡眠薬仕込んででナイフ突き立てようとして失敗、自分が死にましたーオチ、もう、色々浅い!
一応王女だけど、民のそういうシーンも 窓越しに親が連れて行かれて、子供が追いかけて転んで、みたいなシーンを窓叩いてフーフー言いながら泣いてるシーンだけで
スカーレットマジで民のこと好きなん? 変に叫ばせるシーン入れるならもっとそういう城下町ターンで印象付けたほうがよかったんでは…って思いました。
ここまでやるなら恋愛要素いらなかったのでは?と。
誰も信頼できない少女が、ひたむきに信頼できるかけがえのない唯一のバディを知った、くらいでいいのに
なんでそこ中途半端に恋愛絡めちゃったんだろう…逆にチープに見えちゃった、これは私があまり恋愛モノを見ないから、そう思うだけなのか…?ってなりました。
一応元ネタのハムレット調べてみたけどこれハムレット元にするまでもなかっただろうに
復讐モノ作りたいな!ハムレット持ってこよ!ってなったにしてはあまりにもお粗末すぎてシェイクスピア地獄で泣いてるよ
復讐譚としても中途半端、恋愛も中途半端、スカーレットの成長の物語にしてもなんかいまいち何を伝えたいかわからない、全部が中途半端にとっ散らかった気がします。
短髪になってからエッグい作画崩壊してたような気がしてならない。
なんか髪の毛の束感とか顔の感じが急に変になった気が……三つ編みのボロボロ顔のほうが作画いいってどういうこと……?
以下箇条書きストーリー。
・現実は中世デンマークが舞台
・ハムレットっていう王様がいて
・その王様は心優しく、スカーレットという娘がいる
・スカーレットはハムレット父王様が大好き
・隣国とプチ争いしているが、ハムレットは話し合いの姿勢
・その弟クローディアスは兄ハムレットが嫌い
・クローディアスは「話し合いなんぞで解決できるか!戦争だ!」のスタンス
・お妃様がいるが、「私は『王』の妻ですので(だからクローディアスが王であればその妻ですみたいな…悪女…)」って言う感じ
・とある日、クローディアスが反逆者だとしてハムレットを告発し捉えて処刑する
・ハムレットを処刑したのは4人の男たち
・スカーレットはハムレットの処刑前の最後の言葉を聞き取れなかった
・スカーレット絶対クローディアス許さないマン
・戦争になってどんどこ悪くなる国
・スカーレット、復讐を決意!
・とある日スカーレットが弟に睡眠薬を盛って暗殺しようとするが逆に毒を盛られて死亡
一応ここまでが現実世界の序盤
そこから死後の世界(厳密には生も死もない次元の狭間みたいな世界)がメインで進んでいきますが
そこで弟はまたしも国みたいなもの作って「みんなで天国へー!」みたいなこと掲げてて、最終的には
・ハムレット王を処刑した4人のうちの2人が王の最期の言葉は「許せ」だったことをスカーレットに教える
・その許せは何に対しての許せなの?クローディアスを?許せるはずがない!になるスカーレット
・最終的に「自分を許せってことだったんだ…」と自己解決
・クローディアスは裁き(謎のドラゴンに雷を落とされる)を受けて死亡
・現実世界でスカーレットが蘇り、自身が王となり終了
…聖という恋愛要素、必要ありました?
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