「教養がない人には難しいか」果てしなきスカーレット ひろさんの映画レビュー(感想・評価)
教養がない人には難しいか
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古典を現代の価値観にアップデートして話。そこに細田監督の感性が惜しみなく入っていて、細かい粗はあるけど、とても良かった。
ストーリーについて。原作はなかなか復習しないハムレットを見るのが共感ポイントだった。しかし今回は、復讐を越えて、許せるようになる物語だった。途中までは叔父を許す話なのかと思ったけど、違った。自分を許す話でした。最後でそれがやりたかったのね、って唸らせてもらいました。それでいて演出は舞台っぽいセリフ回しだったり、最後の精神世界の葛藤シーンだったり、ハムレットっぽさがあったのでにっこり。
ビジュアルについては、なんやかんやヨーロッパ中世ベースの異世界ものが多い中、どこの国ともとれない本当のファンタジーを構築している。加えて、全体的に暗めの絵作りながら、単調にならずに迫力と美しさを伝えてくれている。色彩カラフルにするのは簡単だけど、これだけ落とした中で圧倒する世界を作ってくれたのが粋。最後の階段とかも、あえて消えそうな位のステップにしているのが良いよね。
最後にミュージカルについては、差し込む部分が違う。
最初に、復讐の期待を一身に背負い稽古に励むシーン。次に、キャラバンで復讐を忘れて楽しく踊るシーン。最後に、復讐の対象である叔父とダンスするシーン。
特に見せ場は最後、歌とダンスで、なぜスカーレットが叔父を許すようになったのか、を表現してほしかった。
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