「「復讐劇」結末は二つに一つさてどっち」果てしなきスカーレット ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
「復讐劇」結末は二つに一つさてどっち
主人公が16世紀のデンマークの王女スカーレット。
そしてシェイクスピア4大悲劇の1つである「ハムレット」をベースにしたファンタジー。「ハムレット」は、王子ハムレットが王である父を殺した叔父に復讐しようとする物語。本作の基本的な設定は「ハムレット」をなぞっており、「復讐」をテーマにした作品。
復讐を果たすのか許すのか。どちらのラストとなっても使い古された話です。
国王だった父アムレットを叔父のクローディアスに殺されたスカーレットは、自身も毒を飲まされ、死者の国を彷徨いながら復讐を誓ったクローディアスを捜す。舞台を死の国にして、時を超えて現代の看護師である聖(ひじり)がスカーレットの前に現れます。
聖はスカーレットとは対照的で、人を助け、ケアし、争いを拒否する姿勢を貫く。歌を唄い、踊り、出会った人々と交流することで、笑顔と平和をもたらすキャラクターとなっています。これがアレンジとなっています。この設定だからとはいえ、中盤でのダンスシーンいる?と疑問になります。歌詞も「愛」「愛」とうーーんとなります。ディズニーかインド映画かとなります。
この聖に、スカーレットは戦いを止められつつ、敵クローディアに近づいていく展開です。まずは、クローディアの部下で父の処刑に加担したコーネリウスとヴォルティマンドと対峙することになります。つまり聖はスカーレットのブレーキ役です。
ここまでくると、勘のいい鑑賞者はほぼラストが想像できると思います。よってこれ以上の記述は野暮です。
アニメとはいえ、アクションシーンの演出は見ごたえあります。
そして、人々のために奉仕すること、隣国とは対立よりも友好を築くこと、子どもを死なせないこと、争わないで済む道を諦めないで探し続けることを誓う、リーダーが誕生します。国の指導者の思想と市民との協働によっりより良い社会ができるという事を訴えています。
今までの細田監督の描いた作品とは異なる物となっています。日本ではなく、明らかに海外上映を見据えた作品です。賛否わかれる作品です。
大衆というやつは、理性で判断するということを知らない。ただ目に見えるところだけで好悪を決めるのだ。「ハムレットより」
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