「酷評されるほどではない、普通のよくある残念な作品。」果てしなきスカーレット OKUTAMAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
酷評されるほどではない、普通のよくある残念な作品。
土曜の朝の回を鑑賞。今週から上映回数が3分の1になり、箱も小さいスクリーンになりました。 映画館の埋まり具合は定員70名くらいのスクリーンで10名ほど。
もともと予告編を観て惹かれなかったのでスルーする予定でしたが、チケットをもらったので急遽鑑賞。
基本的には自分で映画を見るまでは他人のレビューを読まない主義ですが、今回は否が応でも酷評のレビューが目に入ってきていたので、怖いもの見たさ半分な気持ちもありました。 個人的な感想としてはネットで滅茶苦茶に叩かれるほど酷い映画じゃないな…と思いました。…かといって良くもないですが…よくある普通の残念な映画でしたね。
よく言われる細田脚本ですが、まぁ、これはいつも通りの安定の酷さ。 登場人物が記号的でスカーレットや聖も薄っぺらくて感情移入できなかったですね。死者の国でのスカーレットは復讐に燃えた鬼にでもなっているのかと思っていましたが序盤から結構優しい。なんか情緒不安定なキャラでした。 聖の声は棒読みで結構キツかった。
人物描写が薄っぺらい中で「愛」「平和」を連呼されても心に響かないですね…。
唐突に入るフラダンスや渋谷のシーンは本当に要らないですね。すごい白けてしまいました…。細田さんの作詞した歌が寒かったです。
死者の国の設定もガバガバなのが気になりました。あらゆる時代の人間がここに来る的な説明をしているのに聖以外の人物は中世の人間しかいないという矛盾を作品内でやっていて、制作中に誰もツッコまなかったのかしら…? 重厚な世界観を見せたいなら設定をもう少し作り込んで欲しかったです。
あと、3Dを多用した映像も安っぽかったですね。背景も写真をコラージュしたような感じで実写寄りのリアルさに寄せようとしているけども実写には届かず負けている感じで残念でした。これだったらもっとイラストっぽさに寄せたほうが良かったと思います。
密度の高い画面ではあるものの、なんというか画面から絵ヂカラを感じなかったです。
やりたいことはわかるのですがまとめ切れずな感じで物語に引き込む力が圧倒的に不足しているなぁと思いました。
演出力はあるので、ちゃんとした脚本さえ作れれば細田作品は安定的にヒットするとは思うのですが、今の製作体制のままでは難しいでしょうね。
基本的に暗い展開で子供の喜ぶ要素は皆無なので家族連れで観に行く映画ではないですね。
個人的には「未来のミライ」を観た時のほうが「虚無」になりました(笑)
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