劇場公開日 2025年11月21日

「暗い世界観の中に光る確かな魅力、観て気づいた本当の価値」果てしなきスカーレット ごまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 暗い世界観の中に光る確かな魅力、観て気づいた本当の価値

2025年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

驚く

この作品に興味を持って観賞しようと思った点は、二つあります。
一つは、上映回数が「鬼滅の刃」並みに多いにもかかわらず、
内容や評判がほとんど聞こえてこなかったこと。

もう一つは、その上映回数の多さに比べて、当サイトでの評価が
あまりよくなかったことです。

上映回数は通常の約2倍ほどあり、とても大型の作品であることがうかがえました。
それなのに、事前にほとんど情報が入ってこず、不思議に感じていました。

一方作品の評価点数は、多くの人が観れば平均評価が下がりやすい傾向もありますので
(例外はありますが)、
今回は評価に引っ張られず、自分の目で確かめたいと思って観賞することにしました。

実際に映画を観てまず思ったのは、評判に左右されず素直な気持ちで向き合えば、
とても面白い作品だということです。

作品の世界観は明るいものではありませんが、設定や空気感に一貫性があり、
“この作品の世界はこういうものだ”と自然に納得できる説得力がありました。
そのため、観ている最中に違和感が生じず、物語へ集中しやすかったです。

また、キャラクターの感情描写が丁寧で、登場人物たちの抱える想いや
葛藤が観ているだけでわかっていく感覚がありました。

派手さで押す作品ではありませんが、そのぶん、観賞後にじんわりと余韻が残り、
物語のテーマについて考えたくなる深さがあります。
この“静かな面白さ”が、この作品の大きな魅力だと思います。

ただ、物語の基調が暗めであるため、人によっては気分が重く感じる
可能性もあります。
そこが評価の分かれ目になっているのかもしれません。

終盤に差しかかった頃、主人公の声に聞き覚えがあることに気づきました。
しばらく思い出せなかったのですが、エンドロールで答え合わせをして、
芦田愛菜さんだとわかりました。
有名人が声優を務める場合は上手い・下手がはっきり出ることがありますが、
今回は最後まで気づかないほど自然で、とても上手だったと思います。

ほかにも有名俳優が多数出演していることがエンドロールでわかりましたが、
いずれも違和感なく役に溶け込んでおり、さすがだと感じました。

総じて、事前の評判だけではわからない“深さ”や“余韻”を持った良作であり、
自分の目で観る価値のある作品だったと思います。

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ごま
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