「心の成長を遂げていく娘とその成長を願う父親の愛を描いた物語」果てしなきスカーレット のばっきさんの映画レビュー(感想・評価)
心の成長を遂げていく娘とその成長を願う父親の愛を描いた物語
この映画は酷評が多く、宗教だ思想だと口コミされているのが目立って鑑賞する前はどんなのだろうとチョット心配もあったが私の感想は全く違った。
確かに設定や背景の難解さは否めないし、聖の登場には唐突感や違和感もある。
だけど、根底に流れている大きなテーマというか物語の根幹にはこれまでの細田作品と共通するものが大いにある。
それは、子供の成長に対する親の思いとその子供の成長する姿
物語の序盤で父親である国王は処刑されてしまうが、その時に子供であるスカーレットに残した言葉が物語の終盤から結末へ至る大きな伏線となっている。
それは、娘の成長を願う父親が、処刑される前の最後の瞬間に発した娘への思い。
スカーレットはその言葉の意味を問い続けるなかで成長していき、物語の最後にその本当の意味を知ることとなる。
私は、映画を見ていて挿入歌である「祝祭のうた」がかかった辺りから終盤までほとんど泣きながら映画を見て、エンドロールでは芦田愛菜さんの歌を聴きながら放心状態のようになってしまった。
私の中では今年一番泣いた映画だ。
全くの余談だが、私には娘も息子もいる。
娘は、悩みながらも働き続け、息子は今まさに消防士(聖の職業は看護師だった)としての仕事を始めようとしている。
そんな子供たちと子供たちの成長を願う自分の思いがドハマリした結果かもしれない。
境遇が違ったら全く違う感想を持った可能性もある。
現に私も「となりのトトロ」を初めて見た時、当時独身で当然子供もいなかったが、何がおもしろいのか全く分からなかった。
エンドロールが流れた時、「え!これでおわり?」と思ったものだ。
でも、子供が生まれてから改めて見直したときは泣けて泣けてしかたがなかった。
見る人の人生のステージによって感じるものが全く違うことがあって、この映画が評価されていない原因のひとつになっているのかもしれない。
とはいえ「果てしなきスカーレット」は僕にとってはすごく良かった。
根底にながれるテーマは「おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」などにも通じるものがあると思うし、設定が突飛なのはほかの作品にもあって許せる範囲なのかなと感じています。
厳しい評価の多い作品ではありますが、僕は楽しめる良い作品だと思います。
試してみてください。
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