「壮大な凡作。シェークスピアにはなれなかったね…でも観るならあえてIMAXで。」果てしなきスカーレット 豆腐小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な凡作。シェークスピアにはなれなかったね…でも観るならあえてIMAXで。
久しぶりの細田監督の作品である。舞台は中世デンマーク復讐と愛の物語…しかし残念ながらやはり公開当初からの酷評のそしりは免れないかなと。いったい何が言いたいのかよく分からないぽやっとした印象の作品だった。キツい言い方だが「薄いテーマのシェークスピアもどき」というのが正直な感想。なまじ映像の出来が良いので、なんのメッセージも受け取れない出来の悪いストーリーが際立ってしまい、鑑賞後は感動やカタルシスとは真逆の平野に置いてけぼりなのだ。あえて観るならIMAXで映像美だけを堪能した方がよほど満足度は高かっただろうと悪態をつく。
…思うのだが、細田監督は脚本を書かない方が良い。今作を見てどうもその部分の才はいよいよ怪しい気がしてならなくなった。原作としては良いのだろうが、とにかく脚本の出来がダメなのである。
まずあのダンスシーンはまったく意味不明だ。無理くり入れた感が際立ってダサい(街中で踊るモブの作画手を抜きすぎw)勘弁して欲しい。あれほど「殺すな殺すな」と言ってた聖があっさり人を殺すわ、死者の国で髪を切ったスカーレットが生き返ると髪が短いとかなんだ?しかも生き返ってみれば仇の叔父王は、間違って飲んだ毒で死んじゃってました??間抜けか!他の従者共も揃って同じ死に様で死者の国送りだったのかねぇ?www そして何より死者の国は死と生が混ざり合う場所ならば別に生きてるスカーレットが戻らなくてもいいんジャネ?本人戻りたくない言うてますやん。
真面目な話、もし今後作品を作るのであれば、名作サマーウォーズの時のように奥寺佐渡子氏でも脚本家を立てた方が無難ではなかろうか。その辺、出資会社各位も検討の余地は大ではないだろうか?
さて…鑑賞後、ハタと思ったのだが
これ、あの有名な都市伝説ドラえもん最終回「ドラえもんのお話は植物人間だったのび太の夢でした」と同じ夢オチだったんじゃないか?
つまりこのお話は、スカーレットは実在せず、すべて通り魔に刺された聖が臨終間際に見た夢
そう「(死にゆく聖が見る)果てしなきスカーレット(の夢)」だったんじゃないか!?
…とオチをつけて帰路についたのでした。
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