「これはちょっと…」果てしなきスカーレット ふくたろう6101さんの映画レビュー(感想・評価)
これはちょっと…
かつて酷評された「ドラゴンクエストユアストーリー」を思いっきりハードル下げて観たらそこそこ楽しめたので、こちらも同じやり方で楽しめる…はずだった😰。いや、すみません。どんなにハードル下げてもこれはダメでした。賛否両論の作品ではあるが圧倒的に否に同感。つまりは「主人公が復讐の虚しさに気づき憎しみを捨て善政をなす」というたったそれだけのプロットのために、この主人公たるや劇中でなんと「何もしない」のである。そして主人公との対比として登場する現代日本人の青年も、この主人公に対して「な~んにもしない」のである。ベタな平手打ちの一つすらしない。強いて言えば楽器を弾いて歌を歌うくらいのものであるが結果として表れる現代日本の夢は主人公が勝手に見ただけで青年が何か見せたわけではない。「復讐に取り付かれた中世西欧の王女と現代日本の男性看護士がもし出会ったら」という美味しいシチュエーションに対して信じられないことに「お互い何となくひかれあう」以上のドラマが何も展開しないのだ(というかドラマが作れなかったから代替にあの夢のシーンだけ作ったとしか思えない)。主人公は争いの無益さに気づく役どころなので他人を傷つけてはならない、じゃあ作劇上どうするか。悪い奴は周りが全部懲らしめてくれるのである。何なら主人公と何の関係もない怪物が唐突に現れて悪い奴らをやっつけたり相手が勝手に自滅してくれたりする。主演の芦田愛菜はさすがの熱演だが、思ってること全部口に出す脚本のお陰でセリフが異常に多いのが気の毒でならない。そして単に卑劣なだけの魅力も深みも何もない悪役に声当ててるの役所広司だぜ信じられるかい。他にも物凄い役者の無駄遣い。なに、理屈をこねるこたぁない、この作品の魅力のなさは「風の谷のナウシカ」と思い比べるだけで事足りる。日本テレビさん、ポストジブリ、ポスト宮崎駿は欲しいだろうと思いますが、悪いこと言わない他をあたった方がよい。
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