「説教というか演説というか」果てしなきスカーレット Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
説教というか演説というか
絵は素晴らしかったです。
もう他の方も指摘されてますけど、物語の骨組みだけがあって、物語そのものが薄く、その薄い部分をセリフで埋めようとした結果、言葉が浮き上がってお説教とも演説ともつかない応酬になってしまっている感じですね。
聖が男性の看護師って設定は女性ながら剣士という主人公との対比のはずなのに、どのような対比かをきちんと描かないので(かなり忖度して補ってあげればまあわかるにはわかるのですが)、単なる設定以上のものになってないですよね。
聖にもキャラに厚みを加える物語が必要だったのは明白です。
やりたいことはわかります。
「ハムレット」「神曲」「2001年宇宙の旅」……などなどの物語を融合してなおかつあらゆる年代の死者が集まるボイド空間を、主人公が自分の欠落に気づくまでの煉獄として描く、といったあたりでしょうか。
しかし、その世界観を支える思想も物語もなかったということでは……。
前作でも「そんな簡単に済むわけがない」と思わされましたが、今回はそのオンパレードになってしまいましたね。
マッチョ的な鈍感さが減ってきてるのはわかるんですが。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
