劇場公開日 2025年11月21日

「復讐を果たすか…? 自分を許すか…?」果てしなきスカーレット bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 復讐を果たすか…? 自分を許すか…?

2025年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

斬新

宮崎駿、新海誠と並び、日本アニメ界の3大巨頭の1人、細田守監督の待望のオリジナル新作。予告編でも、自分の好きな中世ヨーロッパの乱世を舞台に、そこで闘う女戦士の姿が描かれていたので、大いに期待していた作品。しかし、いざ公開してからのレビュー評価は、酷評の数々。「ミュージカル」とか「細田作品に求めるモノと違う」というコメントが多く見られ、いつもの細田作品らしからぬ評価の中で鑑賞したが、何と、13時00分上映の回に、自分を含めてたった4人しか観客がいなかったのにも驚かされた。

確かに、これまでの様に、現代社会の最先端を行くデジタル世界やバーチャル空間との融合を、映像美で魅了してきた細田作品とは、かなり系統は違う。どちらかと言えば、ファンタジーなお伽噺的な内容とも言える。特にラストシーンは、ディズニー映画でよくみられるお姫様作品のラストシーンの様で、物足りなさは感じた。個人的には、酷評するほどの悪い内容とも思えなかった。

本作の舞台の中心となる、死後の世界の背景は、『生と死が交わる領域』として、斬新な捉え方をし、そこは細田作品、細部に渡るまで質の高い映像を見せていた。そこを舞台として、国王であった父が、伯父に殺され、その復讐に燃える王女・スカーレットと、現代の日本からやってきた看護師の青年・聖とが出会い、中世と現代の生き方の違いから『復讐とは何か?』『その先にあるモノは何か?』「自分らしく生きる事とは何か?』を問いかけてくる物語となっている。

その問いのきっかけを、スカーレットに与えたのが、聖が歌った現代のある1曲で、そこからスカーレットが覚醒し、ミュージカルの様なシーンが投影されるていくのだが…。自由を謳歌する自分を夢見る、スカーレットの心の内を描いたシーンであったのだろうが、前振りは確かにあったにせよ、あまりに唐突過ぎる明るい曲でのダンスシーンは、シリアスな物語の流れから言っても、興醒めするシーンだったと感じた。

一方、声の出演は、相変わらず豪華。スカーレットには芦田愛菜、聖には岡田将生が、過酷な運命に定められた2人を熱演している。適役のクローディアス王には、細田作品ではお馴染みの役所広司が演じ、その他にも、市村正親、吉田鋼太郎、松重豊、斉藤由貴、柄本時生、染谷将太等、声優陣というより大御所の俳優陣が集結し、声を聴き分けるのも、楽しい観方かもしれない。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2025年11月23日

おつろくさん(^^)コメントありがとうございます😊
細田作品に対する敬愛の念が伝わるコメントでした。私も酷評を受けるほど、悪くは無いし、それなりのメッセージ性のある作品だと感じました。
ただ、これまでの様な日常の中のバーチャル的な内容を期待した人や、王道すぎるラストには物足りなさは感じたと思います。

bunmei21
おつろくさんのコメント
2025年11月23日

共感ありがとうございます!

前作の「竜とそばかすの姫」の時も酷評が多かったですが、細田監督が今までのエンタメ重視の作品から、何かの重いメッセージを託した作品に方向転換したからだと思います。竜と~では児童虐待とSNSの陰と陽を訴えていましたが、今回は「赦すことで争いをなくす」という重いテーマで訴えかけていると思います。

自分みたいな細田守教の熱心な信者は、教祖のメッセージを受け止められればそれで幸せになれるのですが、今まで通りのエンタメを求めている人にはこれからも酷評されるでしょうね。すでに世界中で上映することが決定しているので、あとは日本以外の信者がどう受け止めるかによって、手のひら返しをする人も出てくるでしょうね。

おつろく
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。