「アニメはもっと気楽に観たいよ・・・。」果てしなきスカーレット Takashiさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメはもっと気楽に観たいよ・・・。
映像美とは素晴らしいものだ。映画館で映画を観る一番の醍醐味は音響にあると思っているが、作品そのものの質として映像の美しさは欠かせないのが当然だ。それが凄いと、ある程度の演技の酷さや脚本の駄目さに目を瞑って最後まで鑑賞できるのだから。
ヒロインの演技や監督自ら書いたという脚本についても色々と言いたい事はあるが、それ以上にあのキャラクターは何だ?現代日本から来た看護師の男とかいう。本当に意味が分からない。ヒロインが「虫唾が走る」と言っていたが同感だ。なのに別れ際にキスするし、あの瞬間に本当に心が冷え切った。
あの男、当初は通り魔か何かに刺された記憶が無くて突然変な所に来た認識のはずだ。なのに歌歌いながら歩いているってどういう神経しているんだ?パニックになるだろまずは。なるほど、ヒロインと会う前にそれは済ませて落ち着いたと仮定しよう。しかし剣やら槍やらで襲われておいて、そいつら襲撃者の安否を気遣うのは明らかにおかしい。自身の立ち位置も分からず、どうしたら元の場所に帰れるかも分からない状況で他人の治療優先するか?いざという時のための自分用だろう背中の医療グッズは。バックボーンも何も無く、突然ヒロインの前に現れてその行動は理解不能だ。それとも医療従事者の方々なら違和感無く観れるのか?私が自分の事しか考えない最低野郎なのか?それも否定はしないが。敵集団に単身乗り込んで「戦いはやめましょう」とかほざいたり、ヒロインに殺すなとか言っておいて自分も殺してたり、言葉を選ばず言うとイカれている。どうしてもそうさせたいなら、不自然にならないような工夫をしなければならないのに何も無い。ヒロインも大概だが、コイツにずっとイライラしていた。
要はあの世界は死にそうな人がたどり着く訳か?現実でそのまま死んだらその世界でもそのまま、一命を取り留めたら現実に戻れる、みたいな?で、時代や国も様々。それはいい。なら日本人が現代人一人だけなのは何故だ?もっと時代や国、そして人種も入り混じっていたなら設定に説得力があったのに。正直地獄以外の何ものでも無いと思うが。
結局は「復讐を止めたら仇に天罰が下ってラッキー☆」というのが主張ですか?と投げかけたい。争いの連鎖が~みたいな話があったが、今回のヒロインの行動は全く違う。ただ、父が殺されたから仇が憎いだけだ。これが、何代も続くような別の国とか王族とかの仇敵が相手でそいつらを憎むように育てられてきたのなら争いの連鎖の話も分かる。ヒロインが復讐を果たした場合、そこから連鎖するからやめろって話か?その場合は「泣き寝入りしましょうね」がこの作品の主張か?復讐に囚われず自由に生きろと言いたいのかもしれないが、なんの非も無い大好きな父が目の前で無残な最期を遂げたのだ。本人が選択したんだから放っておけと言いたい。序盤でもラストでも、躊躇せずさっさと剣をぶっ刺しておけば良かったのにとさえ思う。つまり、そう思わせてしまう作りが駄目なんだということだ。16世紀と21世紀の差もあるし国も価値観も何もかも違うのに、渋谷か何かでダンスする幻想見たら他の生き方あったかなと泣き出すとか・・・うーん勘弁してくれって感じだ。おかしな世界のおかしな出来事を描いているのに、どうして現代日本の価値観に合わせなくてはいけないのか?今の時代では当たり前の言い分も、それを作品の中で叫ぶ事が正解とは限らないしうまく伝わるわけでもない、という良い例ではないかと思う。
誰が監督・脚本をしようが誰が声優をやろうが一向に構わないが、つまらない作品は観たくない。ただそれだけ。エンドクレジットが終わって明かりが点いたあと、すぐに立ち上がらず余韻に浸りたいのだ。一刻も早く立って混む前にお手洗いに行きたいなどと思わせないでほしい。
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