「清々しさの残る“赦しの物語”」果てしなきスカーレット stingさんの映画レビュー(感想・評価)
清々しさの残る“赦しの物語”
細田守監督が『ハムレット』を大胆に換骨奪胎し、復讐と赦しをめぐる物語として再構築した本作は、非常にストレートで誠実なメッセージ性が特徴だ。
死者の国で出会うスカーレットと現代日本の看護師・聖の対比は明確で、価値観がぶつかり合いながら互いを変えていく流れは素直に胸に響く。
特にクライマックスで復讐ではなく生を選ぶスカーレットの姿は、王女としてではなく“ひとりの人間”としての成長を印象づける。
細田作品としては複雑な仕掛けや意外性は控えめだが、そのぶんテーマがまっすぐ伝わる。
ビジュアルの迫力や、旅の中で育まれる2人の関係性の温かさもあって、寓話としての完成度は高い。
大人目線では物語の深掘りがやや浅い印象も残るが、若い世代には強いメッセージとして届くだろう。
総じて、清々しさの残る“赦しの物語”として好感が持てる一本。
評価は☆3だが、誠実にテーマを描き切った良作だと感じた。
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こひくきさんのコメント
2025年11月24日
★共感&コメントありがとうございます。
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> 細田作品としては複雑な仕掛けや意外性は控えめだが、そのぶんテーマがまっすぐ伝わる。ビジュアルの迫力や、旅の中で育まれる2人の関係性の温かさもあって、寓話としての完成度は高い。
まさに仰る通りだと思います。
個人的には、みなさんのレビューを拝見した上で、もう1度観たいと思っています。
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