「現代(いま)の世相に合致するスカーレット」果てしなきスカーレット ミドランさんの映画レビュー(感想・評価)
現代(いま)の世相に合致するスカーレット
「果てしなきスカーレット」…、どうやら自分とは相性が良かったようで、素直に感動した。
序盤は、刺客とのバトルにまず感心。スカーレットは訓練してはいるが無敵ではなく、毎回ギリギリで勝つ。その“強すぎない”動きが良い。
展開もどこか上品で、「あれ、これはただのアクションではないな」と思っていたら、どうやらハムレットが下敷きらしく、物語全体に一本、しっかりした軸が通っていた。
「死者の世界」は各国の死者が混ざり合っているような設定で、他のイメージの“詰め込み”も許容範囲(宮崎駿や新海誠のように“詰め込まないと客を呼べないと思い込んでいるかのようなごった煮感”とは違う)。
旅の相棒である青年の理想主義、その青年の世界、スカーレットの夢の中での“現代の渋谷のような世界”へのジャンプ&ダンスも、復讐譚への対比として効いている。青年の死因も、そして彼が平和主義者でありながら、どうしても手を血で染めなければならない瞬間の決断も納得のいく描写。
そして極めつけは、弟に惨殺された父王がスカーレットに向けた「許せ」という一言。この解釈が謎として物語を強力に牽引し、細田守脚本が最後に出してくる“意外な答え”には感服した。
惜しむらくは、「鬼滅の刃 無限城編」にも感じた点だが、ほぼ全編がCGで味気ないこと。もちろん技術としては頑張っているのが分かるし、“動き”のあるシーンは許せる。しかし、“静”の場面――アニメならではの“演技”が問われるシーン――でどうしても、アニメ表現としての希薄さが気になってしまう。これはかなり大きな問題だが、唯一の欠点といえる。
最後の最後まで観ると、私は 「スカーレット=高市早苗説」 が成立するんじゃないか…と思ってしまった次第👍
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