「こんなこと言いたくないホントは…」果てしなきスカーレット Yuhideさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなこと言いたくないホントは…
ホントに酷い。
良いところが全く見当たらない。
細田守監督作品は、どんどん問題点が見つかってきていたが、それでも見せ場はあった。しかし本作はそれすらない。
テーマはいま描くべきものだ。
復讐そして憎しみの連鎖はどうすれば断ち切れるのか。
現代とのリンクもいい。
いまもって人類は争いを続ける。
現代と16世紀の争い、なぜ起こるのか。
違いはあるのか。
いくらでも深掘りすることはできた。
細田守監督も、コロナ以降の現代で戦争が起こり続けたときに、テーマを復讐に決めたという。
しかし…
描くには荷が重かったとしか言いようがない。スカーレットが復讐をやめた場面はなんだ。陳腐すぎないか。復讐の相手を前にして、懺悔の言葉を信じてしまう。そのあと復讐の鬼と化しても、まったく共感できない。ひとりで復讐心にまみれ、勝手に許し、そして憎しみから自分を解放する。見てる人たちを置き去り…
いちばんの問題は、ラスト。
スカーレットが国を治めることになるが、お花畑すぎて、げんなりする。
隣国と戦争しない、貧しい人を出さない、平和な国にする。どうやるんだよ。それが難しいから、いま現代にいたって、戦争が起こってる。国民もすぐに賛同する、笑いながら。なぜ?
細田守監督は、スカーレットのやり方なら、平和になると思ってるだろうか。
理想を描きたいのはわかる。
メッセージなんてシンプルでありふれたものでいい。
だがそのためには、展開がチープすぎる。
ストーリーがあり、演出があり、葛藤からの解放がある。すべてがチグハグ。
どうしてこうなるのか。
本作で重要なのが、歌だ。
平和を願う。現代と過去をつなぐ。
だが、まったく響かない。
歌詞が薄ら寒い。
音楽としても印象に残らない。
ヒットするわけない…
クレジット見ると、歌詞は細田守だった。
なぜ…
「竜とそばかすの姫」は終盤に大きな問題がある作品だが、それでも音楽の力をおおいに感じた。
わかっていながら、プロの力を借りないのは、どうかしてる。芦田愛菜がかわいそう。
すべてやりたくなるのだろう。
指摘されてることだが、脚本も細田守がメインになってから、支離滅裂になったのは間違いない。
そして音楽まで手を突っ込んで、大惨事になってしまった。
だれも製作中に指摘しないのかな。
素人でもわかること。
脚本のダメさ、音楽も。
作品をより良くするために、誰かに任せるのは、負けではない。当たり前のことだ。
あと恋愛要素はいるだろうか。
スカーレットと聖が、いきなり好きモードに。感動するより、ドン引き。
聖は、バカなやつすぎる。あんなわけわからん場所に来て、周りを信じ切るって、だれも共感しないよ。両手広げて争いやめろって。攻撃受けてスカーレットが犠牲になって、イライラした。で、スカーレットを治療する。てめぇのせいだろ。マッチポンプすぎるよ。
龍はなに?裁きの存在なんだろうけど、都合良すぎない?クローディアスまで。なにが正義で悪か判断つかないから、争いが起こる。それを龍のさじ加減で、天罰くらわせていいなら、もはや害悪だろう。
ダンスもどうしたんだろ。いきなりフラダンスはじめるのなんだったんだ。渋谷のダンスも、みんなAIか?というくらい、不思議だった。OZ空間を構築した人だよね?作りかけの仮想空間に、ロボみたちなダンスする人たち。
あぁ、もうこんなにイヤなこと言いたくないんだよ。もっとほめたいんだよ。細田守監督には、時かけ、サマーウォーズ、おおかみこども、そしてデジモンで、熱い感動をもらったんだよ。どんどん悲しくなる。
ハムレットもモチーフにしたのは失敗。表層的すぎて、びっくりする。
いい加減、目を覚ましてほしい。
オリジナル脚本にするなら、脚本家起用する。一線級のアーティストと楽曲つくる。原作ありでもいい。それだけで、絶対だいじょうぶ。
どうかお願いします。
同感でした。
こんなこと思いたくないのに…もっと褒めさせてくれよ!と。
今回観客置いてけぼり独りよがり作品すぎましたね。
期待はあっただけに余計に残念でなりませんでした。
凄い厳しく見てらっしゃいますね。私は聖は命を大切にするという設定だから能天気に人を信じてしまうのではと思いましたけれど、スカーレットは見果てぬ夢がまだ見たことのない現代社会呑気に若者が渋谷に集合してハローウィンを楽しんでいる様な世界だったのではないのでしょうか?少し悔しいのでChromeに登場した貴方に反対意見を申し上げております。私は最後まで飽きずに見れました。
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