「果てしなき虚無への説教」果てしなきスカーレット RF-Seanさんの映画レビュー(感想・評価)
果てしなき虚無への説教
前作の竜そばも大好きだし、これまでの監督作品を概ね好ましく受け止めてきた民として忌憚ない意見を述べる。
4年ぶりの新作ということで、期待して見に行ったが、正直つまらなかった。何も心に残るものがなかった。ハムレットを題材にしているということで、嫌な予感はしていたのだが、実際、自分にとっては何も得るものがなかった。残念な2時間であった。
良いところを述べると、まずは声優さんの熱演。芦田愛菜はハードな芝居をこなし剛柔を使い分けた熱演がとても良かった。周りを固める声優さんも名だたる名優ばかりなので、若干周りに押されている感だったり、拙い演技の部分もあったとは思うが、それでも十分に素晴らしいと感じた。
映像表現はこれまでにないレベルで繊細かつ微細な背景CGが随所に見られたし、竜のCGであったり、落雷のCGであったりと、迫力満点で目を見張るような見事なものが多かったと思う。
ただ、どうしてもストーリーが受け入れられなかった。道徳の授業なのかと思うばかりのくどくて説教臭いセリフ回し。虚無の設定や死に様もあっけなくて心に残らない。辻褄というか整合性を放棄して伝えたい事を優先したのだろうとは思うが、伝わるものがなく虚無感を抱き続けた2時間弱だった。
何が言いたいのかわからない。
何を伝えたいのかわからない。
いったい、細田監督は私たちに何を見せようとしたのだろうか?
時かけと国宝の脚本をした奥寺さんよ。
どうか帰ってきてくれと望むばかりである。
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