キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのレビュー・感想・評価
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離婚と実家喪失の物語。 あまり笑えなくて、ちょっと物悲しいコメディ。生きるために必死だったドブネズミのおはなし。
レオナルド・ディカプリオの良さは
いわゆる「場末感」。“育ちの悪さ”にあるのだと思っている。これは彼ならではのものだ。
たとえその作品の役柄の上で、彼がスターダムにのし上がって行き、ブラックタイに豪邸を身にまとう“成功者”(セレブ)になったとしてもだ。
たとえば、「代々続く生粋の良家の子女たちが、王立演劇学校を経て俳優となり、与えられた脚本への研究や監督の意向に従って《ワル》を演じたりする 」―のとはどこか違って、
ディカプリオという個性は、いつまで経っても一流にはなれない低層の哀しさを、その“匂い”と“生まれ”で醸す役者だと思うのだ。
監督はまさにそこを痛烈に突く
「なぜ電話してきた?お前、話し相手がいないんだろう?」。
この FBIの捜査官=ハンラティ(トム・ハンクス)のあの急所への一撃。
一年に一度、一人ぼっちのクリスマスに、フランクはハンラティに電話をする。ハンラティは毎年その晩、同じく一人ぼっちの境遇でフランクの電話を取ってやるのだ。
幾度も回想シーンが織り込まれる、それは父と母の幸せなダンスの光景。
でもフランクの父親は事故で死に、
母親は家を出たあと知らない男と再婚して子供までもうけていた。
フランクはハンラティに何度も繰り返し訊く
「結婚はしているのか」
「子供はいるのか」
「何歳の子か」。
親の離婚で寒い路上に放り出されてしまったそんな子供たちの境遇。
もうどこにも帰る実家がない、寄る辺ない17歳の“孤児“を、捜査官ハンラティが新しい父親となって、浮浪児を更生させるというストーリーだったのだ。
「父」を演じさせればトム・ハンクスは天下一品。
監督はあの「ET」で、寂しい子供の胸のうちをすくい取ったスピルバーグだ。そのスピルバーグとのタッグだから、素のディカプリオ本人も納得してキャスティングに応えたのだろうと、僕は勝手に解釈する。
彼がどんなに見事に詐欺を働いてパイロットや弁護士や医者になりすまそうとも、
やはりフランクは「両親が離婚して家を出ざるを得なかった子供の顔」だった。本当はまだまだ安心できる家庭が必要な17歳の子だったのだ。
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そして本作品で采配を振るったスピルバーグは、ガス室の恐怖から逃れてきたユダヤ人移民の子であり、ウクライナ系であり、自身、両親の離婚を体験してしまった過去を持っている。
監督の生い立ちは、作品にしっかりと反映している。
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「アビエイター」へのコメントを下さった めるさんのオススメで観賞しました。
ありがとうございました😊
それなりによかった
嘘のような本当の話
職人芸的な快作として評価
【鑑賞のきっかけ】
スピルバーグ監督作品は、ほとんど鑑賞していたけれど、本作品は、観逃していました。
そこで、動画配信で鑑賞することにしました。
【率直な感想】
一般的に評価の高い本作品は、クライム・コメディと紹介されることが多いようですが、あまりコメディの要素は感じられなかったです。
どちらかというと、シリアスな作風に感じた私は、少数派なのかもしれません。
本作品は、冒頭で、レオナルド・ディカプリオ演じる主人公が既に囚われの身となっていることや、実在の人物の自伝小説を原作にしていることから、最後は、逮捕されて、改心する物語だろうということは想像できるのですが、それでも、飽きさせることなく、物語展開させていくところは、さすが、スピルバーグ監督という感じでした。
主人公の詐欺の手口は、直接的には、「偽造小切手」を使って、現金をだまし取るものなのですが、その前提として、パイロットでもないのに、あたかも本物のパイロットであるかのように装おうなど、「身分の偽り」を騙しのテクニックに取り入れているところが、これまで観たことのない犯罪映画となっていて、大変に興味深く鑑賞することができました。
この詐欺師である、ディカプリオを追い続けるのが、トム・ハンクス演じるFBI捜査官なのですが、全編に展開する追いかけっこは、日本の作品で言えば、ルパン三世と銭形警部の関係を想起させました。
冒頭にシリアスな作風と書きましたが、この二人の関係について言えば、どことなく、ユーモラスな味わいが感じられます。
題名にもあるとおり、「捕まえられるなら、捕まえてみな」という、トム・ハンクスがもう少しのところで、ディカプリオを取り逃す展開により、あっという間に最後まで鑑賞できる作品に仕上がっていました。
ただし、ちょっと意外だったのは、ラスト近くの、ディカプリオが逮捕されてからの展開で、こんな展開ありか、でも、実話だよね、と、いわゆる「事実は小説より奇なり」を体現していたことがとても印象に残っています。
また、詐欺師ゆえ、嘘をつき続けていたディカプリオが、たった一つだけ「真実」を述べていたことが、その理由とともに最後に明かされるのですが、これには、正直なところ、驚かされました。
最後に、エンドロールが流れる直前、本作品の主人公が現実世界で、その後、どんな人生を歩んでいったのか、テロップで説明されるのですけれど、これにも、また、びっくり仰天です。
【全体評価】
全編を流れる、追いかけっこの観客を引き込む展開に加え、現実の主人公のその後の人生で、観客をあっと言わせて締めくくるという、映画の職人芸的な技を見せつけられるような、快作であったと感じています。
天才だと追う方も惚れ込む
逃げるディカプリオ‼️追うハンクス‼️
スピルバーグ監督、ディカプリオ主演、トムハンクス助演という最強トリオで描く小気味いい犯罪映画の秀作‼️16歳から21歳までの間に400万ドルを稼いだ10代の詐欺師と、彼を追うFBI捜査官の物語‼️パイロット、医者、弁護士、そしてジェームズ・ボンド風にキメてアストン・マーチンを乗りこなすディカプリオのコスプレショーが最高‼️常にディカプリオに出し抜かれるハンクスも肩に力の入らない演技で好感が持てる‼️10代で詐欺師となった主人公の未熟な孤独感という作品テーマもヒジョーに見応えあります‼️そしてジョン・ウィリアムズのジャズ調のスコアにのって、ピンク・パンサー風のアニメで展開されるタイトルバックもホントに素晴らしい‼️
頭いいやつの話は観ていて頭良くなった気がして楽しい 詐欺を働くシー...
実話をもとにした天才小切手詐欺師の仰天ストーリー
実話をもとにした映画だったとは衝撃でした。
スティーブン・スピルバーグ監督によるレオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスのW共演で描いた映画で、一言で言うと面白かったです。
FBI捜査官カール(トム・ハンクス)と巨額詐欺事件を犯した天才小切手詐欺師の主人公のフランク(レオナルド・ディカプリオ)のアメリカをメインの舞台として展開する鬼ごっこ。
その中で、奇想天外な発想力と行動力で次々、姿を変えて行方をくらましながら展開するストーリに目が離せません。
主人公のフランクが幼少期に経験した両親の離婚の経験が楔となって、愛情を渇望し、本当は人を信頼したいけどまた傷ついてしまうのではという恐怖や寂しさといった感情の機微を安定の演技で表現しています。
最終的には、フランクとカールがお互いの約束を守り、誠実な態度で信頼関係を紡ぎ続けたことで素敵な関係に収まっていったのがよかったです。
憧れの人になるレオ様
実話。詐欺師とFBIの追いかけっこ。
映画『ギルバート・グレイプ』で、アーニー(レオナルド・ディカプリオ)の兄のギルバート(ジョニー・デップ)は長髪イケメン。
今作でフランクを演じたレオナルド・ディカプリオは(アーニーの憧れの兄のように)長髪イケメンの姿を披露した。『タイタニック』ですでに”レオ様”という美男子俳優の座についていたし、今更で間抜けなことを言うが、おめでとうディカプリオ。
今作は、レオナルド・ディカプリオの演技力の良さが生かされていた。
ウハウハでカッコいい憧れの姿になったフランクおめでとう。
フランクを執拗に追うFBI捜査官を演じたトム・ハンクスも最高に美味しい役で、本当におめでとう、今更ながらだしここで言っても本人が読む確率は低いだろうけど。
トイレ行ったり、ディカプリオの濡れ場もあって、リアルで没入感があって面白い。
彼らが年1回電話してるうちに友情(なのか愛なのか何か)が芽生えて、お互い報われて良かった。
生クリームをバターに
生クリームに落とされた2匹のネズミ
片方は溺れて死に絶える
片方はもがき続け生クリームをバターにして脱出する
フランクは親の経済的な変化、両親の離婚、という生クリームから脱出しようと奮闘した結果、特筆したスキルを身につけFBIになった。
パイロット、医者、弁護士、FBIのうちなるのが難しい職はなにか?
適切な手段で勉強すれば弁護士になれる。フランクは2週間勉強した?
FBIには突出した能力が必要なのかもしれない。そういったスキルを身につけるのは本気で何かに取り組んだ果てに得られるのかもしれない。
嘘をつかずに真っ直ぐに努力することでハンラティは目的であるフランクの逮捕と優秀な部下を手に入れた。
何かに向け努力することにより、社会から必要とされるスキルは身につく。
その手法が誠実な手法であるか否かによって、対価は変わるのかもしれない。
フランクの対価は少し少ないが、ハンラティは2を手に入れたといえるのかもしれない。
ジョンウィリアムズの音楽が良かった。
フランク以外が無能に見えてしまう部分もあるが、あくまでエンタメ映画としてバランスを取った結果?とも言えるので、これはこれでよいと個人的には思う。
孤独感が彼を犯罪に走らせる
彼は早くから小切手詐欺で大金を稼いでいた。それにも関わらず彼は身分詐称や小切手詐欺を止めず危ない橋を渡り続けている。それは、孤独感や周囲の人間から認められたいという承認欲求から来ているのだと思う。
作中では、ライバル的な立ち位置のトム・ハンクス演じるFBI捜査官、カール・ハンラティに、クリスマスの日に電話をしている。そのときカールは「お前が電話をしてきているのは話せる相手がいないからだ」と主人公フランクを嘲笑している。フランクにとって図星の発言だったようで、怒りをあらわにしながら電話を切っている。また、父親にも継続的に手紙を送っている。これらの行動から、彼の周囲には彼を認めてくれるような関係性の人が一人もおらず、孤独感から逃避するためにパイロットや医者等、皆が優秀だと認め憧れるような社会的地位の高い職業の詐称を繰り返しているのだと思う。その契機となったのが両親の離婚であり、彼の心に暗い影を落とし、犯罪に手を染めさせる原因となっているのだろう。
最終的に彼は逮捕され、FBIにおいて今まで詐欺から得た知見を提供しながら働くという、FBI捜査官カール・ハンラティが提示した条件の元に釈放されることになる。そこからは真面目に働き再犯を起こしていないのだが、これもカール・ハンラティがフランクに寄り添うことで孤独感を埋めることができたのが理由だろう。
彼の孤独感や承認欲求が理解できる部分も大いにあり、色々と考えさせられるとても良い映画だった。
詐欺師ってすごい
実在の詐欺師フランク・アバグネイルをモデルに、パイロットや医師になりすまして巨額の詐欺を働いた若き天才詐欺師と、彼を追うFBI捜査官が繰り広げる追跡劇を軽妙なタッチで描く。
1960年代。高校生のフランクは両親の離婚をきっかけに家を飛び出し、生活のため小切手詐欺に手を染めるがなかなか上手くいかない。
ある時、パイロットになりすませば簡単に人を騙せることに気づいた彼は、各地を飛び回りながら小切手の偽造を繰り返すように。やがて、FBIのベテラン捜査官ハンラティが捜査に乗り出す。(解説より)
本作は実話をもとに作られたことを後から知った。絶対こんなことありえないだろうーと思いながら鑑賞していたもので驚き。
(もちろん誇大表現は多々あるだろうが)
レオナルド・ディカプリオ演じるフランクがとにかくすごすぎる、あの手この手でその場を凌ぐ軽快さ。
終盤、トム・ハンクス演じるハンラティが「お前はウソをつきながら生きていくことの方が楽か?」的なニュアンスの言葉をかけるのが印象的だった。
彼の行動もこの一言で変わったのではないだろうか。
素晴らしい作品だった。
宣材がイマイチなのでは、、、
映画として、面白い!
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