「ゾンビ映画の極北(ゾンビじゃないけど)」28年後... サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビ映画の極北(ゾンビじゃないけど)
常々、ゾンビの脅威が解決しなかった世界がどうなるのか頭の中で思い描いてきた。人型の化け物を殺すことに慣れた人間が、子供を産み育てることができるのか、そのためには一体どんな死生観を身に着けるべきなのか…。
その疑問にこの映画は答えてくれる。生き延びた人間は、感染者を殺すことに慣れればならない、ゆえに感染者をヒトだと思ってはならない、薬がなければ死を受け入れなければならない…。
しかしこの映画が出す結論はその程度ではない。この映画は、他人を想うことをやめてはならないと説く。大切な人の死を受け入れて前に進み、同じように感染者の死にも想いを馳せなければならない。大切な人も、感染して化け物に成り果てた人も、死は同じようにやってくるのだから、と。
ゾンビあるいは感染者と共存する映画は少ない。そんな中で、これこそが共存なのだと強いメッセージを発した作品。
ただ、前作から期待した内容にならなかった点は減点したい。普通、こんなしっとりした映画だと想像しないでしょう…。
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