「予告を見ていた時の想像より、思いのほか楽しめた逸品」木の上の軍隊 よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
予告を見ていた時の想像より、思いのほか楽しめた逸品
正直、予告を見ていた段階では映画の作りあがりに少し不安を抱いてました。
・横井さんや小野田さんじゃあるまいし、国内にいて2年も終戦に気付かないなんてあり得るのだろうか?
・木の上のサバイバル生活がクローズアップされて目を覆うようなシーンばかりなんじゃないだろうか?
・大元の舞台劇なら成立しても一本の映画としてリアリティは大丈夫なんだろうか?
これらの心配は杞憂でした。
戦争ものとして一定の悲惨さや重さはあるものの、要所要所にコミカルなシーンが挟まれて、観ていてつらくなりすぎるシーンはありませんでした。それでいて主演二人の好演に加え、脚本や演出の巧みさにより、当時の置かれた環境の過酷さやあの生活から抜け出すことの難しさなどはしっかり描かれていたかと思います。
戦争を描く作品は多いものの、その背景の主張を強く打ち出しすぎず、ある種の軽やかさも持ち合わせる作品は映画として、とても貴重だなと強く感じました。
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