「現代なりのミステリーホラー」近畿地方のある場所について 大雪さんの映画レビュー(感想・評価)
現代なりのミステリーホラー
VHSに始まりネットの配信、そして最後はSNS、という映像形態の変化を遂げながら怪奇映像を連続させる手法は上手いな、と感じた。そしてそれらの共通点を探りながら元凶の居所を探っていくと、女性主人公である千紘の過去もあばかれて行き・・・という「信用できない語り手」も使った上手い脚本だと思う。
ただ、男性主人公の人となりがよくわからず、疑問に感じてしまったのはマイナス。「なんかずっといるけど良く分からん奴」「ホラー映画によくいるビックリする人・被害者」以上のものを感じなかった。
あと、「ドールハウス」とのネタ被りについて。両方とも「子を失った母親」が中心に据えられていた。「ドールハウス」は母親との共感を深める脚本に対して、こちらは伏線として千紘の部屋に赤ん坊の写真があるのに子供が登場しないという所から始まって……とミステリー色が強めの描き方をしていたので、印象は全く違うと思う。
不満は、「結局このバケモノはなんだったの?」という疑問が最後まで解消されないまま終わってしまった事。謎の岩が元凶、というのはミスリードだったようだし、クトゥルフ的なクリーチャーも登場したけど詳細は不明なまま。結局、こういうもの、と言われればそれまでなのだが、ミステリーならもうちょっと解き明かしてほしかった。
ホラーなら☆4
ミステリーなら(オチのせいで)☆3
なので☆3,5
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