劇場公開日 2025年3月7日

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Playground 校庭のレビュー・感想・評価

全60件中、21~40件目を表示

3.5子供社会、素直な分だけ残酷。

2025年3月27日
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鑑賞方法:映画館

入学したての子供社会の過酷な世界が強烈。子供社会で起きる事を先生も気が付かないことはあるだろうし、ましてやそこに親が割り込む事は事態が更に悪化することも。少女目線で淡々と進む流れに悶々とさせられる感じ。無事に普通に学校生活送るって難しい。

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peanuts

4.5記憶を呼び起こすトリガーとしての映画

2025年3月26日
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鑑賞方法:映画館

マドレーヌの香りで幼少期の記憶がありありと蘇るのはプルーストの『失われた時を求めて』に描かれた、香りが記憶を呼び起こすトリガーとなる現象だ。中勘助の『銀の匙』にも、かつての感覚が匂いや音、何気ない光景をきっかけにして立ち上がってくる場面が繰り返し現れる。

記憶を思い出すというのは、それは単なる情報の再生ではない。それは当時の感覚が、現在の身体の中にもう一度体験的に立ち上がってくることだ。

映画『Playground』は、極めて鋭利な“感覚のトリガー”である。この作品が思い出させてくれるのは、懐かしさや温かい記憶、楽しみさの記憶ではない。幼少期の人生がいかにタフで、理不尽であったか、それを観る者に容赦なく思い出させる。
世界に対してむき出しであった幼少期の鋭敏な感覚そのものを再体験させる映画だ。

6歳の少女ノラが小学校へ入学する場面から始まる。
明確なストーリー展開も、説明的なセリフもない。
観客は終始、彼女の背中を追い、彼女の視線の高さで、彼女の感情のスピードで、世界を知覚していく。

特徴的なのは、極端に寄った構図と、浅いピントである。画面の中で焦点が合っているのはノラの顔や背中、その表情の揺れだけ。周囲の教師やクラスメイト、教室や校庭の風景さえ、しばしばぼやけ、背景に沈んでいく。
この撮影スタイルが、子どもの“世界の知覚の仕方”を体現している。

子どもは、まだ世界を“俯瞰”する力も、“意味づける”技術も持たない。だから、彼女にとって重要なのは「目の前で何が起きているか」ではなく「目の前で何かが起こりそうな感じ」なのだ。

この映画が映し出すのは、世界がまだ秩序を持たず、善悪も理解できず、未来の見通しも立たない頃——生きることがそのまま不安定さの中に投げ込まれていた時間の感触である。

『Playground』が映し出す知覚の世界は、あまりに不安定で、混乱し、感情の揺れに満ちている。
だがこの不安定さこそが、子どもの世界のリアルな“生”の感触ではなかったか。世界を体系的に理解する前、言葉で整理する前、人は感覚で世界に触れている。

大人になるにつれて、私たちは客観的視点や、社会的な認知の仕方を身につける。しかし、それは学習によって獲得された技術であり、ある種のフィクション化でもある。
世界を「合理的に見る」ことはできるようになるが「生々しく感じる」ことを置き去りにすることでもある。

この映画はその虚構を剥ぎ取り、かつて体験してたであろう「わからなさ」「予測不能さ」「説明不能な感情」へと引き戻す。
かつて自分も、あのような世界の中で、言葉にならないまま、
ただ感覚だけを武器にして立っていたことがある、と思い出させる。

ノラは兄アベルが学校で苦しんでいる姿を見る。よく知っていたはずの兄も、学校という異世界ではノラにとっては理解不能な他者である。

学校の大人たちが、どれだけ倫理的に配慮し、見守り、目を光らせていたとしても、子供達の世界は別世界で理解不能であることも見事に描かれる。
だから、子どもは分かり合えない他者である親や教師を前に沈黙する。

この映画を観ていると、もう一つの問いが立ち上がってくる。「大人になる」とは一体、どういうことなのだろうか?
ノラのように、世界をむき出しの感受性で感じ、目の前の現実をまっすぐ受け止めていた、かつての自分を思い出す映画でもあった。

今の自分には、もうあのような鋭敏さはない。それは成長なのか、それとも鈍感化という生存戦略なのか。

俯瞰して見る力や合理的に説明する力は、世界を理解する技術であると同時に、世界の本質から目をそらすための虚構にもなり得る。
世界がこれほどタフなものならば、それをそのまま鋭敏に受け止める感覚は、失わなければ生き延びられないのかもしれない。

現実の世界には、言葉にできない感情や、話し合いによっては埋められない分断が確かに存在する。

いじめの構造、子ども社会の暴力性、そしてその中で何もできない自分——映画の中のノラと同じように、観客もまた、ただそこにいるしかない自分を体験する。

この映画が与えてくれるのは、そのままに世界を受け止め、わからなさとともに在るということではないだろうか。

現代社会におけるさまざまな分断——ジェネレーションギャップ、文化的隔たり、言語の限界——に直面したとき、誠実なまなざしで他者を見つめるための、小さな準備になるのかもしれない。

この映画を観たあと、私たちは“思い出してしまった”ことに気づく。
あの頃の自分、あの知覚、あの世界は完全に戻ることはないけれど、思い出すことによって、今の世界を生々しく体験するための大きなヒントときっかけをくれる映画だった。

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nonta

4.025-043

2025年3月25日
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ドキュメンタリーを観ているようだった。
小学生のリアルな不安と不満、疑問、葛藤、恐怖、そして成長。

子供たちだけの世界には大人の存在はない。
子供たちの思考で世界が作られ、
嘘も真実も、悪も正義も混在する。

ノラの人生に幸あれ。

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佐阪航

3.0ドキュメンタリーのようだった

2025年3月25日
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昔も今も子供は残酷。後味の悪い作品(良い意味でも、悪い意味でも)。

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hanataro2

4.5リアルキッズ

2025年3月23日
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泣ける

悲しい

怖い

随分リアルだな。
子供は天使でもあるし悪魔でもあるって事かな。
音楽なしの一視点で描かれているのは、映画として貴重。

音楽なし、終わり方も好き。

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だるまん

4.5観るべきである。

2025年3月22日
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暗幕庵

4.5子供たちは皆んな大変なんです、。

2025年3月21日
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小学校の時の記憶などほぼないが、あまり楽しいことは無かったと思う。
人はいわゆる大人になり、広い意味で社会と関わることができて初めて生きている実感が持てるものだと思う。だから大人になるまでの嫌なことや小さい頃のイジメや仲間はずれの記憶は忘却の彼方に追い払うようにすべきだ(勿論その為にはそれなりの努力は必要)。
だが、そんな事を言ってもリアルの子供たちは大変だ。ベルギーじゃなくてもどんな国でも。
映画はノラの目線からカメラがひたすら追う。余計な音楽もなく校庭や教室やプールの生の音を拾う。まるでドキュメンタリーを見ているようだ。7歳のノラは初登校では学校という別世界に放り出され心細くてしょうがないので涙ポロポロ。唯一の頼りは兄アベルだが、学校内ではかまってくれない。それでも頑張って靴紐の結び方など色んなことがひとりできるようになり友だちも出来た。これはノラの成長物語と思いきや、アベルが壮絶なイジメを受けていることを目撃。そこから親や先生や監視員などの大人が絡み物語は動き出しアベルはイジメから解放、。なんて簡単にはいかず今度はアベルがイジメをする側になり、衝撃のラストになる。
72分の比較的短い映画だからよかったが、長く観ていることがちょっと辛くなる映画だった。
だが、観て良かった。独特の映画作りが斬新だったし、社会、学校、子供たちに色々と思いを馳せらせることができた。教育に関わる全世界の人々に見て欲しい映画である。

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アベちゃん

3.5子ども達の閉じられた世界

2025年3月21日
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泣ける

悲しい

怖い

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ねこたま

3.5誰もが正解を導き出せないはず

2025年3月20日
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中学生の時に軽いいじめにあい、そのとき強く暴力的に反発したことでいじめから抜け出した経験がある。だから、大人になってもしばらくはいじめには暴力で反発するしかないと思い込んでいた。本作のノラのように。でも、向き不向きもあるし万能な対策ではない。いじめは本当に複雑な問題だと思う。
本作は、妹ノラの目線で描かれる。ノラの目線で、ノラの周辺しかスクリーンには映らない。それこそ、原題のようにノラが感じている「世界」を描いているかのよう。小学生なりのデタラメな知識や思い込み、表層的な理解による偏見も存在するし、大人から吹き込まれた嫌な情報もあったりする。子どもの世界って、そんな不確かなものに日々左右されていくんだよなと改めて感じたりする。その怖さを感じる内容だった。
家庭環境や学校の実情(先生の事情とか)はほとんど語られない。あくまでノラが感じる世界の話だから。だから、兄に起こっている事柄よりも、ノラにとっては自分が孤立する状況の方が深刻だったりする。そんな描写がとてもリアルだった。
あくまでノラの目線で語られているのに、こちらの捉え方は大人目線になってしまう。校庭に監視員がいるんだ!とか(またこの監視員が役立たず)、そこ順番が違う!とか、お父さんはその対応でいいのか!?とか、先生が辞めることになった理由は何?とか。でも、そんなことを考えている自分に正解を導き出せるわけでもない。それくらいいじめは難しいってこと。
ラストは何か解決に向かいそうな気もするし、何にも解決しない雰囲気も感じる。でも、現実を切り取った映画として深く胸に刻まれることになった。自分みたいにどんよりした気分で劇場を後にする人が多いんだろう。それだけでこの映画の意味はある。

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kenshuchu

4.0兄妹愛

2025年3月20日
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怖い

難しい

7歳の少女ノラの目線で描いた作品
学校物は「ありふれた教室」や「型破りな教室」など
先生目線の作品が多いが7歳目線で作られているので
小学校時代の苦い思い出がこみあげてくる
友達ができない不安やイジメに近い行為など
子供は無邪気で時には残酷になる
裕福な家庭、貧乏な家庭、片親の家庭
色々な家庭の事情があるが子供は無邪気に口にしてしまう
ある程度大人になるまでは些細なことで友達関係が変わっていく
最初から後半最終までは重たい空気のまま進んでいく
プールのシーンが時折ありノラの心境を映しているのか
結構観ていて辛くなるシーンが多いが
ラストシーンで少し救われたかな
この映画もエンドロールは無音・・・最近の流行り?

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かちかち

4.03.8ぐらい

2025年3月19日
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ラストを見て、ほっとした。

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Oyster Boy

4.0もう子ども時代には戻りたくない😆

2025年3月18日
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子ども時代って、こんなにしんどかったっけ?
それにしても、楽しくなさそうな学校…。
先生も、「監視員」も、子どもの心に耳を傾けないし、いじめの解決方法も、古すぎる。
そういえば、お誕生日会、子どもの頃、呼ばれたなあ。
見たいものを見たいようにして見るだけではいけない、たまにはこういう、「都合の悪い映画」を観て考えるのもいいな。
観てよかったけれど、二度と観たくないし、人にも勧められない😅

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eigaeiga

4.0とにかくテーマが重い作品だが、観て良かった。

2025年3月17日
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泣ける

怖い

難しい

いわゆるベルギー版小学校いじめ問題だが、とにかくテーマが重い。
妹ノラの視点で描いた作品だが、兄のアベルがいじめられるシーンは観ていて
辛かった。図書館とか逃げ場所があるはずなのに。色々、考えさせられた。
自分もこの作品ほどではないが、いじめに合った事がある。アベルの気持ちも
分かるし、ノラの気持ちも分かる気がした。観てよかったし、色々考えさせられた。
ラストシーンは微かな希望か。観た感触は昨年公開のありふれた教室と同じ感覚だが、
ありふれた教室以上にテーマが重いし胸に残る。もし、自分だったらどうするか。
観てよかったし見事な作品。

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ナベさん

3.5難しい、けど子供は大人の言動見て育つから

2025年3月17日
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作品中、担任の先生もノラに語りかけたように、どこまで介入すればよいのか?どの時点で見極めればよいのか?
とても難しいですね。
ただ、子供たちは何の意識も無いまま、家庭内の夫婦の会話や大人同士の会話を聞いていて、子供間でそのままを口にします。行動だってきっとそうですよね。
そう考えるとやはり大人の責任て物凄く大きい。
そんなこと考えながらスクリーンを眺めていましたが、監視員って人はほとんど用をなしていなくて、それが腹立たしかったな。
結果、作品のエンディングと同様、学校の数だけ、いや、子供の数だけ世界はあって、正解なんかどこにもない、でもみんなが心を砕いて向き合わなければ世界はますます荒廃してしまいそうですね。
愛が必要だ。
それにしても子供たちの演技は凄かった!

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ニコラス

4.0子供の社会

2025年3月14日
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悲しい

知的

難しい

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レント

4.07歳の 世界(un monde=原題)

2025年3月14日
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接写が最後までずっと続きます。妹ノラの目線なのですが、視覚だけでなく感情の揺れもカメラに常に乗っています。

ベルギー版「だるまさんが転んだ」のような本来微笑ましいはずのシーンもあるのですが、実際は常にゾワッとした感情に支配され過呼吸になりそうでした。

本作の監督が「学校は読み書きだけでなく、他者との関係を学んでいく場所」とコメントしています。確かにそうなのですが、7歳のノラにとっては学校が外の世界の全てであり、厳しい関係性をいきなり咀嚼しなければいけないのはとてもハードルの高い体験だったでしょう。それでもラストの兄への行動と体温が感じられるような抱擁に、彼女の素晴らしい成長が見えたような気がします。

ノラ役のマヤ・ヴァンダービーク この方何者なんですかね!とにかく凄い。もはや演技という概念を超越していたと思います。

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sugar bread

4.5凄い演技力だ

2025年3月14日
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圧巻のラストだ

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K3

3.5見るのは結構つらい

2025年3月14日
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悲しい

難しい

視野を狭く、目線が低い演出に、かなり閉塞感を覚えるので、見るだけで疲れてしまう作品だった気がします。内容もなかなかつらいし・・・
ただ、作品の意図するところや目指しているところが十二分に表現されているとも言えるので、かなり優れているとも─
なので、この尺でギリ耐えることができたように思います。それも含め、かなり絶妙な作品であるとは思いますが、なかなかねぇ・・・

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SH

4.5見たくない現実を突きつけて来る”問題作”

2025年3月13日
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鶏

3.5ドキュメントにしか見えないくらい、 うまくできた映画 疑問を感じる...

2025年3月13日
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ドキュメントにしか見えないくらい、

うまくできた映画

疑問を感じる流れもあるけど、

色々感じたり考えたりできた

全然関係ないけど、

同じ日に見た別の映画(フライトリスク)でも、

この映画と全く同じビニール袋の使い方をしていて、

あまりのシンクロに驚いた

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jung
PR U-NEXTで本編を観る