「タイトルなし(ネタバレ)」Playground 校庭 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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小学校に入学した内気なノラ(マヤ・ヴァンダービーク)は、校内で兄アベル(ガンター・デュレ)が虐められているのを目撃する。
体格が小さいこと、父親が失業中で専業主夫をしていることなどが理由のようだが、理由なんて何とでも付けられる。
見かねたノラは父親に報告した後、虐めは激化してしまう。
アベルは自分が虐めの対象から逃れるため、自分より小柄の黒人少年の虐めに加担するようになる・・・
といった物語で、原題「Un monde」が示すように、小学校はひとつの世界。
独自の弱肉強食ヒエラルキーが存在している。
終始、短焦点のカメラで、高さも低く、ノラの視座で描かれます。
このあたりが、映画としての独特のルックをもたらしています。
ラスト、虐める側に転じた兄を見かねたノラが、兄を抱きしめることにある種の希望のようなものを見出すことが出来るともいえますが、それだけで弱肉強食のヒエラルキーに変化が訪れるとも思えず、個人的には「絶望の、怖い怖い、ひとつの世界」だったと感じました。
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