「彼らの世界」Playground 校庭 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
彼らの世界
小学校に入学するもなかなか馴染めずにいた少女が、ある日学校で兄が虐められている姿を目撃してしまい…。変わりゆく複雑な兄妹関係の物語。
初っ端から今生の別れかと思ってしまいそうな初登校場面から始まり、あれよあれよと言う間に兄アベルの辛い姿を目の当たりにし…。
軸として描かれているのが虐められている兄ではなく、その現状を見守る妹であるという点が斬新ですね。
自分の子供時代を思い出せば誰にでもすぐ分かると思いますが、子供の社会も大人が思う程単純じゃないですよね。
ノラ自身は当然何も悪いことをしていないのに、アベルのこともあり…子供の無邪気さは時に本当に残酷だ。
パパもねぇ…心配になるのは勿論だが、その干渉の仕方を間違えば事はより複雑に…。
そんな感じで、とにかく子供社会の残酷さをリアル過ぎるほどに描いていて目が離せない。そして終盤には…おいおいどうしてそうなっちまうんだよ…。
結局誰も彼も、見下し虐める相手がいることで自分を保っていられるのか。まぁ、大人でもよくあることか。
リアリティいっぱいに描いている点が良かっただけに、最後はちょっとある意味映画っぽすぎてアレだったけど、誰しもが没入できる狂おしさをヒシヒシと感じさせてくれる良作だった。
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